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EC化率とは?日本の最新EC化率・業界別データ・計算方法をわかりやすく解説

EC化率とは?日本の最新EC化率・業界別データ・計算方法をわかりやすく解説

EC化率とは?日本の最新EC化率・業界別データ・計算方法をわかりやすく解説

EC化率とは?日本の最新EC化率・業界別データ・計算方法をわかりやすく解説

ネットショップやEC市場について調べていると、「EC化率」という言葉を目にすることがあります。

EC化率とは、すべての商取引金額のうち、EC(電子商取引)で行われた取引が占める割合です。たとえば100億円の商取引市場のうち10億円がECで取引されていれば、EC化率は10%となります。

経済産業省が公表している最新の「電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の物販系BtoC-EC市場規模は15兆2,194億円、EC化率は9.78%でした。BtoB-ECのEC化率は43.1%となっています。

ただし、「日本の買い物の9.78%がネット通販」という意味ではありません。経済産業省が公表するBtoCのEC化率は、物販系分野を対象として算出されています。

この記事では、EC化率の意味や計算方法、日本の最新EC化率、業界別の違い、EC市場規模との違い、EC事業者がEC化率をどのように見るべきかまでわかりやすく解説します。

  • EC化率とは何か
  • EC化率の計算方法
  • 日本の最新EC化率
  • EC化率の推移
  • 業界・商品カテゴリー別のEC化率
  • BtoC・BtoB・CtoCの違い
  • EC化率が低い市場はチャンスなのか
  • EC事業者がEC化率を見るポイント

EC化率とは?

EC化率とは、商取引市場全体に占める電子商取引の割合を表す指標です。

経済産業省では、EC化率を「全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合」としています。

【経済産業省】令和6年度 電子商取引に関する市場調査

つまり、ある市場において取引がどの程度インターネットなどを利用した電子商取引へ移行しているのかを見るための数字です。

EC化率が高い市場ほどECによる取引が広く利用されていると考えられます。一方、EC化率が低い市場では、実店舗、電話、FAX、対面営業など、EC以外の方法による取引が多く残っている可能性があります。

エビス店長
EC化率を見るときは、日本全体の数字だけではなく、自社の商品カテゴリーがどこまでEC化しているかを見ることが重要です。

EC化率の計算方法

EC化率の基本的な考え方は、次の計算式で表せます。

EC化率 = EC市場規模 ÷ 商取引市場規模 × 100

たとえば、ある商品カテゴリー全体の年間取引額が1兆円あり、そのうちECによる取引額が1,000億円だった場合、EC化率は10%です。

商取引市場規模 EC市場規模 EC化率
1兆円 1,000億円 10%
1兆円 3,000億円 30%
1兆円 5,000億円 50%

ただし、公的統計を見る場合は「どの市場を対象として計算しているのか」も確認する必要があります。

経済産業省の調査では、BtoC-ECのEC化率は物販系分野、BtoB-ECは業種分類上の「その他」を除いた業種を対象として算出されています。

そのため、物販系BtoC-EC化率9.78%を「日本国内のすべての消費のうち9.78%がEC」と解釈しないよう注意しましょう。


日本のEC化率はどれくらい?

経済産業省が2025年8月に公表した調査によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26兆1,225億円でした。

このうち物販系BtoC-EC市場は15兆2,194億円で、EC化率は9.78%です。前年2023年の9.38%から0.40ポイント上昇しました。

一方、2024年のBtoB-EC市場規模は514.4兆円、EC化率は43.1%となっています。

区分 2024年EC市場規模 EC化率
BtoC-EC全体 26兆1,225億円 ―
物販系BtoC-EC 15兆2,194億円 9.78%
BtoB-EC 514.4兆円 43.1%

ここで重要なのは、BtoC-EC市場全体26.1兆円と、EC化率9.78%の対象は同じではないということです。

BtoC-EC市場規模には、物販系だけではなく旅行・飲食サービスなどのサービス系分野、電子出版や有料動画などのデジタル系分野も含まれます。一方、EC化率9.78%は物販系分野を対象とした数字です。


日本のEC化率はどのように推移している?

日本の物販系BtoC-EC化率は、長期的には上昇しています。

経済産業省の調査では、2014年に4.37%だったEC化率は、2016年に5.43%、2020年に8.08%、2024年には9.78%まで上昇しています。

年 物販系BtoC-EC化率
2014年 4.37%
2015年 4.75%
2016年 5.43%
2017年 5.79%
2018年 6.22%
2019年 6.76%
2020年 8.08%
2021年 8.78%
2022年 9.13%
2023年 9.38%
2024年 9.78%

特に2020年には、前年の6.76%から8.08%へ大きく上昇しました。その後もEC化率は上昇を続け、2014年から2024年までの10年間で4.37%から9.78%へ伸びています。

一方で、物販系市場全体で見るとEC化率はまだ約1割です。ただし、この数字だけを見て「ECにはまだ約9割の伸びしろがある」と考えるのは適切ではありません。

実際には、商品カテゴリーによってEC化率が大きく異なります。


業界・商品カテゴリー別のEC化率

EC市場を分析するときに重要なのが、日本全体の平均ではなく、自社の商品カテゴリーを見ることです。

2024年の物販系BtoC-EC化率を商品カテゴリー別に見ると、次のようになっています。

商品カテゴリー 2024年EC市場規模 EC化率
書籍・映像・音楽ソフト 1兆8,708億円 56.45%
生活家電・AV機器・PC・周辺機器等 2兆7,443億円 43.03%
生活雑貨・家具・インテリア 2兆5,616億円 32.58%
衣類・服装雑貨等 2兆7,980億円 23.38%
化粧品・医薬品 1兆150億円 8.82%
食品・飲料・酒類 3兆1,163億円 4.52%
自動車・自動二輪車・パーツ等 3,336億円 4.16%
その他 7,797億円 2.08%

最もEC化率が高いのは「書籍・映像・音楽ソフト」で56.45%です。一方、「食品・飲料・酒類」はEC市場規模では3兆1,163億円と非常に大きいものの、EC化率は4.52%にとどまっています。

この違いからも分かるように、EC市場規模が大きいことと、EC化率が高いことは同じではありません。


なぜ業界によってEC化率が違うのか

商品カテゴリーによってEC化率が大きく異なるのには、商品の性質や購入方法、物流などさまざまな理由があります。

商品を比較しやすいか

家電や書籍は、型番、タイトル、ISBNなどによって商品を特定しやすいジャンルです。実店舗で商品を確認しなくても、商品説明やレビュー、価格を比較しながら購入できます。

そのためECとの相性が良く、生活家電等では43.03%、書籍・映像・音楽ソフトでは56.45%という高いEC化率になっています。

実物を確認したい商品か

衣類では、サイズ感、素材感、色、着心地など、実物を確認してから購入したいというニーズがあります。

それでも衣類・服装雑貨等のEC化率は23.38%まで上昇しており、返品対応、詳細なサイズ情報、レビュー、着用画像などによってEC購入時の不安を減らす工夫が進んでいます。

すぐに必要な商品か

食品は毎日の生活で頻繁に購入する商品です。近くのスーパーやコンビニへ行けばすぐ購入できるため、ネット注文して配送を待つメリットが小さい商品も少なくありません。

また、生鮮食品には鮮度や温度管理などの物流上の課題があります。そのため食品・飲料・酒類のEC市場は3兆円を超えている一方、EC化率は4.52%です。

配送しやすい商品か

商品の大きさ、重量、温度管理の必要性などもEC化率に影響します。

冷蔵・冷凍商品、大型家具、重量物などでは配送コストが高くなりやすく、受取方法にも制約があります。反対に、小型で壊れにくく全国へ低コストで配送しやすい商品はECとの相性が良くなります。

EC市場規模とEC化率の違い

「EC市場規模」と「EC化率」は混同されやすい言葉ですが、意味は異なります。

指標 意味
EC市場規模 ECで実際に取引された金額
EC化率 市場全体のうちEC取引が占める割合

たとえば2024年の「食品・飲料・酒類」は、EC市場規模が3兆1,163億円で物販系カテゴリーの中では最大です。しかしEC化率は4.52%です。

一方、「書籍・映像・音楽ソフト」のEC市場規模は1兆8,708億円で食品より小さいものの、EC化率は56.45%あります。

つまり、EC市場規模が大きい=EC化率が高い、ではありません。

ECへの参入や商品カテゴリーの市場性を見る場合には、この2つをセットで確認することが重要です。

BtoCとBtoBでEC化率が大きく違う理由

2024年のEC化率は、物販系BtoCが9.78%、BtoBが43.1%となっています。

BtoBでは、企業間の受発注システムやEDIなど、電子的な取引の仕組みが広く利用されています。

取引先が固定されており、同じ商品や資材を繰り返し発注する企業間取引では、注文を電子化することで業務効率を高めやすいという特徴があります。

一方、BtoCでは消費者が実店舗で商品を購入する取引も大量に存在するため、BtoBよりEC化率が低くなっています。

ただし、BtoCとBtoBではEC化率の算出対象も異なります。そのため、数字だけを見て「BtoBのEC化がBtoCより約4倍進んでいる」と単純比較するのは適切ではありません。

CtoCにもEC化率はある?

フリマアプリやネットオークションなど、個人間取引を中心とするCtoC-EC市場もあります。

経済産業省によると、2024年のCtoC-EC市場規模は2兆5,269億円で、前年比1.82%増となりました。

ただし、BtoCやBtoBと同じ形式の「CtoC-EC化率」は公表されていません。

そのため、CtoC市場についてはEC化率ではなく、市場規模やその推移を確認するのが基本です。

EC化率が低い業界は参入チャンスなのか

EC化率が低い市場を見ると、「まだEC化されていない市場が大きいからチャンスなのでは?」と考えるかもしれません。

確かに、EC化率が低い市場には今後EC利用が増える余地が残っている可能性があります。しかし、EC化率が低い=参入すれば売れる、ではありません。

たとえば食品のEC化率が4.52%と比較的低い背景には、次のような理由があります。

  • 日常的に実店舗で購入しやすい
  • 低単価商品では送料負担が大きい
  • 生鮮食品では鮮度が重要
  • 冷蔵・冷凍配送が必要
  • 商品をすぐ使いたい需要がある

逆に考えれば、これらの障壁を解決できるECにはチャンスがあります。

「重くて店舗から持ち帰るのが大変」「近所では手に入らない」「産地から直接購入したい」「定期的に自宅へ届けてほしい」といったニーズを満たせる商品なら、ECならではの価値を作ることができます。

エビス店長
「EC化率が低いから狙い目」と考えるだけでは不十分です。なぜネットで買われにくいのか、その障壁を解決できるかまで考えましょう。

EC事業者はEC化率をどう見るべき?

ECサイトを運営する立場では、日本全体の「9.78%」だけを見ても実務にはそれほど役立ちません。自社の商品カテゴリーや販売環境へ落とし込んで考える必要があります。

自社の商品カテゴリーを見る

家具を販売しているなら32.58%、衣類なら23.38%、食品なら4.52%というように、自社に近いカテゴリーのEC化率を確認します。

日本全体の平均よりも、自社が戦っている市場でECがどの程度利用されているのかを見るほうが重要です。

EC市場規模とEC化率をセットで見る

EC化率だけではなく、EC市場そのものがいくらあるのかも確認します。

EC化率が低くても市場全体が巨大であれば、ECだけで数兆円規模になることがあります。食品・飲料・酒類がその代表例です。

競合環境も確認する

EC化率が高い市場はネット購入が一般化している一方、EC事業者同士の競争も激しい可能性があります。

家電であれば、Amazonや楽天市場、大手家電量販店など多くの競合が存在します。「EC化率が高い=参入しやすい」というわけではありません。

物流費と利益率を見る

ECでは商品を販売できても、配送費や梱包費を含めると利益が残らないことがあります。

特に大型商品、低単価商品、冷蔵・冷凍商品などでは、市場の成長性だけではなく物流費まで確認する必要があります。

EC化率が高い市場では「選ばれる理由」を作る

EC化率が高いカテゴリーでは、消費者がネットで商品を購入すること自体は珍しくありません。

そのため「ネットショップを作りました」だけでは競争優位にはなりません。

価格、品揃え、専門性、配送、ブランド、コンテンツ、接客、アフターサービスなど、数多くのECサイトの中から自店を選ぶ理由を作る必要があります。

EC化率が低い市場では「なぜネットで買わないのか」を考える

反対にEC化率が低い商品では、「なぜ顧客はECで買わないのか?」を考えることが重要です。

送料なのか、実物を確認できない不安なのか、到着まで待てないからなのか。その障壁を解消できれば、EC化率が低い市場でも独自の販売機会を見つけられる可能性があります。

日本のEC化率は今後どうなる?

経済産業省のデータでは、物販系BtoC-EC化率は2023年の9.38%から2024年の9.78%へ上昇しています。BtoB-EC化率も40.0%から43.1%へ上昇しました。

商取引の電子化は引き続き進んでいますが、今後すべての商品カテゴリーが同じペースでEC化するとは限りません。

すでにEC化率が50%を超えている商品と、まだ5%未満の商品では市場環境が大きく異なります。

今後のEC市場を見る場合も、「日本全体のEC化率」だけではなく、どの商品カテゴリーで、どのようなEC利用が伸びているのかを見ることが重要です。

EC化率についてよくある質問

EC化率とは簡単にいうと何ですか?

EC化率とは、商取引市場全体のうちECによる取引が占める割合です。EC化率が高いほど、その市場では電子商取引が広く利用されていることを示します。

日本のEC化率は何%ですか?

経済産業省が公表している2024年実績では、物販系BtoC-EC化率は9.78%です。BtoB-EC化率は43.1%となっています。

EC化率の計算方法は?

基本的には、EC市場規模÷商取引市場規模×100で計算します。ただし、公的統計では対象となる業種や分野の定義も確認する必要があります。

日本はEC化率が低いのですか?

日本全体の数字だけでは単純に判断できません。商品カテゴリーによって大きく異なり、書籍・映像・音楽ソフトでは56.45%、食品・飲料・酒類では4.52%となっています。

EC化率が最も高い商品カテゴリーは?

経済産業省の2024年物販系分類では、「書籍・映像・音楽ソフト」が56.45%で最も高くなっています。

食品のEC化率は何%ですか?

2024年の「食品・飲料・酒類」のEC化率は4.52%です。EC市場規模は3兆1,163億円で、物販系分野では非常に大きな市場となっています。

BtoBのEC化率は何%ですか?

2024年のBtoB-EC化率は43.1%です。BtoB-EC市場規模は514.4兆円となっています。

EC市場規模とEC化率は何が違いますか?

EC市場規模は「ECでいくら取引されたか」を表す金額です。EC化率は「市場全体のうちECが何%を占めるか」を表します。

市場規模が大きくても、EC化率が低い商品カテゴリーはあります。

まとめ|EC化率は「商取引がどれだけECへ移行しているか」を見る指標

EC化率とは、商取引市場全体に対してECによる取引がどの程度を占めているのかを示す指標です。

経済産業省の最新公表値では、2024年のEC化率は物販系BtoC-ECが9.78%、BtoB-ECが43.1%となっています。

ただし、EC事業者にとって重要なのは「日本のEC化率は約1割」という数字だけではありません。

商品カテゴリー別に見ると、書籍・映像・音楽ソフトは56.45%、生活家電等は43.03%、生活雑貨・家具等は32.58%、衣類は23.38%、食品は4.52%というように大きな差があります。

そのためEC市場を分析するときは、EC化率・EC市場規模・商品特性・競合環境・物流費・利益率まで合わせて考えることが重要です。

EC化率が高い市場では「数多くあるECサイトの中から、なぜ自店を選ぶのか」を作り、EC化率が低い市場では「なぜ消費者はまだネットで買わないのか」を考えます。

この視点を持つことで、EC化率は単なる市場統計ではなく、自社のネットショップがどこにチャンスを見つけるべきかを考えるための指標として活用できます。

「自社の商品カテゴリーでECにどれくらい伸びしろがあるのか」「競合と比べてどこを改善すればよいのか」が分からない場合は、市場環境だけではなく、集客、CVR、客単価、利益率まで合わせて確認することが重要です。