- 1 【2023年最新】多店舗展開の為のECサイト受注処理システムの徹底比較
- 2 ECサイトを多店舗出店したほうがいい理由
- 3 ECサイト多店舗展開のメリット
- 4 ECサイト多店舗展開のデメリット
- 5 受注処理システムの料金・機能比較表
- 6 受注処理システムのモール・カート対応表
- 7 ECサイトの多店舗展開についてのまとめ
【2023年最新】多店舗展開の為のECサイト受注処理システムの徹底比較
ECサイトを運営されている方で、自社ECサイトのほかに、楽天市場やAmazonなどに「多店舗展開」されている方なら、受注処理システムを一元管理するケースが多いです。
多店舗展開をしているのに、受注処理を各モールやカートシステム毎にバックヤードで対応していると、受注処理を実施するのに人手と時間がかかってしまうデメリットがあります。
ネットショップの運営で売上を最大化させるには、ネットショップの多店舗出店は必ず通る道です。
今回は、自社ECサイトをはじめ、楽天市場やAmazon、出店費用がかからないヤフーショッピングやWowma!(ワウマ)などで多店舗出店している現役店長が、ネットショップの多店舗運営に必要となる受注処理システムについて徹底考察してみます。
ECサイトを多店舗出店したほうがいい理由
ネットショップを運営されている方なら一度は聞かれたとこがある言葉が「多店舗展開」ではないかと思います。
筆者は現在、自社ECサイトはMakeshopとBASE (ベイス)、カラーミーショップなどで開設、店舗運営を行っていますが、
自社ECサイト以外には、以下のショッピングモールにてネットショップを出店しています。
このサイト運営者が運営しているネットショップ
これだけたくさんのネットショップを同時に運営していますが、
日々のネットショップ運営業務である「受注処理」に関しては、
担当者は「たったのひとり」で対応しています。
そもそも当店の場合、ネットショップ運営にかかわる担当者は店長を含めて、3人しかおりません。
一日あたりの受注件数は、楽天スーパーセールなどの大型セールの時は
500件~800件ほどにも上りますが、セール時であっても
当店の受注処理担当者は「たったのひとり」で対応できています。
なぜ、こんなにたくさんのネットショップ運営を行っているのに
たった一人で受注処理ができるのか?
その理由は、「受注処理システム」を使って受注を一元管理しているからです。
受注処理が一人で対応できるのであれば、自社ECサイトだけにとどまらず、
楽天市場やAmazon、ヤフーショッピングなど国内主要ショッピングモールに
同時出店することも視野に入ってくるという方も多いのではないでしょうか?
ECサイトを多店舗展開したほうがいい理由は、単純に「売上が店舗の数だけ増えるから」です。
今回は、多店舗展開についてのメリット・デメリットから、
実際に多店舗運営を実現させるために必要となる「受注処理システム」について
現在多くの多店舗運営者が使っている有力な受注処理システムを料金面も含めてご紹介したいと思います。
ECサイト多店舗展開のメリット
ECサイトを多店舗で運営するメリットは「売上増大につながる」からです。
自社ECサイトを運営されている方なら、最もお困りのこととして「集客が難しい」ということではないでしょうか。
国内の人気カートサービスであるカラーミーショップなどは、月額固定費も安く
多くのユーザーから支持されているサービスですが、集客面は自力で対応が必要です。
これはMakeshopやBASE、ショップサーブなどのサービスであっても同じ課題であり、
自社ECサイト運営における「永遠の課題」と言ってもよいほどに、ネットショップ運営者の
頭を悩ませる大きな問題です。
楽天市場やAmazon、ヤフーショッピングやWowmaなどは、いわゆる「ショッピングモール」と呼ばれる
たくさんの出店者があつまる「商店街」のようなネット販売方法となります。
自社ECサイトでは、とても集めることができないような膨大なアクセス数を
テレビコマーシャルなどをはじめ、インターネット上の広告なども利用して
集客してくれるのがモール出店の最大のメリットです。
モールによって、プレミアム層とよばれる優良会員層が存在します。
楽天市場なら、ダイヤモンド会員やプラチナ会員、Amazonなら、アマゾンプライム会員、
ヤフーショッピングなら、ヤフープレミアム会員といった具合に、モール毎に固定会員を持っています。
こうした各モールの固定会員は、ネットショッピングを自分が会員登録しているモールで
集中的に行う傾向が非常に強いというデータがあります。
理由は、同じショッピングモールで買い物をすれば、それぞれのモールで
獲得できるポイントが集中的にたまるので、次回の買い物の際にポイントを割引として利用できるからです。
楽天市場なら、楽天スーパーポイントを発行しています。楽天スーパーポイントは、マクドナルドや
家電のJohinなどでも貯まるポイントで、ポイントサービスでは国内ナンバー1の流通額となっています。
AmazonではAmazonポイントが発行されていますが、楽天スーパーポイントと比べると
使える場所がAmazonに限定されるため、ポイントの魅力は弱まります。
ただし、Amazonではプライム会員になっていれば、映画やTV番組が見放題で視聴できるプライムビデオなどの
コンテンツが受け取れますし、プライム便と呼ばれる翌日配送便も利用できるメリットがあります。
ヤフーショッピングは、「Tポイント」が獲得できますが、Tポイントも吉野家などの実店舗で利用できるため
汎用性の高いポイントとして人気があります。
ショッピングモールへ複数出店することで、それぞれのモールのお得意様を
自分のネットショップの顧客対象とできるため、各モール毎の売上を作れることが
多店舗展開の最大のメリットです。
ECサイト多店舗展開のデメリット
ECサイトの多店舗出店のデメリットとして、2つ大きなデメリットがあります。
ひとつは、コスト面、出店するモールが増えるほど、月額固定費が上がります。
楽天市場では、一番安い「がんばれプラン」でも月額約2万円の利用料がかかりますし、
CSV一括登録などのオプションサービスを使えば、月額費用が更に1万円以上追加で必要です。
年間にしてみれば、40万円以上の固定費がかかる計算になります。
その上、販売成立時にも決済手数料と合わせて約10%程度の販売手数料が必要です。
こうしたショッピングモールの複数出店時には固定費がかさんでしまうデメリットがあります。
ただ、楽天市場は比較的固定費がかかるモールですが、ヤフーショッピングやWowmaなどは
出店料と固定費にかんしては、実質無料で出店できるというキャンペーンを実施しています。
多店舗展開しても固定費がかからない、もしくはほとんど必要ないモールもありますので
ご自身がどのネットショッピングモールに出店するべきかは、売場比較を十分に行ってみてください。
以下に、実際に出店している筆者がモール毎の考察をまとめていますので参考にしてください。
【参考】【完全版】現役店長が本気でおすすめするネットショップ・モールの出店比較
【参考】【現役店長が検証】楽天市場とAmazonの出店時の違いを比較
【参考】どっちがおすすめ?楽天市場とヤフーショッピングの出店の違いと費用の比較
【参考】4年間Qoo10(キューテン)に出店中の店長の感想と評判とメリット
【参考】wowmaの新プランと出店してみての評判 手数料まとめ
【参考】ECサイト開設で人気のカラーミーショップは売れない?評判は本当か?料金などを徹底比較
もうひとつ、多店舗展開におけるデメリットは、モールが増えれば増えるほど
受注処理や商品管理が煩雑になるというデメリットがあります。
特に商品は、在庫連携を実施していないと、ショッピングモール毎に
在庫がくるってしまう恐れがあります。
商品管理も可能であれば一元管理システムを導入されることをおすすめします。
今回は、受注処理に的を絞って、受注処理システムの料金・機能比較を
この後詳しくご説明していきたいと思います。
受注処理システムの料金・機能比較表
2017年12月時点で、実際に利用することができる受注処理システムで、比較的多数の出店者から支持されているサービスをいくつかピックアップしました。
今回紹介する受注処理システム以外にも、月額利用料の安いサービスや、システム面・機能面で優れているサービスはまだまだあると思います。
今回の受注処理システムの選出に関しては、利用者が多く、ある程度安定的な運営ができているものに絞ってご紹介しています。
ここでは、仮に以下の条件のネットショップを例にして、各社の料金比較を行いました。
- 月間受注件数が1500件(50件×30日=1500件)
- 商品点数は2000点と仮定
- 運営しているネットショップ数は3つ(楽天市場・Yahooショッピング・Amazonと仮定)
- 必要最低限のオプションは利用するものとする
料金や仕様、機能については、更新されている場合がありますので各システムの
詳細ページにて最新の情報をご確認ください。
多店舗展開に必要となる受注処理システムの参考事例
楽楽バックオフィス
初期費用 | 10万円 |
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月額利用料 | 30,000円~(1店舗追加毎に1万円の追加費用が必要) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
※月商に対して、月商の0.19%の従量課金が発生
ネクストエンジン
初期費用 | 無料 |
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月額利用料 | 1万円~(月間受注件数が400件まで) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
CROSSMALL(クロスモール)
初期費用 | 無料 |
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月額利用料 | 5,000円~(サイト数と登録商品数によって変動) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
プラン3000が適用される(商品点数3000点まで) 14000円×3サイト=42000円(税抜)
助ネコ
初期費用 | 3万円(アンケート回答で1万円になるキャンペーンあり) |
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月額利用料 | 2,000円~(月間受注件数が100件まで) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
取込件数2,000件までは月額費用最大20,000円。2,000件を超えた場合、1件につき20円の清算金が発生する。
アシスト店長
初期費用 | 無料 |
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月額利用料 | 1万円~(月間受注件数が400件まで) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
10000円+15000円(600件×25円)+10000円(500件×20円)
TEMPOSTAR(テンポスター)
初期費用 | 無料 |
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月額利用料 | 最低月額費用1万円~(商品点数+受注件数で決定) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
商品点数:2,000円+受注件数:15000円(600件×25円)+18000円(900件×20円)
まとまるEC店長
初期費用 | 無料 |
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月額利用料 | 9,800円~(商品登録数が3000点まで) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
GoQシステム(ごくーシステム
)
初期費用 | 3万円 |
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月額利用料 | 15,000円~(4大モールが基本セット) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
特攻店長
初期費用 | 100,000円(税抜) |
---|---|
月額利用料 | 1万円~(月間受注件数が500件まで) |
主な機能と特長 |
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受注システムの料金表
1ヶ月の受注件数1500件あたりにかかる費用
受注処理システムのモール・カート対応表
ネクストエンジン | クロスモール | 助ネコ | アシスト店長 | テンポスター | 楽楽バックオフィス | まとまるEC店長 | ごくーシステム |
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初期費用 | 無料 | 無料 | 3万円 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 3万円 |
月額料金 | 1万円~ | 5,000円~ | 2,000円~ | 1万円~ | 1万円~ | 5,000円~ | 9,800円~ | 15,000円~ |
備考 | 受注件数400件までが基本料金 | サイト数と登録商品数で月額料金が変動 | 月間受注件数が100件までは最低料金 | 月間受注件数が400件までは最低料金 | 商品点数+受注件数で月額料金が決定 | 月商500万円未満までは最低料金 | 商品登録数が3000点までは最低料金 | 4大モールが初期セット料金 |
主な受注処理システムのモール対応表
ネクストエンジン | クロスモール | 助ネコ | アシスト店長 | テンポスター | 楽楽バックオフィス | まとまるEC店長 | ごくーシステム |
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楽天市場 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Amazon | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Yahooショッピング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Wowma! | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
ポンパレモール | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Qoo10 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
ヤフオク | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
SHOPLIST | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | × |
ZOZOTOWN | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
ヤマダモール | ○ | ○ | ○ | × | △ | × | × | ○ |
NETSEA | ○ | × | × | × | × | × | × | ○ |
主な受注処理システムのカート対応表
ネクストエンジン | クロスモール | 助ネコ | アシスト店長 | テンポスター | 楽楽バックオフィス | まとまるEC店長 | ごくーシステム |
|
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MakeShop | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
BASE | × | × | ○ | × | × | × | × | × |
FutureShop2 | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | × | ○ | ○ |
カラーミーショップ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ |
EC-Cube | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | × | × | ○ |
おちゃのこネット | ○ | × | ○ | × | × | × | × | × |
ショップサーブ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | △ | ○ |
BカートASP | ○ | × | × | × | × | × | × | ○ |
まるごとEC | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
Zencart Pro-R | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
easy my shop | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
ebisumart | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × | × |
リピスト | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
たまごリピート | ○ | ○ | × | × | × | × | × | ○ |
ECサイトの多店舗展開についてのまとめ
今回はネットショップの運営において、規模拡大、売上拡大を目指す店舗さんには
いつかは行うことになる多店舗出店・多店舗展開について実際に多店舗出店している
現役店長の視点からメリットとデメリットを考察してみました。
ネットショップで多店舗運営を実施するためには、人的なリソースと運営コスト面での
費用の捻出が必要不可欠となります。
また、商品管理、在庫管理をシステムによって一元化することも必須で必要となります。
受注処理についても同様にシステム化して一元化しなくては、複数のモールの
バックヤード毎にログインして処理を実施する必要があります。
受注の件数によっては対応人員を雇わなくては到底追いつけない事態になりますので
多店舗出店を検討されている方は、事前に商品管理と受注管理を一元化できる
サービスの利用も踏まえて考えられるといいと思います。
ECサイトの多店舗出店を検討されている方の参考になれば幸いです。