ECのプロに聞きました~株式会社トゥエルブ 山根 保さん
楽天市場やAmazonなどのECモールに出店しているEC事業者の方から「売上があがらない」というお悩みを聞くことがあります。
今回、売れるネットショップの教科書の「ECのプロに聞きました」では、「ECのプロ」として多くのEC事業者を支援してきた株式会社トゥエルブの代表取締役 山根 保さんにトゥエルブのEC支援についてお話しを伺いました。
株式会社トゥエルブのサービスについて
早速ですが御社の主なサービスについて教えて下さい
弊社はEC総合支援企業なので、メインはショッピングモールの売り上げ拡大のためのお手伝い(コンサル、運用)を同時に請け負っています。また、独自ドメインも対応しており、合わせてインスタグラムの運用代行も2024年から始めてます。
最近多い依頼としては
・楽天市場やAmazonの売上拡大の相談
・独自ドメインのSEO対策
・インスタグラムの運用
・仕入れからのご相談
・BtoBの卸サイトの相談
・広告運用
などがありますね。
ありがとうございます。様々な支援を行われているのですね!
基本的に「ECの困ったを解決する企業」を目指してるんです。なので、なんでも対応してます。
楽天市場の支援内容について詳しく教えてください。
実は今、楽天市場がちょっと苦境に立たされてます。今まで不動の強さをほこっていたのですが、SPUのポイント付与上限の引き下げ、コロナ明けと。ほぼご相談に来るお客様全部がコロナ中にくらげて売り上げが下がっっているなのです。
そうなんですね。楽天市場は今年の6月に出店料を値上げしましたよね?退店を考えるクライアントも多いのではないですか?
多いですね!実は最近本当に多くて、「退店しようかどうしようか?最後一度だけ弊社みたいなサービスを使ってみようか?」の相談は本当に多いんです。
御社の存在が楽天市場からの脱退の最終壁になっている可能性はありますね。
弊社ではデータを紐解いて新規のお客様の獲得方法からお手伝いして、UIUX、LP、その他レビュー施策や楽天ROOMまで売り上げにつながる事はなんでもしてます。ただ、お客様の状況によって対応は全て変えてますね。
すごいですね!わりとECコンサル会社といえば、アドバイスやデータ分析はしてもそこまで全体的な支援はしてくれない会社が多いですよね?
そうなんです。これは僕の経験則からですが、この手間のかかる部分をしっかりやる事でお客様との信頼関係が築けると思っています。後発の企業なので、サービスでは負けられないですし、大企業がやらない事を率先してやってる感じですね。
素晴らしい考えですね。ECは対応範囲が多岐にわたる為、そのリソースは莫大かかりますから、手のまわらない細かい配慮が喜ばれるのでしょうね。
かくいう弊社もリソース莫大なんですが(笑)なんとか自動化やAIなんかも駆使して、やりくりしてます^^
Amazonの支援について
Amazonの支援対応については御社ではどのような対応をされていますか?
まず最初にNDA(機密保持契約)を結んだ後、セラーセントラル(Amazonの管理画面)に入らせていただくのですが、そこでまず問題点を見つけます。ちょっと箇条書きにしますね。
【商品相乗りでカートが取れない場合】
メーカー様の場合、卸もしていてその卸先がカート相乗りがあるのですが、その影響でカートが取れてないケースがあります。その場合、どうやればカートが取れルカを分析して、改善案を出し、弊社でそのまま作業をしてしまいます。
【配送対応に問題がある場合】
商品の発送自体が遅かったり、SEO対策ができていない、コンバージョン率が悪く売上が伸びない場合は、お客様のバックヤードまで入って改善案を出したり、FBAの対応の提案サポートをしたります。
【アクセスが獲得できない場合】
あとはシンプルにアクセスがないケース、商品説明のキーワードが適切でない場合も同様に提案し、許可を得てこちらで対応してます。
ありがとうございます。Amazonはカートが取れていなかったり、アクセスが取れないと売りにくい場所ですよね。
Amazonはキーワードが非常に重要なのでその部分の見直しから広告運用、バックヤードの配送まで全てできる事はお手伝いし、売り上げアップを目指しています。
SNSの支援について
御社はSNSの運用代行も行われているようですが、ISNSの運用のゴールって何でしょうか?
弊社の場合、インスタグラムの運用においてもそのゴールは「ECでの売り上げアップ」としてます。ご相談いただく場合、ほとんどがSNSの運用がうまく行ってません。
そうなんですか?具体的にどのような対応をされているんですか?
具体的には以下のような対応をとっています。
・プロフィールの書き方
・リール動画の役割と実際の動画編集から投稿
・ハイライトからのCVR動線の作り方
・その飛ばし先のECサイトのLPの受け方
・いいね、DMの対応
ゴールを明確に売上獲得に設定しているのはクライアントさんは嬉しいでしょうね。Instagramでの戦略として山根さんが効果が高いと思われるものは何がありますか?
そうですね、具体的にいくつかあげるなら「しっかりとしたジャンル認知」「CVR動線の徹底的なテスト」「リール動画で新規ユーザー獲得」などが効果的な対策ですね。その後、プレゼントキャンペーンを開催したりしてフォロワー様獲得とDMでやり取り。ユーザーとの距離を詰めていきます。
現在の楽天市場について
正直なところ、現状の「楽天市場」って売り場として山根さんはどう思われますか?
正直に言えば、既に売れている人気店以外は、出店継続メリット、新規出店メリットはないんじゃないでしょうか?
やはりそう思われますか。。私もまったく同じ意見なんです。
そうなんですね。ぶっちゃけもうプラットフォームに頼るものやめた方がいいかな?と思ってます。できたらEC業界全体で本気で海外狙いたいんですよね。
海外進出ですか!すごい!夢がありますね。具体的に何か売り場や国はありますか?
実は英語を自分で勉強して英語圏に、数年後支店を出そうとしてます。なんとかして、日本のものづくりをもっと世界に知ってもらいたくて。
素晴らしい夢ですね。是非実現させてください!
広告運用の支援について
御社は広告の運用代行支援はされていますか?
はい、もちろん広告運用の支援もやっています。具体的には以下の広告に対応しています。
・Google広告
・Yahoo広告
・dメニュー
・マイクロソフトユーザー広告(ネイティブオーシャン)
・META広告
・グノシー
・スマニュー
ほとんどの広告に対応されているのですね。特に御社が得意な広告はありますか?
一番得意な広告は検索系ですね。昔僕自身がアフィリエイターだったんです。毎日5記事くらい書いてて。その時の経験が結構生きてるなと。ただ最近はAIを活用しているので半自動化ですね。
EC業界もAIの波は避けては通れませんよね。。
トゥエルブの成功事例について
御社が携わった支援の中で、特に成功事例があれば教えてください。
弊社で最も成功した事例、まさに「会心の一撃」だったのが以下のケースです。
【支援前】
・楽天市場で契約当時月商2,300万。
・その時広告費が売り上げの15%
・仕入れの売り上げが8割、PBが2割
↓
【トゥエルブ支援後】
・月商1億
・広告比率5%
・仕入れの売り上げ下げて、PBとの比率が半々
・PB商品が楽天年間ランキング掲載
すばらしい成果ですね!この成功には具体的にどのような対応、支援を行われたのですか?
やってる事はそこまで大きな事はしませんでした。お客様がどこからきて、どのページを見て、何を買うか?元々月商が大きいECサイトでアクセスはかなりあったんです。あとはここにこの商品が欲しい人がいる!という溜まり場をサイト内に作って、徹底的に誘導ですね。
もしそれがわからなければ、このカテゴリーを探している人がこのページは絶対通るというのを作って、そこを第二のトップページとして、お客様を他の商品へ誘導してました。
あとは、このお店のブランド品質やこだわりなどは必ず全ページに入れてました。
やはりやるべきことをしっかり丁寧にやっていくことが大事なんですね。おっしゃられることはかなり時間も労力もかかる作業だと思いますし、こうした対応は他社の大手コンサル会社では行えない領域かもしれませんね。
そう言ってもらえると報われます。。。作業が夢にも出てくるほどなので(苦笑)
最低5万円からの支援プランについて
御社では「最低プラン5万円から」とありますがこのプランはどのような対応が受けられますか?
はい、これはまだ売り上げがないけど、なんとかしたいというEC運営者向けのプランですね。半分は保守的なプランなので、サイト問わず相談を受けて、いざという時はお助けで手も動かしますという感じです。あとは、会社に相談できる人がいなからか、、、相談に乗ってという要望も多いですね。
これは需要は多そうですね。社内にECやITに詳しい人材がいないというのは中小企業に多いようですし。こういった受け皿になっているのもクライアントさんからしたら安心につながりますね。
今、本当にECサイトの作業ができる方って、地方では少ないんですよ。ご相談に乗りながらクライアント様の事業プラン作ったりもしますし、その方の上司との間に入って説明を行うこともあります。
御社の存在がECにおける格差を埋める一助になっているのでしょうね。
御社にEC支援をお願いしたいと考えたクライアントさんがいた場合、どのような流れで御社に依頼すればいいでしょうか?
まずは1時間、ヒアリングの時間を頂戴してます。30分はヒアリング、のこり30分はこちらのご紹介、そしてもしお互いに条件が合えば、NDAを結ばせて頂き、先方の管理画面に入ります。そして数字を見てのKPI作成ですね。
さらにはもう一回その数字を元にMTGをやらせてもらい、問題点の定義です。
ありがとうございます。まずは現状についてヒアリングすることは鉄則ですよね。
山根さんが考える現在のEC業界のトレンドについて
山根さんは現在のEC市場、ECトレンドについて率直にどうお考えですか?
コロナ前、コロナ禍とは明確に違ってきてますね。各プラットフォームで売り上げを取る!ではなくて、しっかりと役割を決めて売りに行く時代ですね。さらにはそれすら抜けて、本当に海外に日本はもっと目を向けるべきだと思います。それだけいい商品を作ってる企業様が多いです。
最後になりますが、山根さんの今後のご活躍を心よりお祈りしております。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!