売れるネットショップの教科書に寄せられたよくあるご質問について、現役店長が回答するコーナーです。
【質問】ネットショップやネット通販で購入した商品はクーリングオフできる?できない?
楽天市場
などのインターネットショッピングモールや、カラーミーショップ
などの自社ECサイトで販売する商品を購入されたお客様から「クーリングオフ」について対象となるかどうかのご質問をいただくことがあります。
ネット通販で購入した商品は、クーリングオフの対象となるのでしょうか?
また、ネットショップ、ECサイトを運営する出品者としては、クーリングオフについてどのような対応が必要なのでしょうか?
今回は、ネットショップを運営されている方へ向けて、クーリングオフについての詳細な内容を徹底解説いたします。
クーリング・オフとは?
クーリングオフ(cooling-off period)とは、一定の契約に限り、一定期間、説明不要で無条件で申込みの撤回、または契約を解除できる法制度のことです。
クーリングオフが適用されるケースとしては、以下のケースがクーリング・オフが適用される契約のケースとなります。
クーリング・オフが適用される契約
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売(マルチ商法)
- 特定継続的役務提供(通信教育や美容・化粧品など)
- 業務提供誘引販売(内職商法やモニター商法など)
- 訪問購入
基本的に「通信販売」で購入した商品に関しては、クーリング・オフは適用されません。
通信販売、インターネット通販を含めた、広告通販などでは、特定商取引法による返品制度という規定があります。
では、クーリングオフの適用とならない「通信販売」とはどんな販売方法があるのでしょうか。
通信販売の種類
- 雑誌
- カタログ
- ちらし・広告
- ダイレクトメール・DM
- テレビ・テレビショッピング
- ネットショップ・ネット通販
- 電子メール
- インターネットオークション
- フリマサイト
通信販売とは、上記の媒体、メディアを通じて、商品を電話、FAX、郵便やインターネットから申し込む契約の事を言います。
ネットショップ・ネット通販の商品はクーリングオフの対象となるの?
ネットショップ・インターネットショッピングで購入した商品は、通信販売に当たるため、クーリング・オフの対象とはなりません。
通信販売の場合は、電話による勧誘販売を除いて、法律上くりーリングオフの制度は適用されません。
消費者としては、注文した商品がイメージと違った、サイズが合わなかったといった場合には、購入した通信販売元の「特定商取引に関する法律」の返品に関する内容に応じて、返品できるかどうかを確認する必要があります。
ただ、最近ではよほど悪質な業者でない限り、お客様都合によるキャンセル、返品も返品時の送料を消費者が負担する場合には、返品対応が可能なケースが多いと思います。
当店でも、商品の注文後、発送前の場合であれば、キャンセル依頼などはほぼ100%キャンセルを了承していますし、商品出荷後であっても、お客様にて送料の負担が了承いただける場合には返品も対応しています。
商品を購入したネットショップには、必ず「特定商取引法に関する記載」と言うページが設けられているはずですから、返品を希望される方は、まずは特定商取引法に関する記載ページの返品条件の項目を確認してみてください。
ただ、どのネットショップにも共通して言えるのは、「商品到着から●日以内に、商品未使用の場合に限って返品を受け付ける」というケースが大多数だと思います。
また、一部オーダーメイドの商品などを取り扱っているネットショップの場合は、注文を受けてから、注文者の方のために商品を製造するため、キャンセル自体ができないというケースもあります。
ネットショップで商品を購入し、返品の可能性がある場合については、注文前に必ず「返品条件」を確認することをおすすめいたします。
お客様からクーリングオフを希望された場合の対処法
ではネットショップ運営者の立場として、お客様から「クーリングオフしたい!」という要望をいただいた際の対処法について解説していきたいと思います。
まずは、先ほどから記載している通り、ネットショップの商品の注文に関しては、クーリングオフは適用されない為、お客様がクーリング・オフを希望されたとしても、対応する必要自体は法律的にはありません。
ただし、法律上クーリングオフの制度が適用されなくとも、ネットショップなどの通信販売の事業者は、「特定商取引法」という法律を元にした、返品条件を掲載する義務があります。
特定商取引法に関する記載に、ご自身のネットショップの返品条件を記載しておくことで、お客様からのキャンセルや返品の依頼の際には、返品条件に従った対応を行えばよいわけです。
例えば、当店の場合は、商品到着から7日以内に返品のお申し出があった場合で、返送時の送料をお客様負担いただける場合に限り返品を受け付けることを返品条件として記載しています。
商品によっては、食品や飲料製品なども取り扱っていますが、食品などの場合は、未使用に限り返品を受け付けています。
また、飲料製品などで、一部リニューアルしている商品があった場合、お客様が気付かづに飲んだ後に、注文した商品と異なる(リニューアルされている)とお気づきになり、返品依頼をされるケースもあります。
この場合は、リニューアルの内容によりますが、パッケージリニューアルだけであれば、お客様には「商品ページにパッケージリニューアルの可能性があります」という記載があるため、リニューアル商品でのお届けにご納得いただくよう説得させていただいています。
また、飲料製品の場合リニューアルによって「商品の味や成分が変わる」と言うことがありますが、この場合は、送料店舗負担にて返品を受け付けています。
ネットショップの運営でかなり負担となるのが、お客様からの返品やキャンセルを希望された際の対応です。
大変ですが、誠心誠意お客様の目線に立って、対応可能な条件をしっかりとお伝えした上で、返品やキャンセルを受け付けてあげるようにするとよいでしょう。
ただし、完全なお客様都合の返品(やっぱりいらなくなった)などは、送料をご負担いただくことは前提ですが、商品によっては、断固として返品不可とお伝えしても良いと思います。
お客様は、お客様であって「神様」ではありません。悪意あるお客様には、きっちりと厳正なる対応を行いましょう。
正当な判断と、特定商取引法に掲げたルールを元に、お客様が喜ばれる対応を目指しましょう。
ネットショップのクーリングオフについてのまとめ
今回はネットショップにおけるクーリングオフの適用について、現役店長が解説いたしました。
ネットショップをはじめ、通信販売という販売方法にはクーリングオフは適用されませんので、まずはその点をしっかりと理解しておいてください。
ネットショップの場合、お客様からの返品依頼などは、「特定商取引法に関する記載」の返品条件にあてはまるかどうかが返品対応の鍵となります。
楽天市場
やWowma!(ワウマ)
等のショッピングモールに出店されている方なら、出店後の開店審査の際に特定商取引に関する記載がしっかりと記載されていないと、店舗をオープンすることができないはずですから、今楽天などで店舗運営されている方は、今一度ご自身のネットショップの返品条件などを見直してみてください。
特定商取引法に関する記載内容については、以下のページにまとめていますのでこちらも参考にしてみてください。
また、通信販売で特に定期購入などの継続的な商品の購入を前提とする販売方法の場合は、「改正特定商取引法」が適用されるようになりましたので注意してください。
改正特定商取引法とは、簡単に言えば、消費者誤認を防止するために、ネット通販の買い物カゴ周りや注文画面、確認画面上に、商品の総額表示、返品条件などを記載することを義務付けた法律です。
健康食品やダイエット用品、通信教育教材など、定期購入を前提とする商品を販売されている事業者の方は、特に重要な内容となりますので、必ず確認して、ネットショップのショッピングカート周りに総額表示などの記載を行ってください。
また、クーリングオフが適用されない通信販売にも、返品特約に関しての記載は義務付けられています。
返品特約に関する記載がない場合は、商品の受け取り後、8日以内に返品(契約の解除)が可能となるという法律もありますので合わせて理解しておいて下さい。
今回の記事の内容が、ネットショップ、ネット通販でのクーリングオフの適用について調べられている方の参考になれば幸いです。