代金引換で商品を発送したものの、受け取りを拒否された、長期不在で返送された、お客様と連絡が取れないということがあります。
代金引換は、商品を届ける際に商品代金を回収する決済方法です。そのため商品を受け取ってもらえないと、商品代金を回収できないまま、発送送料や返送料などが発生する場合があります。
ただし、商品が返送されたからといって、すぐに送料を請求すればよいとは限りません。
まず、なぜ商品を受け取れなかったのか、ショップ側に原因はなかったか、注文時にどのような返品・キャンセル条件を表示していたか、実際にどの費用が発生したのかを整理することが重要です。
この記事では、代引き商品の受け取り拒否や長期不在で商品が返送された場合に使えるメール例文を5パターン紹介します。
- 1 まず確認|返送理由によって対応は変わる
- 2 送料を請求する前に確認したい6項目
- 3 返品・キャンセル条件の表示も確認する
- 4 受け取れなかった理由を確認するメール例文
- 5 お客様都合の受取拒否で送料負担をお願いするメール例文
- 6 長期不在で返送された場合のメール例文
- 7 再発送を希望された場合のメール例文
- 8 送料請求後に返信・入金がない場合のメール例文
- 9 ショップ側に原因がある場合は単純な送料請求をしない
- 10 通販は「クーリング・オフだから返品できる」とは限らない
- 11 代引きの受取拒否・長期不在を減らす方法
- 12 発送前にキャンセル連絡があった場合は別に考える
- 13 代引きの受取拒否対応を社内ルールにしておく
- 14 代引き受取拒否についてよくある質問
- 15 まとめ|代引き受取拒否は「請求する前の確認」が重要
まず確認|返送理由によって対応は変わる
「代引き商品が戻ってきた」という結果は同じでも、原因によって対応は変わります。
| 状況 | 最初に行う対応 |
|---|---|
| お客様が受け取りを拒否した | 注文内容・キャンセル連絡・利用規約を確認する |
| 長期不在で返送された | 事情と再発送希望の有無を確認する |
| 「注文した覚えがない」と言われた | 注文記録・注文者情報を確認し、安易に請求しない |
| 家族が受取拒否した | 注文者本人へ注文の事実を確認する |
| ショップが違う商品を発送した | ショップ側のミスとして対応する |
| 配送先の登録ミスがあった | 誰の入力・処理に原因があったか確認する |
| 配送会社との行き違い | 配送履歴を確認する |
特に「注文した覚えがない」と言われた場合は慎重に対応します。
日本郵便も、心当たりのない代金引換郵便物等については、受け取る前に差出人や家族へ確認し、必要がなければ受取拒否できる旨を案内しています。
そのため、
受取拒否された → お客様都合 → 送料を請求する
と自動的に判断しないことが重要です。
送料を請求する前に確認したい6項目
受け取り拒否や返送によって発生した費用の負担をお願いする前に、最低限次の6項目を確認してください。
- 注文が正常に成立している
- 注文者本人による注文であることを確認できる
- 発送前にキャンセル連絡を受けていない
- 誤発送・大幅な発送遅延などショップ側の原因がない
- 返品・キャンセル・受取拒否時の条件を事前に表示している
- 実際に発生した発送送料・返送料などを確認できる
この中に確認できていない項目がある場合は、いきなり請求メールを送るより、まず事実確認を行った方が安全です。
返品・キャンセル条件の表示も確認する
通信販売では、返品できるかどうか、返品する場合の条件、送料負担などについて、消費者が分かるように表示しておくことが重要です。
消費者庁も、通信販売における返品特約について、返品の可否・条件・返品送料の負担などを分かりやすく表示するよう案内しています。
受取拒否時の費用について案内する場合も、注文時にどのような条件を提示していたか確認してから対応しましょう。
受け取れなかった理由を確認するメール例文
返送理由や事情が分からない場合は、最初から費用を請求せず、まず状況確認のメールを送ります。
【件名】ご注文商品の返送についてご確認のお願い
〇〇様
このたびは〇〇ショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。
先日、代金引換にて発送いたしました下記商品につきまして、配送会社より当店へ返送されましたため、ご連絡いたしました。
【ご注文番号】
〇〇〇〇〇〇
【商品名】
〇〇〇〇
【発送日】
〇月〇日
【配送会社】
〇〇運輸
配送状況を確認したところ、〇〇の理由により商品が当店へ返送されております。
お手数をおかけしますが、商品をお受け取りいただけなかったご事情について、ご確認いただけますでしょうか。
再発送をご希望の場合も、その旨をお知らせください。
ご返信を確認後、今後の対応についてご案内いたします。
何卒よろしくお願いいたします。
—————【署名】—————
〇〇ショップ
会社名:〇〇株式会社
お問い合わせ:xxxxx@example.com
————————————–
最初のメールでは事実確認を優先する
配送会社の記録に「受取拒否」と表示されていても、実際には、家族が注文を知らなかった、配送先情報に問題があった、長期不在だった、配送会社との行き違いがあった、という可能性があります。
事情が分からない段階では、「送料を払ってください」ではなく「状況を確認させてください」から始める方がトラブルを大きくしにくくなります。
お客様都合の受取拒否で送料負担をお願いするメール例文
注文内容やショップ側の対応に問題がなく、注文時の利用条件や実際に発生した費用を確認したうえで、負担をお願いする場合の文例です。
【件名】商品返送に伴う送料のご負担について
〇〇様
〇〇ショップです。
先日ご注文いただきました下記商品について、配送会社より当店へ返送されました。
【ご注文番号】
〇〇〇〇〇〇
【商品名】
〇〇〇〇
【発送日】
〇月〇日
当店で確認いたしましたところ、今回の商品返送に伴い、下記費用が発生しております。
【発送時送料】
〇〇円
【返送時送料】
〇〇円
【合計】
〇〇円
当店のご利用案内・返品キャンセル規定に基づき、大変恐れ入りますが、今回発生した上記費用についてご負担をお願いいたします。
【お支払い方法】
〇〇〇〇
【お支払い期限】
〇月〇日
今回の配送やご請求内容についてご不明な点、ご事情等がございましたら、お支払い前に当店までご連絡ください。
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
—————【署名】—————
〇〇ショップ
会社名:〇〇株式会社
お問い合わせ:xxxxx@example.com
————————————–
請求内容は何の費用なのか分けて記載する
「キャンセル料一式〇万円」とまとめるのではなく、発送送料〇円、返送送料〇円など、何の費用が発生したのか分かるようにすると説明しやすくなります。
また、実際の費用や契約条件と関係なく、根拠が不明確な「迷惑料」「罰金」「高額な事務手数料」などを独自に追加するのは避けましょう。
消費者契約法では、契約解除に伴う損害賠償額の予定や違約金について、同種の契約で事業者に生ずべき平均的な損害を超える部分を無効とする規定があります。
参考:消費者庁「消費者契約法」
長期不在で返送された場合のメール例文
受取拒否ではなく、配送会社の保管期限を過ぎて商品が戻ってきた場合の文例です。
【件名】長期不在による商品返送のご案内
〇〇様
〇〇ショップをご利用いただき、ありがとうございます。
ご注文いただきました下記商品について、配送会社での保管期間を経て、当店へ返送されました。
【ご注文番号】
〇〇〇〇〇〇
【商品名】
〇〇〇〇
【配送会社】
〇〇運輸
【お問い合わせ番号】
〇〇〇〇〇〇〇〇
商品の再発送をご希望の場合は、再発送方法についてご案内いたしますので、〇月〇日までに当店へご連絡ください。
なお、再発送にあたり追加の送料が必要となる場合がございます。
また、今回の返送によってすでに送料等が発生している場合は、当店のご利用条件に基づき、その費用についてご相談させていただく場合がございます。
まずは再発送をご希望されるか、ご返信いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
—————【署名】—————
〇〇ショップ
会社名:〇〇株式会社
お問い合わせ:xxxxx@example.com
————————————–
長期不在と意図的な受取拒否を同じ扱いにしない
長期不在には、出張、旅行、転居、不在票の見落としなど、さまざまな事情があります。
最初から「意図的に受け取らなかった」と決めつけず、再発送を希望するかどうかを確認しましょう。
再発送を希望された場合のメール例文
返送された商品をもう一度発送する場合は、再発送前に送料や配送先を確認します。
【件名】商品の再発送についてご確認ください
〇〇様
ご連絡いただきありがとうございます。
返送されました商品の再発送についてご案内いたします。
【ご注文番号】
〇〇〇〇〇〇
【商品名】
〇〇〇〇
【再発送送料】
〇〇円
【その他必要な費用】
〇〇円
【合計】
〇〇円
上記内容で再発送をご希望の場合は、〇月〇日までにご返信をお願いいたします。
あわせて、下記の配送先情報にお間違いがないかご確認ください。
【郵便番号】
〇〇〇-〇〇〇〇
【住所】
〇〇〇〇
【お名前】
〇〇様
【電話番号】
〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
お支払い方法・配送先を確認後、再発送の手続きを進めます。
何卒よろしくお願いいたします。
—————【署名】—————
〇〇ショップ
会社名:〇〇株式会社
お問い合わせ:xxxxx@example.com
————————————–
再発送前に配送先をもう一度確認する
再発送した商品が再び戻ってこないように、発送前に配送先を確認します。
- 郵便番号
- 都道府県・市区町村
- 番地
- 建物名・部屋番号
- 電話番号
- 受け取り可能な日時
特にマンション名や部屋番号の入力漏れ、転居前の住所、勤務先と自宅の入力間違いなどは確認しておくとよいでしょう。
送料請求後に返信・入金がない場合のメール例文
最初の案内に返信や支払いがない場合は、事実を整理して再度連絡します。
【件名】ご確認のお願い|返送商品に伴う送料について
〇〇様
〇〇ショップです。
先日ご案内いたしました、返送商品に伴う送料について、現時点でご返信・ご入金を確認できていないため、念のため再度ご連絡いたしました。
【ご注文番号】
〇〇〇〇〇〇
【ご請求内容】
発送送料 〇〇円
返送送料 〇〇円
合計 〇〇円
【お支払い期限】
〇月〇日
すでにお手続きいただいている場合は、行き違いとなりますことをご容赦ください。
また、今回の配送やご請求内容についてご不明な点がございましたら、当店までご連絡ください。
内容をご確認いただき、ご対応をお願いいたします。
—————【署名】—————
〇〇ショップ
会社名:〇〇株式会社
お問い合わせ:xxxxx@example.com
————————————–
最初から強い言葉を使わない
最初の案内や再確認の段階から、
- 警察へ通報します
- ブラックリストに登録します
- 弁護士から請求します
- 法的措置を取ります
などと書く必要はありません。
まずは、注文内容、返送された事実、請求内容、金額、支払期限を冷静に伝えます。
実際に法的な対応を検討する段階になった場合は、請求額や契約条件、相手とのやり取りによって判断が変わるため、必要に応じて弁護士などの専門家へ相談してください。
ショップ側に原因がある場合は単純な送料請求をしない
例えば、次のような場合は、お客様都合の受取拒否として単純に処理できない可能性があります。
- 注文と違う商品を発送した
- 注文していない商品を発送した
- ショップ側が配送先を誤って登録した
- 案内した発送予定を大幅に超えて発送した
- 注文内容と大きく異なる商品を送った
まずショップ側に原因がなかったか確認し、そのうえで対応を判断します。
通販は「クーリング・オフだから返品できる」とは限らない
ネット通販などの通信販売には、訪問販売などと同じ一般的なクーリング・オフ制度はありません。
一方で、通信販売では、ショップが表示している返品特約が重要になります。
返品特約が表示されていない場合などには、特定商取引法上の通信販売の返品ルールが関係する場合があります。
そのため、
通販だから返品は一切できません。
受取拒否だから必ず往復送料を請求できます。
のように一律に判断するのではなく、注文時の表示や個別事情を確認してください。
参考:消費者庁「通信販売」
代引きの受取拒否・長期不在を減らす方法
返送後に送料を請求することより、本来は商品が返送されるケースそのものを減らすことの方が重要です。
- 注文直後に注文確認メールを送る
- 支払い方法が代金引換であることを明記する
- 発送予定日を案内する
- 発送完了メールを送る
- 配送会社と追跡番号を案内する
- 注文者と配送先が異なる場合は必要に応じて確認する
- 高額な代引き注文は発送前確認を検討する
- 過去に返送履歴がある注文は確認方法を決めておく
- 返品・キャンセル・長期不在時の条件を分かりやすく表示する
特に発送完了メールで、配送会社・追跡番号・お届け予定を伝えておくと、お客様自身でも配送状況を確認しやすくなります。
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発送前にキャンセル連絡があった場合は別に考える
商品を発送する前にお客様からキャンセル連絡があった場合は、今回の記事で扱っている「発送後の受取拒否」とは状況が異なります。
まだ発送していないのであれば、実際に送料が発生していない場合もあります。
単純に、
「代引きを選んだ注文だからキャンセル料を請求する」
と考えるのではなく、注文時のキャンセル条件と実際に発生した費用を確認してください。
代引きの受取拒否対応を社内ルールにしておく
注文数が増えると、担当者によって対応が変わる状態は避けたいところです。
例えば、社内で次の流れを決めておくと対応しやすくなります。
- 返送理由を確認する
- 注文履歴・メール履歴を確認する
- ショップ側のミスがないか確認する
- お客様へ状況確認メールを送る
- 再発送かキャンセルか確認する
- 必要に応じて発生費用を案内する
- 対応履歴を注文情報へ残す
複数モールを運営している場合は、楽天市場、Yahoo!ショッピング、自社ECなど、それぞれの注文履歴・連絡履歴が分散しないようにしておくことも重要です。
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代引き受取拒否についてよくある質問
Q.代引き商品を受取拒否されたら往復送料を請求できますか?
一律には判断できません。受取拒否の理由、ショップ側に原因がなかったか、注文時に表示していた返品・キャンセル条件、実際に発生した費用などを確認して判断する必要があります。
Q.長期不在の場合も同じように送料を請求しますか?
長期不在と意図的な受取拒否は分けて考えた方がよいでしょう。まず事情と再発送希望の有無を確認し、利用規約や実際に発生した費用を確認して対応します。
Q.「注文した覚えがない」と言われました。どうすればいいですか?
注文日時、注文者名、メールアドレス、配送先、注文経路などの記録を確認してください。本人による注文か確認できない状態で、受取拒否を理由に安易な請求を行うのは避けます。
Q.家族が代金引換の商品を受取拒否した場合は?
注文者本人が注文している可能性があるため、まず本人へ確認します。家族間で注文情報が共有されていなかったケースも考えられます。
Q.キャンセル料や事務手数料も請求できますか?
契約条件や金額、実際に生じる損害などによって判断が変わります。根拠なく高額な「迷惑料」や「罰金」を設定するのではなく、利用規約と実際の費用を確認してください。
Q.返送された商品をもう一度送ってほしいと言われました
配送先住所、電話番号、受取可能日時を確認し、再発送に必要な送料や支払方法がある場合は、発送前に案内してください。
Q.送料請求メールを送っても返信がありません
まずは再確認メールを送り、請求内容・金額・期限を整理して伝えます。それでも解決せず、法的な対応まで検討する場合は、注文時の利用規約ややり取りを保存したうえで専門家へ相談してください。
Q.受取拒否したお客様から今後また注文が入った場合は?
過去の対応履歴を確認できるようにしておくことが重要です。再注文時の支払い方法や発送可否については、利用しているモール・カートの規約や自社の運用ルールを確認して判断してください。
まとめ|代引き受取拒否は「請求する前の確認」が重要
代金引換の商品が返送されると、ショップ側には送料や作業負担が発生します。
しかし、最初からお客様を悪質と決めつけたり、すぐに強い請求メールを送ったりするのではなく、
注文内容を確認する → 返送理由を確認する → ショップ側のミスがないか確認する → 注文時の利用条件を確認する → 実際に発生した費用を確認する → 必要に応じて冷静に負担をお願いする
という順番で対応することが大切です。
また、注文確認メールや発送完了メール、追跡番号の案内、返品・キャンセル条件の明確化などを行うことで、代引き商品の受取拒否や長期不在そのものを減らせる可能性があります。
「返送された後にどう請求するか」だけではなく、商品をきちんと受け取ってもらえる運用を作ることまで含めて改善していきましょう。