らくうるカートの販促メール配信機能・メルマガ機能のメリット
物流会社の宅配便最大手であるヤマト運輸のグループ会社、ヤマトフィナンシャルが運営するらくうるカート
というサービスがあります。
ネット通販会社では、多くの事業者が、物流会社としてヤマト運輸との契約を結んでいたり、また、ヤマト運輸のクロネコヤマトの宅急便で商品を発送したりしていると思いますが、ヤマトではネットショップの運営サービスも行っているのです。
物流会社であるヤマトが運営する、らくうるカートの新機能である、販促メール配信機能についてメリットなどを現役ネットショップ店長が徹底考察いたします。
らくうるカートとは?
らくうるカート
とは、宅配便取扱数業界ナンバーワンのクロネコヤマトの宅急便でおなじみのヤマト運輸と、ヤマトグループ会社のヤマトフィナンシャルが運営するネットショップの開設サービスのことです。
らくうるカートは、その名前に付けられている「らくうる」の由来でもある「らくに始める」「らくに売る」「らくに買う」という3つ「らく」についての特長があります。
「らくに始める」とは、ネットショップの方向性、コンセプトや、ネットショップで販売する商品のイメージに合わせて、デザインテンプレートやショップのカラーを選んで商品登録するだけで、簡単にネットショップがつくれます。
「らくに売る」とは、ネットショップの運営において、必要不可欠な機能である決済機能や配送を、ヤマトグループのサービスでまとめて管理できるという機能です。
ネットショップを運営する際に、決済機能としてクレジットカード決済は必要不可欠ですが、クレジットカード決済をネットショップに導入する際に、カラーミーショップ
やMakeShop
などの自社ECサイトの場合、イプシロンやペイジェントといったカード決済会社に別途契約する必要があります。
らくうるカートでは、ヤマトのグループ企業である「ヤマトフィナンシャル」で決済対応ができるため、ECサイトの運営を一元管理することができるわけです。
「らくに買う」とは、ネットショップを利用するユーザーに対して、ユーザーの利用シーンを問わずどんな環境からのアクセスでもネットショッピングが楽しめるこをと目的とした最適化対応のことです。
スマートフォンの普及によって、ユーザーがネットショッピングを行うシーンは、自宅のパソコン前だけではなく、通勤や通学途中にスマホから商品を閲覧したり、学校や会社のお昼休みなどにネットショッピングを実施することも当たり前になりました。
またらくうるカートでは、クロネコペイに対応しているため、クロネコペイを利用しているユーザーは、個人情報などの入力なしで注文がかんたんに行えます。
もうひとつ、らくうるカートの強みとして、全国のコンビニやヤマト運輸のセンターなど、約26,000か所以上から商品の受取り場所を選べるという点も非常に便利です。
らくうるカートは、ネットショップの開設から、運営、商品を受け取るシーンまで、ひとつのシステム上で完結できるワンストップさが強みだと言えます。
らくうるカートのメリット
ではヤマトのらくうるカートでネットショップを開設した際のメリットについて、現役ネットショップ店長の目線から分析してみました。
らくうるカートでは先ほども紹介しましたが「らくに始める」「らくに売る」「らくに買う」と、「らく(楽)」をサービスの基幹コンセプトにしています。
ネットショップの開設は、簡単ECサービスのBASE (ベイス)
が出店者数が50万店舗以上を達成したように、利用することが安易であるというのは、複雑なシステムが多いEC業界のなかでも優位性のあるサービスだと思います。
らくうるカートのメリットとして、今回は、3つのメリットに絞ってご説明いたします。
誰でも簡単にネットショップ開設が可能
ネットショップを新規開業する際に、多くの方が不安に思うのが「専門知識がないと運営できないのではないか?」というご不安だと思います。
ネットショップ、ECサイトというと、HTMLやCSSなどのマークアップ言語から、FTPやCSVといったサーバーに関する知識が必要になることも時にはあります。
らくうるカートでは、HTMLなどの知識のない方でもネットショップのデザインをテンプレートから選択したり、カラーを選ぶことで、自分が望むコンセプトにあったネットショップを作ることができます。
また、HTMLやCSSがわかる方なら、HTMLの編集ももちろん可能なので、よりクオリティを重視したネットショップのデザインを作り込むことも可能です。
このあたりの融通が利く点は、リーズナブルに本格的なネットショップを構築できるカラーミーショップ
に似ている感じですね。
また、ページの追加や、ランディングページといった、縦長の商品説明ページもらくうるカートなら簡単に追加できる機能があります。
ネットショップの管理や運営が難しくて挫折した経験があるという方には、らくうるカートは低リスクで再チャレンジできるサービスだと思います。
ECサイトのバックヤード面が統一されている
らくうるカートの一番の魅力が、配送や決済が一元管理できるサービスであるという点です。
通常、楽天市場
やヤフーショッピングなどのショッピングモールにネットショップを出店した場合、配送や決済は別途対応するサービスにCSVなどの出力、エクスポートで連携(手動による連携)を取らなくてはならないことが多いです。
当店でも、受注処理を楽天RMSのなかにあるCSVファイルを元に、ゆうパックの送り状データを作成するためにCSVエクスポートを実施し、ゆうパックの送り状作成サービスの「ゆうプリR」などにインポートして送り状を作成していますが、これが一つ手間になっています。
また、出力内容によって、時にエラーが発生する事もあり、データをCSVで連携していると思わぬトラブルが発生することも否めません。
らくうるカートでは、配送はヤマト運輸、決済はヤマトフィナンシャルが対応するため、どちらもヤマトグループで一元管理できるのです。
外部ソフトによるデータ連携の必要もないため、トラブル発生リスクも格段に低くなり、ネットショップ運営により時間的リソースを投下することに集中できるようになります。
当店の事例ですが、受注処理をGOQシステムというベンダーソフトを利用していますが、このGOQシステムが不安定でよくトラブルが起きるのです。
配送については、ゆうパックなどの送り状データを、受注処理システムのGOQシステムからCSV出力していますが、こうしたデータ連携が煩雑になるというのは、多店舗運営、しかも外部ソフトを使っている店舗さんには共通した課題だと思います。
配送と決済というネットショップ運営における、重要なバックヤードが一つになっている点は、らくうるカートの魅力的なポイントだと思います。
本契約を行う前に無料でサービスのお試し利用ができる
ネットショップを新規開設する際に、リスクとなるのが、利用したサービスが実際には使いにくかった、思った機能ではなかったというミスマッチの発生です。
ネットショップの構築を決めて、実際にサービス契約を結ぶと、サービスの内容にもよりますが、半年~一年の契約となるため、契約してしまうとそのまま半年以上はそのサービスを継続して利用しなくてはなりません。
ネットショップの場合、機能面や顧客データなどの関係で、最初に始めたサービスを途中から引っ越すというのは、非常に手間と時間、そして費用がかかるため、できるかぎり選んだサービスを継続し続ける方が良いです。
ただ、サービスが合うかどうかは、やはり実際に使ってみないことにはわからないのが実状です。
らくうるカート
では、こうした利用者のミスマッチリスクを排除するために、お試し無料期間を用意してくれています。
それも30日間無料で利用できるため、30日間でいろいろ機能を触ってみたり、実際にネットショップをデザインしてみたりして、思い通りのネットショップが構築できるかどうかを調べることができます。
最近では、BASE (ベイス)
のように、最初からずっと完全無料でネットショップを運営できるサービスも増えてきましたが、本格的なECサイト構築の場合は、やはり無料期間の存在はありがたいですね。
らくうるカートの販促メール配信機能のメリット
らくうるカートの販促メール機能とは、一言でいえば「メルマガ配信機能」にほかなりません。
らくうるカートで構築されたネットショップで注文される際に、ユーザーに対して、「メール配信を希望する」のチェックボタンを表示させて、メルマガの購読を促すことができます。
会員の属性(会員・非会員)や、購入した商品別、注文回数や注文金額など条件でセグメントしたメール配信ができます。
日時予約をした配信も可能なため、店舗の独自セールのタイミングなどに合わせてクーポンを付与したメール配信なども行えます。
らくうるカートのメール配信の条件についてですが、レギュラープラン・アドバンスプランでのみ利用できるようで、ライトプランでは利用することができない点には注意が必要ですね。
月間の配信予約可能数は、レギュラープランが1000通、アドバンスプランが3000通となっています。
メールによる集客は、楽天市場
などのショッピングモールでも王道の販促戦略ですかららくうるカートでも活用できることは間違いないですね。
らくうるカートの月額利用料について
では、らくうるカートでネットショップを開設する月額の費用についてご紹介したいと思います。
らくうるカートで最も安いプランは、ライトプランというプランで、初期費用3000円に加えて、月額300円、一年間で3600円というプランが最も安い出店プランです。
ライトプランは、独自ドメインが使えないデメリットがありますが、商品点数は1万点まで登録できますので、商品数としては決して少なくありません。
利用時の手数料が1%かかるのですが、月額300円ですから、非常にコストパフォーマンスは高いですね。
ライトプランはエントリープランでもあるので、制限も多いですが、ネットショップをらくうるカートでためしてみるには良いのではないかと思います。
らくうるカートのもう一つの強み、メリットとして、プラン変更が後からでも可能という点があります。
ただ、やはり本格的にネットショップを運営したいという希望があるなら、最初からレギュラープランでの出店を選択しておくと良いと思います。
らくうるカートに限りませんが、小さな売上、副業レベルでネットショップを構築するなら、BASE (ベイス)
などの完全無料で運営できるECサービスを選んだ方が得策だと筆者は考えています。
結局個人事業主や企業がネットショップ、ECサイトを構築するなら、月商100万円以上を目指さなくては事業として継続が難しいでしょう。
ある程度制限のない、スタンダード的なプラン、らくうるカートでいえばレギュラープランでの出店が企業や個人事業で本気のネットショップを開業するには良いのではないかと思います。
結局ネットショップの売上が増え、軌道に乗ってくると、機能制限がネックになり、プランアップをしなくてはならなくなるケースがほとんどです。
最初の段階では、売れない時期もあるので、出店コストがマイナスになることもありますが、戦略的にネットショップを運営していけば、出店料は早い段階でペイできるようになります。
出店プランについては、十分に吟味してみてください。
また、らくうるカートとは別のインターネットショッピングモールの話になりますが、楽天市場
やAmazonなどに出店中の現役店長として、各売場の比較を下記のページにまとめています。
ショッピングモールへの出店を検討されている方は、是非ご一読いただければと思います。
らくうるカートの販促メール配信機能のまとめ
今回は、ヤマトグループが提供するネットショップ構築サービス、らくうるカート
の新しい機能である「販促メール配信機能」について現役ネットショップ店長が解説いたしました。
らくうるカートは、ネットショップの出店で必要となる固定費を大幅に削減できるリーズナブルな出店プランが魅力ですが、販促メール配信機能をはじめ、新しい機能の開発も順次実施しているサービスですから、今後も成長性は期待できるサービスだと思います。
ヤマト運輸をメインの物流企業として利用されている方で、多店舗運営を実施している方は、らくうるカートについて一度利用検討されると良いと思います。
今回の記事の内容がヤマトのらくうるカートについて検討されている方の参考になれば幸いです。