売れるネットショップの教科書に寄せられたよくあるご質問について、現役店長が回答するコーナーです。
【質問】ネットショップを無料で出店する方法でおすすめは何ですか?
ネットショップ出店に関するご質問で非常に多いのが無料でネットショップ、ECサイトを開業したいという要望です。
ネットショップの出店について、10年以上前なら、ネットショップを開業するだけで非常に高いコストがかかっていました。
ネットショップは、通常のコーポレイトサイトなどのホームページと異なり、「商品登録」「受注処理」「決済機能」「会員管理」など様々なシステム・機能が必要です。
構築するベースとなるシステムとしてEC-CUBEというシステムを利用したり、Wordpressにウェルカートなどのプラグインを使って構築するケースは非常に高い制作費用が必要となりました。
2018年2月時点では、ネットショップを無料開業できるサービスは多数存在しています。
しかも、無料と言え、ネットショップ運営に必要な機能の最低限はそろっていることが前提のサービスばかりです。
今回は、ネットショップを無料で開業したい方に、検討材料となる要素をいくつかご紹介したいと思います。
ネットショップを無料で開業するメリット
ネットショップの運営において、最初に考える必要があるのが、イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(固定費用)の二つのコストについてです。
ネットショップは、どんなに良い商品を持っている方であっても、ECサイト開業直後からすぐに売れ続けるということは1%もないと、多くのネットショップの運営相談を受けた経験から感じています。
楽天市場
などのショッピングモールは、ユーザー認知はAmazonと同じく、ほとんどの消費者が知っている売り場ですが、楽天市場に出店するには、エントリープランである「がんばれプラン」でも年間30万円以上が必要となります。
ネットショップを無料で開業できるだけでも、非常に高いメリットがある上に、ランニングコストがほとんどかからない売場であれば、実質販売時の決済手数料や顧客へのポイントの付与のための成果報酬的な支払だけで済むというメリットがあります。
無料でネットショップ、ECサイトを開業できることは、それだけで大きなメリットを享受できると言えます。
ECサイトを無料開業する際のデメリット
無料でECサイトを開業する際のデメリットとしては、出店する売場、モールやASPカートのシステムなどに制限があることがあります。
先日、スマホアプリが400万ダウンロードを突破したインスタントECの「BASE(ベイス)」も無料でネットショップを開業できるサービスとして人気があります。
ただし、無料プランでの出店の場合、機能制限がいくつかあり、ベイスのロゴが消せなかったり、HTMLタグが利用できないなどが主な制限機能です。
また、イージーマイショップというサービスも、無料でECサイトを開業できるサービスですが、こちらも無料版では、画像容量が少ないなどのデメリットがあります。
また、無料系のECサイトでは、サポートセンターなどの対応が無い場合もあります。
ネットショップの運営は、利用しているサービスごとにコンサルタントやサポートセンターなどに相談しながら店舗運営を行うことが重要です。
サポートなしの状態では、店舗運営や機能などで詰まってしまうとそれっきり対応できなくなり、最悪の場合、ネットショップを閉店状態にしなければならなくなります。
無料という言葉には、魅力はあるものの、無料でできる範囲と有料でできる範囲を出店前に明確にしておくようにしましょう。
ネットショップを無料開業できるサービス
2018年2月時点で、無料でネットショップを開業できるサービスをご紹介いたします。
追加機能などを利用すれば、結果としては有料になりますが、コストパフォーマンスの高いサービスのみをご紹介いたします。
BASE(ベイス)
BASE(ベイス)は、初期費用・月額利用料は全て無料で利用できるかんたんECサービスです。
無料ですが、基本機能のほとんどが無料のまま利用できるうえ、商品登録数は無制限という非常にメリットの大きいサービスです。
ネットショップ開業時に審査や設定に時間のかかるクレジットカード決済などについても、「BASEかんたん決済」を最初から利用できるため、即日カード決済可能なネットショップを構築できます。
BASEは、出店者数が40万店舗を超えており、アプリのダウンロードも400万ダウンロードを突破しました。
まだまだ、ユーザーが増えるBASE(ベイス)は、無料系ECサイトの中では、最もコストパフォーマンスが良いサービスだと思います。
easymyshop(イージーマイショップ)
ネットショップを無料で開業できるサービスとして、イージーマイショップもおすすめのサービスです。
イージーマイショップの強みは、主に商品画像に関する機能が充実しています。
ひとつの商品に対して、最大50枚まで商品画像を登録できる上、商品画像の自動補正機能などで、スマホで撮影した商品写真でもフォトショップによるレタッチ後のような明るく鮮やかな商品画像に変換してくれます。
無料プランの唯一の難点は、画像容量が少ないことですが、商品点数が少ない店舗や、ネットショップをお試し運営したいという方であれば、非常にオススメのサービスです。
イージーマイショップについては、より詳しい考察を以下のページに掲載していますので参考にしてください。
Wowma!(ワウマ)
BASEやイージーマイショップが自社ECサイトであるのに対して、このWowma!(ワウマ)は、楽天市場
やヤフーショッピングのような「インターネットショッピングモール」への出店となります。
BASEなど自社ECサイトが、集客を自力で行わなくてはならないのに対して、モール出店は、ショッピングモール自体がテレビコマーシャルなどで宣伝、集客を行ってくれるメリットがあります。
実店舗で言えば、自社ECサイトは、山の上に店舗を構えているのに対して、モール出店は、イオンなどのショッピングモールないにテナントを出すようなイメージですね。
Wowma!(ワウマ)は2018年3月31日までに出店すれば、初期費用と一年分の月額利用料(4800円×12か月分)が無料となる非常にお得なキャンペーンを実施しています。
BASE(ベイス)だけで出店している方などは、このチャンスにモールでの出店経験を無料で体験されることをオススメします。自社ECサイトとのアクセス数の違いに驚かれると思います。
筆者はWowmaにも実際に出店していますのでその感想やメリット・デメリットを以下のページにまとめていますのでこちらもご興味のある方は参考にしてください。
副業でも利益が20万円以上なら確定申告が必要ですよ
個人の副業で、ネットショップの売上で20万円以上の利益を得た場合は翌年に確定申告が必要となります。
個人事業主の方なら、確定申告については、ご存じだと思いますが、個人の方は、「確定申告って何?」というところから一度確認しておく必要があります。
国税庁のホームページでは、確定申告については、以下のような記載があります。
所得税及び復興特別所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。
確定申告についての詳細は、以下の国税庁のホームページをご確認いただいた方が確実でしょう。
確定申告をスムーズに行うには、会計ソフトを利用するのが一番おすすめです。
特におすすめなのが、クラウド会計ソフトシェアNo1の「会計ソフトfreee(フリー)
」や、会計ソフトとしての信頼も厚い「やよいの青色申告オンライン
」ですね。
筆者は自分の確定申告は、個人事業主のシェア伸び率No.1のクラウド会計ソフトと定評のあるMFクラウド会計を利用する予定です。
オンライン会計ソフトなら、スマホなどからも利用できるので、非常に便利です。
ECサイト無料開設についてのまとめ
今回は、ECサイト、ネットショップを無料で開設することのできるサービスをご紹介いたしました。
ネットショップを開業すること自体は、BASE(ベイス)などのおかげでコスト的にも手間的にも非常に手軽になりました。
ただし、ネットショップは開業することが目的ではなく、開業後に店舗運営を継続することと、新規顧客を獲得し、リピーターを育成することを断続的に行っていかなくてはなりません。
それこそ、BASE(ベイス)なら出店するだけなら、5分もかからずにネットショップを持つことができますが、そのまま商品を登録して販売するだけでは、ほとんどの場合「売れないネットショップ」が出来上がったにすぎません。
ネットショップは開業した後からが、本当の闘いということを肝に銘じて、売場選定を行ってください。
後は、無料には無料の訳がありますので、必要なコスト、機能については、しっかりと予算化して追加対応を行うようにしましょう。
月額にして1000円~4000円程度のコストで、より高い機能を利用できるサービスも非常に多いですから、あまり無料にこだわりすぎて低機能のまま運用してしまう失敗も避けるようにしましょう。
今回の記事の内容が、ネットショップを無料で開業されたい方の参考になれば幸いです。