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EC受注管理をExcelで続ける限界は?CSV・手作業からシステム化すべき7つのサイン

EC受注管理をExcelで続ける限界は?CSV・手作業からシステム化すべき7つのサイン

EC受注管理をExcelで続ける限界は?CSV・手作業からシステム化すべき7つのサイン

EC受注管理をExcelで続ける限界は?CSV・手作業からシステム化すべき7つのサイン

ECを始めたばかりの頃は、受注管理をExcelやGoogleスプレッドシートで行っていても問題なく回ることがあります。

楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどの管理画面から注文CSVをダウンロードし、Excelにまとめて、発送状況や追跡番号を更新する。受注件数が少なく、担当者も1人であれば、この方法でも十分に管理できます。

しかし、売上が増え、店舗数や受注件数が増えてくると、少しずつ状況が変わります。毎朝複数モールからCSVをダウンロードし、同じ注文情報を別の表へ転記し、在庫表を更新し、倉庫へ出荷データを渡し、発送後に追跡番号を各店舗へ登録する。このような作業が積み重なると、大きな負担になります。

ここで問題なのは、Excelを使っていること自体ではありません。重要なのは、注文・在庫・出荷などの業務が分断され、同じデータを人が何度も動かしている状態になっていないかです。

この記事では、EC受注管理をExcelやCSV中心で続ける場合の限界と、受注管理システムへの移行を検討したい7つのサインを解説します。

エビス店長
Excelが悪いわけではありません。受注件数や店舗数が増え、同じ情報を何度も人が動かす状態になったときに、システム化を考えるのがポイントです。

EC受注管理はExcelでもできる

ECの受注管理は、Excelでも可能です。注文番号、注文日、店舗名、商品名、SKU、数量、購入者名、配送先、決済状況、発送状況、追跡番号、備考などの項目を一覧にして管理すれば、受注状況を確認できます。

楽天市場やAmazonなどから注文CSVをダウンロードしてExcelへ取り込み、「未処理」「確認中」「出荷待ち」「発送済み」などのステータスを付けて管理する方法もあります。

受注件数が少なく、店舗数も少ないうちは、Excelの方が使い慣れていて、低コストで柔軟に運用できることもあります。そのため、ECの受注管理にExcelを使うこと自体が問題なのではありません。

問題になるのは、売上や店舗数が増え、Excelへ集める前後の作業が増えたときです。

実際のECでは「管理画面+CSV+Excel」で運用することが多い

ECの受注管理では、Excelだけですべてを処理するというより、各サービスの管理画面とExcelを組み合わせて運用するケースがあります。

たとえば、楽天市場の注文はRMS、Amazonの注文はSeller Central、Yahoo!ショッピングの注文はストアクリエイター、自社ECの注文はカートシステムで確認します。

そのうえで必要な情報をCSVとしてダウンロードし、Excelへまとめて、受注一覧、出荷管理、売上集計、在庫管理、社内共有などに利用します。

この運用で問題が起きやすいのは、Excelではなく、情報の流れが次のように分かれていることです。

工程 よくある管理方法
注文確認 各モール管理画面
注文データ取得 CSV
進捗・集計 Excel
在庫管理 別Excel・別システム
出荷指示 倉庫用CSV
発送後処理 再び各モール管理画面

同じ注文データを人が何度も移動させるほど、作業時間と確認工程が増えていきます。

Excelで受注管理しやすいECの条件

受注管理システムは、すべてのECに必要なわけではありません。次のような環境であれば、Excelやスプレッドシートでも十分に管理できる場合があります。

  • 運営店舗が1店舗中心
  • 注文件数がまだ少ない
  • 受注担当者が1人
  • 商品点数・SKU数が少ない
  • ギフトなど特殊注文が少ない
  • 配送方法がシンプル
  • 在庫管理が複雑ではない
  • 倉庫との連携が不要

Excelで受注管理しやすいECの条件

このような状態なら、毎月システム利用料を払うよりも、Excelを工夫した方が合理的なケースもあります。重要なのは「Excelかシステムか」で考えることではなく、現在の業務量に対して、どちらが効率的かで判断することです。

Excel管理そのものより「業務の分断」が問題

ECの受注管理で負担が増える原因は、Excelそのものより、複数の業務がつながっていないことです。

たとえば、注文確認は各モール、受注一覧はExcel、在庫は別のExcel、出荷指示はCSV、発送確認は倉庫、メールは各モールの管理画面という運用になっているとします。

それぞれの業務だけを見れば管理できます。しかし、一つの注文について、注文情報をExcelへ移す、在庫を変更する、倉庫へデータを渡す、出荷済みに変更する、追跡番号を登録するといった処理が何度も発生します。

さらに複数人で運用すると、「誰が処理したのか」「どこまで終わっているのか」「最新データはどれなのか」を確認する作業まで増えていきます。

受注管理を効率化するときは、Excelをやめることよりも、同じ情報を何回、人が触っているかを確認することが重要です。

EC受注管理をExcelで続ける限界|7つのサイン

① 毎日複数モールからCSVをダウンロードしている

最初のサインは、毎日のCSV作業です。楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、自社ECなど複数店舗を運営していると、それぞれから注文データを取得する必要があります。

さらに、CSVをダウンロードし、不要な列を削除し、列順を変更し、文字形式を調整し、複数ファイルを統合するといった加工を毎日行っている場合があります。

1回10分程度でも、毎日繰り返せばかなりの時間になります。受注管理システムを利用すると、対応している店舗の注文を自動的に一つの管理画面へ集約できるため、この作業そのものを減らせる可能性があります。

毎朝「まずCSVを集める」ことから始まっているなら、自動化を検討する一つのサインです。

② 同じ注文情報を何度も転記している

受注処理の中で、同じ情報を複数のファイルへ転記していないでしょうか。

たとえば、受注管理表、在庫管理表、倉庫への出荷表、請求管理表、売上集計表などです。

注文番号や商品コード、数量、配送先などを何度もコピーしていると、入力作業だけでなく、転記ミスのリスクも増えます。

特に危険なのが、1行ずれる、一部だけ貼り付け忘れる、古いデータをコピーするといったヒューマンエラーです。同じ情報を何度も手で移動している場合は、Excelの使い方を改善するか、システム連携を検討するタイミングです。

③ 「どのファイルが最新版?」が起きている

複数人でExcelを使い始めると起こりやすいのが、ファイル管理の問題です。

たとえば「受注管理.xlsx」「受注管理_最新版.xlsx」「受注管理_最新版2.xlsx」「受注管理_修正版.xlsx」のようにファイルが増えていくケースです。

Googleスプレッドシートなどを使えば、同時編集や最新版管理の問題はある程度改善できます。ただし、それでも受注情報が別システムや別表に分かれていれば、業務全体の分断は残ります。

重要なのは、ファイルを共有できるかではなく、受注から出荷まで同じ情報を一貫して管理できるかです。

④ 在庫更新が受注管理とは別作業になっている

受注表への入力は終わった。しかし、そのあとに楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどの在庫を別々に更新している。この状態は、受注管理と在庫管理が分断されています。

複数モールを運営していると、注文が入るたびに他店舗の在庫を変更しなければならず、更新漏れが起こると売り越しにつながる可能性があります。

この課題は、Excelの関数を増やすだけでは解決しにくい部分です。

⑤ 出荷状況を確認するために人へ聞く必要がある

「この注文はもう発送しましたか?」「追跡番号は登録しましたか?」「この注文だけ止まっている理由は何ですか?」こうした確認が増えている場合も、Excel管理が複雑になっているサインです。

Excelに「未処理」「出荷待ち」「発送済み」という列を作っていても、誰かが更新を忘れれば最新状況は分かりません。

特に、受注担当、倉庫担当、カスタマーサポートなど担当者が分かれてくると、情報共有のための確認作業が増えていきます。本来、受注管理は一覧を見るだけで現在の状態が分かることが理想です。

⑥ 担当者しか分からない関数・マクロ・ルールが増えている

Excelは工夫すれば非常に高機能です。XLOOKUPやVLOOKUP、Power Query、マクロ、VBAなどを使うことで、かなりの作業を効率化できます。

しかし、便利になる一方で、「このファイルは○○さんしか直せない」という状態になることがあります。

作成した担当者が休んだり退職したりすると、どのマクロが何をしているのか、どこを変更すればよいのか、エラーが出たときどう直すのかが分からなくなる可能性があります。

Excelの自動化によって作業時間が減っていても、特定の担当者だけに依存しているなら、属人化という別の問題が発生しています。

⑦ 売上が増えるほど受注処理時間も増えている

最後のサインが最も重要です。

注文数が2倍になると、CSV作業も2倍、在庫更新も2倍、出荷処理も2倍、確認作業も2倍になる。さらに人員を増やさなければ処理できない。この状態では、売上が増えるほどバックヤードコストも増えていきます。

もちろん、売上が増えれば一定の業務量は増えます。しかし、毎回同じ定型処理まで注文件数に比例して増えているなら、自動化できる余地があります。

売上が伸びるほど残業も増える状態になったら、Excelを改善するだけでなく、受注業務そのものを見直す時期です。

注文件数だけで「Excelの限界」を決めてはいけない

「受注が月何件になったらシステムを入れるべきですか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。しかし、件数だけでは判断できません。

同じ1日50件でも、1店舗、商品点数が少ない、配送方法が一つ、特殊注文がほとんどないECと、4店舗、複数倉庫、ギフト注文多数、セット商品多数、複数担当者というECでは、受注処理の負担がまったく違います。

Excel管理の負荷は、次のように考えると分かりやすくなります。

要素 負荷が増えやすい条件
受注件数 毎日の注文が増える
店舗数 複数モール・自社ECを運営
作業工程 転記・加工・確認が多い
担当者数 複数人で受注処理
例外処理 ギフト・特殊配送・個別対応が多い

つまり、受注件数 × 店舗数 × 作業工程 × 担当者数 × 例外処理で負荷を見ることが重要です。

たとえば1日20件でも、複数モールからCSVを集め、在庫を更新し、倉庫へ別形式のCSVを渡しているのであれば、システム化による効果が大きい可能性があります。

反対に1日100件あっても、1店舗で運用が単純ならExcelで問題なく回るケースもあります。重要なのは件数ではなく、1件の注文を処理するために何回、人が情報を動かしているかです。

Excelのまま改善できる範囲もある

Excel管理が少し大変になったからといって、すぐに受注管理システムへ移行する必要はありません。まずは現在のExcel運用を整理することで改善できる場合があります。

CSVフォーマットを統一する

店舗ごとに取得するCSVの列順や項目がバラバラだと、毎回加工が必要になります。取り込み用のフォーマットを決めるだけでも、日々の作業を減らせます。

商品コード・SKUを統一する

同じ商品なのに店舗ごとに商品コードが異なると、在庫・受注・売上集計が複雑になります。可能であれば、店舗間で商品コードやSKUのルールを統一しましょう。

Excelテーブルや関数を活用する

XLOOKUPなどを使えば、マスターデータから商品情報や配送条件を自動表示できます。手入力を減らすだけでも、作業時間と入力ミスを減らせます。

Power QueryでCSV統合を効率化する

毎日同じ形式のCSVを複数取り込んでいる場合は、Power Queryを使って統合処理を効率化できることがあります。

Googleスプレッドシートで共有する

複数人が同じファイルを編集する場合は、クラウド上で一つのデータを共有することで、ファイルの最新版問題を減らせます。

マクロやVBAで定型処理を自動化する

繰り返し行っているCSV整形や集計作業なら、マクロで自動化できる可能性があります。ただし、担当者しか修正できない状態になると属人化するため、手順書や仕様を残しておくことが重要です。

それでもExcelでは解決しにくい業務

Excelは非常に便利ですが、得意ではない業務もあります。

  • 複数モールから注文を自動取得する
  • 注文条件によって自動振り分けする
  • 複数店舗の在庫を自動連携する
  • 倉庫へ自動で出荷指示する
  • 追跡番号を各モールへ自動反映する
  • 注文確認・発送完了メールを自動送信する

これらは、Excelの中だけで完結する作業ではありません。楽天市場やAmazon、倉庫システムなど外部サービスとの連携が必要になるため、受注管理システムの方が適している場合があります。

Excelと受注管理システムの違い

Excelと受注管理システムの大きな違いは、表を管理できるかではなく、外部サービスと連携して業務を自動化できるかです。

Excelと受注管理システムの違い

項目 Excel・CSV運用 受注管理システム
注文取得 CSV・手入力が中心 対応店舗から自動取込しやすい
複数店舗 手動で統合 一元管理しやすい
在庫 別管理になりやすい 在庫連携に対応するサービスがある
ステータス 手動更新 条件による自動処理が可能な場合がある
メール 手動中心 自動送信に対応するサービスがある
出荷 CSV連携になりやすい 倉庫・WMSと連携できる場合がある
追跡番号 手入力・CSV反映 自動反映できる場合がある
属人化 運用ルールに依存しやすい 業務を標準化しやすい

つまり、受注管理システムを導入する目的は、Excelを高機能な表へ置き換えることではありません。モール・在庫・倉庫など、分断されている業務をつなぐことが大きな目的です。

システム化を検討したい10項目

現在の受注業務について、次の項目を確認してみてください。

  • 複数モールを運営している
  • 毎日CSVをダウンロード・加工している
  • 同じ注文情報を複数回転記している
  • 複数人で受注処理している
  • 在庫数が合わないことがある
  • 売り越しが発生したことがある
  • 出荷漏れ・ステータス更新漏れが起きたことがある
  • 特定担当者しか分からない処理がある
  • セール時に残業が大幅に増える
  • 今後さらに受注件数や店舗数を増やしたい

複数当てはまる場合は、一度受注管理システムの費用対効果を確認してみる価値があります。ただし、チェック数だけで導入を決める必要はありません。

現在受注業務に使っている時間と、システム導入によって削減できそうな時間を比較することが重要です。

Excelから受注管理システムへ移行する前に整理すること

受注管理システムを導入すれば、自動的に現在の業務が整理されるわけではありません。むしろ、Excel運用が複雑なままシステムへ移行すると、旧Excelと新システムの二重管理になる可能性があります。

移行前に整理したいのは、次のような項目です。

  • 商品コード・SKU
  • 受注ステータス
  • 決済方法
  • 配送方法
  • 在庫管理ルール
  • 倉庫・出荷方法
  • メールテンプレート
  • キャンセル・返品などの例外処理

特に重要なのが商品コードと受注ステータスです。店舗ごとに商品コードが違う、担当者ごとにステータスの意味が違う状態では、システムを導入しても運用が複雑になります。

まず現在の業務を標準化してから、システムへ移行する方がスムーズです。

EC受注管理システムにはどんなものがある?

EC向けの受注管理・一元管理システムには、GoQSystem、ネクストエンジン、CROSS MALL、LOGILESSなどがあります。

それぞれ、対応モール・カート、受注管理、在庫連携、自動処理、倉庫連携、料金体系などが異なります。

そのため、単純に機能数や知名度だけで決めるのではなく、現在どの店舗を運営しているか、月間受注件数はどのくらいか、どの作業を自動化したいか、今後店舗数が増える予定があるかを整理して比較することが重要です。

GoQSystem・ネクストエンジンへ移行する場合

受注管理システムを比較すると、GoQSystemやネクストエンジンが候補になることがあります。どちらも複数店舗の受注をまとめて管理できますが、料金体系や自動処理、在庫連携などには違いがあります。

そのため、「Excelより便利そうだから」だけで選ぶのではなく、現在手作業になっている部分が実際に自動化できるかを確認しましょう。

EC受注管理をExcelで行う場合のよくある質問

EC受注管理はExcelだけでもできますか?

可能です。受注件数や店舗数が少なく、業務がシンプルであれば、ExcelやGoogleスプレッドシートでも十分管理できる場合があります。

ただし、複数モールや在庫・倉庫との連携が必要になると、手作業が増えやすくなります。

注文件数が何件になったらExcelでは限界ですか?

明確な件数はありません。受注件数だけでなく、店舗数、担当者数、配送方法、特殊注文、在庫管理などによって負担が変わるためです。

件数よりも、同じ情報を何回転記しているか、毎日の定型作業に何時間かかっているかを見る方が重要です。

GoogleスプレッドシートならExcelより長く使えますか?

複数人での同時編集や最新版管理はしやすくなります。ただし、注文取得、在庫更新、倉庫への出荷指示などが手作業のままであれば、業務の分断は残ります。

Excelマクロを使えば受注管理システムは不要ですか?

業務内容によっては、マクロやVBAによってかなり効率化できます。一方、複数モールや倉庫など外部サービスとの連携が必要になると、Excelだけでは対応が難しい場合があります。

また、作成者しか修正できない状態にならないよう注意が必要です。

複数モールでもExcel管理できますか?

できます。ただし店舗数が増えるほど、CSV取得、データ統合、在庫更新、出荷処理などの作業が増えるため、管理負担も大きくなります。

受注管理システムを導入すると何が自動化できますか?

システムによって異なりますが、複数店舗からの注文取込、条件による振り分け、在庫連携、メール送信、倉庫への出荷指示、追跡番号反映などを自動化できる場合があります。

Excelからシステムへ移行するときに一番大切なことは?

現在の業務ルールを整理することです。商品コード、ステータス、在庫、配送方法などが整理されていないまま移行すると、新しいシステムでも複雑な運用が残る可能性があります。

まとめ|Excelの限界ではなく「業務の分断」が限界になる

Excelは、EC受注管理にも使える便利なツールです。小規模なECであれば、ExcelやGoogleスプレッドシートで十分に管理できるケースもあります。

しかし、注文はモール管理画面、進捗はExcel、在庫は別ファイル、出荷はCSV、発送状況は倉庫、メールは各モールのように情報が分散し始めると、売上が増えるほど手作業も増えていきます。

判断すべきなのは、「Excelを使っているかどうか」ではありません。

見るべきなのは、「同じ注文データを、人が何回動かしているか」です。

毎日複数のCSVを加工している、同じ情報を何度も転記している、在庫や出荷状況を別々に確認しているという状態なら、Excelの使い方を工夫する段階から、受注業務そのものをシステム化する段階へ移っている可能性があります。

まずは現在の受注業務を書き出し、どこに手作業が集中しているのかを確認してみてください。そのうえで、複数店舗の注文取込、在庫連携、出荷処理までまとめて効率化したい場合は、受注管理・一元管理システムを比較してみるとよいでしょう。