楽天EXPO2018レポート!楽天GOLDが刷新される?楽天ゴールド変更の内容とは?
2018年7月17日(火)に楽天市場
に出店する店長や店舗担当者が集う夏のイベント、楽天EXPO2018が東京で開催されました。
楽天EXPOでは、楽天の社長である三木谷さんの基調講演で発表される内容にいつも注目が集まりますが、今回の楽天EXPOでは三木谷社長は一体何を語ったのでしょうか。
今回は、楽天EXPO2018の中で語られた楽天市場のバックヤードの改革とも言える「楽天GOLDの刷新」について具体的な改変内容を現役楽天店長が解説いたします。
楽天市場の楽天GOLDとは?
楽天GOLDとは、楽天市場に出店している店舗に対して、楽天が用意したウェブサーバー領域のことを言います。
楽天GOLDを利用するには、事前にRMSから楽天GOLDの利用申請が必要ですが、特に追加費用などは発生しません。
楽天市場
に出店している店舗さんで、ウェブサーバー領域である楽天GOLDを使われたことがないという店舗さんも大勢いらっしゃいます。
楽天ゴールドを利用するには、FTPクライアントソフトというウェブサーバーに接続するためのソフトウェアの利用が必須となります。
FTP接続には、代表的なフリーソフトとしては、FFFTPやWinSCPなどのソフトウェアがあります。
ホームページをご自身で管理されている方なら、FTPにもなじみがあると思いますが、一般的な店長さんはFTPがなんなのか良くわからないという方の方が多いように思います。
楽天GOLDを使うと何ができるのかというと、ウェブサーバー領域を使えるようになるため、独自のHTMLファイルなどの設置が可能となります。
よく楽天市場の店舗さんで、受注情報がリアルタイムに動いているページや、バナーなどが動いているページを見たことが無いでしょうか?
ちょっと動作するようなHTMLを設置するには、楽天GOLDの利用が必要となります。
また、楽天GOLDを利用することで、楽天市場の画像保管場所であるcabinet(キャビネット)にFTP経由で直接画像をアップロードする事が可能になります。
商品画像数が数百~数千枚ある店舗さんの場合は、画像登録だけでも非常に時間のかかる作業となりますから、楽天GOLDの利用は必須といってもいいかもしれません。
楽天GOLDとFTPについては以下のページに詳しくまとめていますのでこちらも参考にしていただければと思います。
楽天GOLDを刷新、改変する理由
楽天EXPO2018の中で発表された、楽天GOLDの刷新についてですが、なぜこの度楽天GOLDの内容を刷新しようと楽天は考えたのでしょうか?
楽天EXPO2018では、楽天GOLD刷新の理由として、3つの観点から課題解決を目的に楽天GOLDを改変する事を明言しました。
ひとつ目は、楽天市場
を利用するユーザーからもよく言われていた「楽天市場は商品が探しにくい」という問題を解決するためだそうです。
二つ目は、スマホページのデザインが、店舗毎にバラバラになっているため、楽天を利用するユーザーにとっては、混乱しやすい要因となっていることを改善するためだそうです。
確かに、楽天市場のスマホページは、スマホアプリページを含めて、店舗によってデザインレイアウトが異なりますし、GOLDをうまく活用している店舗の商品ページの場合、スクリプトなどのプログラムを利用して、動作するページを作っていたりと、レイアウトに共通性がありませんでした。
三つ目は、主にセキュリティ面での課題があるためとのことでした。
確かに、現状の楽天GOLDでは、プログラミングの知識が少しでもある方なら、Javascriptを利用して、悪意のあるプログラムを差し込む行為自体が可能と言わざるを得ない状況です。
その為、店舗によっては、スクリプトを利用したスライドバナーを設置したり、商品が自動的に複数表示されるような仕組みをインラインフレームというHTMLのタグで設置したりということが、誰でもできてしまう状況にあります。
こうした3つの観点から、今回、楽天GOLDが進化という意味で、刷新されることになるようです。
楽天GOLDの具体的な変更内容
楽天GOLDの具体的な刷新内容としては、これまでの楽天GOLDで非常に自由度が高かったことによる店舗側の無制限の施策を、統一規格を設けることである程度制限を加えていくようです。
その目的は、ユーザビリティの向上とセキュリティ対策のためだと考えられます。
レイアウトなどを統一化して、自由度を減らす結果となるものの、楽天市場のモールとしての統一性のあるUI・UXを実現させる方向性で改変されていくようです。
また、これまで楽天GOLDを使用していた店舗は、RMSによるアクセス解析、分析ができないというデメリットがありましたが、今回の楽天GOLDの刷新により、R-Datatoolに対応するとのことでした。
店舗ページへのアクセス数の解析ができる楽天GOLDですから、、これについては進化といえる改変だと思います。
楽天GOLDを店舗で触るには、HTMLやCSS、FTPなど、ウェブサイト構築に関する知識と技術が必要となるため、専門的な知識のある担当者や外部スタッフでなければ触ることが難しい領域でした。
また、楽天の店舗運営を支援するベンダー企業やコンサル会社なども、楽天GOLDを利用したサポートを行っているケースが多い為、楽天GOLDの刷新についてはベンダーとの協議も必要になってくると思います。
新楽天GOLDに刷新されるのは、直近の話ではなく、部分改修的に、2020年頃まで継続開発されるのではないかと筆者は予測しています。
楽天GOLD刷新のまとめ
今回は、楽天EXPO2018のなかで発表された、バックヤード面の改変で非常に注目されている楽天GOLDの刷新について現役楽天店長が解説いたしました。
楽天GOLDは、売れているネットショップであれば、有効活用されている機能であり、これまでHTMLなどの面では非常に自由度の高い対応ができていたありがたい仕組みでした。
その自由度の高さが、あだとなり、楽天市場の利用者には、統一感のないインターフェイスに感じられることもありました。
今回発表された、楽天GOLDの刷新は、ベンダー企業やコンサルティング会社など第三者にも大きな影響を与えるため、先に発表された商品画像登録ガイドラインの必須化よりも時間がかかる問題だと思います。
楽天市場に出店している方は、今後も楽天新春カンファレンスなどのイベントの際に、引き続き楽天GOLDの改変についての開発状況が報告されると思いますので注目していきたいですね。
今回の記事の内容が、楽天GOLDの刷新について調査されている方の参考になれば幸いです。