【2021年最新】FBAマルチチャネルサービスとは?メリット・手数料と利用方法
AmazonでFBAを利用している方なら、自社ECサイトの注文などをAmazonの倉庫から発送できる
FBAマルチチャネルサービスが非常に便利です。
物流にかかるコスト面も大きく削減できる可能性があります。
FBAマルチチャネルについて、利用方法やメリット・デメリットなどを現役出店者が解説いたします。
FBAマルチチャネルサービスとは
FBAマルチチャネルサービスとは、Amazonが提供するFBA(フルフィルメントby Amazon)のサービスのひとつで、
Amazon以外のネット注文の出荷にも利用できる便利なサービスです。
例えば自社ECサイトや楽天市場、ヤフーショッピングでの注文の商品の出荷を
FBAマルチチャネルを利用して、Amazonの倉庫から出荷することができます。
FBAマルチチャネルサービスを利用するには、対象となる商品をFBAで出品しておく必要があります。
FBA出品商品の在庫はAmazonフルフィルメントセンターに保管されていますから、
発送は、各倉庫からの直送となります。
FBAマルチチャネルサービスはFBAにて商品を預けている出品者であれば今すぐにでも利用できるサービスです。
FBAマルチチャネル利用のメリット
FBAマルチチャネル利用の最大のメリットはAmazonの物流をそのまま利用することができるという点です。
配送にかかる料金などについても手数料という形で必要ですが、自社で出荷する物流コストと比較した場合、
非常に低価格な手数料で商品を発送できる場合がほとんどです。
また、Amazonの物流を利用しているため、「お急ぎ便」などが利用できます。(追加料金必要)
自社で送り状を作成したり、出荷の荷造りなどを行う手間も削減できるため、
非常に便利なサービスだと思います。
また、FBAマルチチャネルサービスを利用する際に最も気にされる点として
Amazonから出荷しているから、ダンボールの外箱に「Amazon.co.jp」と記載されて届くのではないか?
という懸念があるかと思います。
その点も、FBAマルチチャネルサービスはしっかり考えられており、
基本的に無地のダンボール箱での商品出荷の対応を行っています。
ただし、一部倉庫では、無地のダンボール対応ができない倉庫もあるため、
ダンボール箱については、FBA商品が保管されている倉庫を確認してください。
ちなみに、以下のフルフィルメントセンター(倉庫)は無地ダンボールでの出荷が可能となっています。
- 小田原FC(神奈川 FSZ1)
- 多治見FC (愛知NGO2)
- 川島FC(埼玉 HND3)
- 大東FC(大阪 KIX2)
- 川越FC(埼玉 NRT5)
アマゾンでFBAを利用されている方で、楽天市場や自社ECサイトも運営されている方なら
FBAマルチチャネルサービスを利用することを強くおすすめいたします。
FBAマルチチャネル利用のデメリット
FBAマルチチャネルを利用する際のデメリットとしては、配送会社を選べないという点です。
Amazonでは契約物流会社として、ヤマト運輸か日本郵便のいずれかを利用しています。
また、3辺の合計が160cmを超えるサイズが大きな商品の場合はお届け日時指定便が利用できないというデメリットもあります。
一部のフルフィルメントセンターは、無地のダンボール出荷に対応していないため、
発送時のダンボールが「Amazon」のロゴ入りになってしまうというデメリットがあります。
商品のサイズが大きすぎるものや、メール便対応可能な小さな商品以外は
FBAマルチチャネルサービスを利用することで物流面のコストダウンが図れると思いますので
デメリットはあまりないように思います。
FBAマルチチャネルの手数料
FBAマルチチャネルを利用する際の料金、手数料についてを解説したいと思います。
FBAマルチチャネル手数料=【A】在庫保管手数料+【B】配送代行手数料
- 【A】在庫保管手数料(商品サイズと保管日数に応じた手数料)
- 【B】配送代行手数料(出荷作業手数料+発送手数料)
FBAマルチチャネルサービスの利用には、特別な初期費用や固定費は必要ないため、FBAを利用している店舗であればFBAマルチチャネル手数料のみで利用が可能です。
【A】在庫保管手数料
8.126円 × 商品サイズ(cm³) / (10cm × 10cm ×10cm) × [保管日数/当月の日数]
例えば図のように35.5cm×22.5cm×11.4cm の商品を 30日間預けた場合の倉庫保管料は、
8.126 × {(35.5×22.5×11.4)/(10×10×10)}×(30/30)=73.99円
在庫保管手数料=約74円となります。
物流サービスのなかでも、在庫保管料がここまで安いのはAmazonだけでしょう。
【B】配送代行手数料
【B-1】出荷作業手数
出荷作業手数料は、メディアの場合は、1個83円となります。
メディア以外の小型商品の場合は、1個135円、大型商品の場合は258円となります。
【B-2】発送手数料
発送手数料については、メディアの場合、小型が217円で標準が320円となります。
メディア以外の小型商品の場合、289円、標準商品で397円となります。
大型のサイズの場合、434円~505円、170cm以上の超大型で1157円となります。
お急ぎ便対応の場合は、サイズによってことなりますが、30円~134円程度の追加利用金が必要となります。
一番のメリットとしては、沖縄県や離島というくくりがなく、全国一律料金のため、
遠方への出荷の際にも追加送料などがかからないという点です。
出荷作業の手間を省き、ダンボールなどの梱包資材費から、送料まで
トータルで考えてもFBAマルチチャネルの利用は物流コスト削減のメリットが大きいと言えます。
FBAマルチチャネルの料金表
料金早見フローチャート
無地ダンボールでの出荷について
FBAマルチチャネルサービスでは、2013年9月からAmazon.co.jpのロゴの入っていない無地のダンボールでの出荷対応をはじめ、
現在では、以下のフルフィルメントセンターにFBA商品が保管されていれば、無地のダンボールでの出荷が可能です。
- 小田原FC(神奈川 FSZ1)
- 多治見FC (愛知NGO2)
- 川島FC(埼玉 HND3)
- 大東FC(大阪 KIX2)
- 川越FC(埼玉 NRT5)
(※2016年10月の情報)
FBAマルチチャネルで商品を発送する方法と手順
FBAマルチチャネルサービスを利用するには、Amazonにて大口出品者での出品が必須となります。
Amazonでの出品プランについては以下のページにまとめていますので参考にしてください。
【参考】Amazonに出店する為の大口出品と小口出品のプランの違いを徹底比較
大口出品者で出品しているうえで、FBAの利用を行っている商品であり、
フルフィルメントセンターに在庫がある商品に対して、FBAマルチチャネルサービスを利用した
商品の発送が可能です。
Amazonのセラーセントラル上でのFBAマルチチャネルサービスの利用方法は以下の通りです。
セラーセントラルでFBAマルチチャネルの発送方法と手順
セラーセントラルにログインして、「在庫」>「FBA在庫管理」をクリック
「FBAマルチチャネルサービス依頼を新規作成」を選択
お届け先情報を入力する
伝票にコメントや記載情報があれば「コメント欄」に記載する。
配送についての指示を行い、最終確認して内容確定する
FBAマルチチャネルサービスの利用時の注意点としては、商品を出荷した後に配送先の変更ができないことです。
また、商品のサイズについて3辺の合計が160cmを超える商品については、お届け日時指定便が利用できない点も注意が必要です。
FBAマルチチャネルサービスのまとめ
FBAマルチチャネルサービスはAmazonにてFBAを利用していて、自社ECサイトや楽天市場などにも
ネットショップをオープンしている多店舗展開のEC事業者にはおすすめのサービスです。
何よりもメリットになるのは、Amazonの物流機能をそのまま活かせるという点と、
全国一律の出荷手数料で、商品の出荷が可能になることです。
また、FBAでは商品を保管している間にも保管手数料が必要となりますので
商品を出荷すれば保管手数料が削減できるというメリットもあります。
ダンボールのロゴの問題はありますが、無地で出荷できる倉庫は現在も拡大中です。
納品書などの記載内容も、FBAマルチチャネルの依頼時にある程度カスタマイズできます。
物流各社が配送料金を値上げしている現在、FBAマルチチャネルサービスを利用しない手はないと思います。
参考になれば幸いです。