パンダアップデートとは
Googleの検索アルゴリズムのアップデートのひとつで、検索ユーザーに対して、
価値のあるページを上位表示させるため、低品質なコンテンツのサイト、ページを検索結果から削除する目的で実行されている。
パンダアップデートが最初に実施されたのは、2011年2月に米国で実施されたのが初めてのアップデートでした。
日本では2012年7月に韓国と同時に実施されたとGoogle公式Twitterで発表されました。
【目次】
パンダアップデート実施の理由
2010年頃のGoogleの検索結果は、非常に精度の低いもので、いわゆるブラックハットSEOと呼ばれる
不正に検索結果を操作する行為が横行していた時期でした。
パンダアップデートが実施される前は、狙ったキーワードを含む記事をウェブ上に大量に公開することで
かなりの数のページを上位表示させることが可能でした。
パンダアップデートの実施時期については、不定期に実施されていますが、アップデートについては自動で行われているため、アルゴリズム自体が自動化してブラックハットSEOを実施しているウェブサイト、ページを除去しているようです。
現在でも1ヶ月に1回の頻度でパンダアップデートは実施されていて、Googleのガイドラインに違反しているウェブサイトはその表示順位を落とし続ける状態にあります。
ちなみにパンダアップデートの「パンダ」とは動物のパンダではなく
当時のアルゴリズム開発エンジニアであったBiswanath Panda(ビスワナス・パンダ)さんの名前が由来です。
ブラックハットSEOとは
ブラックハットSEOとは、Googleが定めるガイドラインに違反して、アルゴリズムの裏をかいて
不正な方法で検索上位表示を狙う検索対策ことです。
現在は、Googleの定期的なパンダアップデートやペンギンアップデートによって
ブラックハットSEOを実施しているウェブサイト、ウェブページは上位表示から除外されることになりました。
ちなみに「ブラックハット」とは、悪意を持った「ハッカー」の意味です。
ただ、SEO業者も常にGoogleのアルゴリズムの「穴」を探して、検索結果を不正な手法で
操作しようと日々研究を続けています。
パンダアップデートとペンギンアップデートの違いとは
パンダアップデートと同じく、Googleのアルゴリズムであるペンギンアップデートについて。
パンダアップデートとペンギンアップデートは何が違うのか?どちらのアップデートも
目的としては、低品質のページを検索結果から除外して、検索結果の適正化を図ることで共通しています。
パンダアップデートとペンギンアップデートの違いは、除外対象となるサイト、ページの評価基準が違います。
パンダアップデートの特長としては、コンテンツの内部の評価に対してのアップデートとされています。
具体的には、ユーザーにとって価値のないサイト、ページの排除。他のコンテンツのコピーサイト。自動生成コンテンツ。オリジナリティの無いつぎはぎのようなコンテンツ。コンテンツ自体に意味のないアフィリエイトプログラムを目的としたサイト。こうしたサイト、ページを除外することがパンダアップデートの目的です。
ペンギンアップデートは、コンテンツ自体ではなく、スパムサイトの排除を目的としたアップデートと言われています。
具体的には人為的な被リンク増加を実施しているサイト、もしくはリンクの売買を実施したサイト。過剰リンク施策を実施したサイト。スパム行為による不正な検索対策を実施しているサイト。こうしたサイトの除外がペンギンアップデートの目的です。
Googleが定める低品質なサイトとは
Googleはページ品質に関してガイドラインをを制定しており、「低品質なコンテンツ」とは以下のようなサイトが該当します。
自動的に生成されたコンテンツ
自動的に生成されたコンテンツとは、プログラムによって生成されたウェブページなどのコンテンツのこと。
検索上位表示を目的とした、ページ量産対策などで実施される。ページそのものには目的や意味がないが、
特定のキーワードに対して、関連用語などを含んだ文章を自動生成するようなプログラムも存在している。
自動生成ゆえに、文脈が不自然であったり、キーワード事の文節をつなぎ合わせているため、意味が通らない文章である場合が多い。
不正なリダイレクト
リダイレクトとは、ユーザーが最初にアクセスしたページURLとは異なるURLに移動させること。リダイレクトの本来の利用としては、
ウェブサイトのリニューアルなどで、URLが変更になった際、変更先のURLへ自動的に移動させる際などに実施される手法です。
不正なリダイレクトとは、こうしたユーザーの利便性を図るための行為とは異なり、主に検索エンジンのクローラを騙すことを目的とした
リダイレクトのことです。検索エンジンノクローラに対しては、検索結果に応じたコンテンツが表示されるのに、検索ユーザーには全く異なるコンテンツへリダイレクトされるようなケースが不正なリダイレクトにあたります。
リンクプログラム
これはいわゆる「被リンク対策」と呼ばれるSEO対策の手法において、リンクそのものを購入したり、強制的にアクセス数の多いサイトからキーワードリンクを貼るような行為を指します。
以前はGoogleの検索評価対象として「被リンク」が重視されていたことがあります。現在も優良なウェブサイトからの、価値あるリンクについては、評価対象になりますが、以前ほど重要度は高くないようです。
SEO業者と呼ばれる、Google検索表示を意図的に操作しようとする業者による、被リンク対策は、リンクプログラムの一部とみなされ、現在はペナルティの対象となっています。
クローキング
クローキングとは、検索ユーザーと検索エンジンクローラに対して、それぞれ異なるコンテンツ、または異なるページURLを表示させることです。
検索エンジンは画像内に記載されているコンテンツの文字列を読み取ることはできません。そのため、検索ユーザーには、ビジュアル面で
視認性の高い画像を用意し、検索エンジンクローラに対しては、テキストHTMLを用意するような行為が、ウェブサイト構築の現場でも当たり前の対応方法として実施させれていた時期があります。
クローキングはサイト制作者やページ編集者が意図的に検索ユーザーと検索エンジンへの表示を分けているという行為そのものを違反行為としてとらえています。
隠しテキストと隠しリンク
隠しテキストと隠しリンクについても、かなり昔から行われていたSEOスパム行為です。
よくある例としては、白背景に白色のテキストを記載してキーワードを大量に埋め込む手法です。
また、フォントサイズを極端に小さくしてキーワードを埋め込んだり、CSSを利用して大量のキーワードを挿入したテキストブロックを画面の外に配置するような手法もスパム行為となります。
誘導ページ
誘導ページは、特定の検索キーワードによる検索上位表示を目的として作成されたウェブサイト、ウェブページのことです。
検索キーワードに対して、表示されるページのコンテンツは、あまり関連性がなく、そのページから別のページへ誘導することを目的としたSEO対策ページはGoogleのガイドライン違反となります。ページコンテンツの中身よりも、別のページへの誘導が目的であることから、検索結果として表示されるページとしてはユーザーの有益性は低い、価値のないコンテンツとみなされるわけです。
無断複製されたコンテンツ
SEO対策として、優良なコンテンツの内容を加筆修正した文章を利用して、検索上位表示を狙う行為が無断複製にあたります。
特定キーワードで上位表示されているウェブサイト、ページは、当然ながら、特定キーワードに関連した有益情報を掲載しているページであるはずです。そうした、すでに「上位表示を達成した成功事例」を元にして、コンテンツの内容をコピー&ペーストしたような記事は当然ながら価値のあるコンテンツとは言えません。特にSEO対策として、特定キーワードが含まれたある程度文章量のあるページを大量に作成、投稿する行為は、先のDeNAのWELQ、MERYなどのキュレーションサイト問題でも話題となりましたが、一定の効果がある施策でした。
コンテンツを作成する際、より詳しい情報が記載されたウェブサイトから引用する場合ももちろんあります。そうした引用利用を行う場合は、引用元のサイトURLを明記するなどの対応が必要となります。
アフィリエイトプログラム
Googleのガイドラインによると、アフィリエイトプログラムに参加しているウェブサイト全てがガイドライン違反となるわけではなく、
アフィリエイトプログラムの成約を目的としたウェブサイトは、特定キーワードで上位表示された際に、著しくコンテンツ内容が薄い、価値の低いコンテンツであるケースが多いという点を問題視しているようです。アフィリエイトバナーやPR広告だらけのウェブサイトで、実際のコンテンツにあたる部分がほとんど記載がないようなページはユーザーにとっては価値のない検索結果となります。
コンテンツがあって、その結果としてのアフィリエイトプログラムという構成のウェブサイトであれば、例えアフィリエイトが目的のサイトであったとしても、特定キーワードに対してユーザーに
価値のあるコンテンツを表示していれば、ユーザーにとっては有益なウェブページと言えます。
線引きが非常に難しいポイントでもありますが、ウェブサイトの滞在時間や、離脱率などから、アフィリエイトプログラムを実施しているウェブサイトであっても価値のあるサイトかどうかを評価することは可能でしょう。
キーワードの乱用
検索結果において、サイトの上位表示を目的とするために、特定のキーワードを過剰に埋め込むような行為がキーワードの乱用にあたります。
通常、あるテーマを元に文章を記載していると、キーワードは自然な出現率で埋め込まれるはずです。文脈上、テーマに関連するキーワードが
何度も出現することはあるでしょうが、特定キーワードのみが異常な回数で出現する場合は、人為的な操作ととらえられる可能性があります。
また、キーワードの乱用にあたる行為としては「意味のない文字列の羅列」が違反行為にあたるようです。
意味のない文字列とは、例えば電話番号であったり、市区町村名だったりといった、一般的な名称などを検索結果の複合キーワードとして狙うような文字列のことです。SEO対策としてページ量が多いことは当然優位になりますが、自動生成プログラムなどで作成されるページなどはこうしたあまり意味をもたない文字列の組合せページであることが多いです。
悪意のある動作を伴うページの作成
スマートフォンの普及により、ウェブサイトの表示領域がパソコンと比較した際に非常に狭い画面になったこともあり、アフィリエイトプログラムに参加しているウェブサイトなどは、ポップアップバナーやユーザーの誤操作を誘発するようなJavascriptによるボタン設置などがみられるようになりました。こうしたユーザーの意図しない行為をプログラムなどによって行うようなウェブサイト、ウェブページはガイドライン違反となります。
当然ながら、ウイルスをインストールしたり、不必要なプログラムをダウンロードさせるようなウェブサイトもガイドライン違反です。
こうした悪意ある動作を行うページが増えたこともあり、Googleの評価基準のひとつに「SSL対応」も加わっています。
ネットショップの多くもSSLへの対応を非常に重要視するような流れになっています。
ユーザー生成スパムに関するガイドライン
これはウェブサイト運営者の意図とは別の部分、スパムアカウントによる悪意のある行為を元に定められたガイドラインです。
例えば、掲示板やフォーラムなど不特定多数のユーザーが利用する投稿型ウェブサイトなどであれば、一部の悪意あるアカウントユーザーが
不正アクセスなどのURLを記載したり、ウイルスを添付したりといったスパム行為に及ぶ場合があります。そうしたスパムコメントなどを受けた
ウェブサイトやウェブページは、運営者の意図に関係なく、Googleの検索結果として表示させてしまうと、他のユーザーに被害が及ぶ可能性があります。こうしたスパム被害にあった場合には、スパムコメントなどを削除したうえで、Googleのウェブマスターツール、Search Consoleから該当のページURLを再度インデックスしてもらうように申請を行いましょう。
コメントスパムを防止する方法
先のユーザー生成スパムに関するガイドラインと同様に、スパムユーザーからのスパム行為、不正URLを張り付けたり、スクリプトを埋め込まれたりといったことを事前に防止する必要があります。ブログなどはコメント欄があることで、ユーザー同士のコミュニケーションや、記事に対する新しい情報の追加などが可能です。ただし、コメント欄の仕組みが脆弱なものであれば、スパムプログラムなどに悪意のある書き込みを行われることも非常に多くなりました。コメント記入方法について、ソーシャルアカウントでのコメントを有効にするツールや、文字認証を必要とするツールを導入するなど、事前の防止対策を検討しておいて損はありません。
パンダアップデートのまとめ
GoogleやYahoo!などの検索結果の上位表示を狙うSEO対策は、結局のところ、「対策」をすれば近いうちに、その対策が「評価基準からはずされる」ことになります。
Googleの企業としての目的は、「Googleを使ってもらうこと」に他なりません。
その企業目的であるGoogleを利用してもらうことを達成するには、Googleの検索が「便利」なものでなくてはなりません。
ユーザーにとって、Google検索が便利であること、この答えは、ユーザーからのリクエストにより速く正確な情報を返すことです。
Googleは、アルゴリズムを随時アップデートし続けているのはユーザーの検索リクエストに対して、価値のある情報、コンテンツを上位表示させることにあります。
ユーザーからのリクエストに「素早く正確に答える」必要があります。
ユーザーが求める情報にすぐにたどり着けること。たどり着いた情報が非常に価値のあるコンテンツであること。
この二つをしっかりと意識していけば、Googleに好かれる行為は「有益なコンテンツを適正な言葉で作成する事」に
ほかならないことがわかるかと思います。
ユーザーの事を考えてコンテンツ、記事を作成することが「ホワイトハットSEO」、すなわち正しいSEOとなります。
オリジナルの記事を書く事。タイトルに記載した内容にそって、価値のある情報を適切な言葉を用いて書くこと。情報は、一度書いたら終わりではなく、新たな情報や訂正情報があれば、アップデートを行うこと。こうした、当たり前のことをユーザーの目線で実施し続けていくことでパンダアップデートやペンギンアップデートに影響を受けない確固たるコンテンツができあがるはずです。
参考になれば幸いです。