シェアリングエコノミーとは(sharing economy)
シェアリングエコノミーとは
総務省のウェブサイトによると、シェアリングエコノミーとは、個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスのことと定義されています。
遊休資産の貸主は、遊休資産を活用することによって収入を得ることができます。
遊休資産を借りる「借主」は、貸主が提供する遊休資産を所有することなく利用ができるというメリットがあります。
シェアリングエコノミーでは、貸し借りが成立するためには、貸主と借主の間で「信頼関係の担保」が必要となります。
シェアリングエコノミーは、この信頼関係の担保を、主にソーシャルメディアなどの特性を利用し、貸主と借主の双方の情報交換によるコミュニティ機能を活用することが有効な手法とされています。
今回は、2025年には、約3,350億ドル規模に市場規模が拡大すると言われている「シェアリングエコノミー」について解説いたします。
主なシェアリングエコノミーの事例
日本国内においては、シェアリングエコノミーの考え方は、アメリカと比較するとまだまだ浸透していない傾向にあります。
2017年6月に成立した「住宅宿泊事業法」、民泊新法などを契機に、日本国内でも民泊事業が盛んになる動きがありました。
シェアリングエコノミーの具体的な事例としては、民泊事業やシェアオフィスなどの「スペースを共有する」スペースシェア事業があります。
また、アメリカでは特に市場規模が広がりつつある自動車のライドシェア事業があります。
ライドシェアに関しては、日本ではまだまだ立ち遅れている感が否めません。
2016年以降、政府が掲げている「働き方改革」の影響もあり、個人であっても、本業とは別のスキルを利用したシェアリングエコノミーもクラウドワークス
などを通じて盛んに行われるようになりました。
2018年以降には、モノのシェア、所有することから共有することを目的としたシェアリングエコノミーも盛んになると言われています。
シェアリングエコノミーの分野としては、米国に後れを取っているのは事実ですが、IT関連技術を中心として、日本国内でもシェアリングエコノミーの考え方や、ライフスタイルへの導入は着実に進んでいると思います。
EC市場におけるシェアリングエコノミー
では、EC市場、ネット通販市場におけるシェアリングエコノミーとは、どのような事例があるのでしょうか。
インスタグラムなどのSNSとフリマアプリのメルカリなどの影響もあり、若い女性層では、インスタグラムに写真をアップするためだけに商品を購入し、撮影後はメルカリで販売するという「ワンショットファッション」「ワンショット消費」という新しいライフスタイルも生まれています。
ワンショット消費では、例えば、新品のワンピース(3万円)を購入し、撮影後インスタグラムなどにアップ、その後、一度だけ着用した「新古品」ともいえるワンピースをメルカリやヤフオクなどで2万4千円で販売することで、3万円のワンピースを実質6千円で購入することができるといったライフスタイルです。
インスタグラムなどのSNSは、「インスタ映え」といった流行語にもある通り、いかに「フォロワーにいいねといってもらえるか」を求めるような承認欲求を満たすための利用傾向があります。
シェアリングエコノミーの考え方は、「一時所有」でも「目的(インスタグラムに写真をアップする)」を果たすことが可能です。
しかも、所有するよりもはるかに低コストで実現ができます。
モノのシェアリングエコノミーは、今後EC市場にも間違いなく広がりをみせると思います。
シェアリングエコノミーのまとめ
今回は、2025年に市場規模が約3,350億ドル規模まで成長すると言われている「シェアリングエコノミー」について解説いたしました。
日本では、2020年に東京オリンピックが開催されますが、民泊事業などスペースをシェアするシェアリングエコノミーはますます盛んになると思います。
また、自動車の乗り合いについては、楽天も注力しているUber(ウーバー)などの乗り合いタクシー事業が、日本国内でもサービスを拡大させることが予測されています。
シェアリングエコノミーは、モノからコトへの時代のシフトのムーブメントとして、受け入れていかなくてはならない潮流だと思います。
ECサイトにおいては、Amazonの商品ページの共有のように、ひとつの商品ページで、それぞれの出品者が独自の強みの部分だけを個別にアピールするようなシステムも誕生するのではないかと期待しています。
少子高齢化から超高齢化社会に突入する日本においては、スキルシェアなど労働や技術、知識のシェアリングはより高い価値を持って活用されるべきだと思います。
今回の記事の内容がシェアリングエコノミーについての参考となれば幸いです。