モール別攻略法「Amazon攻略法」とは、現役アマゾン店長がAmazon.co.jpでの売上アップ、アマゾンマーケットプレイスにおけるネット販売の攻略法を探し出すことを目的とした考察ブログである。
Amazon攻略法(2)Amazonで売上アップするための3つの方法
Amazon.co.jpの2017年の国内流通総額について
Amazon.co.jpは、日本国内のECサイト、インターネットショッピングモールとしては、楽天市場
と並び、最大規模のモールです。
Amazonでは正確な流通規模、流通総額の発表は行われていませんが、有力なデータでは、2017年のAmazonの日本国内の流通総額は、1兆3000億円以上の規模だと言われています。
Amazonは、その集客力においては、楽天市場を凌ぐアクセス数を誇っています。
また、公式な発表こそありませんが、Amazon.co.jpと楽天市場の流通規模は、以前は楽天市場の方が高い売上高を誇っていましたが、2017年度においては、楽天市場単体をAmazonが越えたという見解もあります。
アマゾンに出店するメリットとデメリットについての詳細は以下のページにまとめていますので、興味のある方は参考にしてください。
Amazonで売上アップするための3つの方法
Amazonで売上アップを目指す為に行う具体的な手法、方法について、現役出店者である店長がご紹介いたします。
(1)隙間商品を登録する
隙間商品とは、いわゆる「ニッチ商品」のような、市場規模のスキマを狙った商品という意味ではありません。
Amazonでネット販売する際に、最も競合となる出店者は、実は、モール本体である「Amazon.co.jp」なのです。
これは、Amazonに出店していて、主にメーカー型番商品、既製品を販売されている店舗さんなら、日常的に感じていることだと思いますが、Amazonがカートボックスを取得している商品に対して、販売価格で勝つ(=Amazonよりも安く販売する)ということは、至難の業なのです。
Amazonは、先日取引先メーカーへの協力金要求の問題で公正取引委員会から立ち入り検査が行われてニュースとなりました。
【参考】Amazonが取引先に協力金を要求!?アマゾン出店者はどうなるの?
協力金などの要求を行うあたりからも、商品を直接提供している取引先メーカーには、かなり安い供給原価を強いていたこともうかがえます。
しかも、物流契約を結んでいたヤマト運輸には、2017年上半期頃までは、商品一個あたり、300円以下という配送料で契約を行っていたというニュースもありました。
こうした、Amazonの非常に強大な力を利用した一種の「パワープレイ」ともいえる販売力が、ユーザー、消費者には確かにメリットとなって還元されていた事実はあります。
逆を言えば、出店者や商品提供を行っていた取引先メーカーからすれば、薄利設定の上、更に販売手数料も徴収され、結果的に手元に残る利益はほんのわずかということは日常的に行われているのです。
Amazonについての話が長くなりましたが、こうしたAmazon本体が出品している商品とまともに張り合えば消耗する一方ということをお伝えしたかったのです。
Amazonでうまく売上アップを狙うには、アマゾン本体が販売していない商品を狙って商品登録を行うことが重要だと思います。
(2)Amazonビジネスを活用する
Amazonが提供するサービスに「Amazonビジネス」という法人向け、BtoB取引の機能があります。
Amazonビジネス自体は、日本ではまだ歴史が浅いサービスですから、まだまだ先行者メリットが得られやすい環境にあると思います。
当店でも一部の商品限定ですが、アマゾンビジネスに出品していますが、反響はまだまだ僅かな感触しかないため、今後の伸び白を感じています。
アマゾンビジネスがどういったサービスで具体的なメリットやデメリットが何かという考察は以下のページにまとめていますのでこちらを参考にしてください。
(3)売れ筋商品を調査する
結局のところ、Amazonで売上を作っていくには、「売れる商品」「売れ筋商品」が何かということを調査し、その商品を人より安く仕入れ、カートボックスを獲得した状態で販売することが王道です。
Amazonで売れ筋商品を調査するには、Amazon.co.jp上で確認するなら、売れ筋ランキングを確認するのが手っ取り早い方法です。
ただし、この方法は、誰でも考え付く方法ですし、ランキングトップ3などの商品を安く仕入れるというのは、誰でもできることではありません。
では、より深い部分の情報、売れ筋商品を知る方法とはどのような方法があるのか?
これについては、(2)のAmazonビジネスを例に挙げると、アマゾンでは、出店店舗を対象とした、ある「メルマガ」が定期的に配信されています。
メール送信者は「Amazon出品サービス」という送信者が配信しているメルマガです。
具体的なメール件名の例としては「法人・個人事業主向け販売のポイント、教えます」といった件名などで届くメールです。
もし、アマゾンに出店している店舗さんであれば、メールボックス内で、上記の件名で検索をかけてみてください。
Amazon出品サービスからのメールが届いているはずです。
実は、この記事を書いているのは2018年3月26日なのですが、届いたメールの文面には以下のような記載がありました。
このたび、法人向けサービスAmazon Businessにおける出品おすすめリストの提供を開始しました。現在Amazon.co.jpで販売中の商品は、すべてAmazon Businessをご利用のお客様も購入可能です。どのような商品が法人に売れているのか、閲覧数の多い商品や売れ筋商品、ブランドなどがご覧いただけます。
Amazonでは、出店者に対して、定期的に販売促進につながるメルマガを送信しています。
そのメールのなかに「出品おすすめリスト」というリストのダウンロードURLが記載されているのですが、これが意外に便利なのです。
Amazonの機密事項に関わるため、一般公開することはできませんが、出品おすすめリストには以下の内容が掲載されています。
- (1)閲覧数の多い商品
- (2)売れ筋商品
- (3)売れ筋ブランドリスト
筆者もそうなのであまり大きな声では言えないのですが、Amazonに出品している店舗さんの多くは、こうしたAmazon出品サービスのメルマガをあまり熟読していない傾向があります。
楽天市場
でも楽天大学という出店店舗向けのハウツーコンテンツがありますが、こちらの動画の再生数を見ても、あまり活用されているという再生数に至っていないのです。
楽天市場出店者もAmazon出店者も共通して言えることは、店舗運営が忙しくて、勉強に時間をさけている店舗は本当にごく一部にすぎないということです。
Amazonなどのモール側が提供する情報は、一種の「ビッグデータ」の一部であり、実際の現場の生の数字です。
現場を知らないコンサルタントが予測する数字よりも、何千倍も信憑性の高い本物の数字です。
是非、Amazon出品サービスが配信しているメルマガを確認する癖をつけてみてください。
アマゾンの弱い点を狙い、出品商品を増やそう
アマゾンで高い売上を上げるには、まず敵は「アマゾン本体」であることを知る必要があります。
楽天市場に出店している店舗の敵、ライバルは、多店舗であり、楽天市場本体ではありません。
ヤフーショッピングなどの他のショッピングモールと比較しても、アマゾンは特殊なショッピングモールで、Amazonへ出店している他の競合店舗以外に、モール本体、売場を提供しているAmazonも出店者として存在しています。
既にご承知の通り、Amazonの企業力は強大で、一企業、一個人事業主が太刀打ちできるような資本力ではありません。
ただし、アマゾンには、弱点があります。
アマゾンが強いのは、既製品、メーカー型番商品であり、オリジナル系商材はほとんど取扱いがありません。
逆にアマゾンが推奨しているのは、こうしたオリジナル系商品を出品してくれる出店者の積極的な参加です。
Amazon.co.jpと競合しない商品をアマゾンで販売すれば、うまくカートボックスを獲得できれば、売上は楽天市場よりも高い売上を短期間で狙える可能性が十分にあります。
Amazonで売上アップする方法のまとめ
今回は販売戦略が非常に難しいと言われる「Amazon」で売上アップする方法として、3つの方法をご紹介いたしました。
アマゾンは、商品がうまくハマれば、恐ろしいほどに「売れるモール」であることは事実です。
筆者の知っている店舗さんで、ある特定の商品1点のみで、半年間で1億円以上の売上をあげた店舗さんの例を知っています。
それだけ販売力のある売場がAmazonという場所ですが、その反面、「売場の主」であるアマゾン自体も販売に参戦してくるような激しい価格競争が行われる戦場でもあります。
Amazonのネット販売の難易度は高いですが、この難しさをしっかりと研究して、「他の店舗が出品していない隙間商品」を自分自身で登録することができれば、先行メリットは受けやすいと思います。
アマゾンの攻略法は、まだまだ複雑怪奇ですから、今後もいろいろと店舗運営で実験して、みなさんにも情報を共有できればと思っております。
今回の記事の内容が、アマゾンに出品されている方の参考になれば幸いです。