ネットショップのメルマガの書き方とテンプレート
ネットショップの運営において、お客様をリピーターに育てる方法で最も有効な方法が「メルマガの送信」です。
メルマガ、メールマガジンは、LINEやFacebook、インスタグラムなどのSNSが流行している現在においても、ネットショップの追客施策としては有効です。
楽天市場
の楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどのイベント時にも、メルマガ配信予約は、セール開始直前からすぐに埋まっていくほど、多くのネットショップ運営者の方が、メルマガの作成、配信に注力し続けています。
今回は、ネットショップの運営において、リピーター育成することにおいてもっとも効果の高いメルマガの書き方を現役ネットショップ店長が紹介いたします。
ネットショップ運営におけるメルマガ配信の意味
この記事を書いているのは2018年6月28日ですが、現在でもメルマガ、メールマガジンという手法は、今から10年前と変わらず沢山のネットショップ、それも売れているネットショップほど、しっかりと定期的にメルマガを配信するという傾向があります。
なぜ、LINEやFacebook、インスタグラムやTwitterといったSNSツールや、スマホアプリが全盛の今でも、メールマガジン、メルマガという手段をネットショップ運営者は利用しているのでしょうか?
ネットショップの注文確認や発送完了のお知らせは、今でこそスマホアプリによるプッシュ通知などでの連絡が可能となりましたが、基本的には、注文時には、楽天市場
などのショッピングモールであれば、モールからの自動返信メールという形式で、注文が完了しましたということを注文者に伝えています。
要するに、メールに関しては、今でも重要な役割を果たすツールとして利用されているのです。
個人ユーザーは、電子メールの利用が減少する傾向にあるのは事実ですが、ビジネスユース、ビジネスシーンにおいては、電子メール、Eメールは、電話と並ぶ普遍的ツールでもあります。
あなたが、お仕事をしていて、朝会社に出社した後、まず何をしますか?
メールのチェックではありませんか?
メールというツールは、今後もビジネスシーンにおいては、今までと同じく利用されるツールであると思います。
ネットショップの注文に関しても、アプリによる通知化が進むことは間違いありませんが、メールがビジネスユースとして残り続ける以上、お問合せの方法などとしては同じく残っていくと思います。
また、メルマガよりもLINEなどのプッシュ通知の方が開封率が高いというデータはありますが、メルマガは必ずしも「開封される必要はない」ということも合わせてお伝えさせていただきます。
メルマガの目的は、セール時などに、メルマガ登録者にネットショップに来店してもらい商品を購入してもらうことは、最良の結果です。
ただし、メルマガには、「定期的にユーザーに接触する」という効果も期待されています。
メルマガを開封しなくとも、メールは相手のメールボックスに届きますから、メールの件名は必ず見ているはずです。
【●●ネットショップ】楽天お買い物マラソンセール開始のお知らせ
という件名でメールが届いたとしたら、ユーザーは「ああ、楽天でセールが開始されたんだな」ということがメール件名からわかります。
また、母の日が近づいた際に、以下のようなメール件名でメルマガを配信したとします。
【●●ネットショップ】母の日ギフトのオススメ商品が出そろいました!
すると、ユーザーは、「母の日、そういえばまだ何も考えてなかったなぁ。ネットで注文しようか」といった感想を持つかもしれません。
この際に重要なのは、メルマガが開封されなくても、受信したユーザーは、【●●ネットショップ】からのメールを受け取っていることを認識しているという点です。
こうして、定期的にユーザーと接触を続けることで、ユーザーは【●●ネットショップ】に対して、好意的な印象を持つようになるというケースがあります。
心理学的な用語で言えば「単純接触効果」と呼ばれる効果で、提唱したアメリカの心理学者の名前をとって「ザイオンス効果」と呼ばれています。
メルマガという媒体を利用して単純接触を繰り返し続ける事で、いざという時にユーザーに思い出してもらえる可能性を高めるわけです。
普段からメルマガを配信していれば、お酒を販売しているネットショップであれば、父の日が近づいてくると、父の日ギフトを探そうという動機であなたのネットショップに来店してくれる可能性が高まります。
こうした理由もあり、メルマガというツールは、今現在においても、色あせることなく売れているネットショップほどしっかりと作成、配信しているわけです。
ネットショップのメルマガの書き方
では、ネットショップが配信するメルマガについて、メルマガの書き方を現役ネットショップ店長が解説していきます。
メルマガといっても何を書いたらいいのか、どうやってメルマガに書く内容を決めたらいいのかということがわかるように説明していきたいと思います。
(1)ペルソナを設定する
メルマガを作成する際に、最初に考える必要があるのが「誰に向けてメルマガを送信するのか」という人物像の設計、ペルソナの設定です。
ペルソナという言葉は良く聞くけれど、具体的にどんな意味なの?という方には以下のページにペルソナについてまとめていますので、こちらを参考にしていただければと思います。
ペルソナとは(persona)
ペルソナとは、簡単に言えば「たった一人の対象者」を想定する事です。
例えば、商品が「介護用紙オムツ」だった場合、ペルソナの設定としては以下のような人物像が想定されると思います。
- 自宅で介護している方
- 介護施設のヘルパー
- 病院などの医療機関の備品担当者
- ドラッグストアなどの仕入れ担当者
介護用紙オムツを購入する動機としては、自分が自宅で使う場合か、医療機関で利用される場合か、販売を目的として仕入れる場合などが考えられます。
ご自身が運営するネットショップが、NETSEA(ネッシー)
などのBtoBのインターネットショッピングサイトであれば、業務用の需要、仕入れ需要が高いと想定されますから、ペルソナの設定も、仕入れ担当者などが想定されます。
一般消費者が多い売場にネットショップを出店している場合などは、一般の利用者をペルソナとして想定することになるでしょう。
メルマガを書く際には、「誰に向けてこのメールを書いているのか?」ということを常に意識して、メルマガを作成されることをおすすめします。
ちなみに筆者の場合は、義理のお母さん(60代・女性・ハンドメイドが趣味・専業主婦)を想定してメルマガを作成しています。
当店のネットショップの利用者層が50代~60代の女性利用者が多い傾向があるので、こうしたペルソナを設定する事で、利用者層と近しい方に合わせた内容のメルマガが送信できるわけです。
メルマガは、配信する際は、1対多ですが、作成しているときは、1対1、たった一人の相手に宛てたメールを作成している気持ちで作ってみると、開封した相手に伝わりやすいメルマガになると思います。
(2)伝えたい情報、テーマ、商品を決める
メルマガを作成する際には、一番の柱となる情報、テーマや商品を決めると、内容がぶれにくくなり、メルマガを開封したユーザーにも内容が伝わりやすくなります。
ただやみくもに「セール開始しました!」といった内容だと、どの商品がお買い得なのか、ということがわかり辛く、商品が羅列されただけのメルマガになってしまいがちです。
もちろん、沢山の商品を見てもらい、その中から希望する商品を見つけてもらいたいという気持ちはどのネットショップ運営者の方も共通の想いだとおもいます。
人間は、何かを選ぶときに「4つ以上になると選べなくなる」という心理的な傾向があるのをご存じでしょうか?
また、二者択一、二つに一つという選択肢も、「もしかしたら余所にもっといい商品があるんじゃないだろうか?」という気持ちになり、これまた選ぶことをやめてしまうという可能性があります。
人間が最も選びやすい数は「3つ」からだというデータがあります。
「マジカルナンバースリー」という言葉で言われることもありますが、人は3つの選択肢があると、最も選ぶのが容易になる、選びやすくなるという心理的な現象です。
ネットショップの商品登録の際に、同じような商品でも価格の違う商品を3種類用意するという手法、「松竹梅の法則」があるのをご存じですか?
例えば、2,000円/5,000円/1万円という三種類の価格設定がなされた、ギフト商品があった場合、大多数のユーザーが真ん中の価格帯、5,000円の商品を選ぶという傾向があります。
ユーザーは自分で選んでいるつもりが、店舗運営者から選ばされているというケースもよくある事例のひとつです。
メルマガ作成の際には、ユーザーが迷うことなく、店舗側が購入してほしい、クリックしてほしい商品をうまく記事のなかに掲載するように心がけてください。
最初に決めるのは、「今回はこの商品をPRしよう」「ポイント還元率をアップしているからそれを知ってもらおう」など、求める結果から決めて記事を作成しましょう。
(3)メール文面を作成する
メルマガを作る際には、いきなりメーラー、メールソフト上にテキストを打つと、内容を考えながら打ち込みするため、非常に時間がかかることがあります。
また、メーラーの場合、何らかの不具合でメールソフトがクラッシュしたりした場合、それまでに記載していた内容が消えてしまうというリスクもあります。
メルマガを作成する際には、まずは、メールの文面を下書きする意味で、テキストファイルなどに書きおこし、テキストファイル(.txt)で保存しておくようにしましょう。
メルマガの下書きを作成することは、次回以降のメルマガを作成する際のテンプレート的な役割も果たす為、時短にもつながります。
まずは、あまり深く考えずに文章を書いていき、後からおかしな文章を添削したり、商品情報を掲載したりという調整を行う方法をおすすめします。
メルマガは最初から完璧に作ろうと思わず、とりあえず書き出してみて、後から不要な文字を削除したりといった調整を行う方が、文章もすらすらと書けるものです。
(4)メルマガ予約システムに配信設定を行う
あなたがメルマガ配信に利用するシステムによって、メルマガの予約方法は変わってきます。
ただ、どんなメルマガシステムを利用する場合でも、やること自体はさほど変わりがありません。
「配信先を決める」「メール件名を決める」「メール本文を記載する」「配信日時を設定する」このあたりがメルマガ配信のソフトで行う作業となります。
楽天市場
の場合、メルマガを作成する方法としては、バックヤードシステムであるRMSを利用することになります。
「メルマガの配信予約はどんなタイミングがいいのか?」
楽天市場などのショッピングモールでは、イベント開始直前、直後が最も良いと言われていますが、この時間帯は多くのネットショップ運営者がメルマガを配信する最も混雑する時間帯でもあります。
メルマガを沢山購読しているユーザーなら、同じ時間帯に複数の店舗から、同じようなメールが届くことになり、結果として効果が薄まってしまうというようなことも考えられます。
メルマガを配信するのに最も良い時間帯というのは、必ずしもセール開始前後とは限らず、平日の昼間でも、午後でも、みてくれる人は何時に送信しても開封してくれます。
メールの良いところは、スマホアプリなどのプッシュ通知と違い、夜中に配信しても迷惑にならないという点です。
LINEなどは、人によっては、LINEにメッセージが届くと「着信音」が鳴るという方もおられます。
その為、夜中12時などにLINEでメッセージ通知すると、夜中に着信音が鳴ってしまい、受信した相手に不快な思いをさせる可能性があります。
もちろん、スマホにはナイトモードがあるので、夜中には通知音がならないという設定にされている方もおられますが、必ずしもそうとは限りません。
あくまでも相手を不快にさせる可能性は徹底排除する事が重要であることを覚えておいてください。
メルマガでも、携帯アドレスへの配信の際には、同じようにあまり夜中などには配信しない方が良いと思います。
(5)配信後、配信状況をチェックして改善点をみつける
多くのネットショップ運営者が、メルマガを配信はしていても、メルマガの効果を測定していないという問題があります。
メルマガを配信した後には、「配信数」「開封率」「送客数」「購入率」などを確認することをおすすめします。
各数値に関しては、配信するメルマガシステムによって、計測できないものもありますが、開封率などはどのメルマガソフトでも確認する事ができると思います。
1000人にメルマガを送信して、10人が開封してくれた場合は、開封率は1%となります。
メルマガを開封してくれた10人の内、3人がメルマガに掲載されている商品の商品ページを閲覧してくれた場合、送客率は3%となります。
メルマガを配信した日の件名によっては、開封率が大きく異なる日も出てくると思います。
【A】という件名の場合、メルマガの開封率が5%だったのに、【B】という件名だと、開封率が10%だったとしたら、【B】という件名には、受信したユーザーが「メールの中身を見てみたい」と思った理由があるはずです。
こうした小さな改善点を確認し、次回以降のメルマガ配信の際に、改善点を反映させるという行為が重要となります。
ネットショップのメルマガのメール例文・テンプレート
では、実際にメルマガのメール例文をご紹介したいと思います。
メルマガの内容自体は、本来店舗毎に異なるため、テンプレート化してもあまり意味がないと思います。
ネットショップによって、扱う商品やジャンルも異なりますし、対象となるユーザーの性別や年齢層も異なります。
そこで、今回はメルマガの例文・テンプレートとして、ネットショップのメルマガを書く際に、どんな体裁で書けばよいかということがわかるようなテンプレートを用意しました。
ネットショップのメルマガで押さえておくべき重要なポイント
ネットショップのメルマガを差癖氏する際に、おさえておくべき重要なポイントを現役ネットショップ店長がご紹介いたします。
ネットショップのメルマガで、現役店長が最も重要だと思う事は、「売り込みをしない(しすぎない)」という事です。
メルマガの送信目的は、「来店して商品を購入してもらうこと」が最終ゴールであることには変わりありません。
最終ゴールは、メルマガを配信した総数の中の1~3%程度が達成できれば、十分な数字だと思います。
それ以上にメルマガを配信する重要な目的が、お客様とつながり続けることにあります。
例え配信したメルマガを開封されないとしても、メルマガ読者のメールボックスにメールが届き続ける限りは、相手との接点がつながり続けていることになります。
人によってはすでにメールボックスさえ見ていないというユーザーもいる為、必ずしもメールボックスがみられているとは限りません。
ただし、現在において、注文の確認メールや商品の発送メールが届いているという実状がある限りは、メールというツールは今後も廃れることなく使い続けられると思います。
筆者ももう10年以上購読し続けているあるネットショップのメルマガがありますが、ここ数年で開封した記憶はありません。
ただ、楽天スーパーセールやお買い物マラソンが開始されると、その店舗からのメールも、やはりメールボックス、受信トレイに届いているのを確認しています。
件名だけは確認して、それで終わっている状態ですが、何かの機会、きっかけがあった時、最初に頭に浮かぶのはそのネットショップだということだけは確信しています。
売り込みの強いメルマガは、受信し続けるのも嫌になるため、メルマガそのものを解除してしまう可能性が高まります。
売り込みが弱いメルマガであれば、受信し続けていても不快感を与えられない為、開封こそしませんが、継続購読される可能性が高まります。
メルマガを配信される際には、売りたいという気持ちは十分に理解できますが、まずは、相手の気持ちになって考え、文章を作成するようにしましょう。
筆者の場合、義理のお母さんへのメールというペルソナ設定をしているため、売り込みよりも、まずは季節の事や、体調のことなどをメールに書くことが増えてきました。
やはり、配信先に「人」がいると、機械的なメルマガにはならず、手紙をつづるような気持ちでメルマガを作成できますね。
ネットショップのメルマガの書き方のまとめ
今回はネットショップのメルマガの書き方として、技術的なことはおいておいて、メルマガを書く際の心構え、書き方の考え方をご説明いたしました。
メルマガの作成には、HTML形式やテキスト形式といった受け取る側の設定によってことなる配信方法がありますが、今回はHTML形式やテキスト形式についての解説は行いませんでした。
HTML形式のメルマガであれば、商品画像や商品説明画像、バナー画像など、画像の掲載が可能となり、メルマガを受け取ったユーザーは、一目で情報が理解できるメリットがあります。
テキスト形式のメルマガは、HTML形式での受信を許可していないユーザーや、携帯、フィーチャーフォンといったデバイスなどでメルマガを閲覧するユーザーに対してテキスト情報で伝えることができます。
多くのメルマガ配信システムでは、HTML形式とテキスト形式の両方を設定する事が前提となるため、HTML形式がいいとか、テキスト形式がいいという話ではなく、どちらも設定するべきだと思います。
メルマガはネットショップ運営者にとっては、ネットショップを利用してくれたお客様とつながり続けることができる有効なツールです。
どんなに新しいSNSやスマホアプリが登場してきても、ビジネスシーンでメールが使われる限りは、メルマガも同じく利用され続けることになるでしょう。
今回の記事の内容が、ネットショップのメルマガの作り方、書き方の参考になれば幸いです。