売れるネットショップの教科書に寄せられたよくあるご質問について、現役店長が回答するコーナーです。
【質問】出品する商品の相場や最安値を調べる方法はありますか?
ネットショップを新規開業される方が、最初に頭を悩ませるのが、
「商品の値付け」「販売価格の設定」だと思います。
販売する商品のジャンル、カテゴリーにもよりますが、インターネット通販市場では、ある種の「相場」「売れる価格帯」というものが存在します。
メーカー製造の既製品などの場合、特に販売価格は重要で、日用消耗品などは、価格比較の対象が、他のネットショップ以外に、リアルのスーパーマーケットやドラッグストアとの比較を行われることになります。
ハンドメイドのオリジナル商品を、minne
などで販売する場合は、価格設定はある程度、ご自身のプライシングで問題ないと思いますが、オリジナル商品の場合も、適正な価格帯、売れ筋価格というのは、存在します。
今回は、ネットショップで販売する商品の価格設定を行う為に参考となる「相場」「最安値価格」を調べる方法を、現役ネットショップ店長が解説いたします。
ネット通販の商品の価格・相場について
インターネット通販、ネットショッピングの商品の価格というのは、主に「本体代」と「送料」の二つの要素があります。
ミネラルウォーターなどの場合、商品の本体代金は、スーパーマーケットよりも安いことは良くありますが、送料を考えると、1本あたりの単価がスーパーマーケットで購入するよりも割高になることもあります。
特に最近では、物流各社が配送料金を一斉値上げしたこともあり、重い飲料水などは、配送料が高額になる傾向にあります。
余談ですが、飲料製品でネット通販で最も売れている商品は「クリスタルガイザー」という飲料水です。
クリスタルガイザーも一種の型番商品で、スーパーやドラッグストアをはじめ、どこのネットショップで買っても、商品自体は同じモノになります。
型番商品の場合、どこでも同じ商品が販売されているため、商品の購入の決め手は「価格」が重視されます。
型番商品は、インターネット通販では「過当な価格競争」に巻き込まれやすい、非常に利益のとれない商品となっています。
インターネット通販における「価格設定」は、商品が売れるか売れないかを決める大きな要素ですから、市場価格をしっかりとリサーチしたうえで、自分のネットショップでの販売価格を決める必要があります。
では、実際にインターネット通販における、商品の価格、相場を調べる方法を次にご説明いたします。
ネット販売商品の相場を調べる方法
ネット販売の商品の相場、実勢価格を調べる方法について、もっとも手っ取り早いのが、楽天市場
などのインターネットショッピングモールで、探したい商品名、もしくはJANコードや型番でキーワード検索を行うという方法です。
この方法なら、今、実際に取引されている商品の実勢価格、売れ筋価格を知ることができます。
なぜ、楽天市場
で検索するのがいいのかという理由は、楽天市場は、日本のインターネットショッピングモールとしては、Amazon.co.jpと並ぶ、新陳代謝の速い売場だからです。
ようするに、良く売れている売場だから、調べた商品の価格で実際に取引が行われているという理由です。
マイナーなショッピングモールの場合、キーワード検索で商品を探しても、販売されている商品数自体が少ない場合があります。
また、せっかく検索でヒットした商品であっても、販売価格が、その店舗のプライシングであり、市場価格、実勢価格と一致しないというリスクもあります。
楽天市場のように、常に人気(ひとけ)があり、誰かしらが商品を検索、購入しているモールであれば、今売れている価格帯というのがリアルにわかるというメリットがあるわけです。
では、Amazonはどうか?というと、アマゾンは少し事情が異なります。
Amazonで販売されている型番商品は、基本的に商品ページが「1ページ」しか存在しません。
その為、検索でヒットした商品ページの販売価格は、「Amazonでショッピングカートボックスを獲得している店舗の商品の価格」となります。
ショッピングカートボックスを獲得している商品の販売価格は、概ね「Amazon内の最安値」である場合が多いです。
その為、アマゾンにおいては、実勢価格=Amazon上の最安値 という価格になり、インターネット通販上の実勢価格とは異なっています。
Amazonで高い売上を作るには、ショッピングカートボックスの獲得は必須の対応と言えますが、必ずしも最安値でなければカートボックスが取れないというわけではありません。
アマゾンで適正な販売価格を知る方法としては、「モノレート」というサイトを利用するのがおすすめの方法です。
モノレートとはアマゾンの商品ランキングと価格推移を、分かりやすく表示するサイトです。
アマゾンで輸入転売や、せどり転売などを行う方の多くが、モノレートで価格を調査しています。
アマゾンの商品の価格変動がわかるため、Amazonでの販売に注力されている店舗の方は、モノレートを使われると便利だと思います。
ネット通販商品の最安値を調べる方法
インターネットで販売されている商品の「最安値」を調べる方法として、特に便利なサイトが「最安値.com」です。
最安値ドットコムでは、大手通販サイトの最安値を一発検索することができます。
最安値ドットコムに表示される商品の価格は、確かにインターネット上の最安値であることを確認できています。
最安値ドットコムが対応しているインターネットショッピングモールは、Amazon・楽天市場
・ヤフーショッピング・ヤフオクなどです。
例えば「オロナミンC」というキーワードで最安値.comでキーワード検索をかけてみると以下のような表示になりました。
今回は「オロナミンC 50本」の商品の最安値を調べてみます。
調査したタイミングでは、楽天市場の「味園サポート楽天市場店」のオロナミンCが最安値であると表示されていました。
大塚製薬 オロナミンC 120ml瓶×50本入 |
送料別の商品なので、送料を合わせるともっと安いのはAmazonの商品になりますね。
詳細な部分については、目視で確認しなければわからないという点は注意が必要ですが、インターネット上での最安値商品を見つけることに関しては最安値ドットコムは非常に便利です。
価格ドットコムは必ずしも最安値ではない
最安値の商品を探す際に、「価格.com」で商品の価格を調べる方も多いのではないでしょうか?
筆者も以前は、家電などの価格を調べる時に、価格ドットコムの価格を参考にしていたのですが、ある時から価格ドットコムの価格が「必ずしも最安値ではない」ことに気づいてからは、価格ドットコムを使わなくなりました。
価格ドットコムの価格が最安値でないと気づいたのは、自分がネットショップで販売している「型番商品」が最安値であったのに、価格ドットコムには、一切表示されていなかったからです。
商品の名前を言えば、100人中99人は知っている「あの商品」でさえ、価格ドットコム上には、当店の商品が一品たりとも表示されていませんでした。
その時、「あー、これは一部は広告なんだな」ということが、実体験としてわかったのです。
価格ドットコムの販売価格は、あくまでも、インターネット上で安い商品の参考価格としてとらえ、必ずしも最安値ではないことを知っておいていただければと思います。
ネットショップの商品の相場と最安値を調べる方法のまとめ
今回は、ネットショップで販売する商品の販売価格を設定する時に便利な「相場調査」「最安値調査」の方法をご紹介しました。
もっと効率よく実勢価格や最安値価格を調べる方法があるよ!という方は、是非コメント欄からメッセージいただけると幸いです。
型番商品の場合は、ほぼ「価格勝負」となる傾向があるため、ネットショップを開設してから商品の販売価格を決めていたのでは、「販売予定の商品の仕入れ価格が高すぎた!」といった思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。
販売する商品がまだ見つかっていないという方は、卸系ショッピングモールの「NETSEA(ネッシー)
」で仕入れ商品を探されると良いと思います。
また、普段EC支援などでバナー制作やネットショップ構築を行われているクリエイターの方なら、BASE (ベイス)
に出店すれば、デザインデータだけで、オリジナルTシャツやスマホケースを無在庫販売、ドロップシッピング販売できるので、スキルを利用したお小遣い稼ぎもできると思います。
今回の記事の内容が、インターネット販売の商品のプライシング、価格設定の参考になれば幸いです。