ネットショップ店長が求める理想の求人像!ネットショップで働きたい人必見!
ネットショップ業界の現状について
ネットショップ業界、EC市場の関連企業に就職、転職を
希望される方に、ネットショップ業界の現状をかんたんに
ご説明したいと思います。
EC市場は、経済産業省の発表では
2015年度のBtoC EC市場の規模は13.8兆円規模に成長しています。
これは、スーパーマーケット市場(13.2兆円)や
コンビニエンスストア市場(10.2兆円)を超える規模です。
成長率で見ると、前年比7.6%増の成長率です。
成長率では、医療用医薬品の前年比8.8%増に次ぐ、
国内市場において、二番目の成長率を誇ります。
非常に成長性の高い市場、業界であることがわかりますね。
直近の報道では、野村総合研究所(野村総研)が
2022年度のBtoCEC市場を26兆円と予測したという発表があり、
まだまだ市場規模の拡大が続くことが予測されています。
それだけ、EC市場、ネットショップ業界は
成長性が高く、多くの企業や投資家の間でも
注目されている業界です。
今回は、この成長性高いEC業界に就職、転職を
希望される方のために、ネットショップ企業に
就職する際に参考となる、業務内容や求める人材像について
現役店長の立場からご紹介していきたいと思います。
ネットショップ運営に必要となる業務について
ネットショップを運営する際に、実際の現場で
行っている業務内容を簡単にご紹介いたします。
仕入れ業務
ネットショップで販売する商品の仕入れ作業です。
販売する商品がなくては、ネットショップを運営することができません。
一般的に、商品を仕入れる人のことを「バイヤー」と呼ぶことがあります。
売れる商品、売れ筋商品を見極めるスキルは非常に重要です。
売れている商品を仕入れるのではなく、
これから売れる商品を仕入れることこそ、重要なポイントです。
商品登録業務
ネットショップに販売する商品を登録する作業です。
主に、商品撮影、商品画像の作成、商品説明のテキスト作成、
商品紹介画像、動画の作成など、作成作業がメインとなります。
また、商品登録を1点ずつ管理画面から行う以外に、
CSVファイルを用いた一括登録を実施する場合があります。
この場合は、主にエクセル上のデータ作成作業がメインとなります。
商品画像を作成するソフトとしては、Photoshopが最も利用されるソフトです。
販売情報登録業務(価格試算)
登録する商品の販売情報をデータベースに登録する作業です。
企業によっては、この業務がシステムに登録されて管理されることがあります。
原価をもとに、販売場所の手数料、送料を加味した販売価格を決定します。
楽天市場などのモールでは競合店舗の販売価格を調査して、価格競争でも
勝負できる価格設定が重要となります。
販促業務(広告・メルマガ・バナー作成)
商品登録後は、ネットショップ上の露出向上をはかるための
広告施策やメルマガ発行を実施します。
またネットショップのページメイン部分にカテゴリーバナーや
販促イベントバナーを設置して顧客誘導を図ります。
顧客対応業務(お問合せ対応・クレーム対応)
ネットショップを運営していると日々顧客からの問合せや
出荷した商品に対するクレームが入ります。
電話での問合せとメールでの問合せの2パターンが主な対応となります。
受注処理業務
実際にネットショップへ注文が入った際に
出荷手配を行うための受注処理を実施します。
楽天市場であればRMSというバックヤードにて
受注処理を行います。
また、多店舗運営をしているショップであれば
受注処理を一元管理ソフトで実施するケースもあります。
売上処理・経理業務
売れた商品に対する、帳簿処理を行います。
主にお金の面の経理処理を経理ソフトにて実施します。
梱包・出荷業務
商品の発送のためのピッキングから
梱包、出荷作業を行います。
ネットショップの規模によっては、
商品を保管している倉庫を所有している場合があります。
その場合は、倉庫でのピッキング、梱包、出荷作業となります。
アフターフォロー業務
商品発送後、顧客へのフォローメール対応や
代引発送の場合は集金管理などが必要となります。
販売後、いかに新規顧客をリピーターへと成長させるかが
ネットショップ運営には非常に重要な施策となります。
現役ネットショップ店長が求める理想の求人像
現役店長である筆者が、実際に現場で求める理想の人材像をスキル別にまとめてみました。
理想の人材像とある通り、各項目について既にスキルを持っていればいうことはないのですが、
知識や技術的なことについては、就職後に習得していくことができると思います。
まずは、就職活動の際に自己PRのひとつとして、
ご紹介するスキルや知識を身に着けることができないかを検討してみてください。
ITスキル・PCスキル
- 画像加工、画像作成ができる
- HTML、CSSの基本が理解できている
- エクセルでデータ作成できる
- 検索対策、SEOに関する知識がある
- マーケティング用語を知っている
販売促進スキル
- 数字に強い、数字を追いかけられる
- 自分で創意工夫ができる企画力
- コピーライティング
- 取引先との交渉ができる交渉力がある
- 市場、市況を見極められる調査力
接客スキル
- コミュニケーション能力がある
- ホスピタリティ意識が高いこと
- メール作成・返信能力が高い
- クレームなど臨機応変に対応できる
- 顧客満足度の向上を目指し続けること
管理スキル
- 自己管理、時間管理ができる
- スケジュール管理ができる
- 進捗管理ができる
- PDCAサイクルを回せる
- 予算管理・広告費用対効果の計測ができる
ヒューマンスキル
- 継続力がある
- チャレンジ精神がある
- 貪欲な成長願望を持っている
- 商品に対する興味を持てる
- 置かれた環境を楽しむことができる
ネットショップ業界の将来性
ネットショップ業界、EC業界は、2017年5月現在でも
右肩上がりの成長を続けている業界です。
楽天市場をはじめ、AmazonやYahoo!ショッピングなどの
インターネットショッピングモールは、流通額を毎年更新しており、
BtoCのEC市場規模は、14兆円を超えて尚、成長を続けている業界です。
大手企業と呼ばれる、一部上場企業各社も
ネット通販事業を拡大する発表は連日のように行われており、
ネット通販なしでは、企業の売上拡大はないとも言われているほど
EC市場は拡大成長の真っただ中にあります。
ただ、EC市場の成長とは裏腹に、
EC事業に携わる人材は慢性的な不足状況が続いています。
理由は、一つだと思っています。
EC業界に携わる人材が不足している理由は、
人材を育成する「場」がないことにあります。
将来性があり、成長を継続している業界でありながら、
その業界を支えるべき「人材の圧倒的不足状況」。
これが、今のネットショップ業界の人材問題です。
もちろん、人材不足以外に、昨今話題となっている
物流の問題もあります。
物流企業も慢性的人手不足と長時間労働が続く勤務状況の
悪化の問題が連日報道されています。
ネット通販市場の急拡大が、リアルの市場でも
大きく影響を与えている現在において、
ネットショップ業界への就職、転職を希望される方は
こうした人手不足問題の解決にも目を向けてもらえればと思います。
ネットショップで働きたい人へ現役店長からのメッセージ
この記事を読んでいただいた方なら、お分かりいただけたことと
思いますが、ネットショップの運営には、
とても多くの知識とスキルが必要です。
求められる人材像のなかのいくつかのスキルが
あれば、ネットショップ運営企業への就職、転職は
引く手あまたの人手不足業界ですから
比較的簡単に就職ができると思います。
ただ、本当の意味でネットショップを運営するということは
ネットショップ運営の全てを経験し、売上目標をたて、
それを達成することを目指して運営活動を実施することだと思います。
小さな企業や個人事業主の方がネットショップを運営する場合、
社長=店長となるケースが多いと思います。
このケースの場合の多くは、ネットショップ運営はうまくいっていないことが多いです。
大手企業で、一つのパートの専門家になることも
ネットショップ企業で働く方法ですが、
総合的なネットショップ運営をするためには、
店長、店舗責任者として、本日紹介した
全ての業務に対応できることが最も望まれる人材像です。
紹介した人材像をクリアすることはとても大変だと思います。
ただ、これがクリアできるなら、将来的には
ご自分で「独立する」ことができることも
念頭に入れておいていただければと思います。
ネットショップの求人像のまとめ
ネットショップを運営する企業、会社への
就職、転職の参考になればという思いで
記事を書いてみましたが参考になりましたでしょうか。
ネットショップ運営業務は、ご紹介したように
複雑なスキルと、多彩な知識、運営の経験などが
求められる総合的な業務レベルが必要となります。
ただし、最初からすべての知識やスキルがある人材など
求職者の0.1%もいないのが現状だと思います。
求められる人材像は、あくまでも「理想像」であり、
大切なのは、就職した後に、いかに「成長する気持ちがあるか」という点に尽きると思います。
業務内容によっては、作業が長時間にわたるため、
残業過多となる業務も多いのが事実です。
EC市場の成長性から、一部のIT企業のような華やかなベンチャーイメージが
ある方もおられると思いますが、その実は、とっても「地味」な業務が多いです。
決して給料水準も高いと言えるものでもありませんし、
しいて言えば勤務時間帯がフレックスタイムな企業がある程度でしょうか。
店長としておすすめできるポイントは、
自分で独立してネットショップ運営を視野にいれている方には
今こそ取り組むべき最良のタイミングであるということです。
国内企業のEC化率は、10%以下の状況ですので、
今後まだまだ資本投下が続く予測です。
3年後、ご自身がどんなステージで、
どんなステップアップを図りたいのかというヴィジョンを
明確にして、ネットショップ企業への就職、転職を
されることをおすすめいたします。
参考になれば幸いです。