モール別攻略法「自社ECサイト攻略法」とは、現役EC店長が自社ECサイトでの売上アップ、本店ECサイトにおけるネット販売の攻略法を探し出すことを目的とした考察ブログである。
自社ECサイト攻略法(1)自社ECサイト開業前に考えるべき3つのポイント
自社ECサイトを開業するメリット・デメリット
自社ECサイトを開業するメリットとして、楽天市場
などのショッピングモールと比較した場合のメリットは、販売手数料などがかからないという点です。
楽天市場では、出店プランによっても異なりますが、販売手数料と決済手数料、ポイント原資を合わせると、約10%程度の手数料が必要となります。
Amazonでも商品カテゴリによって料率はことなりますが、約10%前後の販売手数料が必要です。
自社ECサイトを構築した場合、決済手数料を除けば、販売時の手数料は基本的にはかからないサービスがほとんどです。
売上高が低いうちはそれほど気になりませんが、月商が100万円以上となると、手数料10%で10万円となります。
月商が1000万円規模であれば、手数料は100万円となり、とても大きな額となります。
自社ECサイトのデメリットとしては、楽天市場
やAmazonのような圧倒的な集客力と比較すれば、アクセス数は限りなくゼロからのスタートという点です。
集客面をどうやって捻出するのかを考えるのが、自社ECサイトをうまく運営するための重要なポイントと言えます。
自社ECサイト開業前に考えるべき3つのポイント
では、自社ECサイト、本店系ECサイトを開業する前に考えるべきポイントを3つに絞ってご紹介いたします。
失敗しないネットショップの開業のためには、3つとも重要なポイントです。
(1)販売予定の商品が一番売れやすい環境はどこかを考える
あなたが販売を予定している商品は、いったいどこで売れば一番売れやすいでしょうか?
本当に自社ECサイトを開業して、その商品は順調に売れるのでしょうか?
例えば、ある実際に店舗を持っている煎餅屋さんを例にしてみます。
商品の製造過程で「割れた煎餅」ができあがることがあります。
「割れた煎餅」は当然ながら、実商品では販売することができません。
これがインターネット上で「訳あり」という名目で販売すれば、飛ぶように売れることがあります。
「訳あり商品」は、ショッピングモールでは人気の商品で、楽天市場やヤフーショッピングのデイリーランキングでもランクインの常連商品です。
「訳あり商品」が人気なのは、あくまでもショッピングモールの中だからであって、自社ECサイト上で「訳あり」と銘打って販売したとしても、あまり売れないでしょう。
理由は、ショッピングモールのユーザーは、モールの検索窓から「訳あり」というキーワードで検索するユーザーが常に一定数以上存在するからです。
モールのユーザーは「訳あり煎餅」がほしいのではなくて、「訳あり」の商品であれば、何でもいいのです。
商品によっては、売場との相性が間違いなくありますので、まずは販売予定の商品が一体どういうスタイルでの販売に適しているかを市場調査することをおすすめします。
(2)年間のECサイト運用予算を考える
予算感なしでネットショップを開業すると、固定費が捻出できないなどの理由で継続販売ができなくなり、結果的に失敗しやすい傾向があります。
まずは、一年間、ネットショップ、ECサイトの運営に用意できる予算を決めるようにしましょう。
楽天市場
であれば、一番出店しやすい「がんばれプラン」であれば、初期費用6万円、月額利用料2万円弱で一年間販売することができます。
年間で約30万円の固定費ということになりますが、CSVオプションなどを追加すれば、月額がプラス1万円あがりますので、年間42万円となります。
インスタントECサービスのBASE (ベイス)であれば、ロゴ非表示などの追加オプション機能を使わなければ、無料でネットショップを開業できます。
同じ商品をネット販売するにしても、楽天なら年間42万円がかかりますが、BASE(ベイス)なら、年間ゼロ円のまま店舗運営ができてしまいます。
こうした違いが売場毎にことなりますので、ご自身の予算感に合わせて、どの売り場に出店するのが費用対効果が高いかを十分に検討してください。
(3)初年度から売れると考えず、1年後のサイト運営を想像する
自社ECサイトでは特に言えることですが、開店してから、約1年間は、「売上ゼロ円」でも継続するという決意が重要になります。
様々なECサービスで「月商1800万円も達成できます」や「年商1兆円のカートサービスです」など、やたら流通額を誇る傾向が見受けられます。
こうしたサービスの月商や流通総額は、あくまでも「売れている店舗の事例」や「累計金額」であることがほとんどです。
つい、最初から売れそうな雰囲気を感じさせらえるようなキャッチコピーにつられてしまいますが、自社ECサイトの場合は、最初はゼロ円店舗になることを覚悟してください。
最初から売れないという心構えで店舗運営に臨める人は、最低一年間は、売れないながらも、売り続ける事に注力してください。
非常につらく、寂しい状態だと思いますが、売れない時期にEC運営のノウハウをしっかりと身に着けておけば、売れ始めた頃には、非常に良い状態で店舗運営を行う事ができるはずです。
どんなに良い商品であっても、いきなり売れるなどは「幻想」であると肝に銘じて、日々の店舗運営を継続していく事に集中しましょう。
自社ECサイトは売れないのが前提と知る
BASE (ベイス)やカラーミーショップなどの自社ECサイトは、サービスの機能表の中に「SEO対策」という言葉があっても、正直なところ、効果のあるSEO対策はできないのが前提です。
これは、Makeshopなどビジネス向けのECサイト構築サービスでも同様です。
ショッピングカートサービスなどに「SEO対策機能」という言葉があったとしても、多くの場合は、「タイトル」「キーワード」「メタディスクリプション」を個別入力できる程度だと思います。
10年前なら、キーワード対策だけでも、ある程度ページ露出ができましたが、2018年におけるSEO対策は、非常に難易度の高い施策であり、そう簡単に思い通りのキーワードで上位表示させることはできません。
自社ECサイトの場合、ネットショップを開店しても、そのままでは誰にも存在を知られていないウェブサイトが出来あがったに過ぎないのです。
よほどブランド力や商品認知、企業認知のある会社がECサイトを立ち上げた上で、プレスリリースなどを配信して、ようやく第一歩、多少のアクセス数がプレスリリース配信後数日間に集まる程度でしょう。
大手企業のECサイトであっても、決して最初から売れるという状況にはないと思います。
先日、ファッションセンターしまむらが、自社のネット通販事業において、本格参入することを発表しましたが、しまむらは、自社ECサイトを強化する方法ではなく、楽天市場
やAmazon、ZOZOTOWNといった、既存のマーケットプレイスへの出店、出品を検討しているようです。
【参考】しまむらがEC事業を本格化!楽天市場、ZOZOTOWN、Amazonなどに出店か?
あの認知度100%に近いしまむらでさえ、ショッピングモールを選択するのですから、自社ECサイトの難易度の高さがうかがえると思います。
自社ECサイト、本店サイトは、基本的には「売れない」と考え、売れる為には、どうやって露出を強化するかをしっかりと考えることが重要です。
自社ECサイト開業前に考えるべきことのまとめ
自社ECサイト、本店ECサイトを開業したいと考える方に向けて、事前に考えるべき3つのポイントをご紹介いたしました。
自社ECサイトは、とにかく最初は売れません。
売れない理由は、人が来ないから、人に気づいてもらえていないからという場合がほとんどです。
FacebookページやTwitter、LINEやインスタグラムなど、様々なSNSを駆使して集客する店舗が多い理由もお分かり頂けるかと思います。
筆者が最も効果があると思っている集客方法として、「コンテンツSEO」「オウンドメディア」の構築があります。
是非、こちらも合わせて参考にしていただければと思います。