Amazonに出店する為の大口出品と小口出品のプランの違いを徹底比較
【目次】
Amazon.co.jpの現状について
2016年のAmazon(日本法人)の売上高は約1.1兆円と発表がありました。
Amazonの日本法人事業は「Amazon.co.jp」のドメインで運営されています。
2017年の7月10日・11日は、世界13か国同時に開催された
「Amazonプライムデー」が話題となりましたが、その流通総額は
21億8000万ドル(約2500億円)とも言われています。
Amazonの主要な顧客は「Amazonプライム会員」で、売上の6割以上を
Amazonプライム会員が作り上げています。
2017年において、Amazonの集客施策としては、Amazonプライム会員を
増やすことを重点的に行っているように思います。
Amazonでは年会費3900円で、プライム便という翌日受け取り可能なサービスが受けられるほか、
一般会員が商品代金2000円以下の場合に送料が必要なのに対して、プライム会員は送料無料となる特典があります。
また、映画が見放題となる「プライムビデオ」、音楽が聞き放題となる「Prime Music」も追加費用なしで利用できます。
日用品のばら売りサービスでもあるAmazonパントリーの利用や
リリース当時大変話題となった「Amazon ダッシュボタン」の利用も
プライム会員は利用可能です。
Amazonでネット販売により大きな売上を狙うには、
いかに「Amazonプライム会員」にアプローチできるかが鍵です。
Amazonに出店するメリット
Amazonにネットショップを出店するメリットとしては
以下のようなメリットがあります。
- 日本国内でもトップクラスの圧倒的な集客力
- 商品さえあれば、即日販売可能
- HTMLなどのスキルなしでネットショップ運営ができる
- 楽天に比べて受注処理が簡易に行える
- FBAを利用すればAmazonが商品を販売代行してくれる
Amazonは、ひとつのネットショップとしては、国内ランキングナンバー1のショップです。
アクセス数だけで言えば、楽天市場よりもAmazonの方が、多いというデータがありますし、その集客力は国内随一です。
また、楽天市場のようにネットショップを「店舗」として構える必要がなく、商品さえ持っていればすぐに販売可能な手軽さも人気の理由です。
FBAというAmazonの倉庫に商品を送り込んで、Amazon.co.jpが販売して発送まで行ってくれるサービスは、販売力のあるAmazonの恩恵を受けられるため非常に強力な販促サービスでもあります。
Amazon出店のデメリット
Amazonはその特異性から、他のショッピングモールとは
少し毛色の違うネットショップ運営のスキルとノウハウが必要です。
Amazonに出品する際のデメリットとして、実際に店舗運営を行っている
現役店長としての立場で、デメリットと感じることをあげてみました。
- あくまでもAmazonの中での販売で店舗の独自性を出せない
- 型番商品は価格競争にさらされやすい
- カート獲得至上主義であること
- 独自商品のアピールがしにくい
- ファッション、グルメやスイーツジャンルが弱い
Amazonと楽天市場の違い
国内最大手のインターネットショッピングモール「楽天市場」があります。
Amazonは、そのライバルとして、楽天市場が引き合いに出されることがたびたびあります。
楽天市場とAmazon.co.jpの一番のちがいは、
「テナント型」か「出品型」かという点にあります。
楽天市場の場合、ネットショップを出店するには以下のプランから選択して
出店申請を行う必要があります。
- ライトプラン
- がんばれ!プラン
- スタンダードプラン
- メガショッププラン
それぞれ、月額固定費や販売手数料などが異なります。
短期出店プランであるライトプランを除けば、
「がんばれ!プラン」が最も月額固定費が安いプランとなります。
一部で楽天市場にもアマゾンのような月額固定費が安いプランとして
「エンパワーメントプラン」なるものが裏メニューとしてあると言われています。
実際のところ、楽天市場において、エンパワーメントプランは存在するようですが、
あくまでも、小口取引を行うような規模感のプランであり、楽天内で月商50万円以上を
目指すのであれば、がんばれプランから始めたほうがよいでしょう。
楽天市場は、ネットショップ、店舗を運営するスタイルで
ネット販売を実施していくことになります。
そのため、ネットショップのデザインや、商品ページの充実度などを
高めていく必要があり、同時に、店舗のオリジナリティを存分に表現できます。
Amazonはといえば、店舗としての出店というよりも、
「商品単位」での出品という印象が強いショッピングモールです。
Amazonに出店しても、自分のオリジナルネットショップ、ショップデザインなどはありません。
アカウントとしての店舗名は存在していますが、あくまでもAmazon.co.jp内に
その店舗名で商品が登録されているだけという印象です。
Amazonのショップ運営ルール上、商品の第一画像は、基本的に白背景色で、文字入れ禁止です。
好みや商品の探しやすさなどに違いはありますが、楽天市場は、
より「店舗カラー」が強く、イベント性、お祭り感があるモールです。
Amazonは、プライムデーの際にも、さほどお祭り感はなく、
あくまでもクールな印象のカタログ的なネットショップといった感じです。
このあたりの差が、Amazonと楽天の印象的な違いといえますが、
モールそのものに対して言えば、楽天市場は「楽天会員」が商品を購入し、
Amazonは「プライム会員」が主に商品を購入するモールです。
人によっては、楽天市場とAmazonの両方で買い物することもあるかと思いますが
全体的な割合でいえば、楽天でよく商品を購入する人は、常に楽天市場でしか商品を買わない傾向があります。
同じく、Amazonも、プライム会員ならなおさら、Amazonでしか商品を購入しない傾向が強くあります。
それぞれモール別に固定客が異なるため、
「楽天市場とAmazonのどちらに出店するのが良いのか?」
というよくある質問については、
「どちらも固定客が異なるため、両方に出店するのがベスト」
というのが現役店長である私の個人的感想です。
Amazon出店プランの比較
Amazonへのネットショップ出店を検討されている方に
小口出品プランと大口出品プランの違いについてまとめました。
小口出品プランとは
- 月額利用料無料で商品を出品できる
- 基本成約料として、注文時の商品1点毎に100円が必要
- Amazonに既にある商品のみ出品可能
- 商品を出品するには1商品ごとに登録が必要(CSV一括アップロード機能なし)
- ショッピングカート獲得は難しい(実質不可能という記載も)
大口出品とは
- 月額4900円の利用料が必要
- オリジナル商品もAmazonに既にある商品も出品可能
- 出品数やカテゴリーがほぼ無制限
- 大量の商品もまとめて出品登録が可能
- データ分析レポートが利用可能
小口出品と大口出品の違い早見表
Amazonの公式サイトに発表されている、小口出品と大口出品の違いについて早見表を掲載いたします。(出典:Amazon|小口出品と大口出品の違いについて早見表)
※2017年8月時点での情報です。最新の情報については公式サイトをご確認ください。
大口出品と小口出品の違い|Amazon
Amazonの販売手数料
大口出品プラン、小口出品プランのいずれの場合でも販売手数料が必要です。
販売手数料は、カテゴリーごとに料率設定がことなります。
Amazonカテゴリー別販売手数料
カテゴリー成約料
料金に含まれるサービス内容について
Amazonの出店プラン比較のまとめ
Amazonでネットショップを開設したい方の参考になればと思い、
今回の記事をまとめてみました。
Amazonは、日本国内の大手ネットショップ、ショッピングモールのなかでは
少し特殊な部類になることがお分かり頂けたのではないかと思います。
また、楽天市場のようなテナント型ではなく、商品出品型のモールであることから
商品さえ用意できれば、販売すること自体は可能ですので、
その手軽さから、「転売」や「せどり」的なネット販売を行う事業主も多数存在しています。
最近では、人気ゲーム機の「Nintendo Switch」の転売や販売詐欺などが横行しており、
Amazonでも出店者の基準を強化しているようです。
また、サラリーマンの副業などでAmazonでのネット販売を利用するケースも
年々増えてきていると言います。
ネットでモノを売ること自体の敷居は非常に低くなりましたが、
ネットで上手にものを売り続けるということ、売上をあげていくということは
年々ライバルが増えるだけに、難易度も上がってきています。
可能であれば、あなたのネットショップでしか販売できないような
オリジナリティあふれる商品を開発して、Amazonなどのショッピングモールでの
販売に挑戦していただきたいと思います。
参考になれば幸いです。