
RPMとは、Webサイトやアプリに掲載した広告から得られる収益を、1,000回あたりに換算して比較するための指標です。
広告収益型のWebメディアやブログ、アプリを運営していると、「RPMが上がった」「Page RPMが低い」「CPMとは何が違う?」「RPMを上げれば収益も増える?」といった言葉を目にすることがあります。
RPMは広告収益の効率を比較するうえで便利ですが、注意したいのは、何を1,000回の分母にするかによって意味が変わることです。Google AdSenseでは、ページビューを基準にする「Page RPM」と、広告表示回数を基準にする「Ad RPM」が別々の指標として用意されています。
この記事では、RPMとは何か、計算方法、Page RPMとAd RPMの違い、CPM・eCPM・CPC・CTRとの関係、RPMが変動する理由、改善方法、さらにECサイト運営者がRPMをどのように考えればよいのかまでわかりやすく解説します。
- RPMとは何か
- RPMの計算方法
- Page RPMとAd RPMの違い
- RPMとCPM・eCPM・CPC・CTRの違い
- RPMが高い・低いと何が分かるか
- RPMが下がる原因
- RPMを改善する方法
- ECサイト運営者が優先すべき広告KPI
- 1 RPMとは?
- 2 RPMの計算方法
- 3 Page RPMとは?
- 4 Ad RPMとは?
- 5 Page RPMとAd RPMの違い
- 6 広告リクエストRPMとは?
- 7 RPMの計算例
- 8 RPMとCPMの違い
- 9 RPMとeCPMの違い
- 10 RPMとCPCの違い
- 11 RPMとCTRの関係
- 12 RPMが高いと何が分かる?
- 13 RPMが高い=良いサイトとは限らない
- 14 RPMが下がる主な原因
- 15 RPMを改善する7つの方法
- 16 RPMを上げるために広告を増やしすぎない
- 17 ECサイト運営者にもRPMは必要?
- 18 EC運営で優先して確認したい広告KPI
- 19 ECメディアを運営している場合はRPMも使える
- 20 RPMについてよくある質問
- 21 まとめ|RPMは「1,000回あたりの広告収益効率」を見る指標
RPMとは?
RPMは、広告から得られた収益を1,000回あたりに換算して比較するための指標です。
広告収益をそのまま比較すると、アクセス数や広告表示回数が多いサイトほど収益額も大きくなりやすいため、サイトやページごとの収益効率を比較しにくくなります。
例えば、サイトAが10万PVで10万円、サイトBが1万PVで2万円の広告収益だった場合、総収益ではサイトAの方が大きくなります。しかし1,000PVあたりに換算すると、サイトAは1,000円、サイトBは2,000円となり、サイトBの方がトラフィックに対する収益効率は高いことが分かります。
RPMは、広告収益の総額ではなく、一定量のトラフィックや広告表示に対してどれくらい収益を生み出しているかを見る指標です。
RPMの計算方法
RPMの基本的な計算式は次のとおりです。
RPM=収益額 ÷ 対象となる表示回数 × 1,000
例えば、10,000PVで広告収益が5,000円だった場合は、5,000円÷10,000PV×1,000=500円となります。この場合、1,000PVあたり500円の広告収益を得ている計算です。
ただし、RPMを見るときに最も重要なのが、何を分母にしているRPMなのかを確認することです。
Page RPMとは?
Page RPMは、ページビュー1,000回あたりに得られる広告収益を示します。
計算式は、Page RPM=見積もり収益額 ÷ ページビュー数 × 1,000です。
例えば、ページビューが100,000PV、広告収益が80,000円なら、80,000円÷100,000PV×1,000=800円となります。
つまり、1,000ページビューあたり平均800円の収益を得ていることになります。Webサイト全体やページ単位の広告収益効率を見る場合に分かりやすい指標です。
Ad RPMとは?
Ad RPMは、広告そのものが1,000回表示されたときに得られる収益を示します。
計算式は、Ad RPM=見積もり収益額 ÷ 広告表示回数 × 1,000です。
例えば、広告表示回数が300,000回、収益が120,000円なら、120,000円÷300,000回×1,000=400円となります。
1ページに複数の広告が掲載される場合、ページビュー数と広告表示回数は同じにはなりません。そのため、Page RPMとAd RPMでは数値も意味も異なります。
Page RPMとAd RPMの違い
| 指標 | 分母 | 主に見るもの |
|---|---|---|
| Page RPM | ページビュー | 1,000PVあたりの収益 |
| Ad RPM | 広告表示回数 | 広告1,000表示あたりの収益 |
例えば、1ページに平均3つの広告が表示されているサイトでは、10,000PVでも広告表示回数は約30,000回になる可能性があります。
そのため、Page RPM=ページ単位の収益性、Ad RPM=広告表示単位の収益性と考えると分かりやすいでしょう。
「RPMが500円だった」という数字だけでは、Page RPMなのかAd RPMなのかによって意味が変わります。RPMを比較するときは、必ず同じ指標同士で比較しましょう。
広告リクエストRPMとは?
Google AdSenseには、広告リクエスト数を基準にしたRPMもあります。
広告リクエストRPM=見積もり収益額 ÷ 広告リクエスト数 × 1,000で計算します。
広告リクエストとは、Webページなどから広告配信を要求した回数です。広告をリクエストしても、必ず実際に広告が表示されるとは限りません。
一般的なWebサイト運営では、まずPage RPMとAd RPMを理解しておけば十分ですが、広告配信を細かく分析する場合には広告リクエストRPMも参考になります。
RPMの計算例
具体例で考えてみましょう。
あるWebメディアの1か月の数字が、ページビュー200,000PV、広告表示500,000回、広告収益150,000円だったとします。
| 指標 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| Page RPM | 150,000円 ÷ 200,000PV × 1,000 | 750円 |
| Ad RPM | 150,000円 ÷ 500,000回 × 1,000 | 300円 |
同じサイト、同じ広告収益でも、分母が違うためRPMは異なります。「自社サイトのRPMはいくら?」と確認するときは、最初にどのRPMを使うのか決めておくことが重要です。
RPMとCPMの違い
RPMと混同されやすい言葉に「CPM」があります。
CPMは「Cost Per Mille」の略で、広告が1,000回表示される際のコストを表す指標です。
大きく整理すると、RPM=広告掲載側から見た収益効率、CPM=広告主側から見た1,000表示あたりの広告コストと理解すると分かりやすいでしょう。
| 指標 | 立場 | 主に表すもの |
|---|---|---|
| RPM | 広告掲載側 | 1,000回あたりの収益 |
| CPM | 広告主側 | 1,000回表示あたりの広告費 |
広告主が広告表示1,000回に800円支払ったからといって、その800円がそのままWebサイト運営者のRPMになるとは限りません。広告配信サービスの仕組みや手数料、入札状況などが関係します。
RPMとeCPMの違い
eCPMは「effective Cost Per Mille」の略で、1,000表示あたりの実質的な収益や広告価値を比較するために使われる指標です。
広告サービスによって名称や定義は異なりますが、収益額 ÷ 広告表示回数 × 1,000のような計算で使われることがあります。
そのため、Ad RPMとeCPMは非常に近い意味で使われるケースがあります。サービスをまたいで数字を比較するときは、名称だけで判断せず、何を分母にしているのか、どの収益を含めているのかを確認しましょう。
RPMとCPCの違い
CPCは「Cost Per Click」の略で、広告が1回クリックされたときの単価です。
例えば、クリック数が100回、クリックによる収益が10,000円なら、平均CPCは100円です。
一方RPMは、クリック数ではなくページビューや広告表示回数を基準に収益効率を見ます。
| 指標 | 基準 |
|---|---|
| CPC | 1クリックあたり |
| RPM | 1,000PV・1,000表示あたり |
RPMとCTRの関係
CTRは「Click Through Rate」の略で、広告が表示されたうち、どれくらいクリックされたかを見る指標です。
広告CTRは、広告クリック数 ÷ 広告表示回数 × 100で計算します。
クリック課金型広告では、CTRが上がることでクリック数が増え、その結果として広告収益が増え、RPMが上がる可能性があります。
ただし、現在の広告収益はクリックだけで決まるとは限りません。インプレッション課金などもあるため、RPM=CTR×CPCだけで必ず決まるとは考えない方がよいでしょう。
RPMが高いと何が分かる?
RPMが高いということは、同じページビュー数や広告表示回数に対して、より多くの広告収益を生み出していることを意味します。
例えば、サイトAのPage RPMが300円、サイトBが1,000円であれば、同じ10万PVでもサイトAは約3万円、サイトBは約10万円の広告収益になります。
RPMは、ページ別、カテゴリー別、サイト別、期間別、デバイス別などで収益効率を比較するときに役立ちます。
アクセスはそれほど多くないのにRPMが高いページが見つかれば、そのテーマやユーザー属性に収益性がある可能性を発見できます。
RPMが高い=良いサイトとは限らない
RPMが高いから、そのサイト全体のビジネス価値が高いとは限りません。
例えば、サイトAが10万PV・RPM1,000円、サイトBが100万PV・RPM500円の場合、広告収益はサイトAが約10万円、サイトBが約50万円です。
RPMだけならサイトAの方が高いですが、総収益ではサイトBの方が大きくなります。
つまり、広告収益は大まかに、トラフィック量 × 収益効率の両方によって決まります。
RPMだけを追うのではなく、PV、広告表示回数、RPM、推定収益額をセットで見ることが重要です。
RPMが下がる主な原因
広告単価が下がった
広告主の需要や競争状況によって広告単価は変動します。同じアクセス数・同じ広告配置でも、時期によって収益が変わることがあります。
流入するユーザーが変わった
検索、SNS、ニュースサイト、海外アクセスなど、トラフィックの種類が変わると広告の収益性も変化する場合があります。
急激にPVが増えたのにRPMが下がった場合、新しく増えた流入の広告収益性が従来より低い可能性もあります。
閲覧されるページが変わった
サイト内でもページによって広告収益性は異なります。高RPMページへのアクセスが減り、低RPMページへのアクセスが増えれば、サイト平均のPage RPMは下がります。
広告の表示位置が変わった
広告がユーザーから見えにくい位置へ移動すれば、広告成果へ影響する場合があります。一方、広告を目立たせようとして増やしすぎると、サイトの読みやすさを損なう可能性があります。
デバイス構成が変化した
PC、スマートフォン、タブレットでは、画面サイズや広告形式、ユーザー行動が異なります。モバイル比率の変化によってサイト全体のRPMが変動することもあります。
季節性による影響
広告市場には季節変動があります。広告主の予算やキャンペーン時期によって入札状況が変わるため、同じサイトでも月ごとにRPMが変わることがあります。
RPMを改善する7つの方法
1.RPMの高いページを分析する
まずサイト全体の平均だけを見るのではなく、どのページ・カテゴリーが収益を生み出しているのか確認します。アクセス数が少なくてもRPMが高いページが見つかれば、そのテーマに関連するコンテンツを強化する方法もあります。
2.ユーザーの検索意図に合ったコンテンツを作る
広告収益を上げるためだけに記事を増やすのではなく、ユーザーが求める内容を十分に満たすことが基本です。ユーザーがページをしっかり読み、関連ページにも移動すれば、結果として広告表示機会が増える可能性があります。
3.広告配置を見直す
広告が極端に見えにくい位置にある場合は配置を見直します。一方で、本文が読みづらくなるほど広告を増やすのは避けましょう。広告収益とユーザー体験のバランスが重要です。
4.広告表示回数だけを増やしすぎない
1ページに広告を増やせば広告表示回数は増えますが、それだけで収益が比例して伸びるとは限りません。ページが読みにくくなって離脱が増えれば、サイト全体のPVやリピーターを失う可能性があります。
5.モバイル表示を確認する
スマートフォンでは画面が小さいため、広告の表示位置が本文の閲覧を邪魔しやすくなります。実機で本文が読みにくくないか、広告がコンテンツを邪魔していないか、表示速度に問題がないかを確認しましょう。
6.流入元別に比較する
検索流入、SNS流入、直接流入などでRPMが違う場合があります。「PVが多い流入元」と「収益性が高い流入元」が同じとは限らないため、流入元ごとの数字も確認しましょう。
7.短期ではなく一定期間で判断する
RPMは日々変動します。1日だけRPMが下がったからといって広告配置を大きく変更すると、正しい比較ができなくなることがあります。前週、前月、前年同月など一定期間で比較しましょう。
RPMを上げるために広告を増やしすぎない
広告収益型サイトでありがちな失敗が、RPMを上げたい → 広告を増やす → ページが読みにくくなるという流れです。
広告はサイト運営に必要な収益源ですが、ユーザーは広告を見ることを目的にサイトへ来ているわけではありません。
記事を読みに来たユーザーが「広告が多すぎて本文が読めない」と感じれば、離脱や再訪率低下につながる可能性があります。
広告収益を最大化するときは、RPMだけではなく、ユーザー体験、ページビュー、リピーター、サイト全体の収益まで含めて考えることが大切です。
ECサイト運営者にもRPMは必要?
一般的なネットショップは、自社サイトに広告を掲載して収益を得ることが主目的ではありません。
多くの場合、ネットショップは広告を掲載して稼ぐ側ではなく、広告費を支払って商品を販売する側です。
そのため、通常のECサイト運営でRPMを最重要KPIにする必要はありません。
EC運営でより重要なのは、CVR、CPA、CPC、ROAS、客単価、リピート率、LTVなどです。
例えば広告経由で100万円売れたとしても、広告費が150万円かかっていれば、売上だけを見て良い状態とは判断できません。
ECサイトでは、広告掲載側のRPMではなく、広告費が売上・利益につながっているかを見る方が重要です。
EC運営で優先して確認したい広告KPI
| KPI | 確認すること |
|---|---|
| CPC | 1クリックを獲得するための広告費 |
| CVR | 訪問ユーザーが購入した割合 |
| CPA | 1件の購入・成果獲得にかかった費用 |
| ROAS | 広告費に対して獲得した売上 |
| LTV | 顧客が長期的に生み出す価値 |
CPC
CPCは広告1クリックを獲得するための費用です。広告流入を増やすためにどれくらいのコストがかかっているかを把握します。
CVR
CVRは広告から訪問したユーザーのうち、どの程度購入したかを見る指標です。アクセスが多くてもCVRが低ければ広告効率は悪化します。
CPA
CPAは1件の購入や成果を獲得するためにかかった広告費です。広告費÷購入件数などで計算します。
ROAS
ROASは、広告費に対してどれだけ売上を獲得したかを見る指標です。
ROAS=広告経由売上 ÷ 広告費 × 100
ROASについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
LTV
LTVは、一度購入した顧客がその後の継続購入を含めてどれくらいの価値を生み出したかを見る指標です。リピート型ECでは、初回購入時のCPAだけで判断せず、LTVまで確認することが重要です。
ECメディアを運営している場合はRPMも使える
一方、ネットショップ事業者でも、オウンドメディア、情報サイト、レビューサイト、広告収益型メディアなどを運営している場合にはRPMが役立つことがあります。
例えば、商品販売による売上+広告収益というビジネスモデルなら、広告部分の収益効率をRPMで確認できます。
また、社内管理用の指標として「メディア収益÷PV×1,000」を計算し、1,000PVあたりどれくらい収益を生み出しているかを見ることもできます。
ただし、この場合はAdSenseなどの正式なPage RPMと混同しないよう、何の収益を含めた独自RPMなのかを明確にしておきましょう。
RPMについてよくある質問
RPMとは何の略ですか?
広告収益の文脈では、1,000回あたりの収益を示す指標として使われます。Web広告では、ページビューや広告表示回数などを基準に1,000回あたりの収益を計算します。
RPMはどう計算しますか?
基本は「収益額÷対象となる表示回数×1,000」です。ただし、Page RPMならページビュー数、Ad RPMなら広告表示回数を分母にします。
Page RPMとは何ですか?
ページビュー1,000回あたりの広告収益です。「見積もり収益額÷ページビュー数×1,000」で計算します。
Ad RPMとは何ですか?
広告表示1,000回あたりの広告収益です。「見積もり収益額÷広告表示回数×1,000」で計算します。
RPMとCPMは同じですか?
同じではありません。RPMは主に広告掲載側の収益効率を見る指標で、CPMは広告主側で1,000表示あたりの広告コストを示す際に使われます。
RPMとeCPMは何が違いますか?
どちらも1,000表示あたりの収益効率を見る用途で使われることがあります。広告サービスによって定義が異なるため、比較するときは計算式と分母を確認しましょう。
RPMは高いほど良いですか?
同じ条件なら収益効率が高いことを意味しますが、RPMだけでは総収益は分かりません。RPMが低くてもトラフィックが多ければ、総収益が大きくなる場合があります。
RPMの平均はいくらですか?
サイトのジャンル、ユーザー属性、国、広告形式、流入元、季節などによって大きく異なるため、一律の平均RPMを基準にするのはおすすめできません。他サイトとの単純比較より、自社サイトの過去データやページ別データを比較する方が実務では有効です。
ECサイトでもRPMを見るべきですか?
広告を掲載して収益化しているECメディアなどでは参考になりますが、一般的なネットショップでは優先度は高くありません。商品販売を目的とするECでは、CPA、ROAS、CVR、客単価、LTVなどを優先して確認しましょう。
まとめ|RPMは「1,000回あたりの広告収益効率」を見る指標
RPMは、広告収益を1,000回あたりに換算して比較するための指標です。
代表的なものとして、Page RPM=ページビュー1,000回あたりの収益、Ad RPM=広告表示1,000回あたりの収益があります。
RPMを見る最大のメリットは、アクセス数や広告表示回数が異なるページ・期間でも、収益効率を比較できることです。
一方で、RPMが高い=総収益が高いという意味ではありません。広告収益型サイトでは、トラフィック量とRPMの両方を見る必要があります。
また、一般的なネットショップではRPMを主要KPIにするケースは多くありません。ECでは、広告出稿 → サイト流入 → 購入 → リピート → LTVという流れを確認し、CPA・ROAS・CVR・LTVなどを優先する方が重要です。
RPMは「広告からいくら稼げたか」という総額を見るためではなく、同じ1,000回の表示機会からどれだけ効率よく広告収益を生み出しているかを比較するための指標として活用しましょう。