「ドメインパワーが低いから検索順位が上がらないのでしょうか?」「競合サイトよりドメインパワーが低いのですが、SEOでは勝てませんか?」ECサイトのSEO相談をしていると、このような質問をいただくことがあります。
SEOツールで自社サイトを調べると「ドメインの強さ」を表す数値が表示されるため、その数字が低いと不安になりますよね。競合サイトより大きな差があると、「記事を書いても勝てないのでは?」と思うかもしれません。
ただ、ここは最初に整理しておきたいところです。一般に「ドメインパワー」と呼ばれている数値は、Googleが公開している検索順位の評価点ではありません。
SEO会社やSEOツールが、被リンクなどさまざまなデータをもとに独自に算出している指標です。そのため、ドメインパワーが高ければ必ず検索上位になる、低ければ上位表示できない、と単純に判断することはできません。
一方で、「ではサイト全体の評価や被リンクはSEOと関係ないの?」というと、それも違います。この記事では、ドメインパワーとは何なのか、Google検索との関係、被リンクとの違い、数値を見るときの注意点、そしてECサイトでは何を優先すべきなのかをわかりやすく整理します。
- 1 結論|ドメインパワーの数値を上げることをSEOの目的にしない
- 2 ドメインパワーとは?
- 3 ドメインパワーはGoogleのランキング指標なの?
- 4 では「サイト全体の強さ」は存在しないの?
- 5 ドメインパワーと被リンクは同じもの?
- 6 被リンクは今でもSEOに関係する?
- 7 ドメインパワーを上げるためだけの相互リンクはおすすめしない
- 8 ECサイトはどうやって自然な被リンクを増やせばいい?
- 9 ECサイトならドメインパワーより先に確認したいことがある
- 10 ドメインパワーが低くても検索上位を狙える?
- 11 ドメインパワーを上げるために「やらない方がいいこと」
- 12 ドメインパワーは何のために見る?
- 13 ECサイトのSEO対策全体を知りたい方へ
- 14 ドメインパワーについてよくある質問
- 15 まとめ|ドメインパワーより「紹介される理由」を作ろう
- 16 SEOも含めてECサイトのどこから改善すればいいかわからない方へ
結論|ドメインパワーの数値を上げることをSEOの目的にしない
最初に結論をお伝えすると、ドメインパワーはSEO分析の参考にはできますが、その数値を上げること自体をSEOの目的にする必要はありません。
特に、次のような考え方には注意してください。
| よくある考え方 | 実際の考え方 |
|---|---|
| ドメインパワーが高ければ必ず上位表示できる | 一つの外部指標だけで検索順位は判断できない |
| ドメインパワーが低いと上位表示できない | 低いという理由だけで上位表示を諦める必要はない |
| 被リンクを増やせばSEOに強くなる | リンクの数だけを増やす考え方は避ける |
| 競合より数値を高くすればSEOで勝てる | 検索意図やコンテンツの価値なども含めて考える |
| ドメインパワー=Googleからの評価点 | 第三者SEOツールが独自に算出した指標 |
検索順位は、一つの数字だけで決まるものではありません。ECサイトなら「ドメインパワーをどう上げるか?」だけを考えるより、検索ユーザーが何を求めているのか、その検索意図に応えるページがあるのか、商品やカテゴリまで適切につながっているのかを見る方が重要です。
ドメインパワーとは?
「ドメインパワー」は、一般的にWebサイトやドメインのSEO上の強さを数値化したものとして使われている言葉です。
ただし注意したいのは、すべてのSEOツールが同じ基準で評価しているわけではないことです。各ツールが独自のデータや計算方法によって数値化しているため、あるツールでは高く、別のツールではそれほど高くない、ということもあり得ます。
つまりドメインパワーを見るときは、「Googleがこのサイトを○点と評価している」と考えるのではなく、「このSEOツールでは、このサイトを相対的にこの程度と評価している」と理解しておく方がよいでしょう。
ドメインパワーはGoogleのランキング指標なの?
ここは誤解されやすいポイントです。
一般的なSEOツールで表示される「ドメインパワー」「ドメインオーソリティ」などの数値を、そのままGoogle公式のランキングスコアだと考えるのは適切ではありません。
Google検索にはGoogle自身の検索システムがあり、外部SEOツールはGoogle内部の評価点をそのまま表示しているわけではありません。
そのため、「ドメインパワーが20だから30まで上げれば順位が上がる」「競合が50なので、自社も50にしなければ勝てない」といった使い方は避けた方がよいでしょう。
SEOツールの指標は、あくまで外部からサイトを分析するための参考データとして利用します。
では「サイト全体の強さ」は存在しないの?
「SEOツールのドメインパワー=Googleの評価」ではありませんが、だからといって、サイト全体の品質や信頼性をまったく考えなくてよいという意味でもありません。
Googleの検索システムは非常に複雑であり、外部SEOツールの一つの数値へ置き換えて考えられるものではありません。
実務では、サイト全体として有益で信頼できる情報を提供することは意識する。しかし、それを第三者ツールの「ドメインパワー」という一つの数字だけで判断しない。このように整理するとわかりやすいでしょう。
ドメインパワーと被リンクは同じもの?
ドメインパワーと被リンクは同じものではありません。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 被リンク | 他のWebサイトから自分のサイトへ設置された実際のリンク |
| ドメインパワー | SEOツールなどが独自の方法で算出する評価指標 |
SEOツールによっては、被リンクの数や質などのデータをドメイン指標の算出に利用しています。そのため両者には関係がありますが、同じものではありません。
そして、Google検索においてリンクという仕組み自体がなくなったわけではありません。Googleはリンクをページの発見や関連性の判断などに利用しています。
大切なのは、「被リンクが重要だから、とにかくリンク数を増やせばいい」ではないことです。
被リンクは今でもSEOに関係する?
「昔は被リンクが重要だったけれど、今はコンテンツだけでいい」と聞くことがありますが、これも極端な考え方です。
リンクはWeb上でページ同士をつなぐ重要な仕組みであり、Googleもリンクを利用しています。一方で、Googleは検索ランキングを操作することを主な目的としてリンクを作る「リンクスパム」を禁止しています。
例えば、注意したいのは次のような行為です。
- 検索順位を操作する目的でリンクを売買する
- 商品やサービスの提供と引き換えにランキング目的のリンクを得る
- SEO目的で過剰な相互リンクを行う
- 自動プログラムなどでリンクを大量生成する
- 低品質なディレクトリなどから大量のリンクを作る
- ランキング操作を目的として低価値なコンテンツとリンクを作る
したがって、「被リンクはもう関係ない」でも「被リンクをたくさん集めればいい」でもありません。リンクされる理由のあるサイトやコンテンツを作ることを基本に考えます。
ドメインパワーを上げるためだけの相互リンクはおすすめしない
「相互リンクを増やせばドメインパワーが上がりますか?」という質問もあります。
関連するサイト同士が、お互いの読者に役立つ情報として自然に紹介し合うことまで問題だと考える必要はありません。しかし、SEO評価やドメインパワーを上げることだけを目的に大量の相互リンクを行うのはおすすめできません。
Googleも、過剰なリンク交換や相互リンクだけを目的としたパートナーページなどをリンクスパムの例として挙げています。
「リンクしてもらえるか?」より先に、「このページには、他サイトが紹介したくなる情報があるか?」を考える方が長期的には重要です。
ECサイトはどうやって自然な被リンクを増やせばいい?
ここからがEC担当者にとって重要な部分です。
一般的な商品ページは、他のWebサイトから積極的に紹介される理由を作りにくいことがあります。「商品名・価格・商品説明」だけのページを、メディアや企業が参考資料としてリンクするケースはそれほど多くありません。
そこで、商品を販売するページとは別に、他者が引用・紹介・参照したくなる情報資産を作るという考え方が重要になります。
1.独自アンケート・調査データ
自社の商品カテゴリーについて消費者調査を行い、その結果を公開します。
例えば食品ECなら、「ECで食品を購入するとき何を重視するか」「送料無料と商品価格のどちらを重視するか」など、自社だから調査する意味のあるテーマを考えられます。
独自調査は自社だけが持つ一次情報になるため、他のメディアや企業が記事を書く際の参考資料として利用される可能性があります。
2.自社の販売データ
公開できる範囲で、自社の販売実績や購入傾向を分析する方法もあります。
例えば「年代別に選ばれている商品」「初回購入とリピート購入で人気商品はどう違うか」「季節によって売れる商品はどう変わるか」など、実際の販売データは独自性の高い情報になります。
3.専門家による解説
専門知識が必要な商品を扱っているなら、専門家による解説や監修も情報価値を高める方法です。
誰が書いたかわからない一般論ではなく、その分野の知識や経験を持つ人が具体的に解説することで、読者が情報の背景を理解しやすくなります。
4.独自ツール・診断
料金シミュレーター、サイズ診断、商品選び診断、費用比較ツールなど、ユーザーが実際に使える機能を提供する方法もあります。
「あとでまた使いたい」「同じことで困っている人に教えたい」と思われるページは、通常の商品説明とは違った価値を持ちます。
5.詳細な比較・検証
実際に商品を使った比較、検証方法を明示したテスト、独自の写真や数値を使ったレビューなども、他のページとの差別化につながります。
重要なのは、「被リンク用の記事を作る」のではなく、「他者が参考資料として使いたくなるページを作る」ことです。
ECサイトならドメインパワーより先に確認したいことがある
自社ECのドメインパワーが低いと、どうしても気になると思います。しかし、売上につながるSEOを考えるなら、その数字を見る前に次の状態を確認してみてください。
- 検索されるテーマに対応したページがあるか
- 商品ページに購入判断に必要な情報が揃っているか
- カテゴリページが使いやすく整理されているか
- 記事から商品やカテゴリへ適切につながっているか
- 重要なページへ内部リンクが集まっているか
- 古い・重複したページが大量に残っていないか
- Search Consoleで実際の検索データを確認しているか
ここに大きな問題があるのに、「まずドメインパワーを上げよう」と考えると、改善する順番を間違える可能性があります。
ドメインパワーが低くても検索上位を狙える?
「競合サイトのドメインパワーが自社よりかなり高い場合、もう勝てないのでしょうか?」と心配になる方もいるでしょう。
しかし、第三者SEOツールの数値だけで上位表示を諦める必要はありません。
検索結果を分析するときはドメインパワーだけではなく、次のような点まで確認します。
- そのキーワードにはどのような検索意図があるか
- 現在の上位ページは何に答えているか
- 情報が古くなっていないか
- ユーザーが知りたい情報に抜けがないか
- 自社だから提供できる一次情報はないか
- 実際の経験やデータを追加できないか
例えば大手サイトが上位に並んでいても、その検索テーマについて表面的な説明しかしていない場合があります。そこで実際の販売経験、専門知識、具体例、比較データ、独自調査などを加えることで、別の価値を提供できる可能性があります。
「競合よりドメインパワーが低いから書かない」ではなく、「その検索結果に、自社だから追加できる価値があるか」を考えてみてください。
ドメインパワーを上げるために「やらない方がいいこと」
ドメインパワーという数値を意識しすぎると、本来のSEOから離れてしまうことがあります。
- ランキング目的でリンクを購入する
- SEO目的だけで大量の相互リンクを行う
- 低品質なサイトへ大量登録する
- 自動ツールでリンクを大量に作る
- リンク獲得だけを目的とした低品質ページを量産する
- ドメインパワーの数値だけをSEOのKPIにする
短期的にSEOツール上の数字が動いたとしても、それをもってGoogle検索でサイトの価値が高まったとは判断できません。
ドメインパワーを上げるためにサイトを運営するのではなく、ユーザーに役立つサイトを作り、その結果を確認するための参考指標の一つとして利用するくらいに考えておきましょう。
ドメインパワーは何のために見る?
では「ドメインパワーは見る必要がないの?」というと、そこまで極端に考える必要もありません。
私は、競合調査などで使う参考指標の一つとして見るのがよいと考えています。
例えば同じSEOツールを使って、自社サイトと競合サイトにどの程度差があるのか、どのようなサイトからリンクされているのか、長期間で指標がどう変化しているのか、といった傾向を見る使い方です。
ただし、ここでも大切なのは「ドメインパワー=SEOの成績表」にしないことです。
ECサイトなら最終的に確認したいのは、ドメインパワーではなく、検索結果での表示、クリック、商品閲覧、カート、購入、売上や利益など、事業につながる数字です。
ECサイトのSEO対策全体を知りたい方へ
この記事では「ドメインパワー」と「被リンク」の考え方に絞って解説しました。
実際のECサイトSEOでは、ドメインの指標だけでなく、キーワード選定、商品ページ、カテゴリページ、コンテンツ、内部リンク、サイト構造などを総合的に改善していく必要があります。
ECサイト・ネットショップのSEO対策を最初から整理したい方は「ネットショップ・ECサイトのSEO対策」で詳しく解説しています。
ドメインパワーについてよくある質問
ドメインパワーはGoogle公式の数値ですか?
一般的にSEOツールなどで表示されるドメインパワーや類似指標は、それぞれのサービスが独自に算出する指標です。Google検索の公式評価点として扱うべきものではありません。
ドメインパワーが高ければ必ず検索上位になりますか?
必ず上位になるとは言えません。検索順位を第三者SEOツールの一つの指標だけから判断することはできません。検索意図、ページ内容、サイト構造なども含めて考える必要があります。
ドメインパワーが低くてもSEO対策する意味はありますか?
あります。「数値が低い=検索上位を狙えない」ではありません。自社が価値を提供できる検索テーマを選び、その検索意図に応えるページを作ることから始めてください。
被リンクを増やせばドメインパワーは上がりますか?
SEOツールによって計算方法が異なるため、一律には言えません。また、Google検索順位を操作することを目的としたリンク獲得は避けるべきです。リンク数やドメインパワーを増やすこと自体ではなく、他のサイトから自然に参照される情報を作ることを優先しましょう。
相互リンクはSEOに悪いですか?
自然な文脈で関連サイトを紹介し合うことと、ランキング操作を目的に大量の相互リンクを行うことは分けて考える必要があります。SEOのためだけに大量のリンク交換を行うのではなく、リンク先が読者にとって本当に役立つかを基準に判断してください。
ドメインパワーはどれくらいあれば十分ですか?
「○以上ならSEOに強い」というGoogle公式の基準はありません。また、SEOツールによって算出方法や数値の尺度も異なるため、異なるツールの数値を単純比較することもできません。同じツールを使った競合比較や長期的な変化を見る参考データとして利用するのがよいでしょう。
まとめ|ドメインパワーより「紹介される理由」を作ろう
ドメインパワーは、競合調査などでサイトを比較する際の参考データとして使うことはできます。しかし、ドメインパワーを上げること=SEO対策ではありません。
SEOツールの数値を追いかけるより、検索ユーザーに役立つページを作る、自社にしか出せない一次情報を公開する、専門性のある情報を提供する、他の人が紹介・引用したくなるコンテンツを作る、商品やカテゴリまで使いやすくつなげる。こうした積み重ねを優先した方が、ECサイトにとって意味のある資産になります。
被リンクについても「どうやったらリンクをもらえるか?」だけを考えるのではなく、「なぜ他のサイトが自社を紹介したくなるのか?」から考えてみてください。
ドメインパワーは、その結果を見るための参考指標の一つ。それくらいの距離感で付き合うのがよいと思います。
SEOも含めてECサイトのどこから改善すればいいかわからない方へ
「ドメインパワーを上げるべきなのか」「SEO記事を増やすべきなのか」「商品ページを改善した方がいいのか」。ECサイト全体を見ると、何から手をつければよいのかわからなくなることがあります。
SEOが重要でも、現在の売上ボトルネックが別の場所にあるなら、SEOが最優先とは限りません。
売れるネットショップの教科書では、SEOだけに限定せず現在のECサイトを確認し、どこに売上改善の余地があるのか、何から取り組むべきなのかを整理する無料EC売上診断を行っています。
すべてを一度に改善する必要はありません。まずは現在のECサイトで、一番影響の大きなところから確認していきましょう。