ワンショットファッション・ワンショット消費とは
ワンショットファッション・ワンショット消費とは
ワンショットファッションとは、ファッションアイテムを購入後、一度着用して、その姿を撮影し、インスタグラムなどのSNSに投稿した後は、メルカリなどでネット販売する一連の消費スタイルのことです。
ユニクロやしまむら、H&Mなど、低価格のファッションを「ファストファッション」と呼んでいましたが、低価格商品よりも、価格が高くてもメルカリなどで販売することを前提としているため、購入の敷居が低くなる傾向にあるようです。
ワンショットファッション、ワンショット消費とも呼ばれるこのトレンドは、若年層を中心にSNSへの投稿を目的としたファッションの新しい消費スタイルが生まれ、広がりを見せ始めています。
ファストファッションからワンショットファッションへと変貌を遂げつつある新しい時代の消費スタイルについて、シェアリングエコノミーなどと合わせてご説明いたします。
SNS普及による消費スタイルの変化
TwitterやFacebookなどのSNSが全盛で流行した時には、まだスマホフリマアプリの「メルカリ」は現在のようにシェアNo.1で、誰でも気軽にネット販売するという時勢ではありませんでした。
現在、インスタグラムなど、若い女性層を中心としたSNSと、フリマアプリ「メルカリ」の二つのアプリのシェアが、最盛期と言えるほど普及しています。
フリマアプリメルカリは、誰でも気軽に商品をネット販売できるアプリです。
これまで若年層は、プチプラと呼ばれる低価格ファッションアイテムを好む傾向が強くありました。
そこから、今度は、「価格が高くても本当にかわいいファッションアイテム」を自分が着用した姿をインスタグラムなどのSNSに投稿することで「いいね」を求めるスタイルが流行しはじめました。
そこに「メルカリ」などのフリマアプリを使い、例えば3万円のワンピースを購入して、一度着用した姿を撮影しインスタグラムに投稿、その後、メルカリで2万2千円で販売した場合、実質「8千円」で3万円のワンピースを購入できたことになるわけです。
こうした若い世代を中心とした新しい消費形態、ワンショット消費は、一種の「シェアリングエコノミー」の考え方に通じるものがあると思います。
所有から共有の時代へ。モノからコト、体験の時代に変わっていくことは避けては通れない時代の大きな流れに感じます。
シェアリングエコノミーの拡大について
総務省のウェブサイトの記載によると、シェアリングエコノミーとは、個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものを含む)の貸出を仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用によって、収入を得られるメリットがあり、借主はそのもの(スキル)を所有することなく利用することができるメリットがあると説明されています。
【参考】第2節 ソーシャルメディアの普及がもたらす変化|総務省
世界におけるシェアリングエコノミーの市場規模は、2013年に約150億ドルの市場規模でしたが、2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みとも言われています。
シェアリングエコノミーの流れは、新しい時代のスタンダードになることが想定されていると言えます。
所有することから、共有すること、体験に消費する時代へと変わりつつある現在において、ネット通販でモノを買うことから、インターネットでモノ(体験)を得る時代へと大きくシフトしていくでしょうね。
ワンショットファッションのまとめ
今回は、インスタグラムへの投稿のための一時的な消費と、それを別のだれかにシェアする新しい消費スタイルとして「ワンショット消費」「ワンショットファッション」について解説いたしました。
シェアリングエコノミー時代の到来により、こうした新しい消費スタイルはますます加速していく事になると思います。
ネット通販事業者としては、商品を購入し所有するという今のスタンダードが終わり、商品やサービスを仲介業者を飛び越えて共有する時代が目の前にやってきていることに危機感も感じています。
薄利多売の時代は間違いなく2025年までには終焉となるでしょう。
大量生産、大量消費から、少量高品質の共有時代へ。
今回の内容がワンショットファッション、シェアリングエコノミーについての参考になれば幸いです。