ネットショップの新規顧客は増えているのに、なかなか売上が安定しない。広告で初回購入してもらえても、その後の注文が続かない。そんな悩みはありませんか?
ECサイトでは新規顧客の獲得だけでなく、初回購入したお客様が2回目、3回目の購入へ進んでいるかを確認することが大切です。ただし、リピーターが多ければ必ずよいわけではありません。値引きや送料負担によって再購入が増えても、利益が減ってしまう場合があるからです。
そこで今回は、購入履歴を使って「誰が、いつ、何を買い、何人が再購入しているか」を調べる方法を解説します。リピーター比率と2回目購入率の違い、コホート分析、商品別の比較、改善施策の選び方まで、Excelでも取り組めるよう具体例を交えて紹介します。
この記事でわかること
- 新規購入顧客・既存購入顧客を分類する方法
- リピーター比率と2回目購入率の計算方法
- 購入履歴から再購入までの日数を調べる方法
- コホート分析による購入月別の比較
- 商品・顧客層に合う再購入施策の考え方
- 再購入率だけでなく売上・利益まで検証する方法
- 1 ECサイトの新規・リピーター分析とは?何がわかるのか
- 2 新規・リピーター分析で確認したい6つの重要指標
- 3 リピーター比率と2回目購入率の違い|計算方法を具体例で解説
- 4 ECサイトの購入履歴から新規顧客とリピーターを分類する方法
- 5 初回購入者が2回目の購入へ進まない原因を分析する
- 6 コホート分析でリピーターの増減を正しく判断する方法
- 7 実践例|月商300万円のECサイトで新規・リピーターを分析する
- 8 再購入されやすい商品と購入タイミングを見つける方法
- 9 分析結果から再購入施策を決める方法
- 10 エビス店長流|リピーター改善の優先順位を決める5つの手順
- 11 新規・リピーター分析でよくある7つの失敗
- 12 ECサイトの新規・リピーター分析でよくある質問
- 13 まとめ|新規・リピーター分析は、次の購入につながらない理由を見つけるために行う
- 14 新規顧客は増えているのに、リピーターが育たない方へ
- 15 あわせて読みたいECサイト分析の関連記事
- 16 参考情報
ECサイトの新規・リピーター分析とは?何がわかるのか
新規・リピーター分析とは、注文履歴をもとに初回購入者と既存購入者を分類し、再購入の状況や顧客ごとの売上貢献を確認する分析です。例えば月商300万円のうち、150万円が新規顧客、残り150万円が既存顧客の売上だった場合、売上の半分を過去にも利用したお客様が支えています。
ただし、この数字だけでは新しく獲得したお客様が順調にリピーターへ育っているかまではわかりません。今月購入した既存顧客は、何年も前から利用しているお客様かもしれないからです。そこで、初回購入者を起点に、その後の再購入状況を追跡することが重要になります。
新規購入顧客と既存購入顧客の違い
| 顧客区分 | 本記事での定義 |
|---|---|
| 新規購入顧客 | 対象期間中に初めて有効な注文をした顧客 |
| 既存購入顧客 | 対象期間より前に購入歴があり、当期にも注文した顧客 |
| 2回目購入顧客 | 初回注文後に2回目の有効な注文をした顧客 |
| 3回以上購入顧客 | 累計で3回以上の有効な注文をした顧客 |
GA4の「リピーター」は再購入者とは限らない
Googleアナリティクス4(GA4)にも「リピーター(Returning users)」という指標がありますが、これは基本的に以前サイトやアプリを利用したことがあるユーザーを指します。商品を実際に再購入した顧客と同じ意味ではありません。商品ページを再訪問しただけのユーザーが含まれる場合もあります。
そのため、購入回数・初回購入日・2回目購入日を正確に分析したいときは、ECカートや受注管理システムの注文履歴を基準にするのがおすすめです。GA4での購入行動の確認方法は、GA4でECサイトを分析する方法も参考にしてください。
リピーター分析でわかる4つのこと
- 新規顧客が2回目の購入へ進んでいるか
- 初回購入から何日後に再購入されているか
- どの商品・顧客層が再購入につながりやすいか
- 新規・既存顧客が売上にどの程度貢献しているか
これらを把握すると、すべてのお客様に同じクーポンを配るのではなく、購入した商品やタイミングに合わせた施策を検討できるようになります。
新規・リピーター分析で確認したい6つの重要指標
最初から複雑な分析を行う必要はありません。まずは次の6つを同じ集計条件で確認しましょう。
| 指標 | 何がわかるか |
|---|---|
| ① 新規購入顧客数 | 初回購入者を何人獲得したか |
| ② 既存購入顧客数 | 以前の購入者のうち当期に何人購入したか |
| ③ 2回目購入率 | 初回購入者が一定期間内に再購入した割合 |
| ④ 再購入までの日数 | 初回購入から次の購入までの期間 |
| ⑤ 購入頻度 | 一定期間に顧客1人あたり何回注文したか |
| ⑥ 新規・既存顧客別売上 | 各顧客層による売上貢献 |

① 新規購入顧客数
対象期間中に初めて購入した顧客の人数です。同じお客様が当月に2回注文しても、新規購入顧客数は1人と数えます。
② 既存購入顧客数
過去に購入したことがあり、対象期間中にも注文した顧客の人数です。顧客数の多さだけでは、最近獲得した新規顧客が定着しているかまではわかりません。
③ 2回目購入率
特定の時期に初回購入した顧客のうち、指定した観察期間内に2回目の注文をした割合です。新規顧客が次の購入へ進んでいるかを確認するため、今回の記事では特に重視します。
④ 再購入までの日数
初回購入日から2回目購入日までの日数です。消耗品などでは、再購入しやすい時期を把握することが購入後の案内に役立ちます。ただし、再購入した人だけの平均日数を、初回購入者全員の行動と混同しないようにしましょう。
⑤ 購入頻度
購入頻度=対象期間の注文件数÷対象期間の購入顧客数で計算できます。例えば年間1,500件の有効な注文があり、購入顧客が500人なら平均3回です。一部の顧客が何度も注文して平均を押し上げていることもあるため、購入回数別の顧客数も併せて確認しましょう。
⑥ 新規・既存顧客別売上
新規顧客と既存顧客の売上を分けて集計します。顧客1人あたりの購入金額や注文回数を比較すると売上構造を捉えやすくなりますが、売上貢献と利益貢献は同じではありません。原価、値引き、配送費、販促費なども必要に応じて確認してください。
リピーター比率と2回目購入率の違い|計算方法を具体例で解説
「リピート率」とひとまとめにされがちですが、当月の購入者構成を表すリピーター比率と、初回購入者の再購入を追う2回目購入率は異なる指標です。分母が違うため、そのまま比較してはいけません。
当月のリピーター比率の計算方法
リピーター比率=対象期間の既存購入顧客数÷対象期間の購入顧客総数×100
例えば10月の購入顧客数が500人で、そのうち200人が既存顧客なら、200÷500×100=40%です。これは10月に購入した人の40%が過去にも購入経験を持つという意味であり、10月の新規購入者がその後40%の確率で再購入するという意味ではありません。
90日以内の2回目購入率の計算方法
90日以内の2回目購入率=初回購入後90日以内に2回目の注文をした顧客数÷対象の初回購入顧客数×100
例えば1月に初回購入した300人のうち、90日以内に45人が2回目購入した場合、45÷300×100=15%となります。初回購入した同じ顧客群を一定期間追跡するため、初回購入後の定着状況を見やすい指標です。
| 比較項目 | リピーター比率 | 2回目購入率 |
|---|---|---|
| 分母 | 対象期間の購入顧客総数 | 特定期間の初回購入顧客数 |
| 分子 | 対象期間の既存購入顧客数 | 観察期間内に2回目購入した顧客数 |
| 目的 | 当期の顧客構成を把握 | 初回購入者の再購入を追跡 |
| 例 | 200人÷500人=40% | 45人÷300人=15% |

計算するときは観察期間をそろえる
2回目購入率を計算する場合、対象の顧客全員に十分な観察期間が必要です。例えば10月20日時点で10月の新規顧客の「90日以内の2回目購入率」はまだ確定できません。90日間を追跡できる以前の顧客群を使うか、30日以内など別の条件を設定しましょう。
また、食品と家電では適切な購入間隔が異なります。「2回目購入率は何%以上なら合格」と一律に決めず、自社の商材や過去の同条件データと比較することが大切です。
ECサイトの購入履歴から新規顧客とリピーターを分類する方法
必要なのは、顧客を識別できる情報と注文履歴です。ShopifyなどのECカートや受注管理システムから取得できる項目を確認し、最初はExcelやスプレッドシートで整理する方法でも構いません。
STEP1|分析に必要なデータを集める
| データ | 使用目的 |
|---|---|
| 顧客ID | 同じ顧客の注文を識別 |
| 注文ID | 商品明細による重複計上を防ぐ |
| 注文日 | 購入時期・購入間隔を確認 |
| 注文金額 | 顧客別売上を集計 |
| 商品ID | 初回商品・再購入商品を比較 |
| 注文ステータス | キャンセル・返品などを整理 |
| 初回購入日 | 新規・既存を判定 |
注文履歴が直近3か月分しかない場合、それ以前に購入した顧客を新規と誤判定するおそれがあります。可能な範囲で過去の有効な購入履歴を確認しましょう。
STEP2|顧客IDごとに注文履歴を整理する
| 顧客ID | 注文日 | 注文金額 | 累計購入回数 |
|---|---|---|---|
| A001 | 1月10日 | 5,000円 | 1 |
| A001 | 2月12日 | 4,000円 | 2 |
| A001 | 4月5日 | 6,000円 | 3 |
| A002 | 1月15日 | 7,000円 | 1 |
| A003 | 1月20日 | 3,000円 | 1 |
| A003 | 3月10日 | 4,000円 | 2 |
※説明用の架空データです。すべて有効な注文と仮定します。注文データが商品明細単位の場合は、先に注文ID単位で整理してください。商品が3点含まれる1注文を「3回購入」と数えないことが大切です。
STEP3|初回購入日と2回目購入日を特定する
| 顧客ID | 初回購入日 | 2回目購入日 | 経過日数 |
|---|---|---|---|
| A001 | 1月10日 | 2月12日 | 33日 |
| A002 | 1月15日 | なし | — |
| A003 | 1月20日 | 3月10日 | 49日 |
これにより再購入した人と、観察時点でまだ再購入していない人を区別できます。「まだ再購入していない」ことは「二度と購入しない」ことを意味しません。
STEP4|キャンセル・定期購入・ゲスト購入の扱いを統一する
キャンセルや返品の扱い、定期購入の自動注文を含めるかどうか、ゲスト購入の顧客識別などの条件がぶれると、リピート率も変わります。また複数モールのデータを合算するときは、モールごとに取得できる顧客情報や利用可能な範囲が異なります。各サービスの規約と個人情報の取り扱いルールに従い、氏名や住所などを必要以上に分析用ファイルへ持ち出さないようにしましょう。
初回購入者が2回目の購入へ進まない原因を分析する
まずは、同じ月に初回購入した顧客を一定期間追跡します。例えば1月に初回購入した300人を90日間観察した場合を考えてみましょう。
30日・60日・90日の累計2回目購入率を確認する
| 初回購入からの期間 | 2回目購入顧客数(累計) | 累計2回目購入率 |
|---|---|---|
| 30日以内 | 18人 | 6% |
| 60日以内 | 36人 | 12% |
| 90日以内 | 45人 | 15% |
※架空データです。各行は同じ初回購入顧客300人に対する累計値です。30日以内に18人、31~60日目に追加18人、61~90日目に追加9人が再購入したことになります。
再購入が増える時期が見えたら、商品の消費サイクルや過去の販促内容を確認します。ただし、数字だけで「60日目にメールを送れば売れる」と決めつけることはできません。商品特性や季節性なども調べましょう。
初回購入商品別に再購入率を比較する
| 初回購入商品 | 初回購入顧客数 | 90日以内の再購入顧客数 | 2回目購入率 |
|---|---|---|---|
| 商品A | 100人 | 25人 | 25% |
| 商品B | 100人 | 15人 | 15% |
| 商品C | 100人 | 5人 | 5% |
| 合計 | 300人 | 45人 | 15% |
※説明用の架空データです。各顧客に代表的な初回購入商品を1つ割り当てています。商品Aと商品Cに差があっても、消耗品と耐久品では再購入の必要性が違うため、単純に商品Cの品質が悪いとは判断できません。
初回購入の獲得経路でも比較する
自然検索、広告、SNSなど、初回購入につながった獲得経路が把握できる場合は、同じ観察期間の2回目購入率を比較します。ただし流入経路によって商品構成や顧客属性が異なるため、再購入率だけでチャネルの優劣を断定しないことが大切です。集客の成果全体を見る場合は、ECサイトの流入経路分析で詳しく解説しています。
数字は原因を証明するものではない
再購入率が低い理由には、購入サイクルの長さ、商品満足度、価格、競合への流出、購入後の案内不足などが考えられます。数字は調査すべき箇所を絞り込む材料であり、原因そのものを証明するものではありません。レビュー、返品状況、問い合わせ、顧客アンケートなども必要に応じて確認しましょう。
コホート分析でリピーターの増減を正しく判断する方法
コホート分析は、初回購入月など共通の条件で顧客をグループ化し、その後の購入行動を追跡する方法です。例えば1月、2月、3月に初回購入した顧客をそれぞれ別のグループとして追うことで、獲得時期による違いが見えてきます。
初回購入月別に再購入を追跡する
| 初回購入月 | 新規購入顧客数 | 翌月の再購入率 | 2か月後 | 3か月後 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 300人 | 8% | 6% | 5% |
| 2月 | 250人 | 10% | 7% | 6% |
| 3月 | 200人 | 12% | 9% | 7% |
※架空データです。各セルはその月に1回以上再購入した顧客数÷該当コホートの初回購入顧客数で計算した「月別・非累計」の再購入率です。同じ顧客が複数月に購入することもあるため、横方向に足しても「3か月以内の2回目購入率」にはなりません。

コホート分析で見るべきポイント
この架空例では、初回購入の翌月に再購入する顧客の割合が、1月グループの8%から3月グループの12%へと変化しています。ただし、商品構成、キャンペーン、顧客層、季節性が違う可能性もあります。数字の変化だけで施策の効果とは断定しないようにしましょう。
観察期間が終わっていないグループは「未確定」にする
新しく獲得した顧客は、昔の顧客ほど長く追跡できません。例えば10月20日時点で9月の顧客について「3か月後」の再購入率を算出することはできません。該当セルを0%とするのではなく、未確定として扱いましょう。顧客グループ間で比較するときは、同じ経過期間の数字を使うことが重要です。
Shopifyなどの分析レポートを使う場合
Shopifyでは顧客レポートなどを使って再購入状況を把握できますが、利用できる機能や集計条件は契約内容や仕様によって異なります。管理画面の「再購入率」が自社で定義した「90日以内の2回目購入率」と同一とは限らないため、表示される指標の定義を確認してください。参考:Shopify公式ヘルプ:顧客レポート。
実践例|月商300万円のECサイトで新規・リピーターを分析する
ここでは月商300万円、当月の購入顧客数500人の架空ECサイトを例に、数字から改善判断へつなげる流れを整理します。以下はすべて説明用の仮定であり、実際の店舗の実績ではありません。
STEP1|新規・既存顧客の売上を比較する
| 指標 | 新規購入顧客 | 既存購入顧客 |
|---|---|---|
| 購入顧客数 | 300人 | 200人 |
| 売上 | 150万円 | 150万円 |
| 顧客1人あたり当月売上 | 5,000円 | 7,500円 |
この例では、当月の購入者は新規300人・既存200人ですが、売上はいずれも150万円です。既存顧客の方が顧客1人あたりの当月売上は大きいものの、利益貢献の違いを判断するには原価や販促費まで確認する必要があります。
STEP2|初回購入者の90日以内の再購入を調べる
90日間の観察が完了している別の月の初回購入者300人について調べた結果、45人が90日以内に2回目購入したと仮定します。この場合の2回目購入率は15%です。ここから商品別、獲得経路別、購入時期別に分析し、違いがあるか確認します。
STEP3|改善できそうな商品・顧客層を絞る
例えば商品Aの初回購入者は再購入率25%、商品Cの初回購入者は5%だったとします。商品Cが耐久品なら同じ商品を繰り返し購入する需要は少ないかもしれません。その場合は関連する消耗品の提案など、商品特性に合う選択肢を考えます。
STEP4|改善した場合の売上・利益を試算する
今後の初回購入者300人について、90日以内の2回目購入率が15%から20%に変わったと仮定すると、2回目購入者は45人から60人へ15人増える計算です。この15人がそれぞれ1回、平均5,000円の注文をすれば、追加売上は75,000円になります。
さらに簡易的に粗利益率40%とすれば追加粗利益は30,000円です。仮に施策による追加費用が20,000円なら差額は10,000円ですが、これは固定費などを含めない試算です。施策の実績や因果効果を示す数字ではないことに注意しましょう。
STEP5|同じ条件で施策の効果を検証する
実施前後で同じ定義・同じ観察期間の2回目購入率を比較します。可能であれば施策を実施していない比較グループも用意すると、季節性や偶然の変動との区別がつきやすくなります。少人数の変化だけで施策の成功を断定せず、売上・利益・費用まで確認しましょう。
再購入されやすい商品と購入タイミングを見つける方法
商品の購入サイクルを考慮する
食品・日用品のように使い切る商品と、家具・家電のように長期間使用する商品では再購入までの期間が異なります。単純に2回目購入率が低い商品を悪い商品と判断せず、商品の用途・消費サイクル・関連商品の需要も確認しましょう。
初回購入商品と2回目購入商品の組み合わせを見る
初回にコーヒー豆を購入したお客様が、2回目も同じ豆を購入していれば補充需要が考えられます。一方、別の種類の豆や器具を買っていれば、関連商品の提案が購入のきっかけになっているかもしれません。商品ごとの売上・利益については、ECサイトの商品別売上分析でも詳しく解説しています。
購入日数は平均だけでなく分布を見る
2回目購入までの平均日数だけでなく、中央値や30日・60日・90日以内の購入率を確認すると、極端に長い購入間隔の影響を受けにくくなります。なお、まだ再購入していない顧客は「再購入した人の平均日数」に含まれないため、顧客全体の購入行動と混同しないようにしましょう。
分析結果から再購入施策を決める方法
顧客データから違いが見えてきたら、最も改善余地がありそうな顧客層を絞り込みます。メール、LINE、クーポン、ポイント、関連商品提案などを一度に導入する必要はありません。課題と施策を対応させて考えましょう。
| 分析で見つかった状況 | 検討したい対策 |
|---|---|
| 初回購入後の再購入が少ない | 購入後フォロー・使い方の案内 |
| 再購入時期がある程度決まっている | 購入サイクルに合わせたリマインド |
| 関連商品への購入が少ない | 関連商品・セット商品の提案 |
| 特定商品で再購入率が低い | レビュー・返品・問い合わせの確認 |
| 再購入は増えたが採算が低い | 割引率・配送費・配信費用の見直し |
| 特定の獲得経路で定着が低い | 初回購入商品・顧客層・訴求の比較 |
初回購入後のフォローメール
商品到着後に使い方、保管方法、お手入れ方法などを伝える施策です。初回から再購入を強く促すのではなく、商品を満足して使ってもらうための情報を提供することも大切です。
購入サイクルに合わせたリマインド
消耗品など再購入時期に一定の傾向がある商品では、補充のタイミングに合わせた案内が考えられます。使用頻度には個人差があるため、すべてのお客様へ機械的に同じ時期に送るのではなく、購入履歴や本人の希望も考慮しましょう。
関連商品・セット商品を案内する
初回購入した商品と一緒に使える商品、次に必要になりやすい商品などを紹介する方法です。単なる値引きではなく、お客様にとっての購入理由を具体的に伝えられるかを考えましょう。
クーポンの効果は利益まで確認する
クーポンやポイントは再購入のきっかけになる場合がありますが、割引や送料負担が増えると粗利益が減ることもあります。売上だけでなく採算まで確認し、継続するかを判断してください。詳しくはECサイトの利益改善も参考になります。
メールやLINEで購入履歴を利用した案内を行う場合は、配信への同意や停止方法、プライバシーポリシー、各サービスの利用条件なども確認しましょう。
エビス店長流|リピーター改善の優先順位を決める5つの手順
分析できる項目が増えると、あれもこれも改善したくなるかもしれません。しかし、同時に多くの施策を実施すると効果がわかりにくくなります。まずはデータから改善対象を絞りましょう。

STEP1|2回目購入率を確認する
商材に応じて30日・90日・180日などの観察期間を決め、対象の初回購入顧客がどれくらい再購入したかを把握します。以前の同条件のグループと比べて変化を確認しましょう。
STEP2|再購入が少ない商品・顧客層を特定する
初回購入商品、獲得経路、購入時期などで分類し、再購入率の違いを調べます。ただし商品特性が異なるグループを無条件に比較しないようにします。
STEP3|再購入の可能性と原因を調べる
消耗品なのに再購入が少ないなら、購入後の案内や商品満足度に改善余地があるかもしれません。一方、耐久品なら同じ商品の再購入よりも関連商品を検討する方が自然な場合があります。購入サイクル、レビュー、問い合わせなどから仮説を整理します。
STEP4|小さな施策から試す
いきなり大幅な値引きや新システム導入をするのではなく、対象商品や顧客層を限定し、購入後フォローメールや関連商品の案内などから試してみましょう。
STEP5|売上・粗利益・追加費用を検証する
施策後は2回目購入率、再購入数、売上、粗利益、割引・配信などの追加費用を確認します。リピーターの人数を増やすこと自体が目的ではなく、継続的に売上と利益を生み出せる仕組みを作ることがゴールです。
新規・リピーター分析でよくある7つの失敗
1.GA4のリピーターを再購入顧客と混同する
再訪問したユーザーと、購入を繰り返した顧客は異なります。再購入の集計では注文履歴を利用しましょう。
2.リピーター比率と2回目購入率を混同する
分母・対象期間・目的が違います。社内資料でも計算式を明記するのがおすすめです。
3.観察期間が短い顧客を低リピートと判断する
90日が経過していない顧客について90日以内の再購入率を確定させることはできません。
4.注文件数を顧客数として数える
注文商品行の重複や同一顧客の複数注文に注意し、注文IDと顧客IDを使い分けましょう。
5.商品の購入サイクルを考慮しない
食品と家電に同じ再購入率の目標を当てはめても、適切な判断はできません。
6.値引きによる再購入増加だけで成功と判断する
再購入者数や売上が増えても、粗利益や追加費用を確認しなければ施策の採算はわかりません。
7.顧客データの不整合を放置する
ゲスト購入、複数アカウント、キャンセル、定期購入などの集計条件を統一しましょう。
ECサイトの新規・リピーター分析でよくある質問
Q.ECサイトのリピート率はどう計算しますか?
「当月の購入者に占める既存顧客の割合」を求める場合は、既存購入顧客数÷当月購入顧客総数×100です。一方、初回購入者の再購入を調べる場合は、同じ初回購入顧客を一定期間追跡して2回目購入率を計算します。
Q.リピーター比率と2回目購入率の違いは何ですか?
リピーター比率は当期の購入者構成を示し、2回目購入率は初回購入者の定着状況を示します。分母と観察期間が違うため、同じ指標として比較できません。
Q.GA4で新規顧客とリピーターを分析できますか?
GA4では新規・再訪問などのユーザー行動を分析できます。ただし、過去に訪問した人と再購入した人は異なるため、購入回数や2回目購入率の計算にはECカート等の注文履歴が適しています。
Q.2回目購入率は何%あればよいですか?
一律の正解はありません。商材の購入サイクル、価格帯、対象期間、計算方法などによって大きく異なるため、まずは自社の同条件の過去データと比較しましょう。
Q.再購入までの期間はどう分析しますか?
初回購入日と2回目購入日の差を計算します。平均・中央値だけでなく、30日・60日・90日以内の累計2回目購入率も見ると把握しやすくなります。
Q.楽天市場やAmazonでも分析できますか?
各モールで提供されるレポートや、規約に沿って利用可能な注文データの範囲で検討できます。顧客を識別できる項目やレポート機能はサービスによって異なります。
Q.リピーターが少ないときは何から改善すべきですか?
まず初回購入者の2回目購入率と再購入までの日数を確認します。その後、初回購入商品別の違いや購入後の顧客体験を調べ、改善できることから小さく試しましょう。
まとめ|新規・リピーター分析は、次の購入につながらない理由を見つけるために行う
ECサイトの売上を安定させるためには、新規顧客数だけでなく、初回購入後の行動を把握することが重要です。ただし、リピーターが増えればそれだけで経営改善につながるとは限りません。商品特性や購入サイクル、販促にかかる費用も考慮しましょう。
今回のポイント
- 新規購入顧客と既存購入顧客を分けて確認する
- リピーター比率と2回目購入率を区別する
- 観察期間をそろえて30日・60日・90日以内の再購入を追う
- コホート分析で初回購入月別の変化を見る
- 初回購入商品別に再購入の違いを調べる
- 施策の効果は売上・粗利益・追加費用まで検証する
最初からすべてを分析する必要はありません。まずは初回購入した100人のうち何人が2回目購入したかを確認し、商品別・購入時期別に違いがあるか調べてみてください。EC分析の全体像はECサイトのデータ分析完全ガイドも参考になります。
新規顧客は増えているのに、リピーターが育たない方へ
「広告で新規顧客は獲得できるのに再購入が少ない」「顧客データはあるけれど何を改善すればよいかわからない」「クーポンを配っても利益が残らない」という悩みはありませんか?
リピーター改善では、商品の特性・購入タイミング・顧客の行動・販促費用を総合して判断することが必要です。「売れるネットショップの教科書」では、ネットショップの売上・利益改善について無料相談を受け付けています。まずは自社データのどこを確認すべきか、一緒に整理していきましょう。
あわせて読みたいECサイト分析の関連記事
- ECサイトのデータ分析完全ガイド:売上・顧客・利益を含む分析の全体像
- GA4でECサイトを分析する方法:アクセス・購入行動の確認
- ECサイトの商品別売上分析:商品ごとの売上や粗利益を把握
- ECサイトの流入経路分析:SEO・広告・SNSの貢献比較
- ECサイトの利益改善:販促費を踏まえた利益改善