2018年最新の定期購入・単品リピート通販の動向と将来性【EC未来予想図】
EC未来予想図では、EC業界のこれから先、未来の状況を、ECサイト運営歴10年以上の現役ネットショップ店長が
現場の状況と店舗運営経験から予想するというコーナーです。
ネット通販業界は、iPhoneなどのスマホが市場に流通してから、大きな変貌を遂げてながら、成長を続けている業界です。
2017年にはEC市場の規模は16兆円超となり、百貨店などの市場規模を上回りました。
ネット通販業界にどっぷり浸かっている現役店長が、今後のEC業界の未来を予想します。
2018年上半期までの定期購入系ECの歩み
2018年上半期までの定期購入系ECサイト、単品リピート通販サイトの動向をご説明いたします。
単品リピート通販、定期購入のEコマースの事を、別名「サブスクリプション」と呼ぶことがあります。
定期購入・頒布会とは
定期購入通販の市場規模は、2018年までは右肩上がりの成長を続けてきました。
単品リピート通販の主な仕組みとしては、LP一体型フォームと呼ばれる手法が採用されるケースが多く、
ひとつの商品に対して、一つのランディングページ、それも注文フォームまでが一つのページ上で完結するタイプのサイトが
転換率が高まるということで多くの単品通販、定期購入通販の事業者が採用してきた手法でもあります。
単品リピート通販が採用される商材としては、以下の商材が単品リピート通販と相性が良いと言われています。
- 健康食品
- ダイエット系商品
- サプリメント
- 基礎化粧品
- 日用品・消耗品
ただ、成長とは裏腹に、定期購入通販では、消費者からのトラブルについての相談も右肩上がりに増えている現状があります。
トラブルの理由は、よくある「初回無料」などの謳い文句が、実際には、「初回だけ無料で、一年間の有料契約だった」といったようなケースです。
こうしたトラブルが増え続けたことを受けて、平成28年改正特定商取引法が施行されることになりました。
平成28年改正特定商取引法とは
単品リピート通販は、これまで急激な成長を遂げてきましたが、平成28年改正特定商取引法の施行によってその成長が鈍化する可能性が高いと思います。
単品リピート通販、定期購入通販のオススメの方法は、以下のページに詳しくまとめていますのでこちらも参考にしていただければと思います。
2018年の定期購入系ECの年末商戦へ向けて
単品リピート通販、定期購入通販を行われている方へ年末商戦の対応策についてご説明したいと思います。
まず、多くの単品リピート通販サイトは、リピスト
やカラーミーリピート
、たまごリピートなどのASPのカートサービスで構築されていることが多いと思います。
こうした、ASPカートサービスの場合、楽天市場やヤフーショッピングなどのインターネットショッピングモールと異なり、
カラーミーショップ
やMakeShop
、簡単ECサービスのBASE (ベイス)
などと同じく、自社ECサイトの種類となります。
その為、ネットショップへの集客は、自力で行わなくてはならないため、年末商戦であっても通常時であっても
まずは、集客をどうやって実施するのかということが最優先の課題となります。
ネットショップ、それも自社ECサイトが行う集客方法としては、リスティング広告を利用した集客方法か、
ツイッターやFacebook、インスタグラムやLINEなどのSNSを利用した集客、もしくは、検索対策であるSEO対策の
いずれかで実現することになると思います。
それぞれ集客方法によっては、費用がかかったり、手間や時間がかかったりとメリット、デメリットがありますが
どれがベスト!というものではなく、総合的に可能な手段はすべて講じていくということになると思います。
強いて挙げれば、単品リピート通販は、商品ページがランディングページとフォームが一体となった1ページで完結していることが多いため
リスティング広告などの対象ページとしては、広告効果を集約しやすいというメリットがあります。
ただし、広告に頼り続けていると、広告費用がかさみ、結果としては赤字運営に陥ることもありますので
可能であれば、費用をかけず、永続的に集客が可能となる方法を選択されると良いと思います。
筆者が最も効果があると思うネットショップの集客方法として「コンテンツSEO」「オウンドメディア」という手法があります。
また、無料で集客できる方法として、筆者が考える方法を以下のページにまとめていますのでこちらも参考にしていただければ幸いです。
2019年以降の定期購入系ECの予想
2019年以降の定期購入通販、サブスクリプションの動向について、予想してみたいと思います。
まず、2019年以降の定期購入市場は、定期購入としては、成長を続けていくと思います。
ただし健康食品やサプリメントなどの単品リピート通販で、初回無料などの施策に頼ってきた通販事業者は、
平成28年改正特定商取引法の施行によって、成長は続きますが、成長速度が鈍化する恐れがあります。
これまでは、初回無料、お試し価格などで一回目の購入を優先してきて、その結果として、初回分を購入したユーザーが
定期購入の契約になっていたことが後から判明、しかたなくそのまま契約を続けているというケースが非常に多かったのです。
これが、改正特定商取引法の施行により、注文画面、買い物カゴの最終画面などで、注文商品の総額表示が義務付けられました。
初回無料であっても、一年間の契約の場合、総額で10万円かかりますよという記載が注文確定画面の前に必ず表示されるため、
「無料」という言葉につられたユーザーも、総額10万円必要とわかると、離脱する可能性が高くなります。
これは、ネットショップ運営における「カゴ落ち」という問題でもあります。
これまでは初回無料などの表記だけを目立たせてきた単品リピート通販業者も、総額表示が義務付けられたことで
こうした一時的な購入をあおる手法が使えなくなりました。
ただし、本当に良い商品であれば、初回無料で試してもらい、その後ユーザーの意思によって
再注文してもらうという流れを、アフターフォローメールなどの施策で、正当な方法で実施していけば問題はないと思います。
悪質な事業者が撲滅されるのであれば、これほど有用なことはありませんから、
この流れはむしろ歓待すべきだと筆者は考えています。
特に、単品リピート通販は、一部悪質な事業者も存在していますので十分に注意してください。
EC未来予想図:定期購入系EC編のまとめ
今回はEC未来予想図の定期購入系EC編として、単品リピート通販やサブスクリプションの動向などを予想してみました。
改定特定商取引法が施行されてから、悪質な事業者は確実に排除されはじめていますから
単品リピート通販業界は徐々に清浄化されていると考えてよいと思います。
これまでの単品リピート通販業界は、初回無料など最初の一回目を如何に獲得するかという点ばかり施策をこうじ、
その後は、年間契約などを消費者の知らないうちに結ばせるという悪質な手法も横行していました。
今後はこの流れが正当なフローで実施されるため、こうした初回無料被害は減少していくでしょう。
ただ、定期購入通販や単品リピート通販の手法、購入方法については、やはりユーザーにとっても
定期的に注文を入れず自動化したいというニーズがあるので、成長はまだまだ期待できると思います。
リピート通販をはじめたいというEC事業者の方は、まずはコストをかけずに単品通販を実現することをおすすめします。
単品リピート通販では、異例ともいえる初期費用無料、しかも月額1万円以下というECサービスもあります。
今回の記事の内容が、単品リピート通販、サブスクリプションなどの定期購入通販の将来性を調査されている方の参考になれば幸いです。