メルカリやフリルなどフリマアプリの手数料の違いやメリットを比較
ネット通販において、CtoC、消費者間取引でもっとも成長が著しいのが「フリマアプリ」市場です。
フリマアプリの中でも、メルカリはシェアNo.1のフリマアプリとして有名ですが、
手軽に利用できるフリマアプリだからこそ、犯罪の温床となっている一面も見えてきました。
今回は、注目のフリマアプリとして、メルカリ、フリル、ラクマ、ヤフオクなどフリマアプリサービスを
現役ネットショップ店長が徹底考察してみました。
それぞれのフリマアプリのメリット・デメリット、販売時の手数料なども比較してみます。
フリマアプリとは
フリマアプリとは、フリーマーケットのような個人間の商取引をインターネット上で
実現できるスマホアプリの事を言います。
フリマアプリはスマホの特性である、カメラ機能やインターネット通信と連携をとることで
商品の写真を撮影した直後に、説明を入力して、すぐに販売開始まで行える利便性の高さが評価されています。
販売価格は出品者が自由に決めることができますが、フリマアプリによっては
販売手数料や決済手数料が必要となります。
主なフリマアプリとしては、「メルカリ」「ラクマ」「フリル」「ヤフオク(フリマ出品)」などがあります。
フリマアプリの比較表
フリマアプリの代表的なサービスを利用機能や販売手数料の面で比較表を作成しました。
メルカリ | フリル | ラクマ | ヤフオク | |
---|---|---|---|---|
利用料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料/月額498円(プレミアム会員費用) |
出品手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
販売手数料 | 10% | 無料 | 無料 | 8.64%/10% |
決済手数料 | 100円(コンビニ/ATM/携帯キャリア決済時) | 100円(コンビニ/ATM/携帯キャリア決済時) | 216円(コンビニ/ATM/ペイジー) | 基本0円(特定カテゴリの場合のみ必要) |
売上金の出金手数料 | 1万円未満の場合210円 | 1万円未満の場合210円 | 1万円未満の場合216円 | Yahoo!マネー→払い出しの場合は2.16%の手数料 |
ポイント | メルカリ限定 | 楽天ポイント | 楽天ポイント | Tポイント |
匿名配送サービス | 対応 | × | × | × |
配送について | メルカリ便の利用が可能 | かんたんフリルパックの利用が可能 | ラクマ定額パックの利用が可能 | ヤフネコパックの利用が可能 |
その他 | フリマアプリシェア1位 | 女性ユーザーが多い | 利用には楽天会員IDが必要 | 利用にはYahoo! JAPAN IDが必要 |
各フリマアプリの特長
フリマアプリの種類もたくさんありますが、その中でも主要なフリマアプリ、ハンドメイド系フリマアプリについて特長をご紹介します。
メルカリ
メルカリは2013年7月にリリースされたCtoC、個人間の取引を中心としたフリマアプリです。
国内におけるメルカリのアプリダウンロード数は2017年6月の時点で5000万ダウンロードを突破したと発表がありました。
メルカリ内の年間流通額は1200億円以上ですから、ヤフオクの8966億円(2016年時)に次ぐ規模となり、フリマアプリ単体としては国内最大規模となります。
今の日本におけるフリマアプリの中心的な存在であり、最も利用されているフリマアプリです。
フリル
フリルは2012年7月にリリースされたフリマアプリです。メルカリよりも1年早くリリースされていた業界先駆けのサービスでしたが、2016年9月に楽天グループになりました。、
日本国内におけるダウンロード数は、2017年9月時点で、850万ダウンロードと発表されています。
フリルの特長としては、販売手数料を無料化したことで、メルカリのユーザーシェアを奪いはじめています。
フリルを楽天グループにした目的としては、自社が元々運営していた「ラクマ」との2本立てで、フリマアプリシェア獲得を狙いつつ、楽天会員IDを増やすことが目的のようです。
ラクマ
ラクマは、2014年11月に楽天がリリースしたフリマアプリです。
メルカリの後追いで始めたフリマアプリサービスでしたが、メルカリとの差は開くばかりで、2016年9月にフリルを買収することになります。
ラクマのダウンロード数は2016年末の時点で約400万ダウンロードと公表されています。
フリル、ラクマともに、販売時の手数料を無料化しており、メルカリとの差別化を強化しています。
ヤフオク
ヤフオクはYahoo!Japanが展開するオークションサービスのことです。オークションサービスですが、メルカリの規模拡大を受けて、「フリマ出品」という機能をリリースしました。
ヤフオクにはもともと「即決出品」という機能があり、出品者が決めた価格での即決販売が可能でしたが、フリマ出品との違いは、出品機能を簡易にしていることと、代金の支払い管理サービスを適用して安心な取引ができることであると公式に記載されています。
ヤフオクでは、プレミアム会員(月額498円)なら、販売手数料は8.64%で、通常会員なら10%が必要となります。
ヤフオクはオークションサイトのイメージが強いですが、アクセス数という意味ではメルカリ以上に強みを持っています。
オタマート
オタマートは、アニメ・漫画・ゲーム・コスプレ・同人誌などのグッズに特化したフリマアプリです。
アニメ関連グッズに特化しているため、ユーザーもコアなユーザーに絞られるため、商品の露出という意味ではメルカリよりも成約率は高くなる傾向にあります。
オタマートでの販売成立時に販売手数料として10%が必要です。また、決済時の手数料として別途100円が必要となります。
minne(ミンネ)
minne(ミンネ)は、ハンドメイド商品に特化したフリマアプリです。
ハンドメイドのオリジナル商品が主要な商品のため、メルカリやラクマ、フリルともことなる、ロハス的雰囲気のあるアプリです。
販売成立時に、10%の手数料が必要です。
ハンドメイドのフリマアプリとしては非常に多い累計700万ダウンロードを突破していますし、運営会社はカラーミーなどのGMOグループが運営しています。
Creema(クリーマ)
Creema(クリーマ)は、minneと同じくハンドメイド系のマーケットアプリです。
全国7万人以上の作家の作品を直接購入でき、約300万点以上の登録があるようです。
累計500万ダウンロードを突破していますから、minneに次ぐダウンロード数を誇ります。
SHOPPIES(ショッピーズ)
SHOPPIES(ショッピーズ)は女の子のためのフリマアプリというコンセプトでリリースされたフリマアプリです。
運営は意外に長く、8年以上の取引実績があります。
登録商品点数は260万点で、主にファッションジャンルの商品が中心です。
販売成立時に10%の販売手数料が必要です。
フリマノ
フリマノは価格コムが主催するフリマアプリです。
フリマノのメリットとしては出品したい商品のバーコードを読み取るだけで商品情報などが自動で入力される点です。
販売成立時には10%の手数料が必要です。
2015年6月にリリースされ、kakaku.comとの連携をメリットとして展開しているものの、メルカリやフリルとの差は非常に大きいという状況です。
フリマアプリの今後の課題
2017年11月14日にフリマアプリのシェアナンバーワンの「メルカリ」が
その仕様についての変更を発表しました。
メルカリでは、一時「現金」を販売するユーザーが多発する問題がニュースでも話題となっていました。
現金を販売とはどういうことかというと、
現金10万円を「12万円」で販売する
という商品出品がメルカリ上で多数行われていたのです。
これは、お金に困ったユーザーが、すぐに現金を手にしたいがために
クレジットカード決済の「ショッピング枠」を利用した、
クレジットカードの現金化にほかなりません。
こうした、一種の貸金業的な取引がメルカリ上でも行われていたことが
社会的にも非常に大きな問題となりました。
そのため、メルカリ側でも、今後の対策として、
メルカリ利用の仕様についてを一部変更することにしたようです。
実際にメルカリが変更を発表した仕様については以下の3つでした。
- (1)初回出品時の本人情報(住所・氏名・生年月日)登録を必須化
- (2)振込申請期限を従来の1年間から90日間へ変更
- (3)売上金を用いた商品購入手順の変更
(1)についてこれまで、身元が明らかでなくとも商品の出品が可能だった点については本人確認を必須項目にしています。
(2)については、売上金の振込期間を短縮することを発表しました。振込申請がなくとも、振込指定口座に強制的に振込を行うと明言されています。
(3)については、これまでは売上金をそのまま別の商品購入の代金として利用できていた仕組みを、一旦ポイントに交換する仕様に変更されるそうです。
全ての仕様についてはその変更時期として、メルカリでは2017年12月上旬頃に実施する予定と明言しています。
メルカリはシェアナンバーワンで取引利用者も多いことから、こうした問題が起きやすい状況にありますが、
これは、メルカリのみならずフリマアプリ市場全体の問題でもあります。
今後、フリマアプリ業界では、他のネット通販と同じく、利用者の身元確認から
出品商品に対する禁止事項の強化、違反商品出品者へのペナルティの強化などが急務となるかと思います。
楽天市場も、数年前までは様々な問題によってバッシングを受けた時期もありましたが
現在は、出店審査にも非常に厳格な審査基準を設けていますし、出店後の商品チェック、
出店者へのクレーム発生時の迅速な情報収集なども精力的に行われていると感じます。
フリマアプリも、今後更なる成長が見込まれる市場ですから、
ルールをより厳しく、監視、運営面もよりコストはかかるでしょうが
強化対応を実施していかなくてはならないでしょう。
フリマアプリとネットショップの違い
フリマアプリとネットショップの違いについては、フリマアプリはCtoC間取引が中心であり、
在庫数などもほぼ、現物1点を販売している場合が多いということです。
ネットショップの場合は、現物1点での販売というのは、ハンドメイド商品などで
1点ものになってしまうケース以外は、ある程度在庫が確保できる商品を
複数並べる事が前提であり、CtoC、BtoC、BtoBなど様々な取引形態が考えられるという点です。
フリマアプリを法人で運営する場合、対象が個人に制限されるような状況になるため
あまり大きな売上につながりにくいというデメリットがあります。
逆に、個人が無料で開業できるネットショップのBASE(ベイス)などでネットショップを開業したとしても
ネットショップへの集客を自分で行わなければ、商品は一つも売れないという状況になります。
フリマアプリは個人が不用品などを販売するのに適している売場であり、法人が商売として出店、出品するのには向かない場所です。
ネットショップの場合は、法人、個人が商売として商品を出品し、顧客の呼び込みを実施することで初めて商品が売れる可能性があるという
ビジネスモデルであり、個人がただオープンしただけのネットショップでは売上はつくれない場所です。
フリマアプリのまとめ
フリマアプリ市場は、メルカリを中心に非常に大きな成長を遂げています。
ネットでモノを売る方法としては、メルカリであれフリルであれヤフオクであれ、
BASE (ベイス)
やWowma!(ワウマ)などであっても同じものを売るという行為には変わりはありません。
売場が違うことで、集客の良し悪しや手数料率の違い、客層の違いなどがあります。
ご自身の売りたい商品は、メルカリなどのフリマアプリで簡単に販売する程度のものなのか、
もしくは、楽天市場などで本格的にネット販売を継続できる商品なのかをしっかりと見極めてください。
多くの個人の場合、メルカリやヤフオクで十分ネット販売ができると思います。
あとは、販売手数料が無料の「ラクマ」や「フリル」は魅力的だと思いますが、
集客面では、まだまだメルカリには遠く及ばない状況でしょう。
参考になれば幸いです。