
「BtoBとは何の略?」「BtoCとは何が違う?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
BtoBとは「Business to Business」の略で、企業が企業に対して商品やサービスを提供する取引のことです。「B2B」と表記される場合もありますが、基本的に意味は同じです。
たとえば、メーカーが小売店へ商品を卸す取引、食品卸が飲食店へ食材を販売する取引、IT企業が法人向けに業務システムを提供する取引などがBtoBにあたります。
近年は、これまで電話・FAX・メール・営業担当者経由で行われていた企業間の受発注をWeb上へ移行する「BtoB EC」も広がっています。
経済産業省によると、2024年の国内BtoB-EC市場規模は514兆4,069億円、EC化率は43.1%となりました。企業間取引でも電子化が進んでいます。
この記事では、BtoBの意味からBtoCとの違い、具体例、BtoBビジネスの特徴、BtoB ECの仕組みや市場規模、メリット・デメリット、自社がEC化すべきか判断するポイントまでわかりやすく解説します。
- BtoBとは何か
- BtoBとBtoCの違い
- BtoBビジネスの具体例
- BtoB ECとは何か
- BtoB ECの市場規模・EC化率
- BtoB ECのメリット・デメリット
- BtoB ECに向いている企業
- BtoB ECで見るべきKPI
- 1 BtoBとは?
- 2 BtoBの具体例
- 3 BtoBとBtoCの違い
- 4 BtoB・BtoC・CtoC・BtoGの違い
- 5 BtoBビジネスの特徴
- 6 BtoB ECとは?
- 7 BtoB ECには2つのタイプがある
- 8 日本のBtoB EC市場規模は514兆円を超えている
- 9 なぜBtoBでもEC化が進んでいるのか
- 10 BtoB ECとBtoC ECの違い
- 11 BtoB ECに必要な主な機能
- 12 BtoB ECを導入するメリット
- 13 BtoB ECのデメリット・注意点
- 14 BtoB ECに向いている企業
- 15 BtoB EC化を急がなくてもよい企業
- 16 BtoB ECを成功させる5つのポイント
- 17 BtoB ECで見るべきKPI
- 18 BtoB EC導入前に確認したいこと
- 19 BtoB ECにしても営業担当者は不要にならない
- 20 BtoBについてよくある質問
- 21 まとめ|BtoBとは企業間取引。EC化では「取引先が使える仕組み」が重要
BtoBとは?
BtoBとは「Business to Business」の略で、企業と企業の間で行われる取引を指します。「to」を数字の「2」に置き換えて、B2Bと表記されることもあります。BtoBとB2Bで意味の違いはありません。
たとえばスーパーで販売されている商品を考えてみましょう。メーカーが商品を製造して卸会社へ販売する取引はBtoB、卸会社が小売店へ商品を販売する取引もBtoBです。その後、小売店が一般消費者へ商品を販売すると、その取引はBtoCになります。
つまり、同じ商品でも流通の段階によってBtoBとBtoCの両方が存在します。
また、BtoBは商品の卸売だけではありません。広告、物流、システム開発、コンサルティング、SaaS、人材サービスなど、法人向けサービスの多くもBtoBに含まれます。
BtoBの具体例
BtoBという言葉だけでは分かりにくいため、代表的な取引を具体例で見てみましょう。
| 販売する企業 | 購入する企業 | 取引例 |
|---|---|---|
| メーカー | 卸会社 | 商品・部品の販売 |
| 卸会社 | 小売店 | 商品の仕入れ |
| 食品卸 | 飲食店 | 食材・飲料の販売 |
| 資材会社 | 建設会社 | 建材・工具の販売 |
| SaaS企業 | 法人 | 業務システムの提供 |
| 広告会社 | 企業 | 広告制作・運用 |
| 物流会社 | EC企業 | 商品保管・発送 |
| Web制作会社 | 企業 | Webサイト制作 |
| 人材会社 | 企業 | 採用・人材紹介 |
| コンサル会社 | 企業 | 経営・EC支援 |
私たちが普段生活しているとBtoC企業のほうが目につきやすいですが、その裏側では非常に多くのBtoB取引が行われています。
BtoBとBtoCの違い
BtoBとよく比較されるのがBtoCです。BtoCは「Business to Consumer」の略で、企業が一般消費者へ商品やサービスを販売する取引を指します。
ネットショップで個人が洋服を購入したり、コンビニで飲み物を購入したりする取引はBtoCです。
| 比較項目 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 主な取引相手 | 企業・法人 | 一般消費者 |
| 取引金額 | 大きくなりやすい | 比較的小さいことが多い |
| 購入判断 | 複数人が関わる場合がある | 個人判断が中心 |
| 検討期間 | 長くなる傾向 | 比較的短い |
| 価格 | 取引先ごとに異なる場合がある | 基本的に共通価格 |
| 注文数量 | ロット・まとめ買いが多い | 1点からが多い |
| 支払方法 | 掛け払い・請求書払い等 | カード・電子決済等 |
| 取引期間 | 継続取引になりやすい | 商品によって異なる |
| 重視される要素 | 信頼・条件・業務効率等 | 価格・ブランド・体験等 |
ただし、これは一般的な傾向です。近年では、Web上ですぐ契約できる法人向けSaaSや少量から購入できるBtoB ECも増えているため、「BtoBなら必ず高額」「必ず商談が必要」というわけではありません。
BtoB・BtoC・CtoC・BtoGの違い
ECやマーケティングでは、BtoB以外にも似た表現が使われます。「誰が誰に販売するビジネスなのか」を示す分類と考えると分かりやすいでしょう。
| 用語 | 意味 | 代表例 |
|---|---|---|
| BtoB | 企業から企業 | 卸売・法人向けSaaS |
| BtoC | 企業から消費者 | ネットショップ・小売店 |
| CtoC | 消費者から消費者 | フリマアプリ等 |
| BtoG | 企業から行政機関 | 官公庁へのシステム・物品提供 |
| D2C | メーカー等から消費者へ直接販売 | 自社ブランドEC |
BtoBビジネスの特徴
取引金額が大きくなりやすい
企業間取引では、商品を数十個、数百個単位で仕入れたり、年間契約でサービスを利用したりすることがあります。そのため、1件あたりの取引金額がBtoCより大きくなるケースがあります。
一方で、最近では月額数千円から利用できる法人向けクラウドサービスなども多いため、すべてのBtoB取引が高額というわけではありません。
購入までに複数人が関わることがある
BtoBでは、担当者だけで購入を決めるのではなく、担当者、上司、経理・購買部門、決裁者など、複数人が購入判断に関わることがあります。
そのため、商品ページだけで購入を決めてもらうのではなく、料金表、導入事例、仕様書、見積書、提案資料などが必要になることもあります。
取引先によって価格・条件が異なる
BtoBでは、取引量や契約内容によって価格が異なる場合があります。たとえば「A社は掛率70%」「B社は掛率65%」というように、取引先ごとの価格設定が行われるケースがあります。
支払条件についても、月末締め翌月末払いなど、企業ごとに異なる場合があります。
継続取引になりやすい
BtoBでは、一度取引が始まると継続的な発注につながるケースが多くあります。飲食店が毎週食材を仕入れたり、小売店が売れた商品を再発注したりするケースが代表的です。
そのため、新規顧客獲得だけでなく、既存取引先が簡単に再注文できる仕組みが非常に重要になります。
信頼性が重要
BtoBでは、商品やサービスが企業活動へ直接影響することがあります。そのため、会社情報、導入実績、取引実績、サポート体制、セキュリティ、納期、契約条件なども重要な判断材料になります。
価格だけではなく、「この会社と継続的に取引して問題ないか」という信頼性が重視されます。
BtoB ECとは?
BtoB ECとは、企業間の取引をWebや電子システム上で行う仕組みです。
従来の企業間取引では、電話、FAX、メール、営業担当者への連絡などで注文を受ける方法が多く使われてきました。
BtoB ECを導入すると、商品を探す → 価格を確認する → 見積を取得する → 注文する → 決済・請求 → 注文履歴を確認する → 再注文するといった業務をWeb上で行えるようになります。
BtoB ECというと、一般消費者向けネットショップの法人版をイメージするかもしれませんが、実際には取引先ごとの価格や掛け払い、ロット販売など、BtoB特有の商習慣へ対応する必要があります。
BtoB ECには2つのタイプがある
既存取引先向けのBtoB EC
既存顧客だけがログインして利用するECサイトです。たとえば、それまでFAXで注文していた取引先に専用アカウントを発行し、Webから発注してもらいます。
主な目的は、受注業務の効率化、入力作業の削減、注文ミスの削減、再注文の簡略化です。
新規取引先も購入できるBtoB EC
Web検索などから新しい法人顧客を獲得するタイプです。商品情報や価格を公開し、新規企業から注文や見積依頼を受け付けます。
この場合は業務効率化だけでなく、Webを新規営業チャネルとして活用することも目的になります。
どちらを目指すのかによって、必要なサイト設計は大きく変わります。
日本のBtoB EC市場規模は514兆円を超えている
経済産業省によると、2024年の日本国内のBtoB-EC市場規模は514兆4,069億円となり、前年から10.6%増加しました。EC化率は前年の40.0%から43.1%へ上昇しています。
| 年 | BtoB EC市場規模 | EC化率 |
|---|---|---|
| 2019年 | 352兆9,620億円 | 31.7% |
| 2020年 | 334兆9,106億円 | 33.5% |
| 2021年 | 372兆7,073億円 | 35.6% |
| 2022年 | 420兆2,354億円 | 37.5% |
| 2023年 | 465兆2,372億円 | 40.0% |
| 2024年 | 514兆4,069億円 | 43.1% |
なお、経済産業省のBtoB-EC化率43.1%は対象市場をもとに算出された数値です。一方、2024年の物販系BtoC-EC化率は9.78%ですが、BtoBとBtoCでは対象となる市場の定義が異なるため、単純に「BtoBはBtoCの4倍以上EC化している」と比較するのは適切ではありません。
EC化率について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
なぜBtoBでもEC化が進んでいるのか
電話・FAX注文を減らせる
電話注文では担当者が注文内容を書き取り、システムへ入力する必要があります。FAXも同様に、人が内容を確認して受注データへ変換しなければならないケースがあります。
Web注文なら取引先自身が商品や数量を入力するため、受注側の入力作業を減らせます。
入力ミスを減らしやすい
電話で商品番号を聞き間違えたり、FAXの文字が読みにくかったりすることで、受注ミスが発生することがあります。注文内容をWeb上で確認できる仕組みにすることで、こうしたミスを減らしやすくなります。
24時間注文を受け付けられる
営業担当者や受注担当者の営業時間に関係なく、取引先が必要なタイミングで注文できます。購入側にとっても利便性が高まります。
営業担当者を受注入力から解放できる
営業担当者が日常的な注文受付や在庫確認に時間を使っている企業もあります。定型的な注文をECへ移行できれば、営業担当者は提案、新規顧客開拓、既存顧客へのフォローなど、本来の営業活動へ時間を使いやすくなります。
注文データを蓄積できる
EC化すると、誰が、いつ、何を、何個、いくらで購入したかというデータを蓄積できます。販売データを活用すれば、需要予測、在庫管理、営業提案、販促などにもつなげられます。
BtoB ECとBtoC ECの違い
見た目は同じネットショップでも、BtoB ECではBtoC ECとは異なる機能が必要になる場合があります。
取引先ごとの価格設定
BtoCでは基本的にすべての購入者へ同じ商品価格を表示しますが、BtoBでは取引実績や契約条件によって価格が異なるため、ログインした企業によって価格を変える仕組みが必要になる場合があります。
掛け払い・請求書払い
法人取引では、商品購入時にクレジットカードで支払うのではなく、月末締め翌月末払いなどの掛け払いを利用することがあります。そのためBtoB ECでは請求書払いへの対応が重要になる場合があります。
ロット・最低注文数
「1ケース24個から」「最低10万円以上」など、注文数量や金額に条件を設定するケースがあります。
見積機能
その場ですぐ購入するのではなく、まず見積書を取得して社内決裁を行う企業もあります。
取引先限定商品
特定の取引先だけが購入できる商品や、企業ごとの商品ラインアップを設定する場合もあります。
承認フロー
発注担当者が注文を作成し、上司が承認したあと正式注文になる、といった企業内の承認プロセスが必要な場合もあります。
再注文機能
BtoBでは同じ商品を定期的に注文するケースが多いため、過去の注文履歴から簡単に再注文できる機能は非常に重要です。
BtoB ECに必要な主な機能
企業によって必要な機能は異なりますが、代表的なものは次のとおりです。
- 法人・取引先ごとのログイン
- 取引先別価格
- 掛率設定
- ロット注文
- 最低注文数・最低注文金額
- 掛け払い・請求書払い
- 見積書発行
- 注文履歴
- 再注文
- 在庫表示
- 取引先限定商品
- 承認フロー
- CSV注文
- 販売管理システムとの連携
- 在庫管理システムとの連携
- 基幹システムとの連携
すべてを最初から導入する必要はありません。現在の受注業務を確認し、本当に必要な機能から優先順位を付けることが重要です。
BtoB ECを導入するメリット
受注業務を効率化できる
これまで人が行っていた注文受付や入力作業を減らせます。特にリピート注文が多い企業では、大きな業務改善につながる可能性があります。
電話・FAX対応を減らせる
「在庫はありますか」「前回と同じ商品をください」といった定型的な問い合わせや注文をWebへ移行できます。
受注ミスを減らせる
注文内容を取引先自身に入力してもらい、画面上で確認できることで、人による転記ミスを減らしやすくなります。
24時間注文を受け付けられる
受注担当者が不在でも注文を受けられるため、購入側の利便性も向上します。
営業担当者の業務を改善できる
営業担当者が注文処理ではなく、提案や商談へ時間を使えるようになります。
注文データを活用できる
顧客ごとの購入履歴を確認することで、「そろそろこの商品を発注する時期ではないか」「この取引先には別の商品も提案できそうだ」といった営業活動にも活用できます。
新しい取引先を獲得できる可能性がある
一般公開型のBtoB ECであれば、これまで営業担当者だけでは接点を持てなかった企業から問い合わせや注文を獲得できる可能性があります。
BtoB ECのデメリット・注意点
システム導入コストがかかる
BtoB ECサイトの構築費用や月額利用料、システム連携費用などが必要になる場合があります。削減できる業務時間や将来の売上と比較して投資判断を行う必要があります。
既存の商習慣に対応する必要がある
取引先ごとの価格、掛率、請求条件、最低ロットなど、既存の取引条件を整理しなければECへ移行できません。長年個別対応を続けてきた企業ほど、システム導入前の業務整理が重要になります。
基幹システムとの連携が必要になる場合がある
ECだけを導入しても、注文データを販売管理システムへ人が再入力しているのであれば、十分な効率化になりません。販売管理、在庫管理、会計、基幹システムなどとの連携も検討する必要があります。
取引先が使ってくれない可能性がある
BtoB ECサイトを作っても、取引先から「今まで通りFAXで送る」「営業担当者へ電話する」と言われれば、EC注文とFAX注文を両方処理することになります。
結果として、業務が減るどころか二重管理になる可能性があります。そのため、BtoB EC導入ではシステムを作ること以上に、取引先に使ってもらうことが重要です。
BtoB ECに向いている企業
次のような企業では、BtoB EC化による効果が出やすいと考えられます。
- 電話やFAXによる注文が多い
- 同じ商品のリピート注文が多い
- 取引先数が多い
- 商品点数が多い
- 注文入力に多くの時間を使っている
- 受注ミスが発生している
- 営業担当者が注文処理も担当している
- 取引先からWeb注文を求められている
- 注文履歴を活用できていない
- 新規法人顧客をWebから増やしたい
特に「同じ取引先が同じ商品を何度も注文する」という企業は、BtoB ECと相性が良い傾向があります。
BtoB EC化を急がなくてもよい企業
一方で、すべてのBtoB企業がすぐECサイトを作ればよいわけではありません。
- 取引先が数社しかない
- 注文回数が年に数回程度
- 毎回完全オーダーメイド
- 商談や設計が必須
- 商品や価格をWeb上で定型化できない
- EC化しても削減できる作業がほとんどない
こうしたケースでは、高額なシステムを導入しても費用対効果が合わない可能性があります。
ただし、見積依頼や資料請求だけWeb化する、注文フォームだけ用意するなど、一部業務からデジタル化する方法もあります。
「BtoB ECを導入するか」ではなく、「どの業務をWeb化すれば最も効果が大きいか」から考えることが重要です。
BtoB ECを成功させる5つのポイント
1.既存業務をそのままシステム化しない
BtoB EC導入前には、現在の受注フローを整理しましょう。長年続けている業務の中には、「なぜこの作業をしているのか分からない」というものが残っていることがあります。
不要な業務までシステム化すると、複雑で使いにくいBtoB ECになってしまいます。
2.自社より取引先の使いやすさを考える
発注する取引先にとって、商品を探しやすいか、在庫が分かるか、価格が分かるか、過去の商品を簡単に再注文できるかを確認します。
「自社の業務が楽になる」だけでは、取引先は使ってくれません。
3.再注文を簡単にする
BtoBではリピート注文が重要です。毎回商品を検索し直さなくても、過去の注文履歴、お気に入り、定番商品一覧、一括注文などから短時間で発注できるようにすると利用されやすくなります。
4.既存システムとの連携を考える
ECで受けた注文を人が販売管理システムへ再入力していては、効率化効果が限定されます。可能であれば在庫、受注、出荷、請求などのデータ連携まで考えましょう。
5.EC利用率を確認する
BtoB ECを公開して終わりではありません。
たとえば全注文100件のうち、FAX60件、電話20件、EC20件であればEC経由注文率は20%です。ここから取引先への案内やサイト改善を行い、EC経由注文率を20%から40%、60%と高めていくことで、受注業務の削減効果も大きくなります。
BtoB ECで見るべきKPI
BtoCのネットショップではアクセス数、CVR、客単価などが重要なKPIになりますが、BtoB ECではそれだけでは不十分です。
| KPI | 確認すること |
|---|---|
| EC経由注文率 | 全注文の何%がECか |
| 取引先利用率 | 何社がECを利用しているか |
| 受注処理時間 | 注文処理時間が減ったか |
| 注文入力工数 | 手入力作業が減ったか |
| 入力ミス件数 | 受注ミスが減ったか |
| 再注文率 | 継続発注されているか |
| 平均注文単価 | 1回の注文額 |
| 新規取引社数 | Webから新規顧客を獲得できたか |
BtoB ECでは、売上だけでなく「業務がどれだけ減ったか」も成果です。
たとえば売上が変わっていなくても、毎月100時間かかっていた受注入力が20時間まで減ったのであれば、大きな導入効果があります。
BtoB EC導入前に確認したいこと
BtoB ECを検討する場合、最初からシステム会社へ問い合わせるのではなく、現在の業務を整理しておくと失敗しにくくなります。
- 月間注文数
- 取引先数
- 商品点数
- 電話・FAX・メール・ECそれぞれの注文割合
- 1件の受注処理に必要な時間
- 取引先ごとの価格差
- ロット・最低注文数
- 支払方法
- 見積の有無
- 基幹システムとの連携
- 在庫連携の必要性
- 新規取引先をWebから獲得したいか
この整理をしてからシステムを比較すると、自社に不要な機能へコストをかけるリスクを減らせます。
BtoB ECにしても営業担当者は不要にならない
BtoB ECを導入すると、「営業担当者がいらなくなるのでは」と考える人もいます。しかし、BtoB ECが得意なのは、在庫確認、価格確認、定型注文、再注文、注文履歴確認など、定型的な業務の効率化です。
一方で、課題のヒアリング、商品提案、新商品の案内、価格交渉、大型案件の商談、取引関係の構築などは営業担当者が価値を発揮する領域です。
そのため、理想は「ECか営業か」ではなく、定型業務をECへ移し、営業担当者が提案や顧客対応へ時間を使える状態を作ることです。
BtoBについてよくある質問
BtoBとは簡単にいうと何ですか?
BtoBとは、企業が企業に商品やサービスを販売する取引のことです。「Business to Business」の略で、B2Bと表記されることもあります。
BtoBとB2Bに違いはありますか?
基本的に意味は同じです。「to」を数字の「2」に置き換えてB2Bと表記しています。
BtoBとBtoCの違いは?
BtoBは企業間取引、BtoCは企業と一般消費者の取引です。BtoBでは、取引金額が大きい、複数人で購入判断をする、取引先ごとに価格や支払条件が異なる、といった特徴が見られる場合があります。
BtoB企業にはどんな会社がありますか?
メーカー、卸会社、物流会社、広告会社、システム会社、SaaS企業、人材会社、コンサルティング会社など、多くの企業がBtoBビジネスを行っています。
BtoB ECとは何ですか?
企業間の受発注などをWebや電子システムで行う仕組みです。商品検索、見積、注文、請求、注文履歴、再注文などをオンライン化できます。
日本のBtoB EC市場規模はどのくらいですか?
経済産業省によると、2024年の日本国内BtoB-EC市場規模は514兆4,069億円で、EC化率は43.1%です。
BtoBでもネットショップを作れますか?
作れます。ただしBtoC向けECとは異なり、取引先別価格、掛け払い、ロット販売、見積、再注文、取引先限定商品などが必要になる場合があります。
BtoB ECを導入すれば電話やFAXをなくせますか?
ECサイトを作っただけではなくなりません。取引先にECを利用してもらい、注文方法を移行していく必要があります。電話・FAXとECが長期間併存すると、かえって管理業務が増える可能性もあります。
BtoB ECで最も重要なKPIは何ですか?
目的によって異なりますが、業務効率化を目的とするなら「EC経由注文率」と「取引先利用率」は特に重要です。売上だけではなく、受注入力時間やミス件数がどれだけ減ったかも確認しましょう。
まとめ|BtoBとは企業間取引。EC化では「取引先が使える仕組み」が重要
BtoBとは「Business to Business」の略で、企業と企業の間で行われる取引を指します。商品の卸売だけでなく、物流、広告、システム、SaaS、人材、コンサルティングなど幅広いビジネスがBtoBに含まれます。
そして現在は、企業間取引でもEC化が進んでいます。経済産業省によると、2024年の国内BtoB-EC市場規模は514兆4,069億円、EC化率は43.1%となっています。
ただし、BtoB ECは「ネットショップを作れば成功する」というものではありません。
現在の受注業務を整理する → EC化する業務を決める → 取引先が使いやすい仕組みを作る → 既存システムと連携する → EC利用率を高める → 受注業務を減らすという流れが重要です。
特に既存取引先から電話・FAXで繰り返し注文を受けている企業では、BtoB ECによって大きく業務を改善できる可能性があります。
一方で、取引先数が少ない企業や、毎回個別の商談・設計が必要な企業では、いきなり大規模なECシステムを導入する必要がない場合もあります。
BtoB ECを検討するときは、「どのシステムを導入するか」から始めるのではなく、現在の受注業務のどこに時間がかかっているのか、Web化することでどれだけ改善できるのかから考えることが大切です。