バックヤード研究所とは、楽天市場
のRMS、ヤフーショッピングのストアクリエイターPro、Amazonのセラーセントラルなど、管理画面の有効活用を研究する現役店長の調査ブログである。
ある有名な店長の言葉にも「バックヤードを制する者は、ネットショップを制す」という言葉があります。
バックヤード、管理画面の機能を100%活用できる日を目指して、店舗運営の記録を残していきたいと思います。
Amazonのマケプレプライムの登録方法と利用条件
Amazonのマケプレプライムとは
Amazonでは、Amazon自体が出品している商品には「Prime」というマークがついているのはご存じの方も多いと思います。
Amazonでは、プライムマークがついている商品は「プライム便の対象商品」となり、最短翌日納品が可能な商品であることを表しているため、ユーザーの購入率、転換率が非常に高くなる傾向があります。
では、マケプレプライムとは一体どういう販売方法なのでしょうか?
マケプレプライムとは、マーケットプレイスとプライムが合わさった言葉で、アマゾンに出品している出店者が、自社からの出荷の商品に対して、プライム対象商品として販売できる機能の事を言います。
Amazon.co.jpでは、「プライムマーク」が付いている商品ほど、購入率がアップする傾向があるのですが、通常では、プライムマークはAmazonが出品している商品や、FBAでアマゾンに販売代行を依頼している商品に限られていました。
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マケプレプライムは、自社からの発送商品に対してもプライム対象とすることができるため、アマゾンの主要購買層であるプライム会員にも強く訴求できるメリットがあります。
では、マケプレプライムのメリットについてより詳しくご説明したいと思います。
Amazonのマケプレプライムのメリット
Amazonでマケプレプライムにて商品を出品するメリットをご説明いたします。
筆者が考えるマケプレプライムのメリットとしては、以下のメリットがあります。
(1)自社出荷の状態でプライム対象商品にできる
アマゾンでは、プライム対象商品は、基本的にAmazon.co.jpが出品、出荷する商品が中心ですが、マケプレプライムなら、自社からの出荷商品に対してもプライム対象と同等の扱いで販売することができます。
Amazonでは、売上総額の6~7割を「アマゾンプライム会員」が捻出しているというデータがあり、プライム会員のほとんどが「プライム対象商品から商品を選ぶ」傾向があります。
自社から発送する商品をプライム対象にできるというだけで非常に大きなメリットがあります。
(2)プライム対象となることで商品露出が拡大する
マケプレプライムを利用することで、商品がプライム対象となり、結果として商品の露出機会が増える傾向があります。
配送オプションなどでプライムに絞込み検索されることがありますが、この場合にもしっかりと検索結果に残ることができます。
楽天市場
などのショッピングモールにも言える傾向なのですが、商品の露出率がアップすることで、売上が増加する傾向があるため、プライム対象になることで露出強化されるのは、売上アップにもつながります。
(3)カートボックス獲得率があがる
これはアマゾンで商品を出品している方ならすでに周知の事実だと思いますが、Amazonではショッピングカートボックスを獲得している商品が、同じ商品を販売している出品者の中で最も売れる商品となります。
プライム対象となっている商品ほど、カートボックスを獲得しやすいというデータが公式でも発表されていますので、Amazonで高い売上を目指すにはプライム対象は必須とも言えます。
アマゾンでカートボックスを獲得する方法については、以下のページに具体的方法をまとめていますのでこちらも参考にしていただければと思います。
(4)転換率アップにつながる
これは、プライム対象商品となると、結果的に売れやすくなる、転換率アップにつながるという意味でもあります。
マケプレプライム対象商品は、条件としては、プライム便の対象でなくてはなりません。
その為、プライム対象となる商品に対しては、非常に厳しいルールが設定されています。
配送納期であったり、送料無料対応であったりと、プライム便の条件は、ユーザーにとっては非常にメリットが高いため、「プライム」のマークがついているだけで一種の安心感を与えることができます。
アマゾンでより高い売上を作るためにはプライム対象となることは、一つの前提条件といえるかもしれませんね。
アマゾンのマケプレプライムの参加資格
アマゾンでマケプレプライムに参加する条件としては、以下のような条件が定義されています。
マケプレプライムで定められた規準の配送品質の維持
マケプレプライムで定められた基準の配送品質とは、追跡可能率94%以上、期日内配送率が96%以上という条件があります。
更に、出荷前キャンセル率が1%未満という条件もあり、キャンセル率がほとんどないこともマケプレプライム参加の前提条件となります。
つまりは、無在庫販売などで一種の転売的な販売を行うような出店者の場合、在庫確保ができずキャンセルとなる可能性が高いのでキャンセル率が1%以上になる傾向があります。
低品質な出品者を排除する意味でもプライム対象となることは、重要なポイントです。
日本全国への通常配送、出品者が選択した対象地域へのお急ぎ便の提供
実はマケプレプライムでは、全国一律でお急ぎ便の対応を行う必要はありません。
出品者が商品を発送する地域によっては、特定都道府県までの納品日が2日以上かかる地域もあると思います。
通常配送は全国対応ですが、お急ぎ便は、出品者が指定した都道府県のみに設定する事ができます。
意外に全国お急ぎ便対応が必要と考えられている方が多いので、この点には安心していただければと思います。
通常配送料無料、Amazonプライム会員へのお急ぎ便送料無料の提供
マケプレプライムでは、通常送料無料の対応が必要です。
ここが、出品者によっては配送契約している会社などの運賃との兼ね合いで難しくなるという方も多いと思います。
運賃に関して言えば、Amazon自体の配送料が使えるFBAを利用すれば、自社出荷よりも安い送料で出荷が可能になるケースもあります。
マケプレプライムでは難しくても、FBAでアマゾン自体に販売してもらい、プライム商品にするという手段も有効だと思います。
Amazon上で追跡が可能な配送方法の利用(ヤマト運輸、日本郵便のお問い合わせ番号がある配送方法)
マケプレプライムで発送する商品は、2018年9月時点では、ヤマト運輸と日本郵便の2社のみが対象です。
佐川急便やその他追跡不可の配送方法では、プライム対象となることはできませんので注意しましょう。
ゆくゆくは、佐川急便などもマケプレプライムの対象になるかもしれませんが、現在の所は、クロネコヤマトかゆうパックのみが対象となります。
Amazonのポリシーに基づく返品・返金対応
Amazonでは、返金、返品に関する条件も厳しく定められています。
自社ECサイトなどで返品不可でネット販売されている方もおられますが、マケプレプライムでは、基本的に購入者都合であっても返品を受け付けなくてはならないという条件があります。
もちろん、注文者の都合のキャンセル、返品であれば、送料は購入者負担となりますので店舗側の負担はありません。
Amazon.co.jpが販売する商品は、基本的に一定期間内はキャンセル可能、返品可能となっているため、マケプレプライムでも同じような条件を設定されるわけです。
マケプレプライムの継続条件
Amazonでマケプレプライムの参加許可が下りた後でも、厳しい継続条件を満たしていく必要があります。
過去30日間のマケプレプライム対象商品の出荷において、以下の配送品質基準を満たしておかないとマケプレプライムを継続することができないので注意してください。
当店も、何度か品質基準が下回ったため、マケプレプライム販売が停止になったことがあります。
- 追跡可能率:94%以上
- 期日内配送率:96%以上
- 出荷前キャンセル率:1.0%未満
条件はかなり厳しいですが、普通に受注、出荷を実施していれば、追跡可能率は98%近くまでキープできるはずです。
期日内発送率に関しては、当日午後出荷の対応ができる、もしくは翌日出荷を徹底できるならクリア可能だと思いますが、出荷後の出荷通知忘れなどで遅延が発生するというケースがあります。
特に、多店舗展開などで受注処理をサードパーティのシステムを利用されている店舗さんは、出荷通知エラーなどに注意してください。
出荷前キャンセル率は、商品在庫管理を徹底する必要があります。
また、注文者都合のキャンセルの場合は、出荷前キャンセルに影響はありませんので安心してください。
Amazonのマケプレプライムのまとめ
今回はアマゾンで売上を高めるためには必須の対策でもある「プライム対象商品」を、FBA以外の自社出荷商品にも対象とできる「マケプレプライム」について現役Amazon店長がご説明いたしました。
当店でも、以前はマケプレプライムを利用して商品を販売していた経緯があります。
確かにマケプレプライムになった商品は、徹底した出荷コントロールが必要で、店舗運営においては負担も増えました。
その分、商品露出や転換率がアップしたため、注文数も大きくアップしたことは事実です。
アマゾンに出店していて、もし自社出荷対応の商品で、ヤマト運輸と日本郵便で発送が可能、しかも翌日配送などができる場合は、マケプレプライムの参加を検討されてみてはいかがでしょうか。
今回の記事の内容が、マケプレプライムの利用を検討されている方の参考になれば幸いです。