「ECサイトでは、どんなものが売れるのでしょうか?」「商品を増やしたいけれど、何を仕入れればいいか分からない」。ネットショップを運営していると、こうした悩みに直面することがあります。
ネット通販で売れやすい商品には、いくつか共通点があります。重くて持ち帰りにくい商品、近くのお店にない専門商品、繰り返し購入する消耗品など、お客様がわざわざネットで買う理由がある商品です。ただし、売れやすいことと、利益が残ることは別の話です。
この記事では、EC運営・売上改善を支援してきたエビス店長が、ネット通販と相性のよい7つの商品タイプ、販売時の注意点、需要を調べる方法、利益の見極め方まで解説します。これから商品を増やしたい方も、今ある商品が売れずに困っている方も、自分のお店に置き換えて考えてみてください。
ECサイトで売れやすい商品とは?実店舗との違い
実店舗で購入できる商品が、そのままネットショップでも売れるとは限りません。例えば、お米や飲料をネットで買う人は、持ち帰る負担を減らしたいのかもしれません。専門的な交換部品を探す人は、近くのお店で見つからないため全国の販売店を調べています。
ネット通販が選ばれる理由には、運ぶ手間が省ける、近所では買えない、比較しやすい、人目を気にせず買える、継続注文が便利などがあります。商品を仕入れる前に、こうした理由を説明できるか確認しましょう。
売れる商品と利益が残る商品は違う
需要があっても、仕入れ原価や配送費、販売手数料、広告費が高ければ利益は残りません。特に重量物、低単価商品、価格競争の激しい商品では、売上が伸びるほど運転資金の負担が大きくなる場合もあります。売れる可能性だけでなく、1注文でいくら残るかをセットで評価することが大切です。
楽天市場・Amazon・自社ECでも売り方は変わる
楽天市場ではセールやポイントなどの購入条件、Amazonでは検索時の商品情報や配送条件、自社ECサイトではブランドの世界観や購入後の関係づくりが差別化につながる場合があります。同じ商品であっても、販売する場所とターゲットによって見せ方を変えましょう。
ECサイトで売れるもの7選|ネット通販と相性のよい商品
まずは全体像を比較してみましょう。以下は売上ランキングではなく、ネット通販で購入される理由を作りやすい商品の分類です。
| 商品タイプ | 具体例 | 売れる理由と注意点 |
|---|---|---|
| 重い商品 | お米、飲料、猫砂 | 配送が便利/送料負担 |
| 専門商品 | 工具、交換部品、業務用品 | 実店舗で探しにくい/需要規模 |
| 産地直送品 | 海産物、果物、特産品 | 地域性・鮮度/品質管理 |
| 購入しづらい商品 | 衛生用品、悩みに関する商品 | プライバシー/販売規制 |
| 比較しやすい商品 | 型番家電、日用品 | 価格・条件を比較/値下げ競争 |
| リピート商品 | コーヒー、食品、消耗品 | 継続購入/顧客維持コスト |
| 希少商品 | 限定品、廃番部品、趣味用品 | 入手困難性/在庫・真贋 |
1.重くて持ち帰りにくい商品|お米・飲料・ペット用品
お米や飲料のケース、ペットフード、猫砂などは、持ち帰る負担を減らせることがネット購入の理由になります。消耗品でもあるため、満足してもらえれば再注文につながる可能性があります。
一方で、送料が高くなりやすいのが難点です。ケース販売、複数個のまとめ買い、配送地域ごとの送料設計などを検討しましょう。「送料無料」にしても店舗が負担する配送費そのものはなくなりません。最安値を目指すより、配送の便利さと購入総額の納得感を伝えることが大切です。
2.専門性の高い商品|専門工具・業務用品・交換部品
特殊な工具、機械の交換部品、業務用資材などは、一般的なお店では見つけにくい商品です。必要な人は型番や規格を具体的に検索して探すことがあるため、ネット通販との相性があります。
販売時は型番、寸法、対応機種、使用条件を正確に記載しましょう。専門知識を生かした商品選びの案内や用途別カテゴリも有効です。適合しない商品を誤って購入されないよう、注意事項も明確にします。
3.産地直送・地域限定商品|海産物・果物・特産品
北海道の海産物、地域限定の果物、京都の伝統食品などは、現地に行かなくても購入できることが価値になります。産地の写真や生産者の考え方、収穫・製造の背景を丁寧に伝えると、価格以外の購入理由を作れます。贈答品としての需要も検討できます。
生鮮食品では冷蔵・冷凍の必要性、賞味期限、配送できる地域、天候による出荷変更に注意しましょう。食品の許認可や表示ルールは商品・販売形態によって異なるため、販売前に必ず確認してください。
4.店頭で購入しづらい商品|衛生用品・悩みに関連する商品
人目を気にせず選びたい衛生用品や身体の悩みに関する商品は、自宅で比較して購入できることに利点があります。商品説明に加え、梱包方法や送り状の品名、販売者情報を分かりやすく伝えることが安心につながります。
ただし、医薬品などの販売には資格や許認可が必要となる場合があります。また健康関連商品の広告では、薬機法や景品表示法などを確認し、効果を保証するような表現は避けましょう。
5.価格や購入条件を比較しやすい商品|家電・日用品・型番商品
メーカーや型番が決まっている家電や日用品は、価格、送料、納期、ポイントなどを比較して購入されやすい商品です。その一方、まったく同じ商品を扱う競合が多い場合、安売り競争に巻き込まれやすくなります。
価格以外に、付属品とのセット販売、詳しい選び方、迅速な配送、購入後の相談対応などで価値を作れないか検討しましょう。安さを訴求するときも、手数料・送料込みで採算が合うことが前提です。
6.繰り返し購入される商品|食品・日用品・消耗品
コーヒー、ペット用品、食品、洗剤、業務用消耗品などは、使い切った後の再注文が期待できる商品です。一度購入した方が迷わず再注文できる導線を作れれば、継続的な売上に結び付く可能性があります。
必ずしも定期購入を導入する必要はありません。購入履歴からの再注文、消費周期に合わせた案内、まとめ買いなども選択肢です。定期購入を扱う場合は、価格、配送周期、解約条件などを明確に表示しましょう。
関連して、継続購入の収益性を評価するにはLTV(顧客生涯価値)の考え方も重要です。初回の赤字を将来の購入で回収できると安易に想定せず、実際の再購入率と費用を確認しましょう。
7.希少性・限定性のある商品|限定品・専門パーツ・コレクター商品
限定品や廃番部品、専門的な趣味用品などは、全国から必要としている購入者に見つけてもらえることがネット通販の利点です。ただし、珍しいことと需要があることは別です。過去の取引価格や購入希望者の存在を調べてから仕入れましょう。
中古品では商品の状態、傷、付属品、動作確認を正確に掲載してください。ブランド品の真贋、知的財産権、古物商許可などにも注意が必要です。
売れやすい商品の共通点5つ
1.購入する理由が明確になっている
お客様が商品を購入してどのような便利さや価値を得られるかを説明できることが重要です。「人気」「安い」だけでなく、配送の便利さ、専門性、独自性など、選ばれる理由を整理しましょう。
2.誰に必要な商品なのかが分かっている
「誰にでも便利」よりも「一人暮らしの料理時間を短縮したい人向け」など、用途が伝わる表現が役立つ場合があります。ただし、ターゲットを絞りすぎて需要が小さくならないかも確認しましょう。
3.競合商品との違いを説明できる
品質、デザイン、セット内容、使い方の案内、配送やサポートなど、競合と異なる価値を明確にします。商品そのものが同じでも、選びやすさや購入後の安心感に改善の余地はあります。
4.購入前の不安を解消できる
サイズ、適合機種、納期、送料、返品条件などの疑問を商品ページで解消しましょう。高額商品や専門商品ほど、購入前に確認したい情報が増える場合があります。
5.送料や手数料を引いても利益が残る
売上だけでなく、原価、物流費、販売手数料、広告費、返品費用などを含めた収益性を確認します。販売数が増えたときに利益も増える設計になっているかが大切です。
売れると思って仕入れると失敗しやすい商品
人気はあるが価格競争の激しい商品
ランキング上位やSNSで話題の商品は競合も集まりやすく、仕入れ条件の悪い店舗が値下げ競争に参加すると利益を確保しにくくなります。市場の人気だけでなく、自社の仕入れ価格と差別化策を確認してください。
送料や梱包費が利益を圧迫する商品
大型・重量物、割れ物は送料や梱包資材が高くなりがちです。商品サイズではなく、実際の梱包後のサイズと重量で見積もりましょう。
販売時期が限られ、在庫が残りやすい商品
季節商品や流行商品は売れる時期を過ぎると急に需要が落ちる場合があります。仕入れ数量、保管費、シーズン後の値下げリスクを踏まえて判断しましょう。
返品・品質管理に費用がかかる商品
アパレルのサイズ違いや精密機器の不具合、破損しやすい商品では、返品や交換の負担が生じます。サイズ表、検品、梱包を整えることで軽減できるか検討してください。
販売規制や表示ルールへの対応が必要な商品
食品、化粧品、医薬品、電気用品、酒類などは、販売に許認可や表示義務が生じる場合があります。仕入れる前に必要な制度を確認しましょう。
売れる商品を見極める5つの調査方法
1.楽天市場・Amazonの売れ筋ランキングを確認する
売れている商品の価格帯、容量、セット内容、レビュー数などを見て、市場で選ばれている条件を調べます。ただし、上位の商品をそのまま仕入れても、同じように売れるとは限りません。需要の傾向と競争状況を把握するために利用しましょう。
2.Googleトレンドで季節変動を調べる
Googleトレンドでは、検索キーワードへの関心が時期によってどう変化するかを確認できます。「母の日 ギフト」のように季節性があるテーマと、年間を通じて調べられているテーマを比較するのも参考になります。ただし、検索関心の相対的な変化であり、実際の販売数量を示すものではありません。
3.検索キーワードから購入者の悩みを探る
例えば「ペットフード」よりも「高齢犬 小粒 フード」のような具体的な検索語には、購入者の目的が表れていることがあります。関連検索語や検索結果を確認し、どんな用途・条件で商品が探されているのか整理しましょう。
4.競合レビューから不満や改善余地を探す
「サイズが分かりにくい」「説明書がない」「少量サイズが欲しい」といったレビューは、商品の改善や売り方のヒントになります。ただし、個別の意見だけで決めず、複数のレビューを見て傾向を確認してください。
5.少量販売で需要・利益・返品率を検証する
いきなり大量に仕入れず、小ロットで販売して反応を見る方法もあります。アクセス数、購入率、広告費、利益、返品理由まで確認すると、需要が弱いのか、商品ページに改善余地があるのかを判断しやすくなります。
具体的な商品の選び方を初心者向けに整理した記事は、ネットショップで何を売る?初心者向けの商品選びも参考にしてください。本記事では主に、ECで購入されやすい商品の特徴と既存商品の見極め方に焦点を当てています。
売れる商品でも赤字になる?利益を確認する計算方法
商品選びでは販売価格から仕入れ原価を引くだけでなく、送料・梱包費・手数料・広告費などを含める必要があります。ここでは同じ価格で販売する2商品の例を比較してみましょう。
| 項目 | 商品A | 商品B |
|---|---|---|
| 販売価格 | 3,000円 | 3,000円 |
| 仕入れ原価 | 1,200円 | 900円 |
| 送料・梱包 | 700円 | 300円 |
| 販売手数料 | 300円 | 300円 |
| 広告費 | 500円 | 500円 |
| 差引額 | 300円 | 1,000円 |
※金額は説明用の仮定です。人件費、固定費、税金、返品対応費などは含みません。同じ3,000円の商品でも差引額は700円違います。100個売れた場合、差引額は商品Aが3万円、商品Bが10万円です。
限界利益と固定費を分けて考える
限界利益は、売上から注文数に応じて発生する変動費を引いた金額です。仕入れ原価や注文ごとの配送費などが代表例ですが、広告費は運用方法によって固定的に発生する部分もあるため、店舗の実態に合わせて整理しましょう。限界利益がプラスでも、固定費を引くと赤字になる場合があります。
利益率が低くても販売する意味がある場合
関連商品の追加購入や再購入が見込める場合、初回購入だけで判断しない方法もあります。ただし、リピートへの期待だけで赤字販売を続けるのは危険です。実際の購入頻度や顧客獲得費用を使って評価しましょう。広告の採算確認にはROAS・ROIの違いと計算方法も参考になります。
エビス店長が考える「売れる商品」と「売れる売り方」の違い
ここまで商品そのものの特徴を紹介しましたが、商品に需要があっても、売り方に問題があれば購入につながりません。私が売上改善の相談を受けるときは、まず「商品を変えるべきか」よりも「今の商品のどこで購入を逃しているか」を考えます。
商品ページで価値が伝わっているか
サイズ、用途、対応機種、食品の内容量や保存方法など、購入判断に必要な情報が不足していないか確認しましょう。商品写真、FAQ、比較表などを追加するだけでも、お客様の不安を減らせることがあります。
価格以外の購入理由を作れているか
専門的な選び方の案内、セット提案、ギフト対応、購入後の相談など、店舗独自の価値を作れないか考えます。どこでも買える商品だからこそ、購入しやすさや安心感が違いになる場合があります。
すべての商品ではなく、伸ばせる商品を優先する
アクセスは多いのに購入されない商品は、価格や商品ページ、配送条件を見直す候補です。アクセスは少なくても購入率が高い商品なら、集客強化に可能性があるかもしれません。商品点数を増やす前に、既存商品のアクセス・購入率・利益を確認しましょう。
売れないときは原因を分けて判断する
商品が売れない理由には、需要不足、集客不足、商品ページの説明不足、価格や送料の不利などがあります。それぞれ対処法が違うため、原因を確かめずに仕入れ商品を入れ替えるのはおすすめしません。必要なら、販売をやめる判断も含めて検討します。
店舗全体の改善手順を詳しく知りたい方は、ECコンサルティングの解説も参考にしてください。
ECサイトで売れる商品に関するよくある質問
ネットショップで一番売れる商品は何ですか?
すべての店舗に共通する一番売れる商品はありません。需要の大きさだけでなく、競合、価格帯、販売場所、仕入れ条件などで結果は変わります。ランキングを参考にしつつ、自社で利益を残せるかを確認してください。
競合が多い人気商品でも売れますか?
売れる可能性はありますが、価格競争になりやすい場合があります。セット内容や配送条件、商品説明、サポートなど、他店との差を作れるかが重要です。
利益率が高い商品ほどおすすめですか?
利益率だけでは判断できません。販売数量が少ない、在庫が長く残る、返品が多いなどの事情もあります。利益額、在庫回転、継続需要まで合わせて考えましょう。
仕入れ商品とオリジナル商品はどちらが有利ですか?
仕入れ商品は既存需要を確認しやすい一方、同じ商品を扱う競合がいることがあります。オリジナル商品は差別化しやすい反面、開発費や製造ロット、品質管理が必要です。資金と運営体制によって適切な選択は変わります。
売れない商品はすぐ販売をやめるべきですか?
まず需要、アクセス、購入率、利益、在庫状況を確認しましょう。改善余地があれば売り方を見直し、需要や採算に問題がある場合は販売終了も検討します。
まとめ|売れる商品を探すより「自社が売れる理由」を見つけよう
ネット通販で売れやすいのは、重くて持ち帰りにくい商品、専門商品、産地直送品、店頭で買いづらい商品、比較しやすい商品、リピート商品、希少商品などです。共通しているのは、お客様がネットで購入する明確な理由を作りやすいことです。
ただし、需要があるだけでは十分ではありません。商品が見つけられるか、魅力が伝わるか、安心して買えるか、利益を確保できるかまで確認しましょう。新しい商品を仕入れる前に、今のお店の商品にまだ伸ばせる余地がないかを見直してみてください。
商品選び・売上改善で悩んだら無料EC診断へ
「商品には自信があるのに売れない」「新商品を増やすべきか迷っている」「売上はあるのに利益が残らない」。そんなときは、商品そのものだけでなく集客、商品ページ、送料、購入導線まで整理すると、改善の優先順位が見えてきます。
売れるネットショップの教科書では、ECサイトの状況を確認する無料EC診断を受け付けています。今ある商品の可能性を一緒に考えてみませんか。