024年10月更新 定期購入できるECサイト・ネットショップを徹底比較
定期購入とは
定期購入とは、ひとつの商品を継続的に購入することです。
ネット通販においては、化粧品や健康食品などのリピート通販が定期購入の事例としてあげられることが多い。
また、TOTOやナンバーズなどの宝くじにも定期購入の仕組みが導入されている。
ネット販売におけるリピート通販は、商材の向き不向きが明確であり、
家具やインテリアなどのように、一度購入したらしばらくは買い換えない商品には定期購入の販売方法は向いていない。
逆に、水やお米などのように日常的に消耗する食品、サプリメントや基礎化粧品のように、日々利用することで
追加発注時期がわかる商品には、定期購入は非常に向いている商品である。
定期購入のメリット
安定的に利益を得ることができる
顧客の未来の注文分を先に受注できるため、店舗運営、利益面で安定しやすくなる。
一点集中できる
人的リソースをはじめ、費用や広告、システムなどを集約できる。
商品がひとつだけしかなくても、リソースを集中させることで大きな利益へつながる可能性がある。
仕組みがシンプルでわかりやすい
システム、受注、発送オペレーションなどが一本化しやすい。
総合販売に比べて、初期費用が抑えられる
ネットショップなどで、商品数が多い店舗を運営する場合は
運営ノウハウや在庫管理などにもノウハウが必要となる。
また在庫管理システムや受注システムなどの構築が必要となるため
内容によってはシステム構築コストに数百万~数千万円かかることもある。
在庫過多や商品ロスが出にくい
商品を絞ることが多いため、在庫の管理面で過剰在庫や欠品などが起きにくい。
定期購入の種類
単品リピート販売
同じ商品を継続的に発送する通販
基礎化粧品、サプリメント、ミネラルウォーター、お米、介護用紙オムツ、トイレットペーパーなどと相性が良い傾向にあります。
頒布会販売
特定のテーマに沿って異なる商品を継続的に発送する通販
季節のフルーツ、海産物、産地のお米、お酒など食品との相性が良い傾向にあります。
定期購入に向いている商材
- 化粧品(スキンケア)
- 健康食品(青汁・ローヤルゼリー・ブルーベリーアイなど)
- ダイエットサプリ
- 日用品(トイレットペーパー)
- 介護用品(紙オムツ)
- 食品(ミネラルウォーター・お米)
- 毎週販売される宝くじ(ナンバーズやTOTOなど)
定期購入ショッピングカートシステム選びのポイント
ランニングコスト
ECサイト運営において、重要なポイントは「販売継続」にあります。
最初から売れる商品というのは、ほとんど存在しません。
顧客を新規獲得し、リピーターへと育てる活動を続けていくためには
ネットショップ運営にかかるコストを最小限に抑えることを重視しましょう。
購入期間の設定
顧客が定期購入を申し込む際に、自分の求める期間がなければ、注文に至ることはありません。
ネットショップでは決済方法を豊富に用意しておくことが「かご落ち防止」の施策としてあげられます。
リピート通販では、顧客が求める購入期間を2週間毎、1ヶ月毎、隔月毎などある程度選択できることが望まれます。
決済のタイミング(一括決済か注文時毎の決済か)
リピート通販システムによっては、決済タイミングがことなります。初回注文時に一括請求するケースや、指定期間毎の注文時に請求するケースがあります。
店舗運営者の立場としては、初回一括請求であれば、先に費用を回収できるためキャッシュフローが安定します。
顧客側の立場では、定期購入の期間毎に請求される方が、メリットと言ええるでしょう。
決済タイミングについては、事前に検討しているリピート通販サービスの内容を確認するようにしましょう。
フォーム一体型(ランディングページ型)
単品リピート通販では、非常に有効なネット販売の方法が、ランディングページと注文フォームが一体、1ページで完結している方法です。
健康食品やダイエットサプリ系のネット販売では、このランディングページタイプが良く選ばれています。
理由としては、楽天市場の商品ページの説明と似ているのですが、商品の良さ、メリット、利用者の声などを長い1ページの説明で完結させることで、
商品を検討している顧客に対して、その場で購入へとつなげる確率を高める効果が期待できるからです。
コンバージョン率の対局にあるのが、離脱率です。いかに着地(ランディング)してきたユーザーを離脱させることなく、
コンバージョンにつなげられるかは、ランディングページの精度に関わっていると言えます。
ステップメール機能
ステップメールとは一種のメルマガ機能のひとつです。通常のメルマガと異なる点としては、メルマガが都度配信なのに対して、
ステップメールは、一定期間に複数通のメルマガを配信予約しておき、
注文したユーザーに対して、段階に応じて自動的にメールを送り続けることができることです。
最初の注文時 商品到着時 商品到着から1週間後 商品到着から1か月後
などの区切りで、メルマガを配信することで、追加注文を促す効果があります。
ネットショップに限らず、実店舗でも、初回利用した顧客がリピーターにならない一番の理由は
「なんとなく機会がなかったから」
ということがほとんどだそうです。
初回利用時にとても良いとおもっても、顧客との接触がなくなると、特別な理由がなくても
二回目以降の利用、注文をしなくなるユーザーが大多数を占めています。
店舗から「どうでしたか?」「商品そろそろなくなるころでしょう?追加注文しますか?」というメールが届けば、
購入者の中で数パーセントは、再購入、リピートにつながる可能性があります。
アップセル機能・クロスセル機能
これは、先の「ランディングページ型」の販売方法とつながる機能ですが、購入した顧客に
「今だけ!この特典がうけられます」というページを表示させ、より上位、高額商品への購入提案を実施する機能です。
この機能はネット通販では「ワンタイムオファー」と呼ばれる場合もあります。
ネットショップに限らず、リアルなお店でも、顧客がもっとも購入を決めやすいタイミングがあります。
それは、「購入することを決めたタイミング」です。
すでにお金を支払う準備をして、財布をあけた顧客は、店舗側の追加提案にも応じやすい状態になります。
家電製品を購入した顧客に、オプション商品(予備バッテリーや容量アップ提案など)は受け入れやすいクロスセル提案と言えます。
特に、最初に購入した商品が高額であればあるほど、この追加オプション提案は金額差が大きければ大きいほど気にならない追加となります。
心理学的に言えば「コントラスト法」といわれる手法です。
アップセル機能があるかないかで、商品単価が大きく変わってきますので、可能であればアップセル機能のある
定期購入ショッピングカートシステムを利用することをおすすめします。
定期購入を成功させる方法
初回購入は「お試し」を用意する
ネットショッピングにおいて、最初の購入を獲得することは非常に難しいことです。
まして、定期購入の場合、先の注文に関しても決済を約束するわけですから、
商品はもちろん、ネットショップを運営する店舗に対しても信頼がなくては
成約に至ることは非常に難しいといえます。
こうした、顧客からの「最初の一歩」のハードルをどのようにして下げるか、
がネットショップ運営においては重要なポイントです。
定期購入を促すためには、まず最初は購入しやすい「初回お試し商品」を
用意されることをおすすめいたします。
最初の注文の際のみ購入できる、お得なお試し商品です。
この初回お試し商品については、利益を考えていてはうまくいかないです。
まずは、利益ゼロでも、試してもらうということを重視してください。
初回お試しの定期購入の成功事例|ファンケル
定期購入の場合「初回限定価格」などのメリットを与える
化粧品通販の定期購入として、ORBIS(オルビス)も成功事例のひとつです。
オルビスでは、商品の販売価格を下げることを良しとせず
あくまでも「高付加価値の提供」をブランド戦略としています。
ORBIS通販サイトでは、初回購入特典として最大700円分のポイントを付与することで
顧客の囲い込みを図っています。
ネット通販では、型番商品と呼ばれる汎用商材の場合
多くは価格競争に巻き込まれ、「最安値」でなければ
売れにくいといった状態になりがちです。
ORBISのように価格以外の部分で顧客に価値を提供できる
商品であれば、過当な価格競争から脱却でき、
より高利益を獲得することができるでしょう。
初回限定価格の定期購入の成功事例|オルビス
【参考】
オルビス 化粧品・ダイエット・美容サプリ等のオンラインショップ
新聞折り込みチラシやDMなどアナログ媒体との連携
新聞の折り込みチラシや、新聞広告、雑誌広告でも
目にする機会が多いのが、サントリーウエルネスの「セサミンEX」という商品です。
ネット通販ビジネスにおいて、ネットだけで完結している商品以上に強いのが
新聞や雑誌、チラシなどのアナログ媒体での広告戦略を実施している商品です。
健康食品などは、若年層よりもシニア層に需要が高い商品です。
シニア層と呼ばれる、60代以上の層の多くは
インターネットよりも、新聞広告などに認知が高い傾向にあります。
また、シニア層は、テレビショッピングなどにも
非常に反応率が高い層でもあります。
顧客のターゲット層に合わせて、
露出媒体を変えることはビジネスにおいても
非常に重要な施策です。
また、購入後の追客施策として、メールによる
リピート購入依頼を行うことが多いと思います。
シニア層には、ダイレクトメール、いわゆるDMと呼ばれる
郵便物での追客はメール以上に効果が高い場合があります。
ただ、メールとDMの違いは、発行の際にコストがかかるかどうかという点です。
DMの発行には、部数によって発行コストが上昇します。
費用対効果では、メールによる追客の方が高いでしょう。
ただ、こうしたDMによる追客は、小規模事業者では対応できないため
大手企業は資本力を利用して、DMを効果的に利用すると良いと思います。
アナログ媒体との連携の定期購入の成功事例|ウェルネス
【参考】
サントリーウェルネスONLINE
定期購入機能があるネットショップ・ショッピングカートの比較
実際にネット販売で、定期購入機能があるECサイト、ショッピングカートについて
いくつか代表的なサービスをご紹介していきます。
EC FORCE
- 最安プラン:スタンダードプラン
- 初期費用:148,000円
- 月額利用料:49,800円
- 機能面:スタートアップから大企業まで対応可能なECプラットフォーム。
マーケティングツールなども充実しており、ecforceを通じて合計1,000億円を超える売上も達成している。
楽楽リピート
- 最安プラン:ライトプラン
- 初期費用:68,000円
- 月額利用料:49,800円
- 機能面:定期購入・単品通販・リピート通販カートに 必要な機能がフル装備されている。
マーケティングツールなども充実している為、売上アップの機能などに関して外部サービスを使う必要がない。
たまごリピートNext
- 最安プラン:スタンダード
- 初期費用:69,800円(税抜)
- 月額利用料:49,800円(税抜)
- 機能面:定期購入専門のショッピングカートとしては老舗的なサービスで機能も充実
リピスト
- 最安プラン:ライトプラン
- 初期費用:29,800円(税抜)
- 月額利用料:14,800円(税抜)
- 機能面:LP一体型フォーム「LPフォーム」の機能が魅力
Eストアーリピート
- 最安プラン:スタンダードプラン
- 初期費用:10,000円(税抜)
- 月額利用料:8,900円(税抜)
- 機能面:〇日ごと、〇週間ごと、毎週、隔週、1~12ヶ月に1回、月2回
など様々なサイクル日程を調整できる点が魅力
Makeshop
- 最安プラン:プレミアムショッププラン(※定期購入の条件)
- 初期費用:10,000円(税抜)
- 月額利用料:10,000円(税抜)
- 追加料金:300,000円(税抜)
- 機能面:定期購入はオプションとして一回買い切りの追加機能。
細かいお届けサイクルや初回無料などの設定が可能
STORES
- 最安プラン:無料
- 初期費用:無料
- 月額利用料:無料 or 980円
- ストアーズの定期購入の最大のメリットは機能が「無料」で追加できる点
楽天市場
- 最安プラン:がんばれ!プラン
- 初期費用:60,000円
- 月額利用料:19,800円+5,000円
- 機能面:楽天市場に出店している店舗でも定期購入の機能を追加することができます。
オプション機能として月額5,000円+販売手数料がプラス2%かかります。
カラーミーリピート
- 最安プラン:一つのプランのみ
- 初期費用:無料
- 月額利用料:9,800円(税抜)
- 機能面:LP一体型フォームを業界最安で利用できる2017年11月にGMOペパボ株式会社からリリースされたサービス。
定期購入のまとめ
定期購入は、ネットショップ運営者には安定的な利益と在庫数の予測が立ちやすいメリットがあります。
注文者である顧客のメリットとしては、継続利用する商品の発注の手間を減らすことができます。
リピート通販で、事業者が気をつけなくてはならない事としては、
ショッピングカートシステムに頼った定期購入のままでは、
離反するユーザーが一定数出てしまうという点です。
メーカーオリジナル商品の単品リピートであれば、
競合他社が少ないため、解約率は最小限でとどまるかもしれません。
型番商品と呼ばれる、メーカー製造で、販売者が多数いるような商材であれば
定期購入といっても、別の安い店舗が出てくれば、解約率は非常に高くなります。
定期購入は、LTVを考える上でも非常に重要な戦略的通販方法です。
価格だけでない付加価値を顧客に提供できるかを考えて、
定期購入の機能を最大限に活かした店舗運営を行うように心がけましょう。
参考になれば幸いです。
【参考】
サブスクリプション方式|NTTPC