支払い方法を代引きから銀行振込など別の方法に変更依頼するメール例文とテンプレート
ネットショップを運営していて代金引換を利用していると、一度は起こるのがお客様による商品の受け取り拒否のトラブルです。
代金引換で発送した商品をお客様に受け取っていただけない場合、保管期限超過で発送した商品が出荷人である店舗運営者宛に返送される事になります。
事情があって受け取られない場合はお客様との相談で送料をご負担いただくなどの解決方法がありますが、悪意ある受け取り拒否を行うお客様の場合は非常に大きなトラブルに発展する恐れがあります。
悪意ある受け取り拒否を行うお客様の場合、楽天市場などのモールの管理画面上で受注情報が「ピンク色」に表示され「要注意人物」であることが表示される仕組みがあります。
いわゆる「ブラックリスト」に入っているお客様という訳ですね。
今回は、代金引換で注文されたお客様が「ブラックリスト」だった場合に送信する「お支払い方法の変更依頼メール」の文例とテンプレートを現役店長がご紹介いたします。
代金引換で発送した商品が受け取り拒否される理由
ネットショップ・ECサイトを運営していて、代金引換で発送した商品がお客様から受け取り拒否される場合の主な事例をご紹介いたします。
これは当店で実際に起こった事例ですが、お客様が代金引換で注文したにもかかわらず受け取り拒否となるケースは以下の通りです。
(1)注文した覚えがない
当店で、発生件数の多い商品受け取り拒否のパターンが「注文した覚えがない」という理由です。
お客様からの注文は確かに承っているのにも関わらず、お客様の方では、注文した記憶がないとおっしゃられるケースが年間で数件発生しています。
原因はそれぞれ異なるのですが、よくあるケースは、家族の方が注文した商品に対して、受け取られた方が注文について知らなかったというケースが考えられます。
特に年配の方に多い傾向があるのですが、娘さんや息子さんが注文した商品を、おばあさんやおじいさんが受け取ってくれないというケースが過去にありました。
注文者さんに直接お電話をかけて、お話すれば再配達の指示をいただける事もありますので、受け取り拒否が発生した場合にはひとまず状況確認のために電話でお話を聞いてみる事をお勧めします。
また、これも年配の方にありがちなケースなのですが、定期購入通販で購入した商品の、二回目以降の商品のお届け時に受け取り拒否が発生する場合があります。
定期購入通販や単品リピート通販の場合、よくあるケースが「初回無料」や「お試し無料」といったセールスコピーを、初回だけだと勘違いされるケースです。
定期通販トラブルでもこのパターンが最も多く、国民生活センターに相談されるケースとしても非常に多いそうです。
定期通販で初回無料などのキャッチコピーを使っている方は「初回だけ無料」であるという事をしっかりとランディングページ上に明記するようにしましょう。
(2)注文者と送付先が異なる場合
このケースも当店で稀に発生する商品の受け取り拒否の発生事例です。
注文者と送付先が異なる事例としては、お子さんが大学進学などで実家から他府県に下宿している場合などがあります。
注文者と送付先が異なる他のパターンとしては、商品を仕入れて、他の業者さんあてに送付するなどの場合です。
この場合、稀に受取先に注文者からの連絡ができていないなどの理由で、商品が受け取り拒否される場合があります。
商品の受け取り拒否の例としては、注文者が商品を注文していないのに商品が届いたといったケースもありました。
実際に注文が入っていたため、お客様の操作ミスなどによる注文だったことが原因でしたが、お客様の思い違いなどによる誤りの注文も一年に一度はあります。
(3)違う商品が届いたという理由
違う商品が届いたため、商品を受け取り拒否されるという商品未受け取りのケースもあります。
実際に店舗からの出荷ミスの場合と、商品のリニューアルなどによるパッケージ変更など2つの理由が考えられます。
店舗側の出荷ミスの場合は、送料は店舗負担で商品の交換対応になることがほとんどです。
パッケージリニューアルなどにより、商品が異なると言われる場合は、商品ページなどの記載次第で、対応が変わってきます。
パッケージが変わるだけで成分が変わっていない場合であれば、汎用的な日用品などは、リニューアルについてお客様に説明すればそのまま受け取っていただけることが多いです。
ただし、商品のパッケージがディズニーなどのキャラクター商品の場合は、パッケージが好みだからという理由で購入されるケースが大多数です。
メーカーの型番商品は、概ね1年周期で商品のパッケージをリニューアルすることが一般的です。
商品ページに「予告なくパッケージリニューアルすることがあります」という一文の記載があれば、場合によっては送料はお客様負担で商品交換となりますが、この一文が無い場合は送料店舗負担での交換対応となる場合があります。
また、商品の色味なども、ディスプレイによって変わりますので、「ディスプレイなどの環境により色味が異なる場合があります」といった表記も行うようにするといいでしょう。
(4)受け取り拒否を前提にいたずらで注文される
この理由に関して言えば、一年間でも一件、もしくは二件程度の発生率ですが、最も悪質なパターンとなります。
代金引換という発送方法は、商品の代金と送料を、商品配達時にお客様が配達員に支払う事で代金回収ができる仕組みとなっています。
この仕組みがある為、ネットショップ運営者が代金引換で商品を発送した時点では、代引きの注文に関する料金は一円も回収できていない状態となります。
お客様が商品を受け取り拒否されてしまい、荷物の保管期限を超過すると、出荷人に商品が差し戻されてくることになります。
受け取り拒否となる理由として(1)~(3)までの理由であれば、お客様への説明でご納得いただけることもありますが、最初から受け取りを拒否する前提で代引きで注文してくるお客様の場合は、電話による連絡やメールによる連絡すら拒否される事が多いです。
結果として、督促状を数回郵送しましたが、返事がないため、警察に被害届を出すところまで行くケースも過去にはありました。
ネットショップで注文した商品の送料は、大型の商品の場合2000円以上になることもあり、送料の回収ができなければいくら商品が返送されてきたとはいえ大きな損失となります。
また、こういった悪質なお客様というのは、他の店舗でも同じような事を繰り返しているため、アカウントが「ブラックリスト入り」している傾向があります。
インターネットショッピングモールであれば、お客様のアカウント情報(個人情報ではなくクオリティ的なランク)がデータベース上で共有されていますので、すぐに悪質な注文者であることがわかるようになっています。
こうした悪質なお客様が代金引換で注文してきた場合に、店舗運営者はどのような対応をとればいいのかを次にご説明いたします。
悪質な注文者から代金引換で注文された場合の対処法
悪質なお客様が代金引換で注文してきた場合に店舗としてどのように対応すればいいのでしょうか。
楽天市場
等のモールであれば、悪質な注文者は注文情報に目立つマーキングが行われていることがあります。
楽天市場であれば、受注情報がピンク色になっている場合は、「要注意人物」もしくは「注意すべき事項のある注文」という意味になります。
ブラックリスト入りしているお客様だからといって、有無を言わさず注文をキャンセルするのはあまりおすすめできない対応です。
もしかしたら、過去にはトラブルがあったものの現在はそのアカウントできちんと購入する意思をもって注文している可能性が無いとは言えないからです。
その為、店舗運営者としては、最悪の事態に備えて、お客様の支払方法を「代金引換から事前入金」の方法に変更してもらう事を提案してみましょう。
事前入金とは、銀行振込やコンビニ決済(前払い)などがあげられます。
クレジットカード決済に変更してもらうという方法もありますが、大抵のECシステムは、注文時にクレジットカード決済を選択しなければ後からクレジットカード決済には変更できない仕組みになっています。
銀行振込や前払い式のコンビニ決済の場合、支払いが完了しない限りは商品の発送を行う事はありません。
もしブラックリスト入りしているお客様に購入意思があるのであれば、銀行振込やコンビニ決済への変更であっても応じてくれる可能性があります。
ただ、この場合にどのようにお客様に変更を伝えるのかというのが問題になるかと思います。
実際に当店で利用している「代引きから支払い方法の変更を依頼する」メールの文例を次にご紹介いたします。
代引きから支払い方法の変更を依頼するメール例文・テンプレート
では、当店で実際に店舗運営時に利用している、お客様への「代引きから支払い方法の変更を依頼するメール」の文例を紹介いたします。
店舗運営時のテンプレートとしてご利用いただければと思います。
代引きから支払い方法の変更を依頼するメール文例
【件名】ご注文の商品のお支払い方法の変更のご依頼について
○○様
先日は当店をご利用いただき誠にありがとうございます。
【ネットショップ名】の店長○○と申します。
先日はご注文いただき誠にありがとうございました。
先日ご注文いただきました商品についてですが
当店の都合で大変申し訳ありませんが
代金引換が利用できない商品となっております。
せっかくご注文いただきました所
誠に申し訳ございません。
つきましてはお支払い方法について
「銀行振込」もしくは「コンビニ決済」への
変更をお願いさせていただきたいと思っております。
大変ご迷惑をおかけいたしますが
ご希望のお支払方法をこのメールへの返信で
結構ですのでご指示いただければと思います。
尚、クレジットカード決済への変更を希望される場合は
再度新規のご注文時にクレジットカード決済を選択いただく必要がございます。
大変恐れ入りますが、この注文を一旦キャンセルとさせていただきますので
クレジットカード決済変更の際にはお申しつけ下さいませ。
ご多用中に大変恐れ入りますが、
メールを確認いただけましたらご返信をお願いします。
お手数をおかけいたしますが、
ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
—————【ネットショップの署名】————-
【ネットショップの名前】 店長○○
ショップURL:http://○○○.com
店舗連絡先:○○○@○○○.com
運営会社:株式会社△△
住所:〒601-0001 京都府京都市○○区○○町321
TEL:075-1234-5678 / FAX:075-1234-5678
営業時間:平日○時~○時まで
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代引きから支払い方法変更の依頼メール文例のまとめ
今回はブラックリスト入りしているようなお客様から代金引換の注文をいただいた際に、支払い方法を変更してもらうためのメール例文をご紹介しました。
結論を言えば「あなたが不安だから支払い方法を変えてね」と言いたいところを「商品が代引き対応できない商品」という理由に買えてしまう訳です。
ネットショップを運営していて、代引きで商品を発送していれば必ず一度は経験するのが「商品の受け取り拒否」によるトラブルです。
代金引換での発送は、数年前に比べると利用者も随分減ってきたように感じていますが、まだまだ利用を希望する方はおられます。
可能な限りは対応を続けたい所ですが、一部のお客様の受け取り拒否によって、店舗運営者としては非常に大変な思いをする事もあります。
現在は、コンビニ決済や後払い決済などの決済サービスも充実してきており、後払い決済サービスなどは、こうしたお客様からの未払いなどへの対応を代行してくれるサービスもあります。
あまりトラブルが多いようなら、代金引換をやめてしまうという選択も一つの改善方法かもしれません。
ネットショップにおける、代引き時の商品受け取り拒否時の対処法については以下のページにより詳しくまとめておりますのでこちらも参考にしていただければ幸いです。
本日の内容が、読者の方の店舗運営のお役立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。