高度プロフェッショナル制度とは 高プロとは メリットと対象者
高度プロフェッショナル制度とは(高プロとは)
高度プロフェッショナル制度とは、主に高度な専門知識を有する専門職に従事している年収の高い人を対象として、労働時間の規制対象から外そうという新しい制度のことです。
高度プロフェッショナル制度は、略して「高プロ」と呼ばれています。
高プロは、労働時間と賃金との関連性において、高プロ対象者は残業代や深夜、休日手当がなくなるということから、「残業代ゼロ法案」や「スーパー裁量労働制」と言って野党が批判していることが目下の争点となっています。
ただし、高プロは、時間や超過手当のような賃金制度の対象外となる代わりに、労働の成果によって賃金を支払う仕組みであり、自由な時間で働くことを認められている一面もあります。
安倍政権が、現在最重要課題として位置付けているのが「働き方改革関連法案」で、2018年5月31日に衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決されました。
高度プロフェッショナル制度は、野党からは「長時間労働を助長し、過労死が増えるのでは?」という反対姿勢が強まっています。
今回は、今現在国会で注目されている高プロ、高度プロフェッショナル制度について考察していきたいと思います。
高度プロフェッショナル制度のメリット
高度プロフェッショナル制度、高プロのメリットとは一体なんでしょうか?
高プロは、突然出てきた制度ではなく、第1次安倍政権が2007年に導入を目指した「ホワイトカラーエグゼンプション」という名称ですでに検討、議論されてきた制度でもあります。
高プロのメリットは、労働者側としては、高い年収(1075万円以上)の高度な専門的知識を有する労働者が、時間に拘束されることなく、自由な時間に労働ができるため、自分の高いスキル、知識、技術を社会に広く活かし、更なる収入の増加を見込めるという点です。
会社側(使用者)の高プロのメリットとしては、高いスキル、知識を有する労働者に成果による報酬を支払うことで、労働時間による手当、休日手当などを支払わなくて済むというコスト面でのメリットがあります。
高度プロフェッショナル制度のメリットは、労働者、使用者の双方にメリットがあり、また、労働者本人の同意の上での雇用契約となるため、あくまでも対象者と会社の労使交渉が前提となりますが、メリットのある制度であると筆者は捉えています。
まぁ、今の筆者は対象者ではないので、実際に高プロの対象者の方の意見を聞いてみたいところですが。
では、次に高プロはどんな条件の労働者が対象となるのかについてご説明いたします。
高度プロフェッショナル制度の対象者
高度プロフェッショナル制度の対象者は、残業代を除いて年収1075万円以上、かつ高度な専門的知識が必要とされる職種に従事する労働者とされています。
具体的な職種で言えば、証券アナリストや研究開発職、コンサルタントなどの職種が高プロの対象者として想定されています。
高プロの制度の適用については、本人の同意や、労使委員会の決議が必要となります。
また、今回提出された法案では、使用者(企業)に対して、高プロ制度の適用者には「年間104日」「4週4日」以上の休日を確保するといった健康確保措置を義務付けています。
高度プロフェッショナル制度の法案が成立した場合、高プロの施行予定は2019年4月とされています。
現在は、年収1075万円以上という対象条件ですが、最終的には対象年収や対象職種は、高プロの法案成立後に、国の労働政策審議会での議論を経てから、厚生労働省の「省令」で定められることになります。
高度プロフェッショナル制度のまとめ
今回は、最近国会で話題となっている高度プロフェッショナル制度(高プロ)について、現在筆者の把握できる範囲で考察してみました。
安倍政権が進める「働き方改革関連法案」は、高い知識とスキルを有する専門職の方のみならず、一般のサラリーマンや主婦といった層においても大きなライフスタイルの変化をもたらす法案だと思います。
サラリーマンのなかには、副業での収入が本業のサラリーよりも大きくなっているという話も非常に身近な場所でも見聞きするようになりました。
働き方改革関連法案により、国としては副業の所得である雑所得での税収増加が見込めるというメリットがあります。
労働者としては、副業により、サラリーに縛られず、自身のスキルや知識、専門性によって、本業以外の場所で生産性のある活動を行う事が可能となります。
その中でも高プロはより年収の高い、専門職の方が対象となりますが、高プロの法案が成立した後には、一般的労働者にも関連する法律、制度ができるのではないかと思います。
雑所得の税率ではかなり高い税金を支払わなくてはならないため、新しい副収入の税制度も作られるかもしれませんね。
今回の記事の内容が高度プロフェッショナル制度(高プロ)について調査されている方の参考になれば幸いです。