地震や台風、災害時のお見舞いメール例文とテンプレート
ネットショップの運営において、必ず送信するメールに「注文確認メール」があります。
【参考】現役店長が使う注文確認メール文例 注文の確認メールテンプレート
通常の場合は、上記のようなメール文面で問題ありませんが、地震や台風などの「災害」が起こった場合、ご注文者様のなかには「被災」される方もおられます。
災害に見舞われた方は、ネットショップの注文どころではないような状況におられるはずですが、中には、ご自身の状況よりも「注文してしまった店舗に対して何とか連絡を取りたい」「発送をストップしてほしいことを伝えたい」と
いう意思を持たれる方もおられます。
ネットショップ運営者としては、お客様の状況が分からない為、まずは状況についての「お見舞いメール」を送信することをおすすめします。
今回は、ネットショップ運営時における地震や台風、災害時のお見舞いメールの例文・文例を紹介いたします。
- 地震などの災害発生時に店舗運営者が気を付けること
- 災害発生時にEC店長が対応すべき重要なポイント
- (1)店舗のトップページなどにお見舞いの言葉を掲載する
- (2)配送について、配達不可地域などが判明していれば、店舗トップに掲載する
- (3)水や防災グッズを販売している店舗は、救援物資依頼に備える
- (4)受注状況を確認し、「発送待ち」などのステータスに被災された地域がないか確認する
- (5)モールの自動返信メールに「お見舞いの言葉」を記載する
- (6)配送が不可になる場合もあるため、商品によっては一旦販売を停止する
- (7)状況が改善されるまでは、不用意なメルマガなどは送らない
- 災害発生時のお見舞いメール例文・テンプレート
- お見舞いメール文例のまとめ
地震などの災害発生時に店舗運営者が気を付けること
東日本大震災をはじめ、日本では非常に大きな地震が不定期に起こりやすい国であることはご存じかと思います。
2016年4月に起こった熊本地震の際には、筆者も現在のネットショップを運営していました。
熊本地震当時、ご注文された方の中に、被災地の方がおられたのですが、その方は、ご自宅が全壊されたため、避難所での生活を余儀なくされておいででした。
当店の商品を購入された翌々日に、地震に見舞われたため、当店からお客様に注文確認のメールを送る際に、「なんて送ろう」と頭を悩ませたことを覚えています。
大きな地震や災害が起こった際は、被災地以外のご注文者様に対しても、「お見舞いの言葉」を注文確認のメールの中に記載しておくことをおすすめします。
地震の被害にあわれるのは、ご本人だけではなく、そのご家族にも影響を与えます。
大きな災害が起こった際には、楽天市場などのショッピングモールからも、通達がありますが、メルマガなどは控えるように心がけましょう。
家族の安否確認の電話や、重要なメールを待っている方が多い時期に、「セールのお知らせ」などが届くと、人によっては不快に感じられる方もおられると思います。
大きな災害発生の際は、まずは被災された方に対してのお見舞いの気持ちと、通信手段を利用した販促行動は可能な限り控えるようにしましょう。
災害発生時にEC店長が対応すべき重要なポイント
災害が発生した際に、ネットショップの運営者として、対応する必要がある事を現役店長がご紹介いたします。
地震や台風などの被害状況によっては、下記の対応期間をできるだけ長く行う事をおすすめします。参考になれば幸いです。
(1)店舗のトップページなどにお見舞いの言葉を掲載する
震災など大きな災害が起こった際、まずは被災された方の気持ちに寄り添うということを忘れないでください。
ネット通販は、実際の店舗と比べて、「接客がない」と思われる方が非常に多いのですが、インターネットの向こう側には、きちんと店舗担当者がいます。
店舗さんによっては、実店舗とネットショップを店長一人が掛け持ち対応している場合もあり、いわゆる「ワンオペ状態」でECサイトを運営されるケースもあります。
それでも、お客様からの電話には即座に対応する必要がありますし、メールであってもお問合せやご質問、ご要望などには誠心誠意対応していかなくてはなりません。
ネットショップであれ、リアル店舗であれ、そこに人と人の関わりがある以上、大変な事態が起こった際には、まずは一言「被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます」という言葉を伝えましょう。
ネットショップであれば、店舗のトップページに、簡単なテキストバナーでかまいませんので、お見舞いの言葉を掲げるようにしましょう。
その一言があるだけで、心が通ったお店だと、来店された方は、温かい気持ちを持ってくれるはずです。
(2)配送について、配達不可地域などが判明していれば、店舗トップに掲載する
(1)が、お見舞いの言葉という「心」の部分でしたが、(2)では、実務的な情報を利用者に伝えるという対応内容になります。
当店の例となりますが、2016年4月14日に起きた熊本地震では、震度7を記録しました。
特に被害の大きかった地域として、益城町という町については、地震発生後、物流各社からの通達により、「配達不可地域」に指定されました。
当時、当店のご注文者様のなかに、被災された方がおられ、益城町宛のご注文もありました。
幸いお客様ご自身は、ご無事でしたが、避難所での生活となられたため、ご注文いただいた商品については、落ち着かれるまでは発送を保留にさせていただくことでご了承を得ました。
この「配達不可地域」を店舗トップなどの目立つ場所に掲載する意味としては、震災などが発生した後に起こる「救援物資のための注文」が入ることがあるためです。
救援物資は被災地に向けて、水や食料、衣類などをボランティアで送付されることがありますが、ネットショップは、救援物資としての注文をそのまま被災地宛に配送依頼されることがしばしばあるのです。
地震の直後は、道路が倒壊していたり、交通状況が遮断されることがありますので、支援の気持ちで注文した救援物資依頼も、届けることができない状況が実際にありました。
お客様へは、まずはそのお気持ちはしっかりと受け取らせてもらい、配送については、被災地の状況が判然としたのちに、救援物資を受け付けてくれる窓口が決定するまでは配送保留とさせていただくことを相談するようにしましょう。
また、すでに商品を発送済みの場合、交通状況などにより配送遅延が発生することがあります。
配送遅延が発生した際には、お客様に商品のお届けが予定通り届かないということを事前にメールにてお伝えするようにしましょう。
(3)水や防災グッズを販売している店舗は、救援物資依頼に備える
(2)に記載した内容につながりますが、大きな地震などの災害が発生した後に、「救援物資としてのご注文」が入ることが想定されます。
特に、お水やお米、保存食などの日用品や、トイレットペーパーや生理用品、紙オムツなどの消耗品を販売するネットショップの場合、救援物資の需要と思われる注文が入る可能性が非常に高いです。
救援物資での配送の場合、物流企業も送料を取らない特例のケースが起こることがあります。
店舗運営者としても、支援の気持ちは他の方と同じように持っているかと思いますが、救援物資の受け入れ態勢が整わない状況で商品の発送を行う事は極力避けるように心がけてください。
お客様のなかには、配送先に「救援物資として送付希望」とだけ書かれるケースがあったり、被災地の市役所や公民館を宛先にされて注文されるケースも実際にありました。
まずは、被災地が混乱しないことを優先して、支援物資の依頼は、順次受け付けるようなアナウンスをご注文確認メールなどで伝えるようにしましょう。
(4)受注状況を確認し、「発送待ち」などのステータスに被災された地域がないか確認する
地震などの被害状況によっては、最悪の場合、ご注文された方が、亡くなられるといったケースもありえます。
ネットショップの注文では、お客様から配達希望日時が現在よりも先の日付でご依頼された場合、受注ステータスを「発送待ち」というステータスに置いておく場合があります。
また、決済方法が、銀行振込などの事前入金を選択されている場合、当店のように入金後の商品発送という流れを取っていると、「入金待ち」という受注ステータスに移動させています。
発送待ちや入金待ちのステータスのなかに、被災地のご住所がある場合は、まずは、お客様の安否確認の意味も含めて、「お見舞いメール」を送り、「配送についての確認」をとるようにしましょう。
お客様によっては、ご自宅が倒壊され、避難所生活となられる方もおられます。当初の予定住所が、被害状況次第では配達不可となることも考えられます。
被害の状況確認と、お客様の安否状況の確認には常に気を配るよう心掛けてください。
(5)モールの自動返信メールに「お見舞いの言葉」を記載する
楽天市場などのショッピングモールでは、お客様が商品を注文された直後に、ショッピングモールからの自動返信メールが送信されます。
自動返信メールは、「注文を受け付けました」「注文が無事に完了しました」という程度の意味合いのメールになるため、店舗側での確認メールとは意味が異なります。
モールからの自動返信メールは、基本的には、モールが設定している文面が記載されているため、被災者の方へのお見舞いの内容は含まれていません。(一部のモールではモール側でお見舞いの言葉を入れてくれることもあります)
自動返信メールには、バックヤード、管理画面上から、「店舗からのお知らせ」などとして、『テキストを差し込む』ことができる箇所が用意されている場合があります。
もし、店舗からのメッセージを記載できるシステムであれば、自動返信メールの中に一言、「被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます」という一文を記載するようにしましょう。
まずは相手への「思いやり」の気持ちを大切にするようにしましょう。
(6)配送が不可になる場合もあるため、商品によっては一旦販売を停止する
当店のケースですが、2011年3月に起きた、東日本大震災の際には、お水やトイレットペーパーなどへの注文が殺到しました。
そのため、楽天市場のお店をいったん「閉店」にして、受注を受け付けないという強制閉店的な対応を取った時期があります。
地震などが発生した際には、日用品や食料品などに急激な需要が集まる傾向があるため、多くのネットショップが商品欠品に陥るほどに需要と供給のバランスが崩れる事態になる恐れがあります。
注文された商品の在庫がなくなり、メーカーに発注をかけてもメーカーも欠品しているというパターンが非常に多いということが実体験から得られた教訓のひとつです。
大地震などは、人の命に係わる緊急の事態ですから、この時ばかりは売上などを気にせずに、まずは「今」どうするべきか、最善策は何かを考えて行動しましょう。
生きてさえいれば、一時的に閉店して売り上げがなくなったとしても、後からなんとでもなりますから。
(7)状況が改善されるまでは、不用意なメルマガなどは送らない
これは東日本大震災以降、楽天市場をはじめ、あのヤマダモールでさえ、非常にしっかりと対応するようになりました。
ネットショップを運営している方なら、毎週一回はメルマガを配信されているかと思います。(メルマガ配信されていない店舗の方は、この機会に是非メルマガを送信しましょう)
地震発生直後は、携帯電話などで安否連絡を取られる行為が集中しがちです。
家族の安否を気にしている時、一分一秒を争う連絡を待っている時に、「今日のオススメ商品だよーん♪」といった、いつものテンションのメルマガが届いたら、あなたならどう思うでしょうか?
平常時ならそこまで気にしないことでも、災害発生時には、まずは相手の気持ちになって行動をとるように心がけてください。
メルマガも、お見舞いの気持ちを伝えることはもちろんですが、短期間にメルマガを連続で送信することは控えるようにしましょう。
災害発生時のお見舞いメール例文・テンプレート
地震や台風などの災害の発生した際のお見舞いメールの例文、テンプレートをご紹介いたします。
当店でも実際に利用しているメールテンプレートとなりますので、ご利用いただければと思います。
災害発生時のお見舞いメール例文・テンプレート
【件名】被災された方に心よりお見舞い申し上げます
○○様
先日は当店をご利用いただき誠にありがとうございます。
【ネットショップ名】の店長○○と申します。
先日は当店をご利用いただき誠にありがとうございました。
この度の【○○災害名○○】により被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
大変な状況であることは十分に理解しておりますが
ご注文いただいた商品についての大切なご確認のため
メールでのご確認について、
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
ご注文いただきました商品の発送についてですが、
先日起こりました【○○災害名○○】の影響により
一部の地域で配送遅延・配達不可地域が発生しております。
商品の発送について、状況によっては一旦保留とさせていただくか
もしくはご注文自体をキャンセルすることも可能でございます。
配送について特に問題が無ければ、配達不可地域以外の
ご注文に関しましてはこのまま配送にすすめさせていただきます。
被害にあわれた方や、配送について停止してほしいという
ご要望のある方は、大変恐れ入りますがこのメールへの
返信でかまいませんので、ご連絡下さいますようお願い申し上げます。
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
今回のご注文内容は下記の通りです。
—————–【注文情報を記載】—————–
[受注番号]○○○○○○○[注文日時]○○年○月○日 ○:○:○
[ご注文者] ○○ 様
[支払方法] クレジットカード決済 [商品名] ○○○○○○○○○○ [商品代金] ○○○円
[送料] ○○○円
[合計] ○○○円
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この度は被害にあわれました方、
また被害にあわれましたご家族の方には
心よりお見舞い申し上げます。
—————【ネットショップの署名】————-
【ネットショップの名前】 店長○○
ショップURL:http://○○○.com
店舗連絡先:○○○@○○○.com
運営会社:株式会社△△
住所:〒601-0001 京都府京都市○○区○○町321
TEL:075-1234-5678 / FAX:075-1234-5678
営業時間:平日○時~○時まで
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お見舞いメール文例のまとめ
ネットショップ、ECサイト運営で、地震などの災害時にお客様におくるお見舞いメールの例文・テンプレートまでをご紹介いたしました。
日本に住んでいれば、一年間で大小関わらず地震を体験することが当たり前となっています。
また、最近ではゲリラ豪雨や台風などによる水害などで、被災される方もおられ、地震以外でも大きな被害となるケースが増えてきているように思います。
ネットショップは、その性質上、一部の方からはまるで「自動販売機」のように、無機質で自動的に注文を受け付けるシステムのように思われる方もおられます。
実際には、しっかりと店舗運営されているネットショップの場合、店長や店舗責任者が、デスク前に常駐し、お客様からの問合せ対応を行っていることがほとんどかと思います。
ネットショップも「人」が運営し、注文してくれた「人」に商品を迅速かつ確実にお届けすることを最優先として店舗運営を行っています。
ネットショップであれ、リアルの店舗であれ、お客様との意思疎通がとれてこそ、顧客満足度の向上にもつながっていくと思います。
今回の記事が、少しでもネットショップ運営者の方の業務のお役に立てれば幸いです。