「ネットショップを始めたいのですが、販売できる商品が5商品しかありません。もっと商品数を増やしてからオープンした方がよいでしょうか?」ネットショップを始めるとき、商品数の少なさを気にする方は少なくありません。
Amazonや楽天市場、大手ネットショップを見ると何百、何千という商品が並んでいるため、「最低でも50商品くらい必要なのでは?」「商品が1~2点しかないとネットショップは成り立たない?」と思うかもしれません。しかし、ネットショップに「最低○商品必要」という共通の決まりはありません。
商品数が多ければ検索やカテゴリーからユーザーと接点を作れる機会は増えますが、商品数だけを増やせば売上が伸びるわけではありません。1商品でも強い需要があり、商品ページ・集客・販売導線がきちんと作られていれば販売できます。
この記事では、ネットショップの商品数をどのように考えればよいのか、商品が少ないショップが売上を作る方法、商品数とSEOの関係までEC運営の実務視点で解説します。
この記事の結論
- ネットショップに最低商品数という共通の正解はない
- 商品数が多いほど売上が増えるとは限らない
- 1~5商品でも商材によっては十分に販売できる
- 商品数を増やすなら顧客にとって意味のある商品を増やす
- SEOのためだけに似た商品ページを量産しない
- 商品数よりCVR・客単価・粗利益・リピート率も確認する
結論|商品数は「多ければよい」ではない
ネットショップの商品数は、少ないより選択肢が多い方が顧客との接点を作りやすくなるケースがあります。しかし、売上を決めるのは商品数そのものではありません。商品数を増やす前に、その商品を欲しい人がいるか、商品を見つけてもらえるか、購入する理由を伝えられているかを確認することが重要です。
例えば「商品100点あるものの需要がほとんどないショップ」と「商品5点でも明確な需要があるショップ」なら、後者の方が売れることは十分あります。商品数を増やす場合も「数を増やすこと」を目的にするのではなく、検索される入口、顧客の選択肢、客単価を上げる機会を増やすという視点で考えましょう。
商品数より先に確認したい5つのこと
- その商品を欲しい人がいるか
- 検索・SNS・広告などから見つけてもらえるか
- 商品ページで購入理由を伝えられているか
- 他店ではなく自店から買う理由があるか
- 販売したときに利益が残る価格になっているか
商品数が多いネットショップのメリット
商品数は多ければよいわけではありませんが、顧客にとって意味のある商品を増やすことには明確なメリットがあります。特に、検索される入口を増やす、顧客の選択肢を増やす、ついで買いやまとめ買いにつなげるといった効果が期待できます。
検索される入口を増やしやすい
例えばコーヒー豆を1種類だけ販売する店舗と、「深煎りブレンド」「浅煎りブレンド」「デカフェ」「エチオピア」「ブラジル」「コロンビア」など複数の商品を扱う店舗では、後者の方が異なる検索ニーズに対応できます。「コーヒー豆」という大きな検索だけでなく、「デカフェ コーヒー豆」「エチオピア 浅煎り」といった具体的な検索から商品を見つけてもらえる可能性があります。
GoogleもECサイトについて、カテゴリーからサブカテゴリー、商品ページへ適切にリンクし、Googleが販売商品を発見できるサイト構造を推奨しています。ただし、これは「商品ページを大量に作ればSEOに強くなる」という意味ではなく、それぞれの商品に異なる需要や価値があることが前提です。
参考:Google Search Central|ECサイトの構造をGoogleに理解してもらう方法
顧客の選択肢を増やせる
同じカテゴリーの商品でも、価格、サイズ、色、容量、用途、デザインなどの選択肢があることで、ユーザーは自分に合った商品を見つけやすくなります。例えばTシャツ1種類だけより、複数の色やサイズから選べる方が、多くの顧客ニーズへ対応できます。
ただし、色やサイズが違うだけの商品ページをSEO目的で大量に作る必要はありません。Googleは色・サイズなどの商品バリエーションを同じ親商品として扱うための構造化データにも対応しているため、「商品ページ数を増やすこと」と「顧客の選択肢を増やすこと」は分けて考えることが重要です。
ついで買い・まとめ買いにつなげやすい
商品数が増えると、主力商品と一緒に購入できる関連商品を提案しやすくなります。例えばコーヒー豆を購入する人にフィルターを提案したり、化粧水を購入する人に乳液を提案したりすることで、1回の注文金額を高められる可能性があります。
また、2個セット、3個セット、ギフトセットなど顧客にとって購入する理由のあるセット商品を用意することも有効です。商品数を増やす目的は単なる品揃えではなく、1人のお客様により良い買い方を提案することにもあります。
商品数が多ければ多いほど売れるわけではない
以前は「1商品より100商品あった方が売れるチャンスも100倍になる」という考え方もありましたが、実際のEC運営はそれほど単純ではありません。100商品を登録すれば、商品画像、商品説明、在庫、価格、広告、SEO設定、レビューなど管理する対象も100商品分に増えます。
商品数を増やすことに時間を使いすぎると、主力商品のページ改善や集客施策が中途半端になることもあります。立ち上げ初期であれば、100商品を50点の完成度で掲載するより、10商品を95点まで作り込む方が成果につながるケースもあります。
重要なのは「商品数」ではなく「販売できる状態まで仕上げられる商品数」です。
ネットショップを始めるのに最低何商品必要?
ネットショップに「最低10商品」「最低30商品」といった共通の正解はありません。適切な商品数は、商品の性質、ユーザーの買い方、価格帯、リピート性などによって大きく変わります。
1~5商品でも成立しやすいケース
- オリジナル商品
- D2Cブランド
- 自社開発商品
- 高単価商品
- 専門性の高い商品
- 定期購入される商品
- SNSなどから指名買いされる商品
このような商材であれば、1~5商品でも十分にネットショップを運営できます。むしろ商品数を増やすより、主力商品について「どんな人向けか」「どんな悩みを解決するか」「他の商品と何が違うか」を深く伝えるLP型の商品ページの方が向いている場合もあります。
10~50商品程度あると選びやすいケース
- アパレル
- 雑貨
- 食品
- コスメ
- インテリア
- ギフト
複数の商品から比較して選ぶこと自体に価値があるカテゴリーでは、ある程度の品揃えがあった方がユーザーは選びやすくなります。価格、用途、デザイン、容量などで選択肢を整理し、自分に合った商品へたどり着きやすくすることが重要です。
100商品以上が強みになりやすいケース
- 総合通販
- 部品
- 工具
- 業務用品
- 型番商品
- 専門商材
- 多数のメーカーを扱う小売店
このようなショップでは、「欲しい商品を探せること」そのものが店舗の価値になります。商品数が多くなるほどカテゴリー設計、サイト内検索、絞り込み、在庫管理なども重要になるため、単純に登録商品を増やすだけでは不十分です。
ここで紹介した商品数はあくまで考え方の目安です。「○商品以上あれば売れる」という基準ではありません。
商品が1つしかなくてもネットショップは作れる?
商品が1つだけでもネットショップは作れます。実際に、1つの主力商品を中心として事業を作る「単品通販」という販売方法もあり、オリジナル化粧品、食品、寝具、家電、雑貨などさまざまな商材で利用されています。
この場合に重要なのは商品数ではなく、1商品を買う理由をどこまで伝えられるかです。商品が少ないほど1ページあたりの重要性が高くなるため、商品説明を簡単に済ませるのではなく、購入前の疑問や不安をできるだけ解消できるページを作りましょう。
1商品ショップの商品ページに入れたい内容
- どんな悩みを解決する商品なのか
- 誰におすすめなのか
- 他の商品との違い
- 商品の特徴・メリット
- 使用方法
- サイズ・容量・仕様
- 購入者が気になりやすい質問
- 使用・購入後のイメージ
- 配送・返品条件
商品数が少ないネットショップがやるべき7つのこと
販売できる商品をすぐには増やせない場合でも、できることはたくさんあります。むしろ商品数が少ないショップほど、今ある商品を売れる状態へ近づけることを優先した方がよいでしょう。
1.主力商品を徹底的に作り込む
5商品しかないのであれば、まずその5商品のページを強くしましょう。商品画像、商品説明、比較情報、サイズ、使い方、よくある質問などを見直し、商品ページへ訪れた人が「これは自分向けの商品だ」と理解できる状態にします。
アクセスがあるのに売れていない場合は、商品を10点増やすより、現在の主力商品のCVRを改善する方が売上に直結する可能性があります。
2.顧客にメリットのあるセット商品を作る
同じ商品でも、1個、2個セット、3個セット、ギフトセット、お試しセットなど、顧客にとって意味がある組み合わせなら商品展開を広げられます。ただし、商品数を増やすためだけに同じ内容の商品ページをコピーして量産するのはおすすめしません。
「まとめ買いで送料負担が下がる」「ギフトとしてそのまま渡せる」「初回だけ試しやすい」など、セットにすることで顧客側に明確なメリットがあることが重要です。
3.サイズ・色・容量のバリエーションを用意する
1商品でも「500ml・1L」「S・M・L」「白・黒・ネイビー」など、商品特性に応じたバリエーションを用意できる場合があります。顧客の選択肢を増やせますが、必ずしもそれぞれを別商品ページとして登録する必要はありません。
同一商品の色・サイズ違いなら、ECシステムのバリエーション機能を利用した方が管理しやすく、購入者にとっても比較しやすい場合があります。
4.用途別の商品を考える
既存の商品を「自宅用」「ギフト用」「初心者向け」「業務用」など顧客の用途から見直す方法もあります。ただし、中身がまったく同じ商品をページ名だけ変えて複製するのではなく、包装、容量、セット内容、付属品など用途に合わせた実質的な違いを作りましょう。
5.関連商品を追加する
主力商品そのものを増やせない場合は、周辺商品を追加できないか考えてみましょう。例えばコーヒー豆を販売しているなら、フィルター、ドリッパー、保存容器、ギフト用品などを扱うことで、品揃えを増やしながら客単価アップにもつなげられます。
6.商品以外のコンテンツを増やす
商品数が少ないからといって、サイトへの入口まで少なくする必要はありません。「商品の選び方」「使い方」「比較」「お手入れ方法」「よくある質問」など、購入前に検索される情報を記事として用意する方法があります。
例えば、商品を無理に100点へ増やすより、「商品5点+役立つコンテンツ20記事」のようなサイトの方が、自社ECでは検索流入を作りやすい場合もあります。商品ページと記事を内部リンクでつなぎ、情報収集しているユーザーを自然に商品へ案内する設計が重要です。
7.売れ筋商品へアクセスを集中させる
すべての商品を同じように売ろうとする必要はありません。アクセスや販売データから売れ筋になりそうな商品が分かってきたら、トップページ、カテゴリー、関連記事、メルマガ、SNSなどからその商品への導線を強化します。
Googleも重要なカテゴリーや商品について、トップページや関連コンテンツから内部リンクを設定し、クロールできるサイト構造にすることを推奨しています。売れる兆しのある商品を見つけ、さらに見てもらえる状態を作ることが大切です。
「商品数を増やすための商品登録」はやめよう
商品数を増やそうとして、同じ商品について「商品A 1個」「商品A 2個」「商品A 3個」「商品A 赤」「商品A 青」「商品A 初心者向け」など、ほとんど同じページを大量に作る方法はおすすめしません。顧客にとってそれぞれを別ページにする必要がなければ、商品を探しにくくなるだけでなく、店舗側の更新・在庫管理も複雑になります。
色やサイズ違いであればバリエーション機能を使い、まとめ買いであれば本当にセット商品として販売する意味があるかを考えましょう。「ページ数を増やす」のではなく「ユーザーに必要な選択肢を増やす」という考え方が重要です。
商品数より確認したい5つの数字
ネットショップを運営しているなら、登録商品数だけを見るのではなく、売上につながる数字を確認しましょう。商品数が少なくても、アクセス・CVR・客単価・利益・リピートが改善すれば売上は伸ばせます。
アクセス数
まず商品ページを見てもらえているか確認します。100商品あってもほとんどアクセスされていなければ売上にはつながらないため、SEO、SNS、広告、モール内検索など、商品を知ってもらう入口を改善する必要があります。
商品ページのCVR
CVRは、商品ページなどを訪れたユーザーのうち、どれくらいが購入などの成果につながったかを見る指標です。アクセスがあるのに売れていない場合は、新商品を増やす前に商品ページの内容、価格、送料、購入導線などを見直した方がよいでしょう。
客単価
1回の注文で平均いくら購入されているかも重要です。関連商品、セット販売、まとめ買いなどを用意することで、商品数を大幅に増やさなくても売上を伸ばせる可能性があります。
粗利益
売上が大きくても利益が残っていなければ、広告や値引きを継続できません。商品ごとの原価、送料、決済手数料、広告費などを含め、「どの商品が利益を作っているか」を把握しましょう。
リピート率
一度購入した顧客が再購入しているかも重要です。食品、化粧品、消耗品などリピート性の高い商材であれば、商品数が少なくても継続購入によって安定した売上を作れる可能性があります。
商品数が少ないとSEOには不利?
商品数が少ないこと自体が、直接SEOで不利になるとは言えません。Googleは「商品数が○点以上あるサイトを高く評価する」といった基準を公表していないため、登録商品を増やすだけで検索順位が上がると考えるのは適切ではありません。
一方、それぞれが異なる検索ニーズを持つ商品であれば、商品数が増えることで検索から流入できる入口が増える可能性はあります。つまり「商品数が多いからSEOに強い」のではなく、検索ユーザーのニーズを満たす有用なページが増えることで、検索から見つけてもらえる機会が増えると考える方が正確です。
また、商品を増やした後は登録して終わりではありません。カテゴリーから商品ページへリンクし、重要な商品にはトップページや関連記事からも内部リンクを設定するなど、Googleとユーザーの両方が商品を見つけやすいサイト構造にしましょう。
商品数が増えたら「管理できるか」も考える
商品数が増えると販売機会が広がる一方で、商品情報、価格、在庫、画像、注文、出荷など管理する業務も増えていきます。特に100商品を楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・自社ECなど複数店舗で販売する場合、それぞれを個別管理すると更新漏れや在庫差異が起こりやすくなります。
そのため、商品を増やすときには「増やせるか」だけではなく「正しく管理できるか」まで考えることが重要です。複数モールの受注処理や在庫更新が負担になってきたら、受注管理システムや在庫連携システムを検討するタイミングです。
複数店舗の管理を効率化したい方は、受注管理システムの比較記事も参考にしてください。
ネットショップの商品数についてよくある質問
ネットショップは最低何商品あれば始められますか?
共通の最低商品数はありません。1商品でもネットショップを始めることはでき、重要なのは商品数より、その商品への需要と集客・商品ページ・購入導線が整っているかです。
商品数が多い方がSEOに有利ですか?
単純に商品数が多いだけでSEO評価が高くなるわけではありません。それぞれの商品ページが異なる検索意図を満たし、ユーザーに役立つ内容になっていれば、検索流入の入口が増える可能性があります。
商品が5点しかありません。増やしてから開店すべきですか?
5商品でも販売を開始できます。商品数を増やすことだけを理由に開店を遅らせるより、まず現在の商品ページを作り込み、実際のアクセスや購入データを確認しながら改善した方が、その後必要な商品も判断しやすくなります。
商品が1つだけでもネットショップを作れますか?
作れます。単品通販やD2Cブランドのように、主力商品1点を中心として販売するビジネスもあります。その場合は商品数より、1商品を購入する理由を商品ページでどれだけ伝えられるかが重要です。
同じ商品のセット販売で商品数を増やしてもよいですか?
顧客にメリットがあるセットなら有効です。2個セット、ギフトセット、お試しセットなど、購入理由が明確な商品を作りましょう。ただし、SEOや商品数を増やすことだけを目的に、ほぼ同じ商品ページを大量作成するのはおすすめしません。
色違いやサイズ違いは別商品にした方がよいですか?
必ずしも別の商品ページにする必要はありません。商品やECシステムによっては、色・サイズなどをバリエーションとして同一商品ページで管理した方が購入者にも分かりやすく、店舗側も管理しやすくなります。
商品数を増やせない場合は何をすればよいですか?
主力商品のページ改善、セット商品、関連商品、用途別商品、コンテンツSEO、SNS集客などを検討しましょう。商品そのものを増やせなくても、商品を知ってもらう入口、CVR、客単価、リピート率を改善することで売上を伸ばせる可能性があります。
商品数は何点になったら受注管理システムが必要ですか?
商品数だけで判断するものではありません。複数モールへ出店し、注文確認、在庫更新、発送処理、商品情報更新などの二重作業が増えてきた段階が検討の目安です。少ない商品数でも注文数や販売チャネルが多ければ、早めに一元管理した方が効率化できる場合があります。
まとめ|「何商品あるか」より「なぜその商品を置くのか」
ネットショップでは、商品数が増えることで検索やカテゴリーから顧客と接点を作れる可能性が広がります。しかし、商品数そのものが売上を生むわけではありません。
商品が少ないショップなら、まず主力商品を作り込み、集客し、実際の売れ方を確認しましょう。そのうえで顧客から求められているセット商品や関連商品を追加し、売れ筋商品へアクセスを集中させていく方が効率的です。
商品数が少ないショップの基本ステップ
- 今ある主力商品を作り込む
- 検索・SNS・広告などから集客する
- アクセス・CVR・売上を確認する
- セット・関連商品など必要な商品を追加する
- 売れ筋商品へアクセスを集中させる
- 商品・店舗数が増えたら管理方法を見直す
最初から100商品を目指す必要はありません。逆に、商品数だけを増やして1商品ごとの情報が薄くなったり、在庫や価格を正しく管理できなくなったりすれば本末転倒です。
ネットショップの商品数を考えるときは、「何点登録すればよいか」ではなく「この商品は誰のどんな需要に応えるのか」を基準にしてください。5商品しかなくても、その5商品に明確な購入理由があればネットショップは始められます。
参考にした公式情報
- Google Search Central|ECサイトの構造をGoogleに理解してもらう方法
- Google Search Central|商品バリエーションの構造化データ
- Shopify公式|商品バンドル
※商品数の目安はすべてのネットショップに共通する基準ではありません。商品カテゴリー、価格、顧客層、販売方法、集客方法などによって適切な商品構成は異なります。