楽天EXPO2017の参加リポート|三木谷さんの講演全内容まとめ
【目次】
- 楽天EXPOとは
- 楽天EXPO2017の三木谷さん講演
- 楽天市場20周年
- これから5年間でおこる社会革命
- 2018年には自動運転が当たり前になる
- ビットコインの更なる成長
- FCバルセロナのスポンサード
- 世界の楽天会員数は11億人
- 世界の楽天流通総額は11兆円
- 国内楽天グループの流通総額は3兆円を突破
- ViberからRakutenViberへ
- 楽天のロゴを「Rakuten」に変更した理由
- Amazonと楽天の違い
- Jリーグともパートナー契約
- 【初公開】楽天出店者の月商状況について
- 楽天がFCバルセロナをスポンサードした理由
- インターネットの今後について
- 楽天と出店者の関係について
- 楽天スーパーポイントについて
- 楽天カードについて
- 楽天のECシェアについて
- 楽天のソーシャル状況について
- 楽天の新たな取り組みについて
- 楽天EXPO2017の参加リポートのまとめ
楽天EXPOとは
楽天EXPOとは、一年に一度、夏期に開催される楽天が開催する楽天出店者が集う会のことです。
楽天市場の上期の結果報告と、下期の戦略共有のために開催されています。
また、楽天出店店舗の店長、担当者同士の交流やつながりを図ることも目的のひとつで、楽天EXPOの終盤には懇親会も開かれています。
今後の店舗運営に役立つ様々なフォーラム、勉強会もあり、毎回著名なゲストを招いての講演もあるので非常に楽しみなイベントでもあります。
- 楽天EXPO2017のテーマは「Growth:成長」
- 楽天の上期の結果報告
- 楽天の下期の戦略共有
- 店舗同士のつながりを構築(大阪会場では約1900名が参加)
今回は、楽天EXPO2017の大阪会場、グランキューブ大阪でのEXPOについて参加リポートをまとめてみました。
楽天EXPO 2017の三木谷さん講演
楽天EXPOで最初に開演されたのが、楽天株式会社の会長兼社長である三木谷浩史さんの講演です。
年初に開催される新春カンファレンスでも三木谷さんの講演は必ず行われます。
主に楽天市場、楽天グループの現状と未来についてのお話が中心となります。
また、三木谷さんは日頃からシリコンバレーにもよく訪問されており、世界最先端のIT分野の現状などの
お話をしてくださることもあります。
今回は楽天EXPO2017の大阪会場での三木谷さんの講演について可能な限りメモをとってきましたので
三木谷さんの伝えたい楽天の未来像についてご紹介いたします。
楽天市場20周年
楽天市場は今年、開設から20周年となるそうです。今から20年前はインターネット通信も非常に遅い時代でした。スマホは登場しておらず、
携帯電話のメールや写メールなどが主流の時代でした。楽天の黎明期、最初の月の売上は32万円だったそうです。そのうち30万円は三木谷さんが自己買いだったとのことは有名な話です。
これから5年間でおこる社会革命
三木谷さん曰く、2017年から2022年までの5年間で、世界は大きく、加速的に変わるそうです。スマホが登場してからあらゆるデバイスが淘汰されたのはみなさんもご存じだと思います。
デジタルカメラ、ラジオ、ウォークマンなどの音楽専用デバイス、CDやレンタルビデオなどなど。現在ではAIやIoTなどが世界を変えてゆくと言われ注目されていますね。これから5年間で一体どんな世界が
やってくるのか楽しみです。
2018年には自動運転が当たり前になる
自動運転に関しては、年初の楽天新春カンファレンス2017でも三木谷さんは「すぐに現実となる」ということをおっしゃってましたね。
おそらくシリコンバレーで実用試験を見てきての感想なのだと思います。また近日中に自動運転の試乗もされるとのことでした。来年、日本でも自動運転が当たり前になるのでしょうか?
ビットコインの更なる成長
仮想通貨で最も注目されているのが「ビットコイン」ですね。私も今年の4月にビットコインの存在を知り、その時は、レートが1ビット=12万円程度でした。現状では1ビット=30万円を超えていますから
4月に無理してでもビットコインを購入していれば、2倍~3倍の価値になっていたわけです…。ビットコインはどこまでレートが上がるのかが注目ですね。
FCバルセロナのスポンサード
楽天の今年一番のニュースはやっぱり「FCバルセロナ」の公式スポンサーとなったことでしょう。楽天の世界戦略が、今回のバルセロナのスポンサードということでした。後程詳しくご紹介します。
世界の楽天会員数は11億人
楽天グローバル、いわゆる世界中の楽天会員は2017年8月の発表時点では11億人もいるそうです。世界人口が70億人ですから、7人に1人は楽天会員ということになりますよね。これもすごい数字だと思います。
世界の楽天流通総額は11兆円
楽天グループにおける、世界流通総額は11兆円を突破したとのことです。国内は3兆円を突破と発表がありましたので、国外では8兆円の規模となります。楽天はまだまだ成長を続ける見込みですから、どこまで流通額があがるのか、予測がつきませんね。
国内楽天グループの流通総額は3兆円を突破
国内の楽天グループの流通総額は、3兆円突破したそうです。3年くらい前に2兆円突破のことを三木谷さんが話されていたので、わずか3年程度で1兆円も規模が拡大したことになります。凄まじいスピードで拡大していますね。
ViberからRakutenViberへ
海外での利用者が多い、ViberというLINEのような通話アプリがあります。このViberを楽天が買収して、「RakutenViber」というブランドに変えたそうです。日本国内でも今後、楽天のRMSへのログインの際に、Viberによる認証が必要になるということも言われていました。
楽天のロゴを「Rakuten」に変更した理由
楽天が「楽●天」から「●Rakuten」にロゴを変更しました。金融庁の関係で楽天銀行などはそのまま漢字表記だということでした。楽天のロゴ変更についても後程詳しい理由をご説明します。
Amazonと楽天の違い
三木谷さんの中では、楽天とAmazonは、同じECショッピングモールでありながらも、全く異なるものであるという考え方だそうです。AmazonはどこまでいってもAmazonが販売していますが、楽天は、出店者の集合体であり、共に成長していくパートナー的な存在であるということでした。
Jリーグともパートナー契約
楽天は、国内サッカーリーグ、Jリーグも公式パートナー契約を結んでいるそうです。ユニフォームなどは全チームのユニフォームを楽天で公式に販売しているそうです。
【初公開】楽天出店者の月商状況について
今回の楽天EXPO2017では、これまで公開されていなかった、楽天市場出店者、上位店舗の月商状況が公開されました。
2017年6月の楽天市場の月商において、月商1億円以上のネットショップは159店舗もあるようです。6月といえば、ビッグイベントとしては父の日がありましたから、父の日ギフト関連の店舗さんもいくつかこの159店舗に含まれている事でしょう。
月商3000万円以上の店舗は、735店舗もあるそうです。こちらも3000万円~9999万円までと幅広いですが、楽天市場では、きちんと売れているネットショップもあるということが証明されました。
ちなみに当店は、2017年6月の楽天の売上は「1711万円」でしたから、2236店舗に含まれています。上にはまだまだ凄いレベルの店舗があります。
楽天がFCバルセロナをスポンサードした理由
楽天が世界最高峰のクラブチームである「FCバルセロナ」とパートナー契約を結んだという衝撃のニュースが年初にありました。
三木谷さんのお話では、楽天がFCバルセロナとパートナー契約を結んだ一番の理由は、「社会をより豊かにするため」だそうです。
具体的な理由としては、FCバルセロナという異次元のサッカークラブチームとパートナーとなることで、
楽天ブランドも世界最高峰のブランドに仕立て上げたいという思惑があるようです。
その第一歩として、楽天のロゴを「楽●天」から「●Rakuten」に変更したことがあります。
FCバルセロナのファンは世界で3億人いるといわれています。この3億人のファンが、Rakuten会員IDを所有することになるそうです。三木谷さんがこういう言葉を最後に残していました。「More than a company」。世界から認知される企業、企業を超えた存在となることが楽天がFCバルセロナをスポンサードした本当の目的のようです。
インターネットの今後について
三木谷さん曰く、インターネットのこれからについては、より「ブランド」を重視していくことが重要だということでした。
インターネットは、ブログやSNSなどの登場により、一般ユーザーからの情報発信も簡単に行える状況で、日々凄まじい数の情報、ページ、コンテンツが増え続けています。
情報の波、情報の渦の中で、いかに「ブランド」を確立できるかどうかが重要となるそうです。
楽天がブランドロゴを「Rakuten○○○」に統一したのも、そういったこれまでバラバラに機能していたコンテンツ、集合体を「Rakuten」の名のもとにひとつにすることでブランド力を高めることが目的のようです。
楽天と出店者の関係について
楽天市場と、楽天出店者の関係としては「ともに持続可能な成長へ」というスローガンをかかげているそうです。
楽天市場は、あくまでも出店者ありきの「場」ですから、いくら楽天が望んでも出店者の協力なしでは価値の高いサービスは成立しないわけです。
ただ、出店している立場から言えば、もう少し「場代」を安くしてもらえないかという希望がありますね。楽天出店者全員の希望かもしれませんが。
楽天スーパーポイントについて
楽天市場、楽天グループで流通している「楽天スーパーポイント」については非常に大きな変化、実績が発表されました。以下にまとめました。
- 楽天スーパーポイントはどんどん「通貨」に近づいている
- ポイントで囲い込むという戦略は古い
- ポイントを現金、通貨に近づけることで魅力を高める
- 現金に近づける=利用できる場所を増やす、どこでも利用できる
- 楽天スーパーポイントの累計利用が1兆ポイントを突破
- 年間で2000億ポイントを発行
- 楽天スーパーポイントは、2017年8月時点で66万店舗で利用可能
- 楽天スーパーポイントの利用される場所として、81%は楽天市場で使われている
楽天のポイントは、日本国内で最も人気の高いポイントという発表が今年ありました。
利用できる店舗も現状66万店舗、これからもっと増えていくでしょう。現状では、楽天ポイントは楽天市場での利用が81%ということでした。
三木谷さん曰く、楽天スーパーポイントはどんどん「通貨」に近づいているということでした。通貨、現金と変わらないように使えるということは、すなわち「なんにでも交換できる」ということになります。
楽天スーパーポイントのこれからは、利用シーン、獲得シーンともにまだまだ拡大していく事が予測されますね。
楽天カードについて
楽天カードは、今年、日本No.1の取扱い高となったそうです。クレジットカード界においても楽天はNo.1となりました。
楽天銀行という旧イーバンクを買収したことで、金融業界にも参入を果たしていた実績もあり、楽天はグループ企業としては、今の国内で最も影響力のあるカンパニーかもしれません。
ちなみに、2017年5月で、楽天カードは10年目の節目を迎えたそうです。やはり継続して事業を続けてきたことが、現在のNo.1取扱い高となったのでしょう。
楽天のECシェアについて
楽天のECシェア率についてですが、国内においては23.2%で、Amazonを抜いてこちらも第一位となりました。
国内の楽天会員数は9200万人を突破したそうです。アカウントのアクティブユーザーなどはもう少し低いと思われますが、それでも1億人目前となっています。
楽天内における、スマホとPCの流入割合としては、スマホからの流入が70%を超えてきているそうです。もはやPCファスト時代は終わり、スマホファスト、モバイルフレンドリーを優先しなくてはならない時代となりました。
楽天のソーシャル状況について
楽天市場のソーシャルアカウント状況について、こちらもLINE公式アカウントは、LINEアカウントのなかでも会員数No.1となりました。一番の理由は、お買い物パンダの「公式スタンプ」を無料で配布したことでしょうね。その他のSNSとして、Facebook、Twitterのフォロワー数は以下の通りです。
- LINE会員数は4000万人以上
- Facebookいいね数は800万人
- Twitterフォロワー数は110万人
楽天の新たな取り組みについて
楽天の新たな取り組みとしては、やはり昨今問題となっている「物流」の改善、支援があるようです。
日本郵便と協力して、全国の駅などに宅配ロッカーを設置しています。また、日本郵便と協力して、楽天出店者に楽天契約運賃での発送を可能にすることも秋からは実施される予定だそうです。
ヤマト運輸とAmazonの物流問題から、国内大手物流企業は、軒並み値上げを要求する事態となっています。当店も同じく運賃の値上げ要請をいただいているため、10月以降の商品売価を改める必要が出てきています。
物流革命的な問題解決を楽天が主導となって実施することは、国内インフラの改善にもつながることが期待されています。
楽天EXPO2017の参加リポートのまとめ
いかがでしたでしょうか。楽天基調講演である三木谷さんの全講演を私が内容をメモしたノートを元にご紹介いたしました。
楽天市場は、国内EC最大手にとどまらず、世界戦略も視野にいれてブランドを「Rakuten」に変えました。
FCバルセロナのスポンサードも、楽天世界戦略のひとつのきっかけだと思います。また楽天カードや楽天ポイントは日本国内のみならず今後は世界中に流通し、拡大を続けていきます。
あと2年もしないうちに、ビットコインなどの仮想通貨以上の価値が、楽天スーパーポイントには備わるかもしれません。いや、おそらく楽天ポイントは通貨と同等の扱いとなることでしょうね。
次回は、半年後に開催される楽天新春カンファレンス2018に参加して、またリポートしたいと思います。参考になれば幸いです。