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OperatorをECサイト運営に活用する方法はある

OpenAIの「Operator」をECサイト運営に活用する方法を考えてみた

OperatorをECサイト運営に活用する方法はある
OperatorをECサイト運営に活用する方法はある?

2025年2月21日、OpenAIが提供する 「Operator」が日本でも利用可能になりましたね。

OperatorはAIが Webブラウザを自動操作し、さまざまな作業を代行してくれる新しいサービス です。

例えば

  • レストランやホテルの予約を自動化
  • ネットショッピングで最安値を検索・購入
  • 最新ニュースや論文を調査・要約
  • スケジュール管理やタスク設定をサポート

など、今まで手動で行っていたウェブ上の作業をAIが代わりにやってくれるというものです。

現状では、ChatGPT Pro(月額200ドル)ユーザー向けに提供されていますが、今後他のプランでも利用できる可能性が高いです。

今後、ChatGPTのPlusやフリープランでもOperatorが利用できることを期待しながら、今回はOperatroをECサイト運営に活用する方法について考えてみたいと思います。

Operatorとは?

Operatorで何ができるか解説

Operatorは、OpenAIが開発した 「Computer-Using Agent(CUA)」 という技術を搭載した AIアシスタント です。

簡単に言えば「AIがWebブラウザを操作するエージェントサービス」です。

これまでのChatGPTは 「質問に答えるだけ」 でしたが、Operatorは 「実際にWebを操作して、作業をこなす」 ことができます。

具体的な例としては以下のような対応が可能です。

  • レストラン予約 → OpenTableで検索&予約手続き
  • ホテル予約 → Expediaで空室確認&予約
  • オンラインショッピング → Amazonや楽天で最安値を比較&購入
  • タスク管理 → Googleカレンダーに予定を追加

Operatorでできること、活用法については以下のページに詳しく解説しています。

OperatorをECサイト運営に活用する方法

OperatorをECサイト運営に活用する方法はある?

具体的にOperatorでECサイト運営に活用できる方法についてAIに相談してみました。

商品管理(リサーチ・登録・価格調整)

商品管理におけるEC運営について以下のような課題が考えられます。

  • 競合サイトの価格変動に対応できていない
  • 売れ筋商品をリアルタイムで把握できていない
  • 商品登録が手作業で負担が大きい

こうした課題に対して、Operatorを活用することで以下の改善が期待できます。

  • 競合サイトの価格リサーチ → 自動価格調整
  • 売れ筋商品のトレンド分析 → 商品仕入れ戦略の最適化
  • 新商品のデータを収集 → 自動で商品登録フォーマットを作成

具体的な業務フローの例として、「Amazonと楽天で価格を比較し、自動調整する」というケースを考えてみます。

  1. Operatorが競合サイト(Amazon、楽天、Yahoo!ショッピング)の価格を定期的に収集
  2. 収集データをGoogleスプレッドシートに整理し、価格変動の傾向を分析
  3. 一定のルール(例:「競合より5%安くする」「利益率○%を維持」)に基づき価格を自動変更
  4. 商品ページの価格を更新し、反映結果を報告

このケースでのOperator活用で期待できる効果は、価格調整のスピードアップ、競争力の向上、売上の最大化などです。

競合分析をリアルタイムに実施でき、さらに価格調整まで自動化できれば、タイミングを逸すことなく売れる状態を維持することができますね。

在庫管理の最適化(発注・在庫変動の追跡)

在庫管理におけるEC運営について以下のような課題が考えられます。

  • 売れ筋商品の在庫切れによる機会損失
  • 余剰在庫の発生によるキャッシュフロー悪化
  • 発注タイミングの判断ミス

こうした在庫管理の課題に対して、Operatorを活用することで以下の改善が期待できます。

  • 在庫データをリアルタイムで監視 → 発注アラートを自動通知
  • 需要予測(売上データを元に在庫消費スピードを分析) → 発注タイミングを最適化
  • 仕入先の在庫状況を定期チェック → 価格交渉のタイミングを判断

具体的な業務フローの例として、「売れ筋商品の在庫が少なくなったら自動で発注する」というケースを考えてみます。

  1. Operatorが各モール(楽天、Amazonなど)の在庫データを定期取得
  2. 販売データをもとに売れ行きを分析し、適正な在庫レベルを算出
  3. 閾値(例:「残り10個以下でアラート」「3日分の在庫を切る前に発注」)を設定
  4. 基準を下回ったら、サプライヤーに自動発注メールを送信

このケースでのOperator活用で期待できる効果は、在庫切れ防止、発注業務の効率化、キャッシュフローの最適化などです。

販売データによる年間の売れ行き予測を立て、常時モール内の在庫状況を監視しておくことで、在庫切れによる売り上げ損失リスクは避けられそうです。

ここに加えて、在庫連携システムとのOperatorの連携も果たせれば、常に在庫数を一定以上でキープし続けることもできそうですね。

カスタマー対応(問い合わせ・返品処理)

お問い合わせなどのカスタマー対応におけるEC運営について以下のような課題が考えられます。

  • 問い合わせ対応の負担が大きい(人手不足)
  • 返品・交換処理が遅れ、顧客満足度が低下
  • レビューのネガティブコメントに対処できていない

こうしたカスタマー対応の課題に対して、Operatorを活用することで以下の改善が期待できます。

  • FAQの自動生成(過去の問い合わせ内容を学習) → チャットボットの回答精度向上
  • 返品・交換リクエストを処理し、対応フローを自動化
  • レビューの監視(低評価レビューを検出し、迅速なフォロー対応)

具体的な業務フローの例として、「問い合わせメールの自動分類と返信を行う」というケースを考えてみます。

  1. Operatorが問い合わせメールを取得し、「注文関連」「返品」「商品情報」「クレーム」などに分類
  2. 事前に用意したテンプレートを元に、自動で適切な返信を作成
  3. 判断が必要な問い合わせのみ、人間にエスカレーション(効率的な対応)
  4. 顧客満足度を記録し、対応の改善点を分析

このケースでのOperator活用で期待できる効果は、カスタマー対応の負担軽減、迅速な対応で顧客満足度向上などです。お問い合わせ対応の自動化については、Operatorでなくとも、AIチャットボットの利用で解決できると思います。

参考までに、弊社が提供している「接客のプロAI」についてもお読みいただければ幸いです。
接客のプロAIは、これまでの「シナリオ型チャットボット」ではなくChatGPTなどのような「会話型チャットボット」です。ユーザーからの質問に即時対応することができるため、お問合せの85%以上を自動対応で解決することができます。接客のプロAIは、最初は無料でお試しいただき、実際に事業に役立つと判断されてからの契約でOKです。お問合せ対応を自動化したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

広告運用・マーケティングの最適化

広告運用やマーケティングなどにおけるEC運営について以下のような課題が考えられます。

  • 広告の費用対効果が不明瞭(予算配分が適当)
  • 売れ筋商品と広告施策のマッチングができていない
  • キャンペーンの効果測定に時間がかかる

こうした広告運用やマーケティングなどの課題に対して、Operatorを活用することで以下の改善が期待できます。

  • Google広告、Facebook広告のパフォーマンスを分析 → 最適な予算配分を提案
  • キャンペーンごとのCVR(コンバージョン率)を計測 → 効果が低い広告を自動停止
  • 売れ筋商品と広告費の相関を分析し、効果的な広告戦略を策定

具体的な業務フローの例として、「広告の費用対効果を分析し、最適化する」というケースを考えてみます。

  1. Operatorが広告のクリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、ROASを定期取得
  2. 低パフォーマンスの広告を自動で停止し、予算を効率的に配分
  3. 売れ行きの良い商品を分析し、新しい広告クリエイティブを提案

このケースでのOperator活用で期待できる効果は、広告費の最適化、売上向上、マーケティングROIの向上などです。広告運用はその代行専門の会社があるくらい、効果分析や広告費の最適化を行うには知識と経験、ノウハウが必要になります。

なんとなくターゲティングして、なんとなくのバナーを作成し、予算も上限だけ決めて広告を運用してしまうのが一番失敗するパターンです。

弊社のケースですが、エステを営まれているクライアント様のインスタ広告の運用において、月間10万円かかっていたものが、月額2万円で同じ効果を出せたとこがあります。つまり、広告費を8割削減できたということです。逆に言えば、同じ10万円を使えば、5倍以上の成果、コンバージョンが期待できるというわけです。広告運用はコストもかかる対応のため、プロに任せることが費用対効果が最も高くなると思います。

今後、Operatorが利用できれば、広告のプロでなくても効果的な広告運用ができる可能性は高いと思います。

物流・発送業務の効率化

発送業務におけるEC運営について以下のような課題が考えられます。

  • 発送業務の手続きが煩雑(伝票作成・ラベル印刷の負担)
  • 配送コストが最適化されていない
  • 注文ミスによる返品・クレーム対応が発生

こうした発送業務の課題に対して、Operatorを活用することで以下の改善が期待できます。

  • 最適な配送業者・配送プランを選定 → コスト削減
  • 発送リストを自動作成し、倉庫に送信 → 物流業務の効率化
  • 追跡番号を顧客に自動送信し、配送状況をリアルタイム通知

Operatorの活用により、発送作業の時間短縮、配送コストの最適化、誤発送の防止が期待できそうです。ただ、すでにある程度出荷数のあるEC事業者の方であれば、配送業者とは「法人契約」を結ばれているかと思います。直接の配送料減額は難しいかもしれませんが、追跡番号の自動入力や発送完了業務の自動化は可能だと思います。この作業だけでも一日数時間の短縮が図れると思います。

Operatorの課題・問題点

OperatorをECサイト運営に活用する方法はある?

ここまで、OperatorをEC業務に活用する方法についてお話してきました。

ただ、これらはまだ「対応が難しい」という事実があります。その理由は「ログインが必要なシステムには対応できない」からです。

なぜ、Operatorはログインが必要なサイトで利用できないのかは以下の通りです。

ログイン情報の入力ができない

  • OperatorはユーザーのID・パスワードを直接入力できないため、認証が必要なページにはアクセス不可。
  • 例えば、Amazonセラーセントラル、楽天RMS、Yahoo!ストアクリエイターProなどのEC管理画面には入れない。

CAPTCHA認証(画像認証・二段階認証)に対応できない

  • 多くのログインページでは、セキュリティ強化のためにCAPTCHA(画像認証)や二段階認証(SMS・アプリ認証)が必要。
  • Operatorはこれらの手動操作をユーザーに依頼する仕組みがなく、突破できない。

Cookieやセッション情報を保持できない

  • Webサイトは通常、ログイン状態をCookieやセッションで管理するが、Operatorはそれらを保持する機能がない。
  • そのため、ログイン後のページを開くことができない。

上記は少し、ウェブサイトの仕組みがかかわってくるため、難しい方もおられると思います。

要するに、Operatorは現時点では、楽天RMSやAmazonセラーセントラルなどログイン認証があるサイトには連携ができないんです。

ただ、どちらのシステムに関しても、商品データや注文データなどをCSVファイルで出力する機能はあります。

CSVファイルをGoogleスプレッドシートなどに保存してからであれば、Operatorでの作業は可能になります。

このあたりをうまく取りまとめて、簡単に扱えるシステムを開発する企業も出てくると思います。

いずれにせよ、そう遠くない未来には、Operatorを使いこなしてEC業務、特に時間のかかる作業は時短処理できるようになるでしょう。

まとめ

今回はOpenAIのOperatorについて、EC事業者の方に向けて「ECサイト運営にOperatorを活用する事例」をお伝えしました。

課題としては、各種連携システムとOperatorの間にあるID、パスワードの「壁」が一刻も早くなくなることでしょう。

Operatorはまだ発展途上という感じですが、AIの進歩は日を追うごとに新しい機能や仕組みがリリースされるため、今回問題となっている注意点なども早期にクリアになると思います。

現時点では、ChatGPT Pro(月額200ドル)ユーザー向けのリリースとなりますが、Plusやその他プランでも使える日はそう遠くないと思います。

EC事業者の方の業務改善につながる情報を今後も発信していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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