
「商品を販売するならネットショップと実店舗のどちらがいい?」「実店舗を運営しているけれど、ネットショップも始めるべき?」これから商品を販売する事業者にとって、ネットショップと実店舗の違いは気になるところではないでしょうか。
結論からいうと、ネットショップと実店舗は「どちらが優れている」というものではありません。低い固定費で商圏を広げたい、データを活用して販売したい場合はネットショップ、商品体験や対面接客、すぐに持ち帰れることを重視するなら実店舗に強みがあります。すでに実店舗を運営している企業なら、どちらか一方を選ぶのではなくECを追加して両方の強みを活かす方法もあります。
経済産業省によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円まで拡大し、物販系分野のEC化率は9.78%となりました。ECは特別な販売方法ではなく、企業にとって重要な販売チャネルのひとつになっています。
この記事では、ネットショップと実店舗の違いを12項目で比較し、それぞれのメリット・デメリット、コスト構造、向いている商品、さらに実店舗とECを組み合わせる方法まで、EC運営の視点からわかりやすく解説します。
- 1 ネットショップと実店舗の違いを一覧で比較
- 2 そもそもネットショップと実店舗は何が違う?
- 3 ネットショップと実店舗を12項目で徹底比較
- 4 ネットショップの6つのメリット
- 5 ネットショップの6つのデメリット
- 6 実店舗の5つのメリット
- 7 実店舗の5つのデメリット
- 8 ネットショップと実店舗ではどちらがコストを抑えやすい?
- 9 ネットショップに向いている商品・ビジネス
- 10 実店舗に向いている商品・ビジネス
- 11 「ネットショップか実店舗か」ではなく両方を組み合わせる
- 12 実店舗のある企業がECを始めるときの5つの注意点
- 13 ネットショップを始めるなら何から考える?
- 14 ネットショップと実店舗についてよくある質問
- 15 まとめ|ネットショップと実店舗は「どちらが優れているか」ではない
ネットショップと実店舗の違いを一覧で比較
まずは、ネットショップと実店舗の主な違いを比較してみましょう。大きな違いは、ネットショップでは場所や営業時間による制約を小さくできる一方、実店舗では商品を直接確認したりスタッフから接客を受けたりできることです。
| 比較項目 | ネットショップ | 実店舗 |
|---|---|---|
| 商圏 | 全国・海外まで広げやすい | 店舗周辺が中心 |
| 営業時間 | 原則24時間注文可能 | 営業時間内 |
| 初期費用 | 比較的抑えやすい | 物件・内装などが必要 |
| 固定費 | 店舗費用を抑えやすい | 家賃・光熱費などが必要 |
| 集客 | SEO・広告・SNS・ECモールなど | 立地・看板・広告・口コミなど |
| 接客 | 商品ページ・FAQ・チャットなど | 対面接客 |
| 商品確認 | 写真・動画・説明など | 実物を確認できる |
| 商品受取 | 配送が基本 | その場で持ち帰れる |
| データ | 取得・分析しやすい | 取得方法によって差がある |
| 在庫 | 倉庫などへ集約できる | 店舗ごとの在庫管理も必要 |
| 人員 | 省人化しやすい | 店舗スタッフが必要 |
| 拡張性 | 商圏・商品を広げやすい | 新規出店には投資が必要 |
そもそもネットショップと実店舗は何が違う?
ネットショップとは、インターネット上で商品やサービスを販売する店舗のことです。ECサイトやオンラインショップとも呼ばれ、自社ECサイトを構築する方法だけでなく、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどのECモールへ出店する方法もあります。
一方、実店舗は実際の場所に店舗を構え、顧客が来店して商品を購入する販売方法です。両者の本質的な違いは、単純な「売る場所」だけではありません。
ネットショップでは、商品ページ、写真、動画、レビューなどを通じて商品の魅力を伝えます。実店舗では、商品そのものだけでなく、スタッフとの会話や店内の雰囲気なども購入体験の一部になります。つまり、ネットショップと実店舗では「顧客へ商品の価値を伝える方法」が大きく異なるのです。
ネットショップと実店舗を12項目で徹底比較
1.商圏
実店舗の商圏は、基本的に店舗へ来店できる範囲に限定されます。有名店であれば遠方から来店してもらえることもありますが、多くの店舗では立地が売上を左右する重要な要素になります。
ネットショップの場合、インターネットへ接続できれば地域を問わず商品を販売できます。特にニッチな商品ではこの違いが重要で、店舗周辺では購入者が少ない商品でも、日本全国を対象にすれば十分な市場になる可能性があります。
2.営業時間
実店舗では営業時間外に商品を販売することは基本的にできません。一方、ネットショップならシステムが稼働している限り24時間注文を受け付けることができます。スタッフが対応していない深夜でも注文を受けられることは、ネットショップならではの特徴です。
ただし、問い合わせ対応や発送作業まで24時間行う必要はありません。注文受付や決済をシステムで自動化し、実際の業務は営業時間内に処理できます。
3.初期費用
実店舗を開業する場合、物件取得費、保証金、内装工事、什器、レジ、看板など、さまざまな費用が発生します。ネットショップの場合、こうした店舗物件に関する費用を抑えやすいことが特徴です。
ただし、ネットショップでも利用するサービスや規模によって費用は大きく異なります。低コストで始められるECサービスもあれば、本格的なECサイトを制作会社へ依頼すれば構築費用が発生します。「ネットショップならほとんどお金がかからない」と考えるのではなく、必要な機能や事業規模から予算を考えましょう。
4.ランニングコスト
実店舗では家賃、人件費、電気代などの固定費が継続的に発生します。ネットショップでは店舗家賃を抑えられる一方、ECカートの月額料金、決済手数料、広告費、物流費、倉庫費、システム利用料などが発生します。
特に注意したいのが、ネットショップには売上の増加に伴って大きくなる費用があることです。決済手数料や配送費、広告費などは売上や注文件数に応じて増える可能性があります。そのため「実店舗=高コスト、EC=低コスト」と単純には比較できません。
5.集客方法
実店舗では立地そのものが集客力になります。人通りの多い駅前や商業施設へ出店すれば、店舗を知らなかった人にも存在を知ってもらえる可能性があります。
一方、ネットショップには「通りすがりのお客様」がほとんどいません。SEO、Web広告、SNS、YouTube、TikTok、メール、LINE、ECモールなどを活用して、自分たちで顧客との接点を作る必要があります。ECでは商品を登録すること以上に「どうやってアクセスを集めるか」が重要です。
6.接客方法
実店舗では、スタッフが顧客の表情や反応を見ながら商品を提案できます。「どの商品が自分に合うかわからない」という顧客にも、その場で質問しながら商品を提案できます。
ネットショップでは対面接客ができないため、商品ページが販売員の役割を担います。商品の特徴、写真、サイズ、使い方、FAQ、レビュー、比較表、チャットなどを活用し、顧客が一人でも購入判断できる状態を作ることが重要です。
7.商品の確認方法
実店舗では商品を実際に手に取ることができます。洋服なら試着でき、家具なら質感やサイズ感を確認できます。ネットショップでは商品を直接確認できないため、写真だけでなく、動画、サイズ表、利用シーン、レビューなどを使って「実物を見られない不安」を減らす必要があります。
8.購入から商品受取まで
実店舗なら在庫があれば購入した商品をその場で持ち帰ることができます。ネットショップでは注文後に商品を発送するため、顧客の手元へ届くまで時間がかかり、送料も発生します。
そのため「今日必要」「今すぐ欲しい」という商品では実店舗が有利になるケースがあります。一方、ECで注文して店舗で受け取る仕組みを導入すれば、両方のメリットを組み合わせることもできます。
9.顧客データ
ECの大きな特徴のひとつがデータです。アクセス解析やECシステムを活用すれば、どこからサイトへ訪れたのか、どの商品を見たのか、CVRは何%か、平均購入単価はいくらか、リピート購入されているかなどを分析できます。
実店舗でもPOSや会員アプリなどを活用すれば顧客データを取得できますが、ECでは購入前のサイト内行動まで把握しやすいことが特徴です。このデータを使って「なぜ売れたのか」「どこで離脱したのか」を改善していけることは、ネットショップの大きな強みです。
10.在庫管理
実店舗では、顧客がその場で購入できるよう店舗に在庫を置く必要があります。複数店舗を運営すると、店舗Aでは売り切れているのに店舗Bでは在庫が残っているといったことも起こります。
ネットショップなら在庫を倉庫へ集約できますが、実店舗とECの両方で同じ商品を販売する場合は注意が必要です。店舗で売れた商品がECでは「在庫あり」のまま表示されるとキャンセルにつながります。ECと実店舗を併用するなら、在庫情報をどのように管理・連携するかまで設計しましょう。
11.必要な人員
「ネットショップなら一人で運営できる」と考える方もいます。確かに実店舗より少人数で始めやすい場合がありますが、ネットショップにも商品登録、商品撮影、受注処理、問い合わせ対応、発送、在庫管理、広告、SNS、SEO、メルマガ、アクセス解析など多くの業務があります。
ネットショップは「人が必要ない」のではなく、実店舗とは必要になる仕事が違うと考える方が正確です。売上が増えるほど、業務の仕組み化やシステムによる効率化も重要になります。
12.事業の拡張性
実店舗を増やす場合、新しい物件、人員、在庫などが必要になります。ネットショップなら、同じECサイトで商品数を増やしたり、全国へ販売エリアを広げたりできるため、物理的な店舗数を増やさず事業規模を拡大できる可能性があります。
ただし、アクセスや注文が増えれば物流、カスタマーサポート、在庫管理、システムなどの強化も必要です。ECだから無制限に簡単に拡大できるわけではありません。
ネットショップの6つのメリット
1.全国・海外へ販売できる
実店舗だけでは届かなかった地域の顧客へ商品を販売できます。特に専門性の高い商品やニッチな商品では、商圏を全国へ広げられるメリットが大きくなります。
2.24時間注文を受け付けられる
営業時間を気にせず、顧客が好きな時間に商品を購入できます。通勤中、昼休み、夜間など、実店舗へ行けない時間でも販売機会を作れます。
3.店舗に関する固定費を抑えやすい
店舗物件を必要としないため、家賃や内装費などを抑えて販売を始められる場合があります。ただし、EC運営にはシステム、決済、物流、広告など別のコストが発生します。
4.顧客行動をデータで分析しやすい
アクセス数、CVR、客単価、リピート率などを確認しながら改善できます。「なんとなく売れない」ではなく、どこに問題があるのかを数字から考えられることはECの大きなメリットです。
5.商品・商圏を拡張しやすい
店舗スペースの制約を受けにくいため、商品ラインアップを増やしたり、新しい地域へ販売したりしやすくなります。
6.比較的少人数からスタートできる
受注や決済などをシステムで自動化できるため、実店舗より少人数でスタートできるケースがあります。ただし、売上が増えれば受注・物流・問い合わせ・販促などの体制強化が必要になります。
ネットショップの6つのデメリット
1.商品を直接確認してもらえない
顧客は購入前に商品を手に取れません。そのため写真、動画、説明文、サイズ情報、レビューなどを充実させる必要があります。
2.自分たちで集客する必要がある
ネットショップを作っただけではアクセスは増えません。SEO、広告、SNS、ECモールなど、継続的な集客施策が必要です。
3.価格比較されやすい
インターネットでは競合商品を簡単に検索できます。価格だけで比較されないよう、商品の価値、サービス、配送、保証、ブランドなども含めて選ばれる理由を作る必要があります。
4.配送コストが発生する
商品を顧客へ届けるため、送料、梱包資材、物流作業などのコストが必要です。送料無料にする場合でも送料そのものがなくなるわけではなく、ショップ側で負担するなど価格設計の中で吸収する必要があります。
5.返品・問い合わせ対応が必要
「思っていた色と違った」「サイズが合わない」といった、実物を確認できないEC特有の問い合わせや返品が発生することがあります。購入前に必要な情報を十分に伝えることが重要です。
6.ネットショップを作っただけでは売れない
これはECを始めるときに特に知っておきたいポイントです。商品を登録してサイトを公開しただけでは、ほとんどアクセスがないことも珍しくありません。ネットショップでは「作ること」よりも、その後の集客・分析・改善が重要です。
ネットショップが売れない原因については、ネットショップが売れない理由と売れるショップとの違いでも詳しく解説しています。
実店舗の5つのメリット
1.商品を実際に確認してもらえる
商品を見たり、触ったり、試したりできます。購入前の不安をその場で解消できることは実店舗ならではのメリットです。
2.対面接客ができる
顧客の悩みを聞きながら商品を提案できます。説明が必要な商品や、購入時に相談したい商品との相性がよい販売方法です。
3.購入した商品をすぐに渡せる
在庫があれば、その場で商品を持ち帰ってもらえます。「今すぐ必要」という需要にも対応できます。
4.店舗自体が広告になる
人通りのある場所へ出店すれば、看板やショーウインドウを見た人へ店舗の存在を知らせることができます。
5.地域との関係を作りやすい
スタッフと顧客が直接コミュニケーションできるため、地域に根ざした関係を築きやすいことも特徴です。
実店舗の5つのデメリット
1.商圏が立地に左右される
どれだけ良い商品を販売していても、店舗へ来てもらえなければ購入にはつながりません。そのため立地選びが非常に重要になります。
2.営業時間に制約がある
閉店後は基本的に販売できません。営業時間を延ばせば、人件費などのコストも増える可能性があります。
3.固定費が大きくなりやすい
家賃、人件費、光熱費など、売上に関係なく発生する費用があります。売上が落ちても固定費は発生するため、損益分岐点を考えた経営が必要です。
4.出店・撤退の負担が大きい
実店舗では物件契約や内装工事が必要になるため、簡単に出店場所を変更できません。撤退する場合にも原状回復などの費用が発生することがあります。
5.店舗が増えるほど管理が複雑になる
複数店舗になると、在庫、人員、売上、販促などを店舗ごとに管理する必要があります。店舗間の在庫移動なども発生するため、事業規模が大きくなるほど管理システムが重要になります。
ネットショップと実店舗ではどちらがコストを抑えやすい?
一般的には、ネットショップの方が店舗に関する初期費用や固定費を抑えやすい傾向があります。しかし、「EC=安い」と単純に考えるのは危険です。
| 主なコスト | ネットショップ | 実店舗 |
|---|---|---|
| 物件 | 基本的に不要 | 家賃・保証金など |
| 内装・什器 | 基本的に不要 | 必要 |
| システム | ECカート・各種ツール | POS・店舗システムなど |
| 決済 | 決済手数料など | キャッシュレス決済手数料など |
| 集客 | SEO・広告・SNSなど | 立地・広告・販促など |
| 物流 | 配送・梱包・倉庫など | 店舗への納品など |
| 人員 | EC運営・物流・CSなど | 店舗スタッフなど |
実店舗では家賃などの固定費が大きくなりやすい一方、ECでは決済手数料、配送費、広告費など、売上や注文数に応じて増える費用があります。そのため「開店にいくら必要か」だけではなく、月商100万円、500万円、1,000万円になったときにどのような費用が発生するのかまで考えることが重要です。
ネットショップに向いている商品・ビジネス
ネットショップとの相性がよいのは、全国に顧客がいる商品です。特に専門性が高い商品やニッチ商品は、地域だけでは十分な顧客数を確保できなくても、全国を商圏にすればビジネスとして成立する可能性があります。
また、日用品、食品、化粧品などリピート購入が発生する商品もECとの相性があります。一度購入した顧客へメールやLINEなどで再購入を促すことができるためです。
ただし、商品カテゴリーだけで「EC向き」と判断するのはおすすめしません。同じアパレルでも、商品写真やサイズ情報を充実させればECで販売できますし、実店舗で試着してからECでリピート購入してもらう方法もあります。重要なのは、顧客がオンラインでも安心して購入判断できる状態を作れるかです。
実店舗に向いている商品・ビジネス
実店舗は、商品を実際に体験することが購入判断に大きく影響するビジネスと相性があります。試着が重要な商品、質感を確認したい商品、専門スタッフによる説明が重要な商品などです。
また、飲食店や地域密着型サービスのように、その場所へ行くこと自体が価値になるビジネスも実店舗が中心になります。ただし「実店舗向きの商品だからECは不要」とは限りません。店舗へ来る前にネットで商品を調べる、店舗で確認して後からECで購入する、2回目以降はECで購入するといった顧客行動も考えられます。
「ネットショップか実店舗か」ではなく両方を組み合わせる
ここまでネットショップと実店舗を比較してきましたが、現在の販売戦略では必ずしもどちらか一方を選ぶ必要はありません。実店舗を持っている企業なら、その強みをECでも活用できます。
実店舗からECへ送客する
商品購入時にECサイトを案内したり、店舗内にQRコードを設置したりして、次回購入をECへつなげる方法があります。
ECから実店舗へ送客する
ECサイトで店舗情報や在庫情報を掲載し、「実物を確認したい顧客」を店舗へ案内することもできます。
ECで注文して店舗で受け取る
オンラインで注文し、都合のよい時間に店舗で商品を受け取れる仕組みです。配送を待たずに受け取れるというECと実店舗の中間的な購入体験を作れます。
店舗で確認してECで購入する
店舗では商品を確認し、在庫のない色やサイズをECから注文してもらう方法もあります。店舗面積による商品数の制限を補うことができます。
ECと店舗の顧客データを活用する
ECと店舗の会員情報や購入履歴を連携できれば、「店舗では何を買ったのか」「ECでは何を買ったのか」を横断して把握できます。顧客一人ひとりに合わせた販売施策を考えやすくなります。
ECと店舗の在庫情報を連携する
店舗とECの在庫情報を連携すれば、店舗在庫をECから確認したり、EC注文を店舗在庫から出荷したりする仕組みも考えられます。
このように複数の販売チャネルを連携し、顧客へ一貫した購買体験を提供する考え方がオムニチャネルです。詳しくはオムニチャネルとは?意味やECと実店舗を連携する考え方も参考にしてください。
実店舗のある企業がECを始めるときの5つの注意点
実店舗で商品が売れているからといって、同じ商品をネットへ掲載すれば同じように売れるとは限りません。ECにはEC独自の売り方があります。
1.店舗の商品をそのまま掲載するだけでは売れない
実店舗ではスタッフが商品の特徴や違いを説明し、顧客から質問があればその場で回答できます。しかしECでは、購入者の横に販売スタッフはいません。
そのため、実店舗で販売スタッフが行っている接客を商品ページへ移植するという考え方が重要です。「お客様からよく聞かれる質問」「商品をおすすめするときに説明していること」「他の商品との違い」「購入前に迷いやすいポイント」などを、写真・文章・動画・FAQ・比較表へ置き換えていきます。
2.ECの集客担当を決める
ECサイトを作った後、「誰が集客するのか」が決まっていない企業は少なくありません。サイト制作会社へ依頼したからといって、自動的に売上が増えるわけではありません。SEO、広告、SNS、メールなどを誰が担当するのかまで決めておきましょう。
3.店舗とECの価格・キャンペーンを整理する
ECだけ値引きする、店舗だけポイントを付けるといった施策を行う場合は、顧客が混乱しないようルールを明確にする必要があります。
4.在庫管理のルールを決める
ECと店舗で同じ在庫を販売するなら、在庫数を正確に管理できる仕組みが必要です。売れた商品が「在庫あり」のまま表示されないよう、受注管理・在庫管理の仕組みを整えましょう。
複数店舗や複数ECモールの受注・在庫管理については、受注管理システムの比較と選び方も参考にしてください。
5.ECと実店舗を競合させない
「ECで売れたら店舗の売上が減る」と考えると、社内でECを育てにくくなります。重要なのは、顧客が購入しやすい場所を増やすことです。店舗で知ってECで購入する顧客もいれば、ECで知って店舗へ来店する顧客もいます。店舗とECを別々の事業として見るのではなく、顧客との接点として考えることが大切です。
ネットショップを始めるなら何から考える?
これからネットショップを始める場合、最初から「どのECサービスを使うか」とシステム選びから始める必要はありません。先に整理したいのは、「誰に売るのか」「何を売るのか」「どうやって集客するのか」「どこまで自社で運営するのか」です。
ここが決まってから必要なECシステムを選びます。商品数が少なく小規模に始めたいショップと、数万商品を販売する企業では必要なシステムが違います。ECモールを中心に販売する企業と、自社ECを中心にブランドを育てたい企業でも選択肢は変わります。
ネットショップは「どのサービスを使うか」よりも、「どのようなEC事業を作るのか」を先に考えることが重要です。
ネットショップと実店舗についてよくある質問
ネットショップと実店舗の一番大きな違いは何ですか?
大きな違いは場所の制約と商品体験です。ネットショップは地域や営業時間に縛られず販売できますが、顧客は商品を直接確認できません。実店舗は商圏や営業時間に制約がありますが、商品を実際に確認し、スタッフから接客を受けられます。
ネットショップと実店舗ではどちらが費用を抑えられますか?
一般的にはネットショップの方が物件や内装などの初期費用を抑えやすい傾向があります。ただし、ECでもサイト構築、決済、広告、物流、システムなどの費用が発生するため、必ずしも「ネットショップなら安い」とは限りません。
ネットショップは実店舗より儲かりますか?
販売方法だけで利益は決まりません。ネットショップには家賃を抑えられるメリットがありますが、広告費、決済手数料、送料などが必要です。売上ではなく、それぞれの販売方法で最終的にどれだけ利益が残るかを比較することが重要です。
実店舗があってもネットショップを作るべきですか?
商品や顧客によりますが、ECを追加することで店舗へ来られない顧客にも販売できる可能性があります。店舗で商品を知った顧客のリピート購入をECへつなげる方法もあります。
ネットショップだけで販売することはできますか?
可能です。実店舗を持たずECだけで販売している事業者もあります。ただし、集客、商品ページ、物流、問い合わせ対応など、ECに必要な運営体制を用意する必要があります。
ECと実店舗を両方運営するメリットは?
顧客が商品を購入できる選択肢を増やせることです。店舗で商品を確認してECで購入したり、ECで注文して店舗で受け取ったりするなど、それぞれの強みを組み合わせることができます。
実店舗からECを始める場合、何から始めればいいですか?
最初に、ECで販売する商品、対象顧客、集客方法、在庫管理、受注・発送体制を整理します。そのうえで、自社ECやECモールなどの販売方法を比較すると、必要なシステムを選びやすくなります。
まとめ|ネットショップと実店舗は「どちらが優れているか」ではない
ネットショップには、全国へ販売できる、24時間注文を受け付けられる、顧客行動をデータで分析しやすいといったメリットがあります。一方、実店舗には商品を直接確認できる、対面で接客できる、購入した商品をその場で持ち帰れるという強みがあります。
そのため、「ネットショップと実店舗のどちらが優れているか」で考える必要はありません。大切なのは、自社の商品を購入する顧客が「どこで商品を知り、何を確認し、どこで購入したいのか」を考えることです。
実店舗をすでに運営している企業なら、ECを店舗の代わりとして考える必要もありません。店舗で商品を知ってもらい次回からECで購入してもらう、ECで商品を見つけてもらい店舗で実物を確認してもらう、ECで注文して店舗で受け取ってもらうなど、両方を組み合わせることで顧客が商品を購入できる機会そのものを増やせます。
これからネットショップを始める場合も、まず「どのECサービスを使うか」を決めるのではなく、自社の商品・顧客・集客方法・運営体制を整理するところから始めてみてください。