
「Amazon Payを導入すると、本当にネットショップの売上が増えるの?」「決済手数料が高くなっても導入する価値はある?」「自社のネットショップでも使えるの?」と迷っていませんか。
Amazon Pay(アマゾンペイ)は、Amazonアカウントに登録されている支払い情報や配送先を利用して、Amazon以外のネットショップでも買い物ができる決済サービスです。
購入者は、初めて利用するネットショップでも住所やクレジットカード情報を一から入力する手間を減らせます。ネットショップ運営者にとっては、会員登録や入力作業の途中で購入を諦めてしまう「カゴ落ち」の対策やCVR(購入率)の改善につながる可能性があります。
ただし、Amazon Payを導入すれば必ず売上が増えるというわけではありません。現在の決済方法、購入画面の使いやすさ、決済手数料、商品の利益率などによって導入効果は変わります。
また、Amazon Payが利用できるECカートや導入条件は変更されることがあります。特に2026年現在では、日本国内のShopifyストアで従来のAmazon Pay連携が利用できなくなっている点にも注意が必要です。
この記事では、Amazon Pay導入のメリット7つ、デメリット、最新の決済手数料、対応ECカート、導入方法、公式の企業事例まで詳しく解説します。
さらに、ECサイトの運営や売上改善を支援してきた視点から、決済手数料が増えても導入する価値があるのかを数字で判断する方法も紹介します。
この記事で分かること
- Amazon Payを導入するメリット・デメリット
- 2026年の決済手数料と利用条件
- 対応するECカートとShopifyの注意点
- 公式導入事例から分かるCVR改善の可能性
- 追加の注文が何件あれば決済費用の増加を回収できるか
- 導入方法と導入後に確認したい指標
- 1 【結論】Amazon Payはどんなネットショップにおすすめ?
- 2 Amazon Payとは?Amazonアカウントで支払える決済サービス
- 3 Amazon Payを導入する7つのメリット
- 4 Amazon Pay導入のデメリット・注意点5つ
- 5 Amazon Payの決済手数料はいくら?2026年の料金を比較
- 6 Amazon Payで本当にCVRは改善する?公式導入事例を紹介
- 7 Amazon Payを導入すると利益は増える?費用対効果を計算
- 8 Amazon Payを導入できるECカート・サービスは?
- 9 Amazon Payの導入方法【5ステップ】
- 10 Amazon Pay導入後に確認したい5つの指標
- 11 エビス店長が考えるAmazon Pay導入の優先順位
- 12 Amazon Pay導入についてよくある質問
- 13 まとめ|Amazon Payは決済手数料ではなく購入完了率と利益で判断しよう
- 14 Amazon Payの公式情報・参考資料
【結論】Amazon Payはどんなネットショップにおすすめ?
最初に結論からお伝えします。Amazon Payは、特に初めて訪問したお客様が購入しにくいショップや、会員登録・住所入力などが購入の負担になっているショップで検討したい決済サービスです。
次のような状況に当てはまる場合、導入する価値があります。
| ECサイトの状況 | Amazon Payを検討する理由 |
|---|---|
| 新規のお客様が多い | 初回購入時の入力負担を減らせる |
| 会員登録の途中で離脱が多い | ゲスト購入を使いやすくできる場合がある |
| スマホからのアクセスが多い | 住所や決済情報の入力を減らせる |
| Amazonアカウントを使う顧客が多い | 使い慣れた支払い方法を提供できる |
| 決済方法の選択肢を増やしたい | 対象条件に応じてAmazonギフトカード等にも対応できる |
| 利用中のECカートが対応している | 連携機能を利用して導入できる場合がある |
反対に、現在の購入画面が十分に使いやすく、決済方法も充実している場合は、導入を急ぐ必要はありません。また、Amazon Payに対応していないECカートを利用している場合は、別の決済方法や購入導線の改善を検討する方が現実的です。
導入前に確認したい3つのポイント
Amazon Payの導入を判断する前に、次の3つを確認しましょう。
- 自社のECカートで利用できるか:対応するサービスやプラン、契約条件を確認する。
- 決済手数料がどれだけ変わるか:現在利用している決済サービスとの費用差を把握する。
- 購入画面に改善の余地があるか:住所入力、会員登録、決済方法などが離脱の原因になっていないか確認する。
この3つを整理しておくと、単に「便利そうだから導入する」のではなく、現在のショップに必要な施策なのか判断しやすくなります。
Amazon Payとは?Amazonアカウントで支払える決済サービス
Amazon Payは、Amazonが提供しているオンライン決済サービスです。Amazon.co.jpで利用しているアカウント情報を使って、Amazon Payに対応した外部のネットショップでも支払いができます。
ここで誤解しないでいただきたいのは、Amazon Payを導入しても、自社ECの商品がAmazon.co.jpで販売されるわけではないという点です。
商品を販売する場所は、あくまで自社のネットショップです。Amazon Payは、そのショップで利用できる決済方法の一つになります。
自社ECとAmazonなどのECモールの販売構造の違いについては、自社ECとECモールの違い・メリット・デメリットでも詳しく解説しています。
購入者はどのようにAmazon Payを使う?
基本的な購入の流れは次のとおりです。
- ネットショップの商品をカートに入れる
- 購入時にAmazon Payを選択する
- Amazonアカウントでログインする
- 登録されている配送先や支払い方法を確認する
- 注文内容を確認して購入を完了する
サイトの実装方法によって画面や手順は異なりますが、購入者が新しいショップで住所やクレジットカード番号を一から入力せずに済むことが特徴です。
Amazonプライム会員でなくても利用できる?
Amazon Payは、Amazonプライム会員だけのサービスではありません。利用条件を満たしたAmazonアカウントを持っていれば利用できます。
Amazon Pay専用のアカウントやアプリを新しく作る必要もありません。
Amazonへ出品していなくても導入できる?
Amazonマーケットプレイスへ出品していなくても、条件を満たす自社ECサイトならAmazon Payを導入できます。
ただし、Amazon Payの販売事業者用アカウントは、Amazon出品サービスとは別のものです。Amazonへ出品している企業であっても、Amazon Payの登録や審査が必要です。
なお、日本向けAmazon Payの公式案内では、導入対象は日本に拠点のある法人とされています。個人事業主の場合は、最新の利用資格を確認してください。
Amazon Payを導入する7つのメリット
ここからは、ネットショップ運営者の立場でAmazon Payを導入するメリットを解説します。大切なのは、決済機能そのものの便利さだけでなく、購入者の負担をどこまで減らせるかという視点です。
メリット1. 初回購入時の住所・決済情報の入力負担を減らせる
Amazon Payの大きなメリットは、購入者がAmazonアカウントに登録した情報を利用できることです。
初めて利用するネットショップでは、名前、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、クレジットカード情報などを入力する必要がある場合があります。
特にスマートフォンでは、文字入力の手間が増えると途中で購入を諦める原因になりかねません。Amazon Payなら、登録済みの情報を利用できるため、初回購入時の負担を減らせます。
ただし、ショップ独自の確認事項や配送条件によっては追加の入力が必要になる場合があります。
メリット2. カゴ落ち対策につながる可能性がある
カゴ落ちとは、お客様が商品をカートに入れたものの、購入完了前に離脱してしまうことです。
カゴ落ちの原因には、予想外の送料、会員登録の手間、決済方法の不足、購入画面の使いにくさなどがあります。
Amazon Payは、このうち住所入力や決済情報の入力負担を軽減するための施策です。
例えば、商品を気に入っているのに「初めてのお店でクレジットカード番号を入力するのが面倒」と感じているお客様に対して、購入しやすい選択肢を提供できます。
ただし、送料が高いことや商品価格そのものが原因で離脱している場合は、Amazon Payだけで問題が解決するとは限りません。
メリット3. CVR(購入率)の改善が期待できる
CVRは、サイトに訪れたお客様のうち、商品購入などの成果につながった割合を示す指標です。
例えば、月に10,000回のセッションがあり、100件の購入が発生した場合、セッションを基準とした購入CVRは1%です。
Amazon Payの導入によって購入完了までの手間が減れば、CVRの改善が期待できます。ただし、改善する割合はショップによって異なり、導入だけで成果が保証されるわけではありません。
重要なのは、決済途中の離脱を減らすことが、すでに集めているアクセスから売上を増やす方法になり得るという点です。
新規集客の広告費を増やす前に、今のお客様が購入しやすい環境になっているか確認する価値があります。
メリット4. 初めて訪れるネットショップでも安心感を提供しやすい
初めて訪問するネットショップで、クレジットカード情報を入力することに抵抗を感じるお客様もいます。
Amazon Payでは、購入者がAmazonアカウントに登録した決済情報を利用できます。通常の利用では、クレジットカード番号そのものを販売店へ直接入力する必要がありません。
こうした仕組みは、初めて利用するショップで購入する際の不安を減らす材料になります。
ただし、Amazon Payを導入すればサイト全体のセキュリティ対策が不要になるわけではありません。管理画面の保護、不正アクセス対策、顧客情報の適切な管理は引き続き必要です。
ネットショップの安全対策については、ECサイトのセキュリティ対策と確認すべき項目も参考にしてください。
メリット5. Amazonギフトカードなどの支払い方法を利用できる
Amazon Payでは、Amazonアカウントに登録されているクレジットカードのほか、対象条件に応じてAmazonギフトカード、あと払い(ペイディ)、対象のパートナーポイントなどを利用できる場合があります。
利用可能な支払い方法は、購入者のアカウント状態、ショップ、商品などの条件によって異なります。
クレジットカード以外の方法で支払いたいお客様にとって、選択肢が増えることはメリットです。
ただし、すべてのお客様がすべての支払い方法を選べるわけではないため、最新の利用条件を確認しましょう。
メリット6. ゲスト購入の利便性を高められる
ネットショップでは、会員登録を増やしたいという考えから、購入時に会員登録を促すことがあります。もちろん、会員登録はリピート購入や顧客との関係づくりに役立ちます。
しかし、初めて訪れたお客様の中には、「今回だけ商品を買いたい」「会員登録するのは面倒」と感じる人もいます。
Amazon Payは、こうしたお客様に対して購入しやすい導線を提供する方法になります。
ただし、Amazon Pay経由の購入者が自動的にショップの会員になるとは限りません。会員登録、ポイント付与、顧客情報の紐付けについては、利用するECカートの仕様を確認してください。
メリット7. 対応カートなら導入しやすい場合がある
Amazon Payは、複数のECプラットフォームやEC構築サービスと連携しています。
対応済みのECカートを利用している場合、独自開発で決済機能を実装するよりも導入準備を進めやすいことがあります。
ただし、導入が簡単かどうかは、利用するプラン、ECカートの仕様、契約条件などによって異なります。
決済方法を追加するだけでなく、注文管理、返金処理、会員連携、スマートフォンでの表示なども確認しましょう。
Amazon Pay導入のデメリット・注意点5つ
Amazon Payには多くのメリットがありますが、すべてのネットショップにとって最適な決済方法とは限りません。導入後に後悔しないために、デメリットも確認しておきましょう。
デメリット1. 決済手数料が発生する
Amazon Payには、決済金額に応じた手数料が発生します。物理商品などの標準的な決済手数料は3.9%です。
現在利用しているクレジットカード決済の手数料がこれより低い場合、Amazon Payへの切り替えによって決済コストが増える可能性があります。
導入効果を判断するときは、Amazon Pay経由の売上だけでなく、増えた費用を差し引いて利益が残るかまで確認しましょう。
デメリット2. Amazonアカウントを持っていない人には利用しにくい
Amazon PayはAmazonアカウントを利用する決済サービスです。そのため、Amazonアカウントを持っていないお客様や、別の支払い方法を希望するお客様にとっては、必ずしも便利とは限りません。
Amazon Payだけに決済方法を限定するのではなく、通常のクレジットカード決済やその他の決済方法との組み合わせを検討しましょう。
デメリット3. ECカートによっては利用できない
Amazon Payの対応状況は、ECプラットフォームごとに異なります。特に注意したいのがShopifyです。
日本のShopifyストアで以前利用できたAmazon Payの外部サービス連携は、2025年1月6日にサポートが終了しています。
一方、現在もShopifyの公式ヘルプにはAmazon Payの設定案内がありますが、Shopify ペイメントを通じて有効化する機能は、米国所在のストアで米ドル販売するなどの条件を満たす場合が対象です。
日本のShopifyストアでそのままAmazon Payを利用できるという意味ではありません。古い導入記事だけを参考にせず、現在の公式対応状況を確認してください。
参考:Shopify公式|Amazon Payの利用資格と外部サービス連携
デメリット4. 顧客情報や会員連携に制約がある場合がある
Amazon Payで取得・利用できる情報や、ショップの会員アカウントとの紐付け方法は、連携方式によって異なります。
例えば、Amazon Payで注文できても、自社会員登録やポイント付与に別の操作が必要になる場合があります。
そのため、リピート購入やCRMを重視するショップでは、導入前に会員連携やメール配信の扱いを確認しておきましょう。
取得した顧客情報の利用は、個人情報保護法やサービスの契約条件にも従う必要があります。
デメリット5. 導入だけではカゴ落ちをすべて解決できない
Amazon Payは購入時の入力負担を軽減する施策ですが、商品そのものの魅力を高める機能ではありません。
例えば、送料が高い、配送が遅い、商品説明が不足している、返品条件が不明といった問題がある場合、決済方法を増やすだけでは改善しない可能性があります。
決済の改善は重要ですが、商品ページや購入導線全体を見直すことが大切です。
Amazon Payの決済手数料はいくら?2026年の料金を比較
Amazon Payの日本向け公式案内では、基本的な決済手数料は次のようになっています。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 初期費用 | 無料 |
| 月額費用 | 無料 |
| 物理商品・サービス等の決済手数料 | 3.9% |
| デジタルコンテンツの決済手数料 | 4.5% |
| Amazon Pay側のトランザクション料 | 不要 |
| Amazon Pay側の振込手数料 | 無料 |
※2026年10月時点のAmazon Pay公式料金です。適用料率は取り扱う商品・サービス等に応じてAmazon Pay側が決定します。契約内容の見直しや、利用するECカート・連携サービスによる別途費用が発生する場合があります。
公式情報:Amazon Pay公式|手数料
売上金額別の決済手数料シミュレーション
ここでは、物理商品の決済手数料3.9%で計算してみましょう。
| Amazon Pay決済額 | 手数料3.9% | 手数料差引後 |
|---|---|---|
| 5,000円 | 195円 | 4,805円 |
| 10,000円 | 390円 | 9,610円 |
| 30,000円 | 1,170円 | 28,830円 |
| 100,000円 | 3,900円 | 96,100円 |
| 1,000,000円 | 39,000円 | 961,000円 |
※単純計算による比較例です。実際の請求額は契約条件や端数処理等によって異なります。商品原価、送料、広告費、その他の費用は含んでいません。
例えば、Amazon Pay経由の決済額が月100万円なら、3.9%の決済手数料は単純計算で39,000円です。
この金額だけを見ると高く感じるかもしれませんが、従来のクレジットカード決済でも手数料を支払っている場合があります。
比較すべきなのは、Amazon Payの手数料全額ではなく、現在の決済方法と比較して何円増えるのか、その追加費用によって売上や利益が増えるのかという点です。
決済費用を含めてネットショップの運営コストを見直したい方は、ネットショップの開業・運営費用の比較も参考にしてください。
Amazon Payで本当にCVRは改善する?公式導入事例を紹介
Amazon Payの導入効果を考えるうえでは、実際の企業がどのような課題を持ち、どのような変化があったのかを確認すると参考になります。
ただし、ここで紹介する数値はそれぞれの企業の導入事例であり、他のネットショップでも同じ改善率になることを保証するものではありません。
カインズ|ゲスト購入の利便性向上でEC売上が増加
ホームセンターを展開するカインズでは、新規のお客様がネットショップで購入する際の会員登録や情報入力に課題を感じていました。
Amazon Payの公式導入事例によると、2023年3月の導入から約3か月後、Amazon Payによるゲスト購入はEC全体の約1割を占め、そのうち95%が新規顧客だったと紹介されています。
また、ゲスト購入を利用する新規顧客が増えたことで、EC全体の売上が約5%増加したと報告されています。
この事例で参考になるのは、会員登録したお客様の利便性だけでなく、会員登録せずに商品を購入したいお客様のニーズにも目を向けたことです。
ただし、カインズの結果は同社の顧客基盤や導入施策を含む事例であり、Amazon Payだけの効果をすべてのショップに当てはめることはできません。
北海道テレビ放送|CVRが5.1%から5.9%に改善
北海道テレビ放送が運営するオンラインショップの導入事例では、年単位のCVR平均値が5.1%から5.9%へ改善したと報告されています。
また、Amazon Payによる決済比率が導入当初の26.5%から44%へ拡大したことも紹介されています。
この事例では、購入導線を簡素化することで、利用者が商品を購入しやすい環境を整えることに取り組んでいます。
なお、CVRの5.1%から5.9%への変化は0.8ポイントの上昇であり、相対的には約15.7%の改善です。どちらの表現かによって数字の印象が変わるため、区別して理解しておきましょう。
導入事例から学びたいのは改善率よりも課題の見つけ方
大切なのは、他社のCVR改善率を自社の目標にそのまま使わないことです。
例えば、カインズの事例では会員登録や情報入力の負担、北海道テレビ放送の事例では購入導線の改善が注目されています。
自社ECでも同じような課題が存在するのかを確認することが、Amazon Pay導入を検討する第一歩です。
事例を見るときのチェックポイント
- 導入前にどのような課題があったか
- 対象は新規顧客か、既存顧客か
- Amazon Pay以外にも同時に改善した項目はあるか
- 比較した期間や指標は何か
- 自社にも同じ課題があるか
Amazon Payを導入すると利益は増える?費用対効果を計算
ここは、この記事で特にお伝えしたいポイントです。
Amazon Payの導入によって決済件数が増えたとしても、それだけで導入が成功したとは言えません。
なぜなら、以前から購入していたお客様が決済方法を切り替えただけなのか、それまで購入を諦めていたお客様の注文が増えたのかによって、利益への影響が異なるためです。
ケース1. 決済方法が変わっただけの場合
例えば、客単価5,000円で、従来の決済手数料を3.0%、Amazon Payの決済手数料を3.9%と仮定します。
| 項目 | 従来の決済 | Amazon Pay |
|---|---|---|
| 注文金額 | 5,000円 | 5,000円 |
| 仮定の決済手数料率 | 3.0% | 3.9% |
| 決済手数料 | 150円 | 195円 |
| 差額 | ― | 45円増加 |
この場合、従来の購入者がAmazon Payへ切り替えただけなら、注文1件あたりの決済費用が45円増えます。
100件切り替われば、追加の決済費用は4,500円です。
※従来の手数料3.0%は比較のための仮定であり、特定の決済会社の公式料金ではありません。
ケース2. Amazon Payによって新しい注文が増えた場合
今度は、同じ客単価5,000円で、商品原価・送料・梱包費など、決済手数料以外の変動費が3,000円かかると仮定します。
Amazon Payの決済手数料195円を差し引くと、新たに増えた注文1件あたりの限界利益は1,805円です。
| 新規注文1件の計算 | 金額 |
|---|---|
| 販売価格 | 5,000円 |
| 原価・送料等の変動費 | 3,000円 |
| Amazon Pay決済手数料 | 195円 |
| 追加注文1件の限界利益 | 1,805円 |
例えば、従来決済からAmazon Payへ切り替わった注文が100件あり、追加の決済費用が4,500円だったとします。
このとき、Amazon Payによって純粋に新しい注文が3件増えれば、追加の限界利益は5,415円です。
このモデルでの利益増加額
追加注文3件の限界利益:1,805円 × 3件 = 5,415円
従来注文100件の追加決済費用:45円 × 100件 = 4,500円
5,415円 − 4,500円 = 915円の増加
このモデルでは、3件の純増注文で決済費用の差額を回収できる計算になります。ただし、導入・運用費用、返品、その他の追加経費などは含めていません。
何件の注文が増えれば元が取れる?
同じ条件なら、次の式で必要な純増注文数を概算できます。
必要な純増注文数 = 既存注文の追加決済費用 ÷ 新規注文1件あたりの限界利益
今回の例では、4,500円 ÷ 1,805円 = 約2.49件です。注文数は整数のため、少なくとも3件の純増が必要になります。
実際には、商品単価や利益率、利用する決済方法、カート利用料、運用負荷によって計算結果は変わります。
「Amazon Pay経由の注文数」と「純増注文」は違う
ここを混同しないことが重要です。
例えば、Amazon Payで月100件の注文があっても、その100件がすべて新しく増えた注文とは限りません。これまでクレジットカードで購入していたお客様がAmazon Payに切り替えただけかもしれません。
そのため、導入後はAmazon Payの決済比率だけでなく、サイト全体のCVR、注文数、利益がどう変わったかまで確認しましょう。
広告費も含めて採算を考える場合は、ROASの計算方法と損益分岐ROASの考え方も役立ちます。
Amazon Payを導入できるECカート・サービスは?
Amazon Payは、さまざまなECプラットフォームやシステムと連携しています。ただし、同じサービス名でもプランや契約条件によって利用できる機能が異なる場合があります。
2026年10月時点のAmazon Pay公式ソリューションパートナー一覧には、次のようなサービスが掲載されています。
| ECサービス | 導入前の確認ポイント |
|---|---|
| futureshop | 対応プラン・申込方法・会員連携 |
| makeshop | 決済サービスの利用条件・追加費用 |
| カラーミーショップ | 対応プラン・決済機能 |
| BASE | 利用条件・ショップ側の設定方法 |
| STORES | 対応条件・決済機能 |
| EC-CUBE | 対応プラグイン・バージョン・保守 |
| ecbeing | 導入要件・個別のシステム連携 |
| ebisumart | 対応機能・カスタマイズ条件 |
※Amazon Pay公式サイトに掲載されているパートナーの例です。すべてのサービス・プラン・契約でAmazon Payを導入できることを保証するものではありません。利用するカート側の最新の案内もご確認ください。
公式情報:Amazon Pay公式|対応ソリューションパートナー
Shopifyは2026年現在、日本でAmazon Payを利用できる?
日本でShopifyを利用している方は、特に注意してください。
Shopify公式ヘルプでは、Amazon Payの外部サービス連携は2025年1月6日にサポート終了と案内されています。
現在もShopifyの公式サイトでAmazon Payの設定情報を見つけることがありますが、Shopify ペイメントを通じてAmazon Payを利用できるのは、米国所在・米ドル販売などの条件を満たすストアです。
そのため、日本のShopifyストアについては、従来のAmazon Pay連携が利用できるという前提で導入計画を立てないことが大切です。
参考:Shopify公式|Amazon Payの利用資格と外部サービス連携
Amazon Payの導入方法【5ステップ】
Amazon Payの導入方法はECカートによって異なりますが、基本的には次の流れです。
STEP1. 利用中のECカートが対応しているか確認する
まず、現在利用しているECプラットフォームでAmazon Payを利用できるか確認しましょう。
対応している場合でも、利用プラン、追加契約、利用料金、対応する決済機能などを調べます。
STEP2. Amazon Payの利用条件を確認する
日本向けAmazon Payの公式案内では、導入対象は日本に拠点のある法人とされています。また、取り扱いが禁止されている事業や商品もあります。
自社が導入対象になるかを確認してから手続きを進めましょう。
STEP3. Amazon Payの申し込み・審査を受ける
Amazon Payの販売事業者用アカウントを申し込み、必要な会社情報や入金先口座情報などを登録します。
Amazonへ出品している場合でも、Amazon Payは別サービスのため、専用アカウントの登録と審査が必要です。
Amazon Pay公式では、申し込み、審査、自社ECサイトへの実装という基本的な流れが案内されています。審査期間は状況によって変わるため、余裕を持って準備しましょう。
公式情報:Amazon Pay公式|導入申し込みと必要な情報
STEP4. ECカートと連携して決済設定を行う
審査後は、利用するECプラットフォームの手順に沿ってAmazon Payを連携します。
独自開発のECサイトでは、Amazon Payの開発者向け資料やAPIを利用して実装する場合があります。
また、決済ボタンをどこに表示するか、スマートフォンで見やすいかなども確認しましょう。
STEP5. テスト購入・返金・受注処理を確認する
設定が完了したら、テスト購入を行います。確認したいのは、決済できるかどうかだけではありません。
- 注文情報が受注管理システムへ正しく登録されるか
- 配送先情報が正しく反映されるか
- 注文キャンセルや返金を処理できるか
- スマートフォンからも問題なく利用できるか
- 会員登録・ポイント付与の条件に問題がないか
- 注文確認メールや発送通知に不備がないか
特に会員登録やポイント付与、定期購入などを利用している場合は、既存の購入フローとの整合性が重要です。
Amazon Pay導入後に確認したい5つの指標
導入後は、Amazon Payの利用率だけでなく、ネットショップ全体の成果を確認することが大切です。
| 指標 | 確認したいこと |
|---|---|
| サイト全体のCVR | 購入率が改善したか |
| 購入手続きの完了率 | 決済途中の離脱が減ったか |
| Amazon Pay利用率 | どの程度選ばれているか |
| 決済手数料の総額 | 決済費用がどれだけ変わったか |
| 注文あたりの限界利益 | 決済費用を差し引いて利益が残るか |
導入前後を比較するときの注意点
例えば、Amazon Pay導入と同時に大規模なセールを行った場合、売上の増加がAmazon Payだけによるものとは判断できません。
また、広告費の増減、アクセス数、季節要因、商品価格の変更などもCVRや売上へ影響します。
可能であれば、新規顧客・既存顧客別、スマートフォン・パソコン別などでも成果を比較しましょう。
特にAmazon Pay導入前からGA4などで購入完了までの行動を計測できている場合は、購入途中の離脱状況を継続して確認することが重要です。
エビス店長が考えるAmazon Pay導入の優先順位
ここまでAmazon Payのメリットや導入費用を説明してきましたが、最後にEC運営の視点からお伝えしたいことがあります。
Amazon Payのような決済サービスは、ネットショップの売上改善に役立つ可能性があります。しかし、売上が伸びない原因が決済画面にあるとは限りません。
例えば、そもそも商品ページへのアクセスが少ないのであれば、最初に取り組むべきことは集客かもしれません。商品ページへアクセスはあるのにカートへ追加されないのであれば、商品写真や価格、商品説明に改善の余地があるかもしれません。
一方、カートへ追加されているのに購入が完了しない場合は、送料、配送日、会員登録、決済方法、購入画面などを優先して確認したいところです。
| 現在の課題 | 優先して確認したいこと |
|---|---|
| アクセス自体が少ない | SEO・広告・SNSなどの集客 |
| 商品が見られてもカートに入らない | 商品写真・価格・説明・レビュー |
| カートに入るが購入されない | 送料・配送条件・決済画面・会員登録 |
| 売上は増えても利益が残らない | 原価・広告費・決済手数料・物流費 |
| 初回購入はあるがリピートしない | 商品体験・顧客対応・CRM・リピート施策 |
このように課題を分けて考えると、Amazon Payを導入すべきかどうかも判断しやすくなります。
また、決済手段を増やすことだけが購入完了率の改善ではありません。入力フォームの項目を減らす、送料を分かりやすく表示する、会員登録を必須にしないといった方法も検討できます。
Amazon Pay導入についてよくある質問
Q1. Amazon Payは個人事業主でも導入できますか?
2026年10月時点の日本向けAmazon Pay公式案内では、日本に拠点のある法人が対象とされています。国内で法人登記されていない場合は利用できないと案内されているため、個人事業主の方は別の決済サービスも検討してください。
Q2. Amazon Payの導入に月額料金はかかりますか?
Amazon Pay側の初期費用と月額費用は無料です。ただし、決済金額に応じた手数料が発生し、ECカートや連携サービスで別途費用が必要になる場合があります。
Q3. Amazon Payを導入するとAmazonの集客が使えますか?
いいえ。Amazon Payは決済サービスであり、Amazon.co.jpへの出品やAmazon内での集客機能を提供するものではありません。集客は引き続き自社EC側で行う必要があります。
Q4. Amazonプライム会員でなくても購入できますか?
はい。Amazon Payはプライム会員限定ではありません。利用条件を満たしたAmazonアカウントで利用できます。
Q5. Amazon PayでAmazonポイントは貯まりますか?
Amazon Payを利用するだけで、通常のAmazon.co.jpでの買い物と同じようにAmazonポイントが必ず付与されるわけではありません。ポイントの付与や利用条件、キャンペーンは個別に確認してください。
Q6. Amazonギフトカードで支払えますか?
対応条件を満たせば、Amazonアカウントに登録されたAmazonギフトカード残高を利用できます。ただし、利用できない商品や取引も一部あるため、最新の利用条件を確認してください。
Q7. ShopifyにAmazon Payを導入できますか?
日本のShopifyストアでは、従来のAmazon Pay外部サービス連携が2025年1月6日にサポート終了しています。現在のShopify ペイメントによるAmazon Payは米国の対象ストア向けなので、日本のストアでは利用できるものと考えず、公式の対応状況を確認してください。
Q8. Amazon Payを導入するとCVRは何%改善しますか?
改善率はショップによって異なります。公式導入事例にはCVRが改善した企業もありますが、同じ結果がすべての事業者に当てはまるわけではありません。導入前後の購入完了率やサイト全体の注文数などを確認することが大切です。
Q9. Amazon Payの売上はいつ入金されますか?
入金サイクルや保留期間は、契約内容やアカウントの状況などによって異なります。資金繰りに関わるため、導入時にAmazon Payの最新の精算条件を確認してください。
Q10. Amazon Payは返金・キャンセルに対応していますか?
対応していますが、返金処理の方法や期限、手数料の扱いは契約条件や利用するECカートによって異なります。また、購入者保護制度にも適用条件があり、すべての取引で無条件の返金を保証するものではありません。
まとめ|Amazon Payは決済手数料ではなく購入完了率と利益で判断しよう
Amazon Payは、Amazonアカウントに登録された情報を利用して、ネットショップでの購入手続きを簡単にする決済サービスです。
購入時の入力負担を減らせることから、初回購入のハードルを下げ、カゴ落ちやCVRの改善につながる可能性があります。
一方、決済手数料が発生し、ECカートの対応状況や会員連携などにも注意が必要です。
特に導入を判断する際は、「自社ECで利用できるか」「購入画面に改善の余地があるか」「追加費用に見合う利益が期待できるか」という3つの視点を持ちましょう。
Amazon Pay経由の注文数が多いことと、ネットショップ全体の利益が増えることは同じではありません。だからこそ、導入前後のCVR、注文数、決済手数料、利益を比較して判断することが重要です。
Amazon Payは、ただ決済方法を増やすためのものではなく、お客様が買いやすいネットショップを作るための選択肢の一つです。
導入そのものを目的にせず、今のお店でお客様がどこに不便を感じているのかを確認するところから始めてみてください。
ネットショップのCVR改善・売上アップでお悩みの方へ
「アクセスはあるのに購入につながらない」「カゴ落ちの原因が分からない」「決済方法を増やすべきか判断できない」と感じていませんか。
売れるネットショップの教科書では、自社ECの購入導線、商品ページ、集客、利益改善などについて無料EC診断を受け付けています。
Amazon Payの導入を含め、今のネットショップでどこから改善すべきかを整理するきっかけとしてご活用ください。
Amazon Payの公式情報・参考資料
この記事は2026年10月時点のAmazon Payおよび各サービスの公式情報をもとに作成しています。手数料、利用資格、対応ECカート、導入条件は変更されることがあるため、実際に導入する際は最新の公式情報をご確認ください。