ニッチ市場・ニッチ商品とは
ニッチ市場・ニッチ商品とは
ニッチ市場、ニッチ商品とは、市場全体の一部を構成する特定の需要や客層を持つ、市場規模の小さな商品のことを言います。
別の言い方では、隙間産業、隙間市場などと呼ばれることもあり、市場規模は小さくとも、一定以上の需要があるケースが多いです。
ニッチ商品の「ニッチ(niche)」とは、もともとは建築物のくぼみや隙間といった意味の建築用語だった。
ニッチ市場とは、既存の商品やサービスでは満足できない消費者ニーズがあれば、その反対側にある市場全体が「ニッチ市場」とも言えます。
今回は、ニッチ商品について、ECサイトで取り扱うニッチ商品という視点で解説していきたいと思います。
ECサイトでよくあるニッチ商品の事例
具体的にECサイト、オンラインショップで取り扱われる「ニッチ商品」には、どのような商品があるのでしょうか。
ニッチ商品とは、そもそも需要、ニーズが小規模であることが挙げられます。
ある特定の業種のみが扱う工具であったり、日本の「オタク文化」に関するファングッズなども「ニッチ商品」だと言えると思います。
また、美容業界などで利用する、美顔器具や染料などもある種の「ニッチ商品」と言えます。
スキー用品などは、バブル全盛のころであれば、一般的な人気商品でしたが、現在においては、スキー人口も減ったこともあり、ニッチ商品だと言えるでしょう。
昨今のマラソンブームもあり、ランニングシューズなどは、以前に比べて市場規模が大きくなったこともあり、ニッチ商品には当たらないと思います。
ただ特定のスポーツに関する専用商品などは、競技によってはニッチ商品と呼べるほどに、ニーズの少ない商品であるケースが多い傾向にあります。
ECサイトにおける「ニッチ商品」とは、需要規模が小さいけれど、その商品を必要としている人が必ずどこかにいる商品と言い換えることができると思います。
またネットショップなどでは、こうした需要が少ない商品のことを「ロングテール」「ロングテール商品」と呼んでいます。
【参考】ロングテールとは
ニッチ商品のメリットとしては、市場規模は小さい反面、競合となる商品の絶対数も少ないため、価格競争になりにくいという点です。
ニッチ商品でありオリジナルの商品であれば、更に競合が少なくなるため、店舗側のプライシングは、しっかりと利益を残した価格設定ができます。
ニッチ商品は売り方さえうまくできれば、販売する数量自体は少なくとも、利益を残しながら売上を作ることができる商品だと言えます。
ネットショップでニッチ商品を売る戦略
では、ネットショップで、ニッチ商品を売る戦略について、現役店長が解説していきたいと思います。
ニッチ商品を販売する際に、最も有効な手法としては、その商品を求める層、ニーズを的確にとらえ、ペルソナを設定してみることから始まります。
【参考】ペルソナとは
あなたのネットショップの商品は、「誰」が必要としているのか?また、「どんな人」が必要としているのか?
ペルソナをしっかりと設定したうえで、その対象となる顧客層に対して、どのようにアプローチ、接触を図るのか?が重要なポイントです。
ニッチ商品の事例としては、「ランドセル」なども、ある種の特定需要商品にあたると思います。
ランドセルは、小学校に上がる直前の一年間のみに需要がある商品です。
ランドセルを探すユーザーに対して、どのようなアプローチをするのか、その前に、自分が取り扱うランドセルは、他のランドセルとはどこが違うのか?
自分の商品に対する、他社比較は非常に重要です。筆者が考えるランドセルの選び方としては、以下のようなパターンがあると思っています。
- 利用する子供が自分で選ぶ
- 機能面・性能面で選ぶ(素材・デザイン・重さ・容量・防水性など)
- テレビCMなどのブランドイメージで選ぶ
- 売れ筋ランキングなどで選ぶ
- 値段で選ぶ(安いもの・高いもの)
また、ランドセルを実際に購入する「ペルソナ」としては、「入学する子供の親」「親戚」「祖父母」などが考えられると思います。
誰に何を売るのか、他社との違いは何か、ニーズをどこで捉えるのか、どこで顧客と接触を図るのか、このあたりを総合的に分析して、商品の販売促進の活動を行うことが大切です。
また、ランドセルなどは、「一生に一度」の商品です。成人式の晴れ着の着物や、ウエディングドレスなども、基本的には「一生に一度」の商品にあたり、ニッチ商品になります。
ニッチ商品かつ、一生に一度の商品の場合は、ユーザーの心理としては「失敗したくない」という思いがあります。
失敗しない選択であることを、いかに商品ページ上で伝えられるかがネット販売におけるニッチ商品の売り方だと思います。
それ以上に重要なのが、ニーズとの接触をどのように行うのか、という商品の露出面での施策です。
ニッチ商品をうまく売っていくには、価格が安いだけでは他のブランド力のある商品には勝つことはできないでしょう。
商品や店舗のスタンスをしっかりと理解したうえで、見込み客が「ファン」になってくれるような接触方法が、ニッチ商品の販売では重要だと思います。
ニッチ商品を販売するショップと相性が良いのが、ソーシャルメディア、SNSやブログなどです。
インスタグラムなどは、若い女性ならほとんど利用しているスマホアプリですから、ファッションジャンルやコスメジャンルのニッチ商品を扱われている店舗であれば、インスタの導入は必至だと思います。
ホビー・玩具商品などは、商品レビューをブログで紹介することで、商品の細部のこだわりなどが伝わりやすくなり、ブログからオンラインショップへの送客を狙うことができます。
FacebookページやTwitterなどのSNSも、今でも健在で、十分にフォロワーを送客してくれるツールになると思います。
当サイトでは、特にブログによる集客を「コンテンツSEO」「コンテンツマーケティング」という手法で、成功させるためのテクニックを以下のページでご紹介しています。
ニッチ商品で、ECサイトへの集客に悩まれている方は、是非一度下記のページを参考にしてみてください。
ニッチ商品のまとめ
ニッチ市場、ニッチ商品について、主にECサイトでの視点から解説してきました。
ニッチ商品は、市場規模は小さいですが、インターネットショッピングとの親和性は、リアル店舗以上だと思います。
理由は、実店舗を探し回るより、インターネットで検索したほうが欲しい商品が見つかる可能性が高いからです。
そうなると、重要なのは、ユーザーの需要キーワードをしっかりと「SEO対策」でネットショップ、ブログサイトに集客するということになります。
ニッチだからこそ、一般的な商品には出せない強みがあるはずです。
参考になれば幸いです。