Amazon スポンサープロダクト広告を半年間継続利用した結果
Amazonで商品を露出させるための広告、「Amazonスポンサープロダクト広告」について、
実際にスポンサープロダクト広告を半年間運用してみての効果と感想をまとめました。
この情報がAmazonスポンサープロダクト広告の利用を検討されている方のお役にたてれば幸いです。
- Amazonスポンサープロダクト広告とは
- 現役店長がスポンサープロダクト広告を最もオススメする3つの理由
- 約半年間実際にスポンサープロダクト広告を運用した結果を検証
- スポンサープロダクト検索キーワードレポートとは
- スポンサープロダクト検索キーワードレポートの取得方法
- スポンサープロダクト検索キーワードレポートの項目
- スポンサープロダクト検索キーワードレポートの活用方法
- 当店のスポンサープロダクト広告の検証結果
- 「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」の違い
- スポンサープロダクト広告の利用条件
- スポンサープロダクト広告の料金・費用について
- スポンサープロダクト広告の掲載場所
- スポンサープロダクトでのキャンペーンの設定手順
- スポンサープロダクト広告を最適化するテクニック
- (1)最初はオートターゲティングで運用し、データを収集する
- (2)成果の低い商品を広告対象から削除する
- (3)運用に慣れてからマニュアルターゲティングに移行する
- (4)マニュアルターゲティングのキーワードマッチタイプの選び方
- スポンサープロダクト広告についてのまとめ
Amazonスポンサープロダクト広告とは
Amazonスポンサープロダクト広告とは、ユーザーの検索キーワードに対して、商品を露出させることができるCPC広告(クリック課金広告)のことです。
Amazonのセラーセントラル上で、広告として掲載したい商品を選び、1クリックに対する広告費用の上限を設定することで入札制での商品露出が可能となる広告です。
Amazonで商品を出品した際に、楽天市場のような「SEO対策」というものがAmazonでは行うことが実質不可能に近いため、スポンサープロダクト広告を利用した商品露出は売上アップに直結する有効施策です。
スポンサープロダクト広告は、CPC広告ですから、クリックされなければ費用はかかりません。クリック以上にインプレッション数が多いこともあり、商品のユーザー認知には非常に役立つ広告です。
当店でもスポンサープロダクト広告を約半年間利用していましたが、費用対効果的にみても一定の成果があがっていることもあり、Amazonでネット販売をされている大口出品者の方であればオススメの広告です。
今回はAmazonのスポンサープロダクト広告について、実際に運用した結果をもとに、スポンサープロダクト広告の有効な使い方と、最適化する方法などを紹介していきます。
現役店長がスポンサープロダクト広告を最もオススメする3つの理由
AmazonスポンサープロダクトはAmazon.co.jpに「大口出品プラン」で出品されている方なら、「必須で利用したほうが良い広告」です。オススメの理由として3つあります。
(1)広告のROAS(費用対効果)が非常に高い
Amazonスポンサープロダクト広告の最大のメリットはROASが高い、つまり費用対効果が良いという点です。
費用対効果については、実際に当店で半年間運用した結果をもとにご説明するとわかりやすいかと思います。
Amazonのセラーセントラル上ではROASは「ACoS(売上高広告費比率)」という表記になっています。
ACoSは総売上に対する広告費の割合のことで、広告費用の合計を総売上で割って算出されます。
ACoS = 支払総額/総売上×100
当店のケースでは、2016年5月~6月末が4.4%なのを最初に、直近の2017年8月ではACoSは1.2%と非常に効果の高い広告であることがわかると思います。
楽天市場のCPC広告が、クリック単価が高いため、1クリック100円以上は当たり前となっています。費用対効果を考えるとAmazonのスポンサープロダクト広告の広告効果の高さは圧倒的であると思います。
(2)商品の露出拡大により、商品認知度を上げることができる
スポンサープロダクト広告のメリットは費用対効果が高いことは先ほどご説明した通りですが、それ以上の恩恵が広告利用による「インプレッション数の多さ」にあります。
当店で運用したキャンペーンのなかで「ACoS=1%」と非常に高い成果を上げた、2017年3月の広告の結果をもとにご説明いたします。
2017年3月は、広告費用7,078円に対して、売上は687,862円でした。
クリック数は「6062回」でしたから、1クリックあたりの広告費用は結果として、1.1円程度に過ぎません。
注目いただきたいのは「インプレッション数」が「2,140,412回」も商品が露出されたことです。
商品がユーザーの目に触れることで、ユーザーは潜在的に商品を認識していますから、インプレッションが増えれば増えるだけ、クリック率は高まります。
Amazonでは通常の販売では商品露出が非常に難しいのに対して、スポンサープロダクト広告を利用することで、200万回以上ユーザーの前に商品を露出できるわけですから、やらない理由はないでしょう。
(3)手間もかからずデメリットがほとんどない
通常、ネット通販における「広告利用」は、リスティング広告などを例に挙げると、「入稿作業」が非常に手間である場合が多いです。
楽天市場の広告入稿の場合も、商品ページの設定から、商品画像の作り変え、イベント用の商品説明の作り込みからキャッチコピーの調整などなど、かなりの時間と労力を要します。
Amazonスポンサープロダクト広告は、基本的には「オートターゲティング設定」を利用していれば、商品を選び、1クリックあたりの入札単価を決め、1日の広告予算の上限を入力すれば設定完了です。
「マニュアルターゲティング」の場合は、商品単位でキーワードの設定から入札単価まで細かい調整ができますが、マニュアルターゲティングを運用するには、ちょっとしたコツやキーワードの選定などを行う手間が発生します。
また、素人がマニュアルターゲティングを行うと、オートターゲティングなら本来取り込めていたユーザーを逃してしまうリスクが大きいというデメリットがあります。
まずは、オートターゲティングで、ご自身のネットショップの商品がどのような結果になるのか、3ヶ月程度様子を見ることをおすすめします。
約半年間実際にスポンサープロダクト広告を運用した結果を検証
当店で実際に運用したスポンサープロダクト広告の結果について「スポンサープロダクト検索キーワードレポート」を元に検証していきます。
スポンサープロダクト検索キーワードレポートとは
スポンサープロダクト検索キーワードレポートとは購入者がAmazon.co.jpで実際に検索した検索キーワードを確認することができるレポートです。
それぞれの検索キーワードに対して、キャンペーン、広告グループ、広告グループごとの「インプレッション/クリック/売上/コンバージョン率」などのデータを確認することができます。ターゲットについてはマニュアルターゲティング、オートターゲティングの両方のタイプに対応しています。
レポートされる検索キーワードは、過去60日間に広告が「1クリック以上された検索キーワードのみ」が対象です。
スポンサープロダクト検索キーワードレポートの取得方法
セラーセントラル > レポート > 広告レポートにアクセス
スポンサープロダクト検索キーワードレポート タブをクリック、 「レポートをリクエスト」ボタンをクリック
「成功」のメッセージが表示されれば、レポートのリクエスト作業は完了です。
レポートが作成されると、「レポートのステータス確認&ダウンロード」の箇所に、レポートが表示されますので、[ダウンロード]ボタンからダウンロードしてください。
スポンサープロダクト検索キーワードレポートの項目
スポンサープロダクト検索キーワードレポートの各項目の説明を記載いたします。
キャンペーン名 | レポートデータに該当するキャンペーンの名前 |
---|---|
広告グループ名 | レポートデータに該当する広告グループの名前 |
購入者の検索キーワード | Amazon.co.jpでお客様が入力した検索語 |
キーワード | 広告されたSKUをターゲティングするために使用されたキーワード |
マッチタイプ | 広告を表示するためのキーワード設定 |
開始日 | レポートの最初の日で、00:00:00(その日の午前0時)から開始 |
終了日 | レポートの最後の日で、23:59:59(その日の午後11:59:59)で終了 |
インプレッション | 広告が獲得した総インプレッション数 |
クリック数 | 広告が獲得した総クリック数 |
クリック率 | クリック数をインプレッションで割って算出 |
広告費用 | 広告費用の総額 |
平均クリック単価 | 広告に支払った1クリックあたりの平均費用 |
通貨 | データの通貨 |
1週間 注文数(#) | 広告のクリックから1週間以内に発生した注文総数 |
1週間 売上(¥) | 広告のクリックから1週間以内に購入された全SKUの総売上 |
1週間 コンバージョン率 | 広告のクリックから1週間以内に発生した注文のコンバージョン率(注文数/クリック数) |
1週間 掲載されたSKUの注文数(#) | 広告のクリックから1週間以内に発生した、広告掲載されたSKUの注文総数 |
1週間 その他SKUの注文数(#) | 広告のクリックから1週間以内に発生した、広告掲載SKUと異なるSKUの注文総数 |
1週間 掲載されたSKUの売上(¥) | 広告のクリックから1週間以内に発生した、広告掲載されたSKUの総売上 |
1週間 その他SKUの売上(¥) | 広告のクリックから1週間以内に発生した、広告掲載SKUと異なるSKUの総売上 |
スポンサープロダクト検索キーワードレポートの活用方法
Amazonが推奨するスポンサープロダクト検索キーワードレポートの活用法について、公式サイトより抜粋いたします。参考にしてください。
オートターゲティングのキャンペーンの中からパフォーマンスの高い、購入者が検索した際によく検索されているキーワードを確認します。
そのパフォーマンスの高い検索キーワードをマニュアルターゲティングキャンペーンに設定します。
その際、完全一致のマッチタイプを選ぶことでより精度の高いターゲティングが可能です。
パフォーマンスの高い検索キーワードのインプレッション数を上げる為に、より高い入札額を設定することをご検討ください。
当店のスポンサープロダクト広告の検証結果
当店で約半年間運用したスポンサープロダクト広告の結果について考察してみたいと思います。
今回は、直近半年間で最も売上が高かった2017年3月のスポンサープロダクト広告の結果をもとに解説していきます。
2017年3月のスポンサープロダクト広告のよる当店の売上は「687,862円」でした。
広告費用は「7,078円」で、ACoSは7078÷687862=1.02%でした。
クリック数は、「6,062回」ですから、平均クリック単価は 7078÷6062=1.16円となります。
特筆すべきは「インプレッション数」で、1ヶ月間の運用で、Amazon.co.jp上で、当店の商品が「2,140,412回」検索結果上に表示されました。
当店が広告利用対象として出品している商品数(SKU)は、2366商品ですから、1商品あたりの平均インプレッション数は904回となります。
これだけ圧倒的な成果をあげられるのは、国内のショッピングモールの広告としては、Amazonスポンサープロダクト広告以外に存在しません。
当店が半年間運用してきた結果としても、平均のACoSは「2%」と非常に良い数値を上げていることがわかると思います。
これは当店の事例であり、ご自身の出品している商品ではここまで高い成果が出せないという方もおられるかと思います。
スポンサープロダクト広告の効果がイマイチという方は、後程ご紹介する「スポンサープロダクト広告を最適化するテクニック」を参考にして改善してみてください。
「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」の違い
スポンサープロダクト広告には「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」という二つの設定方法があります。
オートターゲティングとは、その名の通りAmazonが「自動」で広告設定を行ってくれる方式です。商品に対してどのようなキーワードを設定すればよいかがわからないうちは、オートターゲティングを選択する方が無難だと思います。
オートターゲティングは、実際に商品を検索、購入したユーザーの検索キーワードや購入者の閲覧履歴により商品の選定を自動化してくれるため、マニュアルで行うよりも幅広い対象に商品が露出されやすい傾向にあります。
マニュアルターゲティングとは、出品者自らがキーワードの設定を行う方式です。
キーワードは出品者の任意のキーワードに対して商品を露出できます。また、広告の入札額もキーワードごとの設定が可能です。オートターゲティングよりも「決め打ち」的な設定となるため、ターゲットは狭まりますが、それだけにより転換率の高いユーザーへのリーチが可能です。
マニュアルターゲティングの設定時に「キーワードマッチタイプ」を決める必要があります。キーワードマッチタイプとは、キーワードをどのように捉えるかの設定で「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」などの設定を行うことができます。
オートターゲティングはAmazonの保有するビッグデータを利用した幅広い運用で、初心者の方は、オートターゲティングがおすすめです。
マニュアルターゲティングは、スポンサープロダクト広告の運用にたけている方、EC関連のアドバイザー企業などがチューニングして運用するケースが多く、やり方次第ではオートよりも高い成果を上げることが可能です。
ただし、マニュアルターゲティングは運用にはかなりのノウハウとキーワード選定スキルが必要となりますので、初心者にはおすすめしない方式です。
スポンサープロダクト広告の利用条件
Amazonスポンサープロダクト広告を利用するためには以下の条件を満たしている必要があります。
(1)Amazonの出品方法が「大口出品」プランである
出品方法が小口出品の場合は、スポンサープロダクト広告の利用はできませんので注意してください。
大口出品を利用されている方であれば、是非ともスポンサープロダクト広告の利用をおすすめいたします。
Amazonの出品プランの違いについては以下のページを参考にしてください。
(2)商品のカートボックスを獲得できている
出品しているすべての商品がスポンサープロダクト広告の対象となるわけではありません。
ショッピングカートボックスを獲得できている商品のみがスポンサープロダクト広告による露出の対象となります。
Amazonでショッピングカートボックスを獲得するための方法については以下のページにまとめていますので参考にしてください。
(3)利用できるカテゴリーが決まっている
スポンサープロダクト広告の対象となるカテゴリーには制限があります。
Amazonスポンサープロダクト広告を利用できるカテゴリーは以下の通りです。
スポンサープロダクト対象カテゴリー
- 大型家電
- カー&バイク用品
- ベビー&マタニティ
- ビューティ
- Kindleアクセサリ
- 服&ファッション小物
- パソコン・周辺機器
- 家電・カメラ
- 食品&飲料
- ドラッグストア
- ホビー
- ホーム(家具・インテリア・キッチン)
- 生活家電
- 産業・研究開発用品
- CD/レコード、ビデオ/DVD
- 楽器
- 文房具・オフィス用品
- ペット用品
- シューズ&バッグ
- PCソフト&TVゲーム
- スポーツ&アウトドア
- DIY・工具
- おもちゃ
- 時計
スポンサープロダクト広告の料金・費用について
Amazonスポンサープロダクト広告を利用するための費用としては、広告出稿後のクリックによって発生します。
スポンサープロダクト広告の利用料というような固定費用は発生しないため、費用面でも運用しやすい広告です。
また、スポンサープロダクト広告は、一種のオークション制の広告でもあります。1クリックに対して、広告料金をいくらに設定するかによって、商品の露出状況が大きく変わってきます。
1日あたりの広告費用の目安については、当店で実施したケースでは目安として1日あたり「1000円~1200円」で設定していました。1ヶ月の運用で約3万円となります。
ちなみに、一日当たりの広告予算が1000円だった場合に、1日の広告消化が500円で終わってしまったという場合は、残りの500円は翌日の予算に組み込まれます。つまり翌日は1500円までの広告予算となります。
また、出品している商品によって、クリック単価は変わってきますのでご自身が出品している商品のクリック単価を調べて、もっとも運用を継続しやすい費用で設定することをおすすめします。
スポンサープロダクト広告の掲載場所
スポンサープロダクト広告を設定した場合、Amazon.co.jpでは、上記のようにページ最下部あたりに商品が表示されます。
スポンサープロダクトという文言の表示はありますが、楽天のCPC広告の表示などと比べると、他の商品の表示との差がないため、一般のユーザーには広告として回避されにくいという傾向があります。
Amazonは今後、スポンサープロダクト広告の露出場所については、より効果が高まるように改良を加え続けることを明言しています。
スポンサープロダクト広告が検索結果の上部にも表示されるようになりました(2017年11月23日追記
スポンサープロダクトに新たな掲載場所が増えました。
Amazon.co.jpではここ数か月で、ユーザーが検索をした後の画面の下部に
加えて、上部にもスポンサープロダクトが掲載されるようになりました。
上部には、検索内容に対して特に関連性が高い商品の広告が掲載されます。
これまで検索結果の最下部だけの表示だったスポンサープロダクト広告が検索画面最上部に表示ができるようになりました。
ためしに「スマホケース iphone6」というキーワードで検索してみたところ、上記の画像のように、しっかりと検索画面最上部にスポンサープロダクト広告が表示されていました。
スポンサープロダクト広告の効果のより一層の強化が期待されますね。
スポンサープロダクトでのキャンペーンの設定手順
スポンサープロダクト広告を実際に設定する手順についてご説明いたします。
まずは、Amazonの管理画面である「セラーセントラル」にログインします。
【広告】>【セラー広告】をクリック
【キャンペーンの作成】ボタンをクリック
[キャンペーン名][1日の予算][開始日][終了日][ターゲティングの種類を選択(オートorマニュアル)]必要項目を設定して【次のステップに進む】ボタンをクリック
今回は「オートターゲティング」にて設定を進めます。
[広告グループ名][広告する商品を選択][入札額を入力]して【入稿】ボタンをクリック
以上で広告の作成は完了です。
「マニュアルターゲティング」の場合は、キーワードの設定など、詳細な設定が可能ですが、その分キーワード選定のノウハウがなければ高い効果を発揮することが難しいです。
「マニュアルターゲティングの設定」についてはまた別の機会にご説明いたします。
スポンサープロダクト広告を最適化するテクニック
スポンサープロダクト広告を実際に半年間運用してみて、最も効果が高まると思われる最適化テクニックをご紹介いたします。
以下の手法は、筆者が体験した事を元にしたひとつの事例ですので、スポンサープロダクト広告の成果を最大限に発揮できる可能性があります。
ただし、必ず成果が出ることを保証するものではないということをご理解いただいた上で、参考にしてみてください。
スポンサープロダクト広告の効果を最適化するための3つのテクニック
(1)最初はオートターゲティングで運用し、データを収集する
スポンサープロダクト広告のメリットとしては、Amazonの膨大なビッグデータを利用したマーケティングを活かせるという点にあります。
ターゲティングを「オート」にすることで、Amazonが自動的に最適と思われるキーワードを選定し、商品の露出機会を与えてくれます。
レコメンド機能やツールにより、関連キーワードの取得や設定にある程度の自信がある方でも、いきなりマニュアルターゲティングを行うことはおすすめできません。
理由は、Amazonの中で、ご自身の商品がどのような経路で露出されているかというのは、表面的にはわからないからです。
潜在的なヒットキーワードを漏らさない為にも、最初は「オートターゲティング」で運用して、インプレッション数やクリック数、購入率などのデータ取得を行いましょう。
(2)成果の低い商品を広告対象から削除する
実際にスポンサープロダクト広告を運用していると、日々の計測の際に、「クリック率は高いが売れない商品」が見つかると思います。
スポンサープロダクト広告は「クリック課金制」ですから、クリックされるたびに1日の広告予算を消化していきます。
クリックばかりされて購入に至らない商品は、「費用対効果の低い商品」ですから、手動で「広告対象から削除」しましょう。
こうした積み重ねによって、限られた広告予算を最小限に抑えつつ、効果を最大化させることに繋がります。
(3)運用に慣れてからマニュアルターゲティングに移行する
3ヶ月~半年程度はオートターゲティングでの広告運用を実施し、データを取得してみてください。
3ヶ月間の経過で、あなたの出品している商品の中で、「露出が多い商品」「よくクリックされている商品」「露出が少ない商品」などが浮き彫りになってきます。
キーワード情報などもセラーセントラルから取得できますので、効果の高いキーワードを見つけ出し、商品毎にマニュアルターゲティングに移行するようにしましょう。
マニュアルターゲティングの設定が難しいと感じるようであれば、引き続きオートターゲティングのまま運用していても問題はないと思います。
スポンサープロダクト広告は、費用対効果が高い傾向にありますので、広告利用は店舗運営にとっては現状では「プラス」に働くはずです。
費用対効果の低い商品を広告対象から外し続けていけば、最適化されたスポンサープロダクト広告を運用し続けられるでしょう。
(4)マニュアルターゲティングのキーワードマッチタイプの選び方
マニュアルターゲティングのキーワードマッチタイプには3種類のタイプがあります。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
例えば「レディース バッグ」というキーワードでマニュアルターゲティングを行う場合。
「完全一致」では「レディース バッグ」のみが商品露出の対象となります。
「フレーズ一致」の場合、「レディース バッグ」というフレーズを含めたキーワードが露出対象となるため、「人気 レディース バッグ」「レディース バッグ かわいい」なども露出対象となります。
「部分一致」の場合、「レディース」「バッグ」がそれぞれ分断されるため、「女性用 バッグ」「レディース ハンドバッグ」「バッグ レザー」など様々な組み合わせが露出対象となります。
一見すると、「部分一致」が最も幅広く商品が露出できるので、有効と思われがちですが、キーワードのマッチタイプは絞れば絞るほどに潜在顧客、購入確率の高いユーザーへの露出に繋がります。
ただし、「完全一致」では、かなり露出が狭まってしまう可能性が高いため、筆者のオススメタイプは「フレーズ一致」をおすすめします。
スポンサープロダクト広告についてのまとめ
今回は、実際にスポンサープロダクト広告を半年間運用し続けた結果をもとに、スポンサープロダクト広告の最適な運用方法をご紹介してきました。
Amazonで商品を出品している限り、日々気をつけるべきことは「ショッピングカートボックスが他社に取られていないか」という点です。
カートボックスが獲得できれば、スポンサープロダクト広告による商品露出が可能となります。
Amazonは楽天市場などのモールと異なり、商品ページに対するSEO施策がほとんど利用できません。
商品名の変更すら、Amazonへの承認リクエストなしには実施できないという仕様ですから、SEO対策キーワードを商品名に含めることなどAmazonが許可するはずはありません。
また、昨今話題となっている「音声デバイス」「AIスピーカー」などの利用対象となるためにAmazonの商品名は今後ますますシンプルかつ必要最低限の文言に制限されることが予測されます。
いかに、カートボックスを獲得しつつ、スポンサープロダクト広告を効果的に運用して商品露出率を高めるか、がAmazonで継続的な売上をつくる最良の方法だと思います。
参考になれば幸いです。