広告費を増やしているのに、思ったほど利益が残らない。
セールやクーポンを打てば売れるけれど、通常月の売上が安定しない。
初回購入者は増えているのに、2回目の購入につながっている実感がない。
ECサイトを運営していると、ある程度売上が伸びてきたタイミングで、このような悩みが出てくることがあります。
もちろん、新規集客は大切です。
広告、SEO、SNS、モール対策など、新しいお客様に来てもらうための施策は欠かせません。
ただ、売上が伸びてきたECサイトほど、次の成長を左右するのは「新規顧客を何人集めるか」だけではありません。
一度購入してくれたお客様に、もう一度買ってもらう仕組みがあるか。
初回購入後に、適切なタイミングでフォローできているか。
顧客ごとの興味や購入状況に合わせて、メールやLINEの内容を変えられているか。
ここが整っていないと、新規集客を増やしても売上が積み上がりにくくなります。
経済産業省の調査によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円、前年比5.1%増と拡大しています。EC化率も9.8%まで上昇しており、EC市場そのものは引き続き伸びています。
一方で、市場が伸びるということは、競合も増えるということです。
広告やセールだけに頼って売上を伸ばし続けるのは、だんだん難しくなっていきます。
そこで重要になるのが、CRMです。
今回の記事では、売上が伸びてきたEC事業者がCRMツールを検討すべき理由、メルマガ全配信の限界、CRMツールを選ぶときのポイントを解説します。
売上が伸びてきたECほど、新規集客だけでは限界が来る

ECサイトの売上は、ざっくり言えば次の要素で決まります。
広告やSEO、SNSは、主に「訪問者数」を増やすための施策です。
もちろん、ここを伸ばすことは大切です。
ただし、訪問者数ばかりを増やしても、購入後のお客様との関係づくりができていなければ、売上は安定しません。
たとえば、こんな状態です。
- 広告経由の初回購入は増えている
- でも、2回目購入につながる人が少ない
- セール時だけ売上が跳ねる
- 通常月になると売上が戻る
- 既存顧客に何を送ればいいか、毎回担当者の判断に頼っている
これは、商品が悪いという話ではありません。
集客が失敗しているとも限りません。
むしろ、購入後のフォローやリピート促進の仕組みが弱いことで、本来得られるはずの売上を取りこぼしている可能性があります。
新規集客は、いわば入口を広げる施策です。
一方でCRMは、入ってきてくれたお客様との関係を育て、2回目・3回目の購入につなげる施策です。
どちらか一方ではなく、両方が必要です。
見るべき指標は、CV(コンバージョン)数だけではありません

EC運営では、購入件数やCVRをよく見ます。
これはもちろん重要です。
ただ、売上がある程度伸びてきたら、次に見たいのは「購入後の動き」です。
特に確認したいのは、次の4つです。
F2転換率
F2転換率とは、初回購入者のうち、2回目購入に進んだ人の割合です。
初回購入者が増えていても、2回目につながっていなければ、毎回新しいお客様を集め続ける必要があります。
逆に、F2転換率が改善すると、同じ新規獲得数でも売上の積み上がり方が変わります。
たとえば、初回購入後に次のようなフォローができているかどうかで、2回目購入のきっかけは変わります。
- 商品到着後の使い方案内
- 購入商品に関連する商品の提案
- 消耗タイミングに合わせた再購入案内
- 初回購入者限定の次回購入オファー
- 購入カテゴリに合わせた読み物や活用方法の紹介
購入直後は、お客様との距離が近いタイミングです。
ここで何も接点を作らなければ、お客様の記憶からお店は少しずつ薄れていきます。
リピート率
リピート率は、一定期間内に再購入した顧客の割合です。
食品、コスメ、健康食品、アパレル、雑貨、スポーツ用品、BtoB商材など、商材によって理想の購入周期は異なります。
だからこそ、全員に同じタイミングで同じ案内を送るだけでは不十分です。
前回の購入日。
購入した商品。
購入回数。
よく買っているカテゴリ。
しばらく購入がない期間。
こうした情報をもとに、お客様ごとに接点を変えることが大切です。
LTV
LTVは、ひとりのお客様が長期的にもたらす売上や利益を表す指標です。
広告費をかけて獲得したお客様が、初回購入だけで終わるのか。
半年後、1年後も購入してくれるのか。
この違いは、EC事業の収益性に大きく影響します。
「今月何件売れたか」だけでなく、「買ってくれたお客様が、その後も買い続けているか」を見ることが重要です。
CRM経由売上
メール、LINE、SMSなどの配信から、どれだけ売上が発生しているかも確認したい指標です。
開封率やクリック率だけを見ていると、施策の良し悪しを判断しにくくなります。
最終的には、売上につながっているか。
F2転換やリピート購入に貢献しているか。
ここまで見ることで、CRM施策の改善がしやすくなります。
F2転換率が少し変わるだけで、売上インパクトは大きい

CRMの効果は、F2転換率で考えるとわかりやすくなります。
たとえば、月間の初回購入者が500人、平均客単価が8,000円、現在のF2転換率が20%だとします。
この場合、2回目購入に進む人は100人です。
もし、初回購入後のフォローや再購入促進によってF2転換率が25%になれば、2回目購入者は125人になります。
差分は25人。
客単価8,000円なら、月20万円の売上差です。
年間では240万円の差になります。
もちろん、これはあくまで仮の計算です。
実際の成果は、商材、粗利、購入周期、配信許諾数、既存施策、運用体制によって変わります。
ただ、すでに購入者データがあるECサイトにとって、F2転換率やリピート率の改善は、広告費を増やさずに売上を伸ばす重要な打ち手になります。
新規集客でお客様を連れてくる。
CRMで、そのお客様にもう一度買ってもらう。
この流れを作れるかどうかで、ECの売上効率は大きく変わります。
メルマガ全配信だけでは、リピート売上が伸びにくい理由

多くのECサイトでは、既存顧客向けの施策としてメルマガやLINE配信を行っています。
ただ、実際には次のような運用になっているケースも少なくありません。
- 全顧客に同じメルマガを送っている
- セールやクーポン情報が中心になっている
- 初回購入者と常連顧客を分けていない
- 休眠顧客向けの配信がない
- 購入商品やカテゴリに応じた出し分けができていない
- 配信後の売上貢献が見えにくい
- 配信作業が担当者の手作業に依存している
もちろん、全配信が悪いわけではありません。
全体に知らせたいキャンペーン、新商品、重要なお知らせには有効です。
ただし、すべての顧客に同じ内容を送り続けるだけでは、リピート売上の改善には限界があります。
・初回購入直後のお客様。
・3回以上購入している常連のお客様。
・半年以上購入がない休眠顧客。
・特定カテゴリだけ購入しているお客様。
・カートに商品を入れたまま離脱したお客様。
それぞれ、送るべき内容もタイミングも違います。
CRMで大切なのは、たくさん送ることではありません。
必要なお客様に、必要なタイミングで、必要な内容を届けることです。
ここができていない状態で配信数だけ増やしても、開封率やクリック率が下がるだけでなく、お客様に「また同じような案内か」と思われてしまう可能性もあります。
CRMツールを検討すべきECサイトのサイン

では、どのような状態になったらCRMツールを検討すべきなのでしょうか。
以下に3つ以上当てはまる場合は、CRMツールの導入や見直しを検討するタイミングです。
- 月商は伸びているが、広告費も同じように増えている
- 初回購入者数は追っているが、F2転換率は毎月見ていない
- リピート売上比率をすぐに答えられない
- メルマガやLINEが、ほぼ全配信になっている
- セールやクーポン以外の再購入施策が少ない
- 休眠顧客の定義があいまい
- 購入商品別に配信内容を変えられていない
- CRM施策ごとの売上貢献が見えない
- CRMツールは入れているが、担当者しか触れない
- やりたい施策はあるが、設定や分析が面倒で止まっている
売上がまだ小さい段階では、まず集客や商品ページ改善を優先した方がよい場合もあります。
しかし、すでに一定の購入者データがあり、初回購入後のフォローやリピート促進に課題があるなら、CRMは次の成長レバーになります。
特に、月商が伸びているのに利益が残りにくい、広告費依存が強くなっている、リピート売上が見えていないという場合は、早めに見直したいところです。
CRMツールを入れても成果が出ないケースもある
ここで一つ注意点があります。
CRMツールは、入れれば自動的に売上が上がる魔法の道具ではありません。
実際には、ツールを導入していても成果が出にくいケースがあります。
よくある理由は、次の3つです。
1. 施策設計をゼロから考える必要がある
高機能なCRMツールやMAツールでも、「誰に、いつ、何を送るか」を自社で設計しなければ動きません。
初回購入後は何日後に送るのか。
休眠顧客は何日購入がなければ対象にするのか。
どの商品を買った人に、どの商品を提案するのか。
この設計ができていないと、ツールを入れても結局全配信に戻ってしまいます。
2. セグメント作成やデータ加工に手間がかかる
CRMでは、顧客を分けることが重要です。
ただ、セグメントを作るたびにCSV加工や複雑な設定が必要だと、現場では続きません。
EC担当者は、商品登録、ページ更新、広告運用、在庫確認、問い合わせ対応など、日々やることが多いものです。
設定に時間がかかるツールは、最初は使えても、だんだん触られなくなります。
3. 効果測定が売上につながっていない
メールの開封率やクリック率は見ている。
でも、リピート売上やLTVにどう影響したのかは分からない。
この状態では、改善の判断が難しくなります。
CRM施策は、送って終わりではありません。
配信後に売上がどう変わったのかを見て、次の施策に活かすことが大切です。
CRMツールを選ぶときに見るべき5つのポイント

CRMツールは、多機能であればよいというものではありません。
EC運営の現場で大切なのは、使い続けられることです。
そして、売上改善につながる施策を無理なく回せることです。
選ぶときは、次の5つを確認しましょう。
1. EC向けのシナリオが用意されているか
CRM施策をゼロから設計するのは簡単ではありません。
初回購入後、カゴ落ち、休眠顧客、誕生日、関連商品提案、ランキング、新着商品案内など、ECで使いやすいシナリオが用意されているかを確認しましょう。
シナリオがあれば、施策開始までの時間を短くできます。
2. セグメントを簡単に作れるか
購入回数、最終購入日、購入カテゴリ、購入金額などで顧客を分けられるかは重要です。
ただし、設定が複雑すぎると続きません。
担当者が日常的に触れるレベルで、簡単にセグメントを作れるかを見ておきましょう。
3. メール・LINE・SMSなど複数チャネルに対応できるか
お客様との接点はメールだけではありません。
LINEの方が反応しやすいお客様もいれば、重要なお知らせはSMSの方が届きやすい場合もあります。
メール、LINE、SMSを組み合わせることで、顧客ごとに適した接点を作りやすくなります。
4. F2転換率・LTV・リピート売上を確認できるか
CRM施策は、配信して終わりではありません。
施策ごとに売上がどう変わったのか。
F2転換率やリピート売上に影響があったのか。
LTV改善につながっているのか。
ここまで確認できると、改善のPDCAを回しやすくなります。
5. サポート体制があるか
CRMは導入後の運用が大切です。
特に、CRM専任者がいないEC事業者にとっては、ツールの使いやすさだけでなく、導入後のサポートも重要です。
「設定して終わり」ではなく、施策を動かし、結果を見て、改善するところまで支援があるかを確認しましょう。
運用しやすいCRMツールの選択肢として「アクションリンク」[PR]

CRMツール選びで重要なのは、単に機能が多いことではありません。
ECの現場で成果につながる施策を、無理なく始められるか。
顧客ごとの出し分けを、複雑なデータ加工なしで実行できるか。
配信後に、リピート売上やLTVへの貢献を確認できるか。
この観点で検討したい選択肢の一つが、EC通販向けCRM・MAツールの「アクションリンク」です。
アクションリンクは、顧客一人ひとりへのメッセージ配信を自動化し、EC通販の顧客エンゲージメントとリピート売上の最大化を支援するCRMプラットフォームです。
特徴の一つが、EC向けの「鉄板シナリオ®」です。
閲覧関連商品、新着商品、ランキング、カゴ落ち、レコメンド、バースデー、ポイント明細など、ECで使いやすい施策が用意されているため、ゼロからCRM施策を考える負担を減らしやすくなります。
また、メール・LINE・SMSなど複数チャネルを組み合わせた配信にも対応しており、顧客ごとのタイミングや接点に合わせたアプローチをしやすい点も特徴です。
公開されている導入事例では、はちみつの製造・販売を行う「みつばちのーと」で、導入後4ヶ月程度でリピート売上が20%アップした事例が紹介されています。メール経由の購入頻度を高める施策を自動配信し、分析画面を改善のPDCAに活用できている点も掲載されています。
もちろん、どのECサイトでも同じ成果が出るわけではありません。
商材、顧客数、配信許諾数、購入周期、既存施策、運用体制によって結果は変わります。
ただ、次のような課題があるEC事業者にとっては、検討しやすいツールと言えます。
- メルマガ全配信から抜け出したい
- F2転換率を改善したい
- リピート売上を伸ばしたい
- 顧客ごとの配信を始めたい
- CRM施策をやりたいが、担当者の工数が足りない
- 既存のCRM/MAツールを使いこなせていない
- 施策ごとの売上貢献を見える化したい
CRMツールを選ぶときは、「何ができるか」だけでなく、「自社の現場で続けられるか」を見ることが大切です。
まずは、自社のCRM課題を確認してみましょう
売上が伸びてきたECサイトほど、顧客データは蓄積されています。
問題は、そのデータを売上改善に活かせているかどうかです。
・初回購入者に、2回目購入につながるフォローができているか。
・休眠顧客に、再購入のきっかけを作れているか。
・優良顧客に、継続購入やファン化につながる接点を作れているか。
・CRM施策ごとの売上貢献を確認できているか。
もし十分にできていないなら、まだ伸ばせる余地があります。
CRMツールは、単にメールやLINEを送るためのものではありません。
顧客の状態に合わせて接点を作り、F2転換率、リピート率、LTVの改善を目指すための仕組みです。
・新規集客だけに頼らず、既存顧客からの売上を伸ばしたい。
・メルマガ全配信から、顧客ごとの配信へ移行したい。
・CRM施策を始めたいが、何から着手すべきか分からない。
そのような場合は、まずCRMツールでどのような施策ができるのかを資料で確認してみるのがおすすめです。
まとめ:CRMは、売上が伸びてきたECの次の成長レバー
EC市場は拡大しています。
しかし、競合が増えるなかで、新規集客だけに頼った成長には限界があります。
すでに一定の売上があるECサイトほど、次に見るべきは次の指標です。
- F2転換率
- リピート率
- LTV
- CRM経由売上
- 休眠顧客の掘り起こし状況
メルマガ全配信や手作業のフォローだけでは、顧客ごとの最適なコミュニケーションを継続するのは難しくなります。
だからこそ、売上が伸びてきたECほど、CRMツールの活用が重要になります。
CRMは、単なる配信ツールではありません。
新規集客で獲得したお客様を、2回目・3回目の購入につなげ、長期的な売上を作るための仕組みです。
広告で新しいお客様を集める。
CRMで、そのお客様との関係を育てる。
この両輪が回り始めると、ECの売上はより安定しやすくなります。
リピート売上を伸ばしたい方は、まずは自社のF2転換率、リピート率、LTVを確認し、どのCRM施策から始めるべきか整理してみてください。