売れるネットショップの教科書に寄せられたよくあるご質問について、現役店長が回答するコーナーです。
【質問】アマゾンプライムデーの直前でもできる売上アップ対策を教えてほしい。
2018年のAmazonプライムデーは、7月16日(祝)の12時からスタートします。
アマゾンのプライムデーといえば、2017年に開催された際には、開始直後からアクセス数が増えすぎてサーバーがダウンしてしまったほどに注目度の高いセールイベントです。
アマゾンプライムデーは一年に一度だけという特別感もあり、また、プライム会員に向けた感謝祭的な意味もあるセールで、このプライムデーをきっかけにアマゾンプライム会員になる人も多いです。
今回は、現役アマゾン店長が直前に迫ったアマゾンプライムデーで売上アップするための「アマゾンプライムデー直前対策」をご紹介いたします。
アマゾンプライムデーとは?
Amazonプライムデーとは、一年に一度Amazonで開催される、プライム会員に向けたアマゾンのセールイベントです。
プライムデーでは、毎年人気の家電やアマゾンデバイスなどを特別割引価格で放出されることもあり、アマゾンプライム会員が、最も注目しているセールでもあります。
2017年に開催されたアマゾンプライムデーでは、セール開始直後に、アクセスが集中しすぎて、Amazon.co.jpのサーバーが一時的にダウンするという事態に陥りました。
それだけ注目度の高いセールイベントが、2018年には、7月16日(月・祝)のお昼12時からスタートします。
では、次にアマゾンプライムデーにおいて、重要なポイントを現役アマゾン店長がご紹介いたします。
アマゾンプライムデーで重要なポイント
アマゾンプライムデーについて、アマゾン出店者として重要と思えるポイントをご紹介いたします。
先にも書きましたが、2017年のアマゾンプライムデーでは、セール開始直後からサーバーがダウンしてしまうほどにアクセス数が集中しました。
これは、楽天市場
などの楽天スーパーセールなどのビッグイベントの際にも共通することなのですが、ネット通販の大きなセールが開催される時には、セール開始直後の1時間に最もアクセス数が増えるという傾向があります。
各ショッピングモールを利用する消費者、各モールのヘビーユーザーは、セールイベントの存在を事前告知によって知っています。
「楽天スーパーセールなら●月●日●時から開催される」ということを普段楽天市場で利用しているお気に入り店舗のバナーや、楽天市場トップに掲載されるセール開催バナーから、潜在的に知ることになります。
インターネットショッピングモールのセールの際には、セール開始直後1~2時間と、セール終了日の夜9時以降から終了までがモールの流通額が増えやすい傾向があります。
これは、過去十年、この傾向が変わっていないことを現役楽天店長、かつアマゾン店長である筆者の経験と、各モールの公式ビッグデータが公式に発言しています。
「初動」と「ラストスパート」、この二つのタイミングが各モールのアクセス数が最大値に達しやすいのです。
もし、メルマガやクーポン発行、ポイント還元倍率を設定するのであれば、セールの最初と最後に集中させることが、最も効果的であると言えます。
ただしこれは、楽天市場
などのモールの場合であり、アマゾンはメルマガ自体が打てないということもあり、戦略が大きく異なります。
次に、アマゾンにおけるセール対策の具体的な施策をご説明いたします。
ちなみに、アマゾンプライムデー2018では、以下の商品がタイムセール販売されることが予定されています。こちらも競合チェックとして確認しておいてもらえればと思います。
Amazonプライムデーで売上アップする方法
アマゾンプライムデーをはじめとする、アマゾンのビッグイベントの際に、売上アップする方法をご説明いたします。
筆者が考えるアマゾンで売上アップさせる方法として、2つの方法をご紹介します。
- (1)ショッピングカートボックスの獲得
- (2)スポンサープロダクト広告の利用
(1)ショッピングカートボックスの獲得
アマゾンで売上アップを行うための、基本的な戦略は「カートボックスの獲得」にあります。
これは、アマゾンでネット販売する際に最重要項目となりますので、もう一度繰り返します。
Amazonで商品が売れる為には「ショッピングカートボックス」を獲得していることが最前提です。
カートボックスとはなにか?という方には、この画像をご覧ください。
この商品、オロナミンCの商品ページのショッピングカートボックスを獲得している店舗の場合、画面右上の「カートに入れる」というオレンジのボタンと出品している商品の商品ページが直結しています。
普段アマゾンを利用されている方なら、アマゾンで商品を注文する際には、この「カートに入れる」ボタンから注文されていることがほとんどではないでしょうか?
Amazonでは、このような型番商品、他の出品者も出品している商品が多数ある場合は、出品者のなかから最も条件のよい商品が、ショッピングカートボックスを獲得できるという仕様があります。
Amazonに出店されている方なら、カートボックス獲得がいかに重要かということは、既にご周知のとおりだと思います。
ただし、このカートボックスを獲得する事が重要だとわかっていても、カートボックスを獲得することの難しさというのは、ご存じない方も多いと思います。
筆者がアマゾンに出店してきて、また、現在もアマゾンに出店していて感じる「アマゾンのカートボックス獲得のロジック」については、以下のページに詳しくまとめています。
Amazonでどうしてもカートボックスが獲得できないという方は、まずはこちらのページをご確認いただければ、カートボックス獲得のヒントが得られると思います。
ちなみに、カートボックスを獲得できないとどうなるのか?
カートボックスを獲得できなかった商品は、以下の場所に表示されます。
この場所に表示されている程度では、なかなか商品が売れないということもご理解いただけるのではないでしょうか?
アマゾンでカートボックスを獲得できない限りは商品が売れない、非常に売れにくいということをまずはご理解いただければと思います。
(2)スポンサープロダクト広告の利用
アマゾンでは、出品している商品を露出させる為の広告として、「スポンサープロダクト広告」という広告が用意されています。
スポンサープロダクト広告は、Amazonが公式に提供している広告です。
キーワードによって、関連する商品を検索結果の最上部と最下部に表示させてくれる他に、アマゾンのページ上に様々な個所で商品が露出されるため、ユーザーの認知度アップにつながる可能性があります。
当店でもスポンサープロダクト広告はほぼ常時設定しているのですが、最も効果が高いと感じるのは「インプレッション数」の多さです。
インプレッション数とは、アマゾンスポンサープロダクト広告を利用している間に、スポンサープロダクト対象商品が、ユーザーの検索結果に表示させた回数のことです。
インターネット上の広告では、インプレッション数とクリック数が重要な指標として計測されています。
あくまでも当店のケースとなりますので、出品している商品や、カートボックスの獲得率で大きく異なりますが、当店の場合は、スポンサープロダクト広告が非常に有効に機能しています。
当店のアマゾン管理画面であるセラーセントラルの、広告レポート画面を公開してご説明いたします。
画面を見ていただければ、いくつかの指標が記載されています。この中で重要な指標は「ACoS」という項目で、当店では3.81%となっています。
ACoSとは、広告経由での売上の割合、つまりは広告の費用対効果を数値化した値です。
当店の場合、広告費用が、224,719円、売上が5,895,527円ですから、広告費用に対する売上比率は約3%というわけです。
これは、Amazonの担当者に確認したところ、とても「優秀」だそうです。
通常、スポンサープロダクト広告を運用している店舗さんの平均的ACoSは10%以上の店舗が多いと聞きました。
当店の商品は、カートが取れれば飛ぶように売れるメーカー系商品が多いこともあり、費用対効果が高いのだと思います。
アマゾンでは、商品の露出に楽天市場のSEO対策のような商品名の最適化を行う事ができないため、商品を露出させる方法として最も有効な手段は、スポンサープロダクト広告に頼るほかないのが実状だと思います。
もう一つアマゾンの攻略法といえる、有効な施策もあるのですが、これもちょっと特殊で商品次第な点もあるので、また別の機会にご説明したいと思います。
まずはスポンサープロダクト広告の出稿が可能かどうかを、ご自身の店舗、社内で検討されるといいと思います。
Amazonプライムデー直前対策のまとめ
今回は一年に一度アマゾンで開催される、アマゾンプライムセールの対策として、二つの方法を現役Amazon店長が解説いたしました。
今回ご紹介したアマゾンでの売上アップ方法は、プライムセール以外の通常のアマゾン出品時にも有効な施策です。
逆を言えば、アマゾンプライムデー対策として、対策できる方法は、この二つ以外にはさほどないのではないかというのが見解です。
何度もお伝えしていますが、アマゾンでは、「カートボックスを獲得する」ということが、大前提の売り場です。
メルマガ配信などの集客もできませんし、楽天SEOのようなキーワード対策も、既に登録済みの商品ページがある場合には使えない場合がほとんどです。
特殊な売場ですが、逆に「ハマればめちゃくちゃ売れる」というのがアマゾンの特長です。
是非みなさんも、アマゾンに出品しているご自身の商品が、カートボックスが獲得できているかどうかからチェックしてみてください。
多くの店舗さんが、ほんの1円単位の値差で、カートボックスを奪われているというケースを目にします。
ただし、カートボックス獲得ばかりを優先して、価格競争、値下げ競争になると、それはそれで本末転倒なので、ご注意くださいませ。
今回の記事の内容が、Amazonでネット販売されている店長さん、店舗担当者さんの参考になれば幸いです。