楽天市場でhttps化する方法の手順のまとめ
楽天市場に出店されている店舗であれば、「https化」の対応について
楽天市場からすでにメールや電話で、対応の依頼が来ていることと思います。
当店でも、楽天市場の担当者より、https化対応の進捗状況について
電話ヒアリングが先日行われました。
ウェブサイトに詳しい方なら今回の楽天市場の全店舗「https化」計画ともいえる
モール内全体の「常時SSL化」についての理由やメリット、デメリットを把握されているかと思います。
一般的にhttps化はおろか、HTMLやCSSも理解ができないといわれる
店舗オーナーやショップ担当者の方が多いのが実状かと思います。
今回は、楽天市場が推奨、義務付けているネットショップの
「https化」つまりは「常時SSL化」について、対応方法と
その理由、メリット・デメリットについて、楽天店長目線でまとめてみました。
そもそもhttpsって何?
httpsとは何か?これは、一言でいえば
ウェブサイトがセキュリティ化(暗号化)されているかどうか
という判別基準となります。
「https」って何?「http」と何が違うの?
一般の方なら、真っ先に思うのが、httpとhttpsの違いについてだと思います。
当サイト、売れるネットショップの教科書を例として
httpとhttpsについて簡単に説明してみます。
まずは、今見ていただいているサイトのアドレスバーを確認してみてください。
ブラウザによって、表示は若干異なりますが、以下のいずれかの表記になっているのではないでしょうか。
【インターネットエクスプローラーでの表示】
【Googleクロームでの表示】
ドメイン(サイトのURL)の部分について
https://urerunet.shop
となっているかと思います。
これは以前は、
http://urerunet.shop
で表示されていました。
なぜ、現在は「https://」で表示できているのかというと、
https=「SSL」をウェブサイトに「導入」したからです。
楽天市場における「https化」には費用は一切かかりません。
理由は、楽天市場が自分で「SSLを導入」したからです。
もちろん、SSLの導入には費用がかかります。
個人のウェブサイトや企業ウェブサイトが、
https化する場合も、SSLの導入が必要となります。
こちらももちろん、有料のサービスを利用する必要があります。
SSL化に関しては、無料での対応というのは
ドメインを管理している立場の場合、基本的には
有料での導入が必要となります。
楽天市場のドメインは
「http://www.rakuten.co.jp/」ですが、
各店舗に与えられるドメインは
「http://item.rakuten.co.jp/店舗URL/」です。
これは「サブドメイン」と呼ばれています。
各出店者は、このサブドメイン以下に、自分の
ネットショップが存在しているため、
SSLに対しての費用というのは、ドメインの持ち主である楽天市場に
支払いの必要性が生じているわけです。
出店者は、SSLの費用負担の必要はありませんが、
楽天市場の「https化」には協力、対応義務が生じています。
ではなぜ、楽天市場がSSL対応をしているのに、
ネットショップ運営者、出店者に、「https化」を求めるのか?
ということを次にご説明いたします。
楽天市場でhttps化が義務付けられる理由
https化することは、ウェブサイトのやりとりを暗号化することで
セキュリティの対策となることはお分かりいただけたと思います。
では、楽天出店者が「https化」を求められるのか?その理由について
説明していきたいと思います。
楽天市場が「SSL化」、httpsの対応を行ったのだから、
別に店舗側は、自動的にセキュリティ化されるのでは?
と思われるでしょう。
それで、正解です。
ただし、SSL化して、セキュリティが強化されたとしても、
ウェブサイト上のURL、画像リンクなどが「http:」の表示のままだと
Googleクロームなどのブラウザ上では、以下の表示が行われてしまいます。
これは、せっかく楽天市場が常時SSL化を行っても、
各店舗の商品ページや、利用ガイドページ内に「http」の表示が残っていると
「このサイトは完全に保護されていない」
という表示がなされてしまい、ユーザー(顧客)に不安を与える結果となってしまいます。
特に、楽天市場では、HTMLやCSSを利用して、
店舗デザインなどに独自性を追加している店舗であれば
「楽天GOLD」というサービスを利用されているケースがほとんどです。
この楽天GOLDは、「http://item.rakuten.co.jp」とは別のドメイン「rakuten.ne.jp/gold/店舗URL/」で運用されているため、
楽天GOLDのHTMLも「https化」する必要があります。
これについても、各出店者が自ら「http:」を「https:」に書き換える必要があります。
楽天市場において、出店者全員が協力して自分のネットショップ内の
「http」という表記を「https」に書き換えなければ、
楽天市場全体のセキュリティ対策にならないことが、
楽天市場が、https化を推進する一番の理由なのです。
https化しないとどうなるのか?
今回、楽天市場の公式なアナウンスでは、各出店者のHTTPS化の対応は
2017年6月末までに対応が必要
と言われています。
この記事を書いているのが2017年6月25日ですので、
残り、5日間で、すべての商品ページ、店舗ページの
「http」という文字列を「https」に書き換えなくてはならないわけです。
商品数が少ない出店者であれば、RMSからひとつひとつ書き換えれば
なんとか対応できるかもしれません。
商品数が100点以上になる店舗や、それこそ1000点~5万点以上ある
大規模ネットショップの場合は、とても一つ一つ書き換えを行うことは
不可能だと思います。
楽天市場の指定期限内にhttps化できなかった場合、
具体的にどうなるのかということについてですが、
単刀直入にいえば、
「これまで表示されていた画像が表示されなくなる」
というリスクがあります。
商品画像が表示されなくなると、その商品が売れなくなる可能性が高いです。
また、店舗ページに来店したお客様に「このページは安全ではないです」といった
ポップアップによる「警告文」が表示されるようになると言われています。
本当は良いネットショップなのに、https化しないがために
あらぬレッテルを貼られてしまっては店舗で購入してくれるお客様の激減にもつながりかねません。
楽天市場としては、出店者全員のhttps化が
一番の希望ですが、現実問題として、すべての店舗が
https化できるとは考えていないです。
そのため、https化できていない店舗に対して、
URLの変更に伴い、これまで「http」で表示できていた画像が
「https」とうURLに変わるため、表示されなくなってしまうことを
予め了承させることが目的でもあります。
また、一部のアナウンスではhttps化していない店舗の商品は
楽天のサーチ、検索窓からの検索時に、検索順位を落とすという
ニュアンスの発表もされています。
要するに、httpsにしない非協力店舗にたいしては
多少のペナルティを与えるよ、というメッセージですね。
ただ、https化できない店舗は必ずしも検索にヒットしなくなるかと
いえば、そんなことはないと思います。
あくまでも「早めにhttpsにしてね」でないと、
これから先には「https」にしない店舗は、
あまり面倒みませんよ。という程度の処置になると思います。
いずれにせよ、楽天市場に出店している店舗であれば
店舗内の「http」の表記を「https」にすることは
遅かれ早かれ対応しなくてはならないことになるでしょう。
楽天市場でhttps化するメリット
楽天市場において、商品ページや店舗ページ、カテゴリページなどの
http表記をhttps表記に書き換えるメリットとしては、
今後、検索結果などにおいて、多少の「優遇」が行われる可能性があることです。
GoogleやYahoo!でのキーワード検索でもすでに言われていますが、
https化していないウェブサイトは、今後は評価を落とすと公式に発表されています。
https化、常時SSL化は、ウェブサイトが「安全」であることの「証明」です。
Googleは、常々「ユーザーに有益な情報をもたらすこと」を
理念として検索アルゴリズムを改善しています。
安全でないウェブサイトは、ユーザーには「リスク」があります。
リスクのある情報よりも、しっかりと「安全対策」されている情報のほうが
ユーザーにとっては「有益である」という判断基準となります。
当然ながら、SSL化しないウェブサイトは、「安全性が証明できないサイト」
であると自ら発表しているといっても過言ではなくなってきます。
ユーザーが安心して買い物ができるという環境づくりも
楽天市場が目指している「クオリティ向上」につながるため、
https化の対応は、必ず行うようにしてください。
楽天市場でhttps化しないデメリット
楽天市場において、商品ページや店舗ページ、カテゴリページなどの
http表記をhttps表記に書き換えなかったデメリットとしては、
掲載している商品画像や商品説明画像が、表示されなくなることにあります。
基本的なことですが、商品画像のない商品は、まず「売れない商品」となります。
たとえば、お見合いする場合、相手の方の顔がわからない状態で
結婚することを決められるでしょうか?
ほとんどの方は、顔も知らない人と結婚なんて出来ないのではないでしょうか。
それと同じく、商品がどんな姿なのかが、目視できなければ
ユーザーは不審に思い、その商品がいくら安いと記載されていても
買い物かごにいれることはないでしょう。
せっかくこれまで売れていた看板商品も、https化できなければ
商品画像が非表示になってしまうため、売れない商品になってしまいます。
このデメリットだけでもhttps化は必須であるといえます。
楽天市場でhttps化する方法
では、具体的に自分のページをhttps化する方法について
いくつかの方法をご紹介いたします。
基本的には、費用がかかって手間がかからない方法か
費用はかからないが、手間のかかる方法のどちらかになります。
(1)一括変換ツール(itemRobot)を利用して、ボタン一つでhttps化を行う
楽天市場でCSVによる一括編集機能を利用している店舗であれば無料で使えるのが
itemRobotというサービスです。
当店でもこの方法で、店舗内のhttps化対応を実施しました。
詳細については、こちらのページに詳しく説明がありますので
参考にしてみてください。
itemRobotによるhttps化の対応時の注意点としては、楽天GOLDや、その他外部URLの
記載に対しては、URLの置き換え機能によっては、画像がリンク切れになってしまう可能性があります。
当店で実際に起こったことですが、当店では楽天市場に2店舗出店しているため、
一部の商品説明画像などは、楽天の1号店の画像を2号店でも共用していました。
itemRobotの書き換えだと、当然「2号店は2号店の店舗URLに置き換える」ため、
これまで直リンクで表示させていた楽天1号店の画像が表示されなくなってしまいました。
この点だけは、手動で修正する必要があるため、二度手間となってしまいました。
(2)CSVをダウンロードして、エディタで一括置換を行う
itemRobotを利用しなくても、CSVをダウンロードした上で、
テキストエディタやエクセル上で、httpをhttpsに書き換える方法があります。
こちらの場合の先に説明した、itemRobotでの変換時の画像のリンク切れ問題の
対策にもなります。
エクセルの例でいえば「http://」を「https://」に一括で書き換える方法です。
これなら、すべてのURL、画像のSRCもhttps化できますし、
作業としては、エクセルにすべておまかせで、ものの数秒で終わります。
置き換えたCSVファイルを再度インポートすればhttps化の対応完了となります。
(3)RMSより、一ページずつ手動でhttpsに書き換える
CSV一括編集機能を利用していない楽天出店店舗であれば
事実上この方法を実施するしかありません。
非常に時間と手間がかかるため、商品数によりますが、
おそらく本日から着手したとしても
6月中にすべてのページのhttps化を終えることは難しいかもしれません。
ブラウザ上で「cntr+F」のキーボードショートカットを実施すれば、
ブラウザ上の特定文字列を検索することができます。
「http:」を検索して、見つかった場所は「https:」へと書き換えていきましょう。
https化が必要な項目のまとめ
楽天市場のページ内でhttpをhttpsに書き換える必要がある場所についてまとめました。PC用商品ページ、スマホ用ページそれぞれに対応が必要です。
基本的にはHTMLの記載が許されている箇所と、画像URLなどの項目が対象となります。
(1)商品ページ
- PC用商品説明文
- スマートフォン用商品説明文
- PC用販売説明文
- 商品画像URL
(2)PCデザイン設定
- 看板
- ヘッダー・フッター・レフトナビ
- ナビボタン
- 共通説明文(大)
- 共通説明文(小)
(3)スマートフォンデザイン設定
- トップページ
- 共通バナー
- 商品ページ共通パーツ
- カテゴリページ共通パーツ
(4)カテゴリページ
- メイン画像
- カテゴリ説明文上
- カテゴリ説明文下
- スマートフォン用カテゴリ説明文
楽天GOLD内のファイル全て
- HTMLファイル
- CSSファイル
- Javascriptファイル
- その他GOLDにて利用していて、httpの記載のあるファイル
楽天でhttps化する方法のまとめ
楽天市場でのhttps化は、楽天出店者であれば
RMSの表示ではほぼ毎日のように目にするかと思います。
https化は商品点数が多ければ多いほど大変です。
ただ、商品点数が多い店舗であれば、多くはCSVによる一括編集機能を
月額1万円支払って対応しているはずです。
現在、楽天市場とitemRobotは、業務提携状態にあり、
CSV一括編集機能を利用している店舗には
「楽天特別プラン」として「無料」で利用することができます。
ぜひ、この機能を利用して、残り5日以内となりますが
https化の対応を進めていってください。
参考になれば幸いです。