売れるネットショップの教科書に寄せられたよくあるご質問について、現役店長が回答するコーナーです。
【質問】非常にニッチな商品で売れない!ニッチ商品が売れる方法を知りたい!
インターネット販売において、ニッチな商品を販売されている店舗さんもおられるかと思います。
ニッチ商品は、型番商品などの既製品と異なり、市場の認知が低いという傾向が強い商品です。
多くの消費者がそのニッチ商品の「存在自体を知らない」ということがほとんどで、商品ページまでたどり着くのは、本当に僅かのユーザーのみになってしまうことが多いのです。
今回は、ニッチ商品をネット販売でうまく売る方法を現役ネットショップ店長がご紹介したいと思います。
ニッチ商品とは?
ニッチ商品とは、市場全体の一部を構成する特定の需要や客層を持つ、市場規模の小さな商品のことをニッチ商品と言います。
ニッチ商品の「ニッチ(niche)」とは、もともとは建築物のくぼみや隙間といった意味の建築用語だったそうです。
別の言い方をすると「隙間産業」など市場のスキマで小さな規模の需要を獲得するケースをニッチ市場ということがあります。
ニッチ商品を上手にネット販売する方法について、次にご説明いたします。
ニッチ商品が売れる方法とは?
売りにくいニッチ商品を上手に販売する方法として、筆者が有効だと考える手法をご紹介いたします。
ニッチ商品を販売する際に、最も重要なポイントは、そのニッチ商品を求めるニーズを的確にとらえて、「ペルソナ設定」を行う事だと思います。
【参考】ペルソナとは
ペルソナを明確に定義すると、そのペルソナのニッチ商品に対するニーズが明確になります。
例えば、ニッチ商品の事例として「ランドセル」を例にしてみます。
ランドセルという商品は、利用する必要があるのは、「来年小学校に上がる子供たち」です。
人の一生で言えば、一回だけ訪れる「特別な需要」です。
ただし、必要なのは小学校に上がる子供ですが、購入するのはその本人ではなく、親御さんや祖父母といった立場の方がほとんどだと思います。
ランドセルを探しているニーズに対して、どのように商品をアプローチしていくのか、ここが重要なポイントです。
ランドセルの選び方としては、以下のようなパターンが考えられると思います。
- 機能面・性能面で選ぶ(素材・デザイン・重さ・容量・防水性など)
- テレビCMなどのブランドイメージで選ぶ
- 売れ筋ランキングなどで選ぶ
- 値段で選ぶ(安いもの・高いもの)
- 利用する子供が自分で選ぶ
ニッチ商品の多くは、消耗品のように何度も繰り返し購入される商品ではなく、一生の内に一回、もしくは数回程度しか購入しないような商品が多いと思います。
また、商品によっては、販売価格が高額となり、消費者からすると「失敗できない買い物」「慎重に吟味される商品」になるケースもあります。
【参考】【質問】高額商品の場合、ネット販売方法でおすすめはありますか?
ニッチ商品は、ユーザーが選ぶ商品というよりも、出品者、開発者が、ユーザーに選びやすくしてあげることで購入につながりやすい商品だと筆者は考えています。
ランドセルの選び方でも、テレビコマーシャルを見たからというだけのイメージ要素よりも、品質や職人のこだわり、素材へのこだわりなどをウェブサイトやカタログなどでしっかりとユーザーに伝える方が、価格の根拠も明確に伝わるはずです。
ニッチ商品を取り扱われている方は、是非、ご自身でその商品の魅力を伝える方法を考えてみてください。
売れるネットショップの教科書では、ブログによる集客を「コンテンツSEO」「コンテンツマーケティング」という手法で、成功させるためのテクニックを以下のページでご紹介しています。
ニッチ商品で、ECサイトへの集客に悩まれている方は、是非一度下記のページを参考にしてみてください。
ニッチをとことん追求しよう
ニッチ商品を販売する場合は、ニッチであることをデメリットと考えず、むしろ「メリット」と捉えてみてください。
そして、ニッチであるという事を「武器」と考え、ニッチ故にできる特別な表現、おもしろい表現を考えて商品ページなどに反映してみてください。
ある玩具系ネットショップの方は、フィギュアの写真を一眼レフで数十枚以上撮影し、それぞれのポージングにセリフを入れるようなブログページを作られている方もおられます。
フィギュアの種類は、定番のロボット系フィギュアから、特撮ヒーロー玩具、美少女フィギュアと幅広いジャンルの商品を撮影し、ブログで紹介しています。
そのブログサイトから伝わってくるのは、記事作成者がいかにその商品に「愛着があるか」という商品への愛情です。
好きだからここまで時間と労力をかけて、一つの商品に対して、数十枚の写真撮影と、コメント投稿ができるのだと思います。
是非、読者の方もご自身が販売するニッチ商品について、特別な愛情を傾けて商品ページ作成を行ってください。
きっと、その商品ページを見たユーザーは、あなたのネットショップの「ファン」になってくれるはずです。
商品ページには、拡散用のSNSボタン、シェアボタンを用意することも忘れないでください。
ニッチ商品についてのまとめ
ニッチ商品を販売される方が、ニッチ商品を売ることの難しさでお悩みになられていることの相談を受ける機会が増えてきました。
ニッチ商品は、その商品名などでご指名買いされるユーザーには、対策という行為は必要ないと思います。
しいて言えば、ご指名買いしてくれるようなコアなファンのために、商品情報、商品仕様などを事細かく写真と説明文で紹介することは重要な対応だと思います。
ニッチ商品をうまくネットで売る方法としては、ペルソナ設定から得た、ニーズを元に、どのような拡販行動、販促行動をとるかということです。
コンテンツマーケティングによる情報発信で、潜在的ニーズを持つユーザーを集めるのも一つの方法です。
または、徹底的に商品を愛し、商品のディティールを細かく分析、公開することで、よりコアなファンを作ることも重要なマーケティング施策と言えます。
ニッチ商品は、市場は小さくとも、そこでファンとなったユーザーは、継続的に消費活動を行ってくれる可能性が高いというメリットがあります。
是非、ニッチ商品にしか出せないテイストを活かして、ニッチ商品の販売促進を目指してみてください。
今回の内容がニッチ商品を取り扱われている店舗さんの参考になれば幸いです。