
ネットショップの集客方法として、Google広告やSNS広告と並んで検討されることが多いのが「アフィリエイト広告」です。
アフィリエイト広告とは、Webサイト・ブログ・比較サイト・SNSなどからユーザーをネットショップへ紹介してもらい、商品購入や申込みなど、あらかじめ決めた成果が発生したときに報酬を支払う広告手法です。
クリックされただけで広告費が発生するリスティング広告などとは異なり、商品購入などの成果を基準に広告費を設定できることが大きな特徴です。
ただし、「成果報酬だから低リスク」「ASPへ登録すればアフィリエイターが勝手に商品を紹介してくれる」と考えるのは危険です。商品そのものの魅力、商品ページのCVR、成果報酬額、ASPの手数料、提携メディア数、実際に掲載しているメディア数、承認率、新規顧客率、LTVなどを見ながら運用する必要があります。
さらに2023年10月1日からは、広告であることを隠すステルスマーケティングが景品表示法の規制対象となっています。ネットショップ側もアフィリエイト媒体の表示を「媒体任せ」にせず、広告主として管理する必要があります。
この記事では、ネットショップ運営者・EC担当者の視点から、アフィリエイト広告の仕組み、費用、メリット・デメリット、成果報酬の決め方、ASPの選び方、アフィリエイターに紹介してもらう方法、成果が出ない原因、KPI、法律上の注意点までわかりやすく解説します。
- アフィリエイト広告の仕組み
- ASPとは何か
- アフィリエイト広告にかかる費用
- 成果報酬の決め方
- 向いているEC・向いていないEC
- アフィリエイターに紹介してもらう方法
- 成果が出ない原因
- 見るべきKPI
- 景品表示法・ステマ規制
- アフィリエイト広告の始め方
- 1 アフィリエイト広告とは?
- 2 ネットショップでアフィリエイト広告が発生する仕組み
- 3 ASPとは?
- 4 アフィリエイト広告と他のWeb広告の違い
- 5 アフィリエイト広告にはいくらかかる?
- 6 成果報酬はいくらに設定すればいい?
- 7 新規顧客はLTVまで見て成果報酬を考える
- 8 ネットショップがアフィリエイト広告を使うメリット
- 9 アフィリエイト広告のデメリット
- 10 アフィリエイト広告に向いているネットショップ
- 11 アフィリエイト広告に向いていないネットショップ
- 12 ASPを選ぶ5つのポイント
- 13 ASPを利用する方法と自社アフィリエイトの違い
- 14 アフィリエイターに商品を紹介してもらう7つの方法
- 15 アフィリエイト広告で成果が出ない7つの原因
- 16 アフィリエイト広告で見るべきKPI
- 17 アフィリエイト広告はCPAだけでなくLTVまで見る
- 18 アフィリエイト広告と景品表示法・ステマ規制
- 19 アフィリエイト広告を始める8STEP
- 20 アフィリエイト広告を成功させるために最も重要なこと
- 21 アフィリエイト広告についてよくある質問
- 22 まとめ|アフィリエイト広告は「ASPへ登録する広告」ではなく「紹介者を増やす広告」
アフィリエイト広告とは?
アフィリエイト広告は、一般的に「成果報酬型広告」と呼ばれるWeb広告です。
基本的には、広告主・ASP・アフィリエイターやメディア・購入者という4者で成り立っています。
- 広告主:自社の商品・サービスを販売したいネットショップや企業
- ASP:広告主とメディアを仲介するサービス
- アフィリエイター・メディア:ブログ、比較サイト、SNSなどで商品を紹介する媒体
- 購入者:紹介リンクを経由して商品を購入するユーザー
アフィリエイターやメディアが商品を紹介し、そのリンクを経由したユーザーが商品を購入すると成果として計測されます。その後、広告主が成果を承認すると、設定した成果報酬が媒体側へ支払われます。
つまりネットショップ側から見ると、「商品を紹介してくれる外部メディアを増やし、売れたときに広告費を支払う集客方法」と考えると分かりやすいでしょう。

ネットショップでアフィリエイト広告が発生する仕組み
例えば、10,000円の商品を販売しているネットショップがあるとします。成果条件を「商品購入」、メディアへの成果報酬を売上の10%に設定したとしましょう。
- アフィリエイトメディアで商品が紹介される
- ユーザーが紹介リンクをクリックする
- ネットショップへ移動する
- 10,000円の商品を購入する
- 成果として計測される
- 広告主が成果を承認する
- メディアへ1,000円の成果報酬が発生する
ただし、広告主が負担する費用が1,000円だけとは限りません。ASPを利用する場合は、成果報酬とは別にASP手数料、初期費用、月額固定費などが発生する場合があります。
この違いを理解していないと、「成果報酬10%だから広告費率も10%」と思っていたのに、実際の広告費が想定より高かったということが起こります。
ASPとは?
ASPとは「Affiliate Service Provider」の略で、広告主とアフィリエイター・メディアを仲介するサービスです。
ASPを利用すると、アフィリエイターの募集、提携管理、アフィリエイトリンク発行、クリック・成果計測、成果承認、報酬管理、メディアへの支払いなどを一元管理できます。
ネットショップが一人ひとりのブロガーやメディアと個別契約を結び、成果を計測して報酬を振り込むのは大変です。ASPを利用することで、この仕組みをまとめて運用できます。
国内ではA8.net、バリューコマース、afbなど複数のASPがあります。
ただし、ASPは登録メディア数だけで選ばないことが重要です。自社の商品ジャンルに強い媒体がいるか、媒体開拓を支援してもらえるか、手数料はいくらか、不正成果や違反掲載の管理体制はどうか、といった点まで比較する必要があります。
アフィリエイト広告と他のWeb広告の違い
ネットショップの集客方法はアフィリエイト広告だけではありません。代表的な広告と比較すると次のようになります。
| 広告手法 | 主な課金方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| アフィリエイト広告 | 成果報酬 | 商品購入などの成果を基準に広告費を設定 |
| リスティング広告 | クリック課金 | 検索している顕在層へ届けやすい |
| SNS広告 | 表示・クリック等 | 認知から購入まで幅広く活用 |
| ディスプレイ広告 | 表示・クリック等 | 幅広いユーザーへ広告配信 |
| インフルエンサー施策 | 投稿費・成果報酬等 | 発信者の影響力を活用 |
アフィリエイト広告の大きな特徴は、成果地点を商品購入などに設定できることです。
一方で、リスティング広告のように広告費を増やせばすぐアクセスが増えるとは限りません。アフィリエイト広告では、まず商品を紹介してくれるメディアを増やし、記事や投稿を作ってもらう必要があります。
即効性より「紹介者を増やして販売チャネルを広げる」性質の強い広告と考えたほうがよいでしょう。
アフィリエイト広告にはいくらかかる?
アフィリエイト広告の費用はASPによって異なりますが、一般的には次の4つで構成されます。
- 初期費用
- 月額固定費
- アフィリエイターへの成果報酬
- ASP手数料
「成果報酬型広告」と呼ばれていますが、ASPによっては成果が発生していない月でも固定費が必要です。
2026年10月時点では、A8.netやバリューコマースなどでも広告主向けに初期費用、月額費用、成果報酬、ASP側の手数料が設定されています。料金は変更される可能性があるため、導入前には必ず各ASPの最新料金を確認してください。
重要なのは、「成果報酬が何%か」だけで広告費を判断しないことです。
成果報酬はいくらに設定すればいい?
ネットショップ側で難しいのが、アフィリエイターへ支払う成果報酬の設定です。
競合ショップが10%だから自社も10%、という決め方はおすすめできません。基本は、自社が1件の新規顧客獲得へいくらまで使えるか=許容CPAから逆算することです。
例えば10,000円の商品を販売するとします。
| 項目 | 金額例 |
|---|---|
| 販売価格 | 10,000円 |
| 商品原価 | 5,500円 |
| 送料 | 700円 |
| 決済費等 | 300円 |
| 最低限残したい利益 | 1,000円 |
| 広告関連費に使える上限 | 2,500円 |
この場合、ASP利用料まで含めた成果1件あたりの広告関連費を2,500円以内にする必要があります。
仮に成果報酬とは別にASP手数料が発生する場合、アフィリエイターへそのまま2,500円を設定することはできません。
メディア報酬+ASP手数料=実質CPAとして考えます。
つまり、成果報酬は「競合と同じ水準」ではなく、自社の利益構造から逆算して決めることが重要です。

新規顧客はLTVまで見て成果報酬を考える
リピート購入される商品では、初回注文の利益だけで成果報酬を考えると、広告費を低く設定しすぎることがあります。
例えば初回購入では500円しか利益が残らなくても、2回目、3回目、定期購入まで含めた顧客1人あたりの利益が5,000円あるなら、初回獲得時にある程度広告費を使える可能性があります。
逆に、1回しか購入されない商品で高い成果報酬を設定すると、売上は増えても利益が残らないことがあります。
ネットショップでは、商品粗利 → 許容CPA → リピート率 → LTV → 成果報酬の順で考えることが重要です。
ネットショップがアフィリエイト広告を使うメリット
成果に合わせて広告費を設定できる
アフィリエイト広告では、商品購入や申込みなど、あらかじめ設定した成果が発生した場合に成果報酬が発生します。
クリックだけで広告費を使い切る広告と比べ、売上と広告費を結び付けて管理しやすい点がメリットです。ただしASPの固定費などが発生する場合があるため、「売れなければ費用が完全にゼロ」という意味ではありません。
第三者に商品を紹介してもらえる
ネットショップが自分の商品を「この商品はおすすめです」と伝えるだけでは広告になります。一方、比較サイト、専門メディア、ブロガー、SNS発信者などから商品が紹介されれば、ユーザーは異なる角度から商品の特徴を知ることができます。
特に、比較してから購入する商品、レビューを確認して購入する商品、使い方を詳しく知りたい商品とは相性があります。
自社SEOだけでは取れない検索結果へ露出できる
例えば自社サイトが「○○ おすすめ」というキーワードで上位表示できていなくても、その検索結果で上位にいる比較メディアから自社商品を紹介してもらえれば、検索ユーザーとの接点を作れます。
つまりアフィリエイト広告は、他社メディアの集客力を活用する広告ともいえます。
販売チャネルを広げられる
ブログ、比較サイト、専門メディア、ランキングサイト、SNS、動画など、さまざまな媒体から商品を紹介してもらえる可能性があります。
広告主だけでは作れない大量のユーザー接点を持てることがメリットです。
アフィリエイト広告のデメリット
ASPへ登録しただけでは売れない
これは最も重要です。ASPと契約すれば、すぐに大量のアフィリエイターが自社商品を紹介してくれるわけではありません。
アフィリエイター側も、売れそうか、報酬はいくらか、競合より紹介しやすいか、商品に検索需要があるか、商品ページのCVRは高いかなどを見て案件を選びます。
そのため広告主側からメディアへ働きかける必要があります。
固定費が発生するASPもある
成果報酬とは別に、初期費用や月額固定費が必要なASPがあります。成果が少ない段階では固定費の割合が大きくなり、実質CPAが高くなる可能性があります。
広告表現を完全にはコントロールできない
アフィリエイト記事は外部の媒体が制作します。広告主が想定していない表現や、古い価格・キャンペーン情報が掲載されたままになる可能性もあります。
そのため掲載状況を定期的に確認する必要があります。
不正成果への対応が必要
不自然な注文、自己購入、重複成果など、不正・無効な成果が含まれる可能性があります。
ASPの仕組みだけに任せず、広告主側でも成果内容や承認条件を管理しましょう。
アフィリエイト広告に向いているネットショップ
粗利を確保できる商品
成果報酬やASP手数料を支払っても利益を残せる商品です。粗利が高いほど、競争力のある成果報酬を設定しやすくなります。
比較・レビューされやすい商品
ユーザーが購入前に「おすすめ」「比較」「評判」「口コミ」「使ってみた」などを検索する商品は、アフィリエイトメディアとの相性があります。
LTVが高い商品
定期購入やリピート購入が期待できる商品では、初回獲得時に高い成果報酬を設定できる可能性があります。
説明すると価値が伝わる商品
特徴が多い商品、専門性がある商品、使い方によって価値が伝わる商品は、第三者の記事や動画で詳しく紹介してもらうメリットがあります。
アフィリエイト広告に向いていないネットショップ
粗利がほとんど残らない
成果報酬やASP手数料を追加すると赤字になる商品では、広告を増やすほど損失が拡大します。
商品ページのCVRが低い
アフィリエイターがアクセスを送っても、商品ページで購入されなければ成果になりません。
媒体側から見ても「クリックされるのに売れない案件」になるため、掲載を継続してもらいにくくなります。
商品そのものに競争力がない
価格、品質、独自性、レビュー、配送条件などで明確な弱点がある場合、広告だけで解決することは難しいでしょう。
売れない商品をアフィリエイト広告に出せば売れるようになるわけではありません。商品ページや商品そのものを先に改善する必要があります。
成果報酬を出す余力がない
アフィリエイターにとって、限られた掲載スペースでどの商品を紹介するかは重要です。同程度の商品でA社の報酬が500円、B社が2,000円であれば、B社を優先して紹介する媒体が出てくるのは自然です。
利益構造上、競争力のある報酬を設定できない商品は苦戦する可能性があります。

ASPを選ぶ5つのポイント
1.自社ジャンルに強いメディアがいるか
最も重要です。ASP全体の登録サイト数が多くても、自社の商品ジャンルを扱っている媒体が少なければ成果につながりません。
2.費用はいくらか
初期費用、月額固定費、ASP手数料を比較します。成果報酬だけを比較してはいけません。
3.媒体開拓を支援してもらえるか
広告主に代わって有力媒体へ提携を提案してくれるASPもあります。自社だけでメディア営業する余力がない場合は重要です。
4.管理・分析しやすいか
クリック、発生成果、確定成果、承認率、媒体別成果などを確認できるかを見ます。
5.違反掲載・不正対策はどうか
景品表示法などへの対応を考えると、媒体監視や違反時の対応体制も重要です。
ASPを「登録メディア数」だけで選ばないようにしましょう。
ASPを利用する方法と自社アフィリエイトの違い
アフィリエイトを始める方法はASPだけではありません。ECプラットフォームや外部ツールを利用して、自社独自のアフィリエイトプログラムを運営する方法もあります。
| 比較 | ASP利用 | 自社アフィリエイト |
|---|---|---|
| 媒体募集 | ASP登録媒体へ募集できる | 自社で募集 |
| 成果計測 | ASP | 自社・ツール |
| 報酬管理 | ASP | 自社 |
| 媒体への支払い | ASP経由 | 自社対応 |
| 手数料 | ASP手数料等 | ツール費等 |
| 運営負担 | 比較的小さい | 大きくなりやすい |
ASP型は、すでに登録している多数の媒体へアプローチできることがメリットです。
一方、自社アフィリエイトはASP手数料を抑えられる可能性がありますが、アフィリエイター募集、リンク発行、成果管理、報酬管理、不正管理などを自社で行う必要があります。
すでにSNSや顧客コミュニティを持っているブランドでは自社型も選択肢ですが、ゼロから媒体を集めるならASPのほうが始めやすいケースがあります。
アフィリエイターに商品を紹介してもらう7つの方法
1.成果報酬を競争力のある水準にする
まず他社案件と比較します。ただし、無理に高くするのではなく、許容CPAから逆算します。
2.商品ページのCVRを改善する
アフィリエイターにとって「送客すると売れる案件」は魅力があります。レビュー、商品説明、写真、送料、決済方法、FAQなどを改善しておきましょう。
3.商品画像・説明素材を用意する
高品質な商品画像、特徴、使用方法、FAQなど、紹介記事を作りやすい素材を用意します。
4.商品サンプルを活用する
商品によっては実際に使ってもらうことで、詳しいレビュー記事や動画を作ってもらいやすくなります。広告・PRとして依頼する場合は表示ルールにも注意します。
5.有力メディアへ個別に提携を打診する
「提携申請が来るのを待つ」だけではなく、自社ジャンルで影響力のある媒体を探してアプローチします。
6.特別単価を設定する
多くの成果を出している媒体や、これから強化してほしい媒体に通常より高い報酬を設定する方法があります。
7.セール・新商品情報を共有する
キャンペーンや新商品情報を早めに媒体へ共有すると、記事更新や新規コンテンツ作成につながる可能性があります。
アフィリエイト広告で成果が出ない7つの原因
1.成果報酬が低すぎる
競合案件より大幅に報酬が低ければ、媒体から選ばれにくくなります。
2.商品ページのCVRが低い
アクセスは来ているのに成果が出ない場合、媒体ではなく商品ページ側が原因かもしれません。
3.商品の魅力が弱い
価格や商品内容で競合に負けている場合、広告だけでは成果を伸ばしにくくなります。
4.提携メディアが少ない
アフィリエイト広告は、紹介してくれる媒体が増えて初めて露出も増えます。
5.提携しているだけで掲載されていない
「提携メディア数」と「実際に広告を掲載しているメディア数」は違います。
提携1,000媒体でも、実際に掲載しているのが20媒体なら、本当に見るべき数字は20です。
6.成果承認条件が厳しすぎる
成果の否認が多いプログラムは、媒体側にとって紹介しにくい案件になります。不正成果を承認する必要はありませんが、成果条件を明確にし、合理的に運用することが重要です。
7.ASPへ登録して放置している
アフィリエイト広告は自動販売機ではありません。成果報酬調整、媒体営業、キャンペーン共有、商品ページ改善などを継続する必要があります。

アフィリエイト広告で見るべきKPI
ネットショップ側では、売上だけを見るのではなく、次の数字を確認しましょう。
| KPI | 確認すること |
|---|---|
| 提携メディア数 | 何媒体と提携しているか |
| 稼働メディア数 | 実際に掲載・送客している媒体数 |
| クリック数 | どれだけ送客されたか |
| CVR | 送客されたユーザーが購入した割合 |
| 発生成果数 | 購入等が何件発生したか |
| 確定成果数 | 最終的に承認した件数 |
| 承認率 | 発生成果のうち承認した割合 |
| CPA | 1件獲得するための広告費 |
| 新規顧客率 | 新規購入者の割合 |
| ROAS | 広告費に対する売上 |
| LTV | 獲得顧客が長期的にもたらす価値 |
特に重要なのが稼働メディア数です。
提携メディアが500、1,000と増えていても、実際に商品を紹介している媒体が増えていなければ売上は増えません。
「何媒体と提携したか」ではなく、「何媒体が実際に送客・成果を生み出しているか」を見るようにしましょう。
アフィリエイト広告はCPAだけでなくLTVまで見る
例えば、アフィリエイト経由のCPAが3,000円、初回利益が1,000円なら、初回だけを見ると2,000円の赤字です。
しかし、その顧客が平均3回購入し、最終的に1人あたり6,000円の利益を生み出すのであれば、広告施策として成立する可能性があります。
反対に、CPA1,000円で顧客を獲得できても、利益が500円しか残らずリピートしないなら、広告を増やすほど利益が減る可能性があります。
したがって、CPAが低い=良いアフィリエイト広告とは限りません。最終的にはLTVと利益で判断します。
アフィリエイト広告と景品表示法・ステマ規制
アフィリエイト広告を運用するうえで、現在特に重要なのが広告表示の管理です。
2023年10月1日から、広告であるにもかかわらず一般消費者が広告だと認識しにくいステルスマーケティングは景品表示法の規制対象になりました。
消費者庁は、規制対象となるのは商品やサービスを供給する事業者、つまり広告主側であると説明しています。
アフィリエイターへ「広告だと分からないように紹介してください」と依頼するような運用は避けなければなりません。
また、単に「このサイトはアフィリエイト広告を利用しています」と記載すれば必ず十分というわけではありません。文字の大きさや表示位置などを含め、一般消費者が広告であることを明瞭に認識できる必要があります。
- 広告・PRであることを明確にする
- 禁止表現を媒体へ共有する
- 古いキャンペーン情報を放置しない
- 誇大な表現が使われていないか確認する
- 比較表現の根拠を確認する
- 定期的に掲載内容を確認する
化粧品、健康関連商品など、商材によって別の広告規制も関係する可能性があるため、取り扱う商品に応じた確認を行いましょう。
アフィリエイト広告を始める8STEP
STEP1|商品の粗利と許容CPAを確認する
まず、「1件の新規購入にいくらまで広告費を使えるか」を計算します。ここを決めずに成果報酬を設定してはいけません。
STEP2|成果地点を決める
ネットショップなら商品購入が一般的ですが、会員登録、資料請求、サンプル申込みなどを成果地点にするケースもあります。
STEP3|ASPまたは運用方法を選ぶ
ASPを利用するか、自社アフィリエイトプログラムを構築するかを決めます。
STEP4|成果報酬を設定する
許容CPAとASP手数料から逆算しながら、媒体にとっても掲載するメリットがある条件を考えます。
STEP5|審査・計測設定を行う
ASP審査後、成果を計測するためのタグや連携設定を行います。
STEP6|メディアを募集する
案件を公開し、自社商品を紹介してくれる媒体を増やします。
STEP7|有力メディアへアプローチする
待っているだけではなく、自社ジャンルに強い比較サイトや専門メディアへ提携を働きかけます。
STEP8|成果を分析して改善する
成果報酬、媒体別CVR、承認率、CPA、LTVなどを確認し、運用を改善します。
アフィリエイト広告を成功させるために最も重要なこと
アフィリエイト広告を成功させるには、「ASPへ登録すること」ではなく、媒体側から紹介したいと思われる商品・案件にすることが重要です。
アフィリエイターも限られた時間と掲載スペースの中で案件を選びます。同じ100回のアクセスを送るなら、成果につながりやすく報酬も高い案件を紹介したほうが媒体側にもメリットがあります。
そのため、商品力、商品ページのCVR、成果報酬、承認率、キャンペーン、ブランド認知などを改善する必要があります。
アフィリエイト広告は、広告主とアフィリエイターの双方にメリットがあって初めて継続します。
アフィリエイト広告についてよくある質問
アフィリエイト広告とは簡単にいうと何ですか?
Webサイト、ブログ、比較サイト、SNSなどからユーザーを紹介してもらい、商品購入などの成果が発生した際に成果報酬を支払う広告手法です。
ASPとは何ですか?
広告主とアフィリエイターを仲介し、提携、リンク発行、成果計測、報酬管理などを行うサービスです。
アフィリエイト広告はいくらかかりますか?
ASPによって異なりますが、初期費用、月額固定費、アフィリエイターへの成果報酬、ASP手数料などが発生する場合があります。導入前には各ASPの最新料金を確認しましょう。
成果報酬はいくらに設定すればいいですか?
一律の正解はありません。商品粗利、送料、決済費、ASP手数料、許容CPA、LTVなどから逆算して決めます。
ASPへ登録すれば商品を紹介してもらえますか?
必ず紹介されるわけではありません。媒体側も成果報酬、商品力、CVRなどを見て案件を選ぶため、有力メディアへの提携提案や商品ページ改善が必要です。
ネットショップでもアフィリエイト広告を利用できますか?
利用できます。物販ECは、商品購入を成果地点として成果報酬を設定しやすい代表的な業種です。
楽天市場やAmazonにもアフィリエイトはありますか?
楽天には楽天アフィリエイト、AmazonにはAmazonアソシエイト・プログラムがあります。自社ECがASPへ広告主として出稿する仕組みとは異なる部分があるため、それぞれのサービス内容を確認しましょう。
アフィリエイト広告はステマ規制の対象ですか?
広告主が表示内容の決定に関与するなど、事業者の表示に該当し、一般消費者が広告であることを判別しにくい場合にはステルスマーケティング規制の対象となり得ます。
まとめ|アフィリエイト広告は「ASPへ登録する広告」ではなく「紹介者を増やす広告」
アフィリエイト広告とは、ブログ、Webメディア、比較サイト、SNSなどからユーザーを紹介してもらい、商品購入などの成果に応じて報酬を支払う広告手法です。
成果報酬型であることからネットショップとも相性がありますが、ASPへ登録すれば売れるという広告ではありません。
利益構造を確認する → 許容CPAを決める → ASPを選ぶ → 成果報酬を設定する → 掲載メディアを増やす → 商品ページのCVRを高める → 稼働メディアを増やす → CPA・LTV・利益を確認するという運用が必要です。
特に重要なのは、成果報酬を「競合と同じだから」という理由だけで設定しないことです。
売上が増えていても、商品原価、成果報酬、ASP手数料、送料、決済手数料を差し引いた結果、利益が残っていなければ広告として成功しているとはいえません。
一方で、商品ページのCVRが高く、LTVも十分にあり、媒体へ魅力的な成果報酬を提示できるネットショップなら、アフィリエイト広告は自社だけでは届かなかったユーザーへ商品を広げる有力な集客チャネルになります。
ネットショップでアフィリエイト広告を検討するときは、「どのASPへ登録するか」より先に、「この商品は成果報酬とASP手数料を払っても利益が残るのか」を確認することから始めましょう。