ショップサーブ出店の評判とメリット・デメリットを徹底考察
ショップサーブ(Eストアー)でECサイトを構築する際のメリット・デメリットから、各機能についてまで現役ネットショップ店長が考察いたします。
ショップサーブはEC業界でも長いサービス提供実績があり、2017年3月末時点で、流通総額1兆円を突破した売れているショッピングカートサービスでもあります。
ショップサーブでネットショップ出店を検討されている方の参考になれば幸いです。
ショップサーブとは
ショップサーブ
とは、株式会社Eストアーが運営するネットショップ構築サービスのことです。
ショップサーブという名称の前は「Eストアー」という名称でサービスを提供していました。
1999年に会社設立されてから、2018年で、約19年の実績があり、これはEC業界でも非常に長いサービス提供歴となります。
ショップサーブの導入店舗数は、2017年3月末で、11,590店舗と発表されています。
また、ショップサーブ導入店舗の流通総額は、2017年3月末の時点でおよそ1兆円と発表されています。
ショップサーブの特長としては、長いサービス提供の実績もあり、売れているネットショップの事例もいくつも紹介されています。
また、ECカートサービスでは珍しく、オールインワン対応を売りにしているサービスでもあります。
ショップサーブに出店すれば、広告代行やSEO対策の代行、商品露出からページ制作代行など、有償にはなりますが、様々なサービス連携があります。
ショップサーブの主なニーズとしては、個人ユーザーよりも法人、ビジネスユーザーに人気のあるサービスです。
今回は、現役ネットショップ店長が、ショップサーブ出店のメリット・デメリット、出店費用についてを徹底考察してみます。
ショップサーブのメリット
ショップサーブでネットショップを出店するメリットをご紹介いたします。
ECサイト構築実績が長い
ショップサーブ
という名称でのサービス提供は、2006年1月から行われています。
2006年時のショップサーブの謳い文句としては「独自ドメインウェブショップ総合支援サービス」でした。
EC業界としては、2018年時点で、12年以上の実績がありますから、非常に古株のサービスとなります。
サービス提供実績が長いということは、ある程度経営が安定していることの証でもあります。
IT系サービスで一番困るのが、「サービスが途中で終了してしまう」というリスクです。
特に技術革新やデバイスの変化で、数年間使ってきたサービスが突如サービス終了(会社が倒産など)となるケースは本当に多いです。
運営会社のEストアーは創業からでは、約20年弱となる企業ですから、今後まだ成長が期待されるEC市場においては、サービス終了となるリスクは低いと思います。
ECサイト運営に必要な機能が揃っている
ショップサーブは、オールインワンECカートサービスと言われるだけあり、ECサイト運営に関する必要な機能のほとんどが網羅されています。
特にショップサーブならではの強みが、商品ジャンル別におすすめの機能を提供している点です。
例えば、「アパレル・アクセサリーのネット販売のオススメ機能」の場合は以下のような機能をおすすめ機能として提案してくれています。
「複数商品画像登録」機能では「1商品につき10枚の画像が掲載可能」です。
アパレルジャンルの商品では、商品画像の多さ、アングル違いや着用写真などの有無が転換率アップに非常に重要となります。
「SNS連携ボタン」機能では、Facebook、Twitterの「いいね」ボタンを簡単に設置できるため、商品ページの拡散が期待できます。
こうした商品ジャンル毎におすすめの機能があり、また、共通で利用できるECサイト運営機能も非常に豊富な機能が揃っていると思います。
サポート体制が充実している
ショップサーブにネットショップを出店する方の多くが、決めてとしているのが「サポート体制が充実している」という点です。
簡単にECサイトが構築できるBASE (ベイス)
も、ネットショップ開設サービスとしては無料でショップ構築ができるので人気が高いですが、サポート面ではやはり弱いというデメリットがあります。
ネットショップの運営は、日々改善と検証の繰り返しを実施し、新規顧客をリピーターへと成長させる活動の積み重ねが最も王道と言える売上アップ施策です。
地味で時間のかかる店舗運営を1年以上継続してやっと、売上が見込めるようなビジネスモデルです。
多くのネットショップ出店者が、BASEなどで簡単にECサイトをつくり、結局売れない経験だけして、ネットショップ運営をやめるという状況に陥っています。
売れているネットショップというのは、楽天市場
にせよショップサーブにせよ、結果的には一握りの店舗にすぎません。
いかにその「一握りの売れているネットショップ」の中に入ることができるかが重要であり、簡単にはいかない険しく長い店舗運営活動が必要となります。
そんな長い店舗運営をひとりで続けていくことほど心細いことはありません。
ショップサーブは、電話による相談、メールによる相談も受け付けてくれますし、24時間体制でオンラインサポートを受けることも可能です。
また、初めてネットショップを開設する方には、ガイドブックも用意してくれています。
手厚いサポート体制が20年間続いてきたという実績こそ、ショップサーブにビジネスユースで出店するユーザーが多い理由だと思います。
定期的にセミナーなどの勉強会がある
ECサイト構築サービスで、こちらも人気の高いMakeShop
でも、不定期ながら勉強会、EC関連セミナーを開催しています。
ショップサーブは、Makeshopと比較しても、こういった定期セミナー、勉強会への取り組みが全国展開で行われています。
また遠方でセミナーに参加することが難しいユーザーには「オンライセミナー」も開催されています。
オンラインセミナーでは主に「ショップサーブの出店と活用セミナー」が中心に開催されていますが、ほとんどのセミナーが開催直前には満員となっているのを目にします。
ECサイトの運営は一人店長などの状況では、店舗運営に関する最新情報やノウハウが時間的に得にくいという状況にあると思います。
こうした定期的なインプットの場を与えてくれるショップサーブは、出店者にとって、「現場の今」を知ることができる非常にありがたい機会です。
ショップサーブのデメリット
では、ショップサーブに出店する場合のデメリットについても考察してみたいと思います。
出店に関する費用が安くない
ショップサーブの出店におけるデメリットとしては、出店に関する固定費が決して安くはないという点です。
ショップサーブの出店プランで最も人気のプランが「スタンダードモバとくパック」というプランです。
「スタンダードモバとくパック」で出店した場合、月額利用料が11,200円(税抜)必要となります。
「スタンダードモバとくパック」で登録できる商品数は1000商品までですので、商品数の多い店舗の方は、コーポレートプランなどを検討する必要があります。
自社ECサイトのため、販売手数料自体はかかりませんが、注文処理手数料として、34円(税抜)が受注1件ごとにかかります。
また、オプション機能などで有償のサービスを使えば、月額の固定費はさらに高くなりますので、ショップサーブでのネットショップ出店は、低コスト運用というわけにはいかない傾向にあります。
集客面は自力で行う必要がある
これは、ショップサーブに限ったことではなく、自社ECサイト、ショッピングカートサービス利用のネットショップには共通した問題点です。
ただし、ショップサーブの場合、集客のためのオプション機能が用意されています。
中でも自社ECサイトへの集客で最近注目されている「Googleショッピング」への出品がショップサーブのシステムから有償ですが対応することが可能です。
ショップサーブでは、登録された商品情報をGoogleショッピング用に自動変換し、毎日送信する機能が用意されています。
また、リターゲティング広告で人気のあるCriteo(クリテオ)にも商品広告を出稿できる機能があります。
集客施策は、どの自社ECサイトであってもコストのかかる運用が必要ですから、予め人気どころの広告システムと連携がとれている点ではメリットと言えるかもしれません。
商品数が多い店舗の場合は割高になる
ショップサーブの最大のデメリットになるのが、商品点数によるプラン選択が必要であるという点です。
ネットショップ、総合販売系のショップであれば、商品点数が多ければ多いほど、アクセス数が増え、売上があがるという売上の公式があります。
総合販売系のネットショップの場合、出品商品点数が5万点までで月額利用料が35,500円(税抜)必要となります。年額にすると、42万円以上ですから、かなりの固定費となります。
商品数が15万点までで、月額98,000円(税抜)ですから、年額で117万円以上となります。
自社ECサイトでここまで固定費がかかるなら、楽天市場
のメガショッププランに出店したほうが、商品点数を活かした売上獲得を狙いやすいかもしれませんね。
ショップサーブの主な機能について
ショップサーブ
で利用できる主な機能をご紹介いたします。
ショップサーブでは、ネットショップの運営目的別に機能が用意されています。
- 制作
- 決済
- 集客・マーケティング
- 運営・管理
- 受注
- 集客する
- 会員・ポイント機能
- 売上アップ
- 分析する
- 運営効率化
- セキュリティ
- 送料設定
- ショッピングカート
- 制作オプション
- 集客オプション
- 外部連携ツール
ネットショップの運営機能としては本当に充実しています。
代表的な機能をいくつかご紹介したいと思います。
制作に関する機能
制作に関する機能としては、デザインテンプレートやデザインカスタマイズなど、ショップデザインに関する基本機能はもちろん、バリエーション機能なども用意されています。
注目すべきは、WordPress(ワードプレス) オプションサービスで、月額1000円が必要ですが、同じドメイン下でブログサイトを構築することができます。
コンテンツマーケティングなどをネットショップと連携させることができるのはSEO対策でも有効だと思います。
また「BtoB、卸売、会員制サイト構築機能」を使えば、会員制ネットショップ、卸売サービスサイトの構築も可能です。
制作と言えど、幅広い機能が備わっています。
決済に関する機能
ショップサーブでは、決済に関するバリエーションも非常に豊富です。
クレジットカード決済は必須ですから、当然対応していますが、後払い決済、AmazonPayや楽天Pay、Yahooウォレット決済などにも対応しています。
一番驚いたのは、ビットコイン決済、つまり仮想通貨決済にも対応しているという点です。
しかも、ビットコイン決済を利用するのに、費用は一切かからないうえ、手数料もかかりません。
将来的なインフラとなるかもしれない仮想通貨決済に対応しているのは、魅力があると言えます。
集客・マーケティングに関する機能
集客・マーケティングに関する機能は、一覧で見ていただければその充実度が良くわかるかと思います。
E ストアーリピート(定期購入)E ストアーリピート(定期購入・頒布会)などは、別途費用が必要ですが、定期購入も需要の高まっているサービスですから対応しているだけでもメリットと言えそうです。
マーケティング関連機能は、ほとんど網羅されている印象を受けました。
アンケート機能などは、他のショッピングカートでは見かけないため面白い機能ですね。
有償のオプション機能などもありますが、どれも単体で人気のある広告サービスばかりですから、ショップサーブと提携しているサービスは、集客対策に十分使えそうです。
ウェブ接客ツールも複数の企業のサービスから選択できますし、人気のあるecコンシェルも候補にありました。
ショップサーブは総合的なネットショップ運営がガッツリサポート、セレクトされているサービスですね。
ショップサーブの出店費用と手数料
ショップサーブが提供する出店プランについて、2018年3月時点での価格表をご紹介します。
ショップサーブで一番人気の出店プランは「スタンダードモバとくパック」というプランです。
月額11,200円(税込12,096円)で出店が可能で、商品登録数は1000商品まで、登録顧客数は1万件まで可能です。
登録顧客数については、月額1万円を支払えば、無制限に変更できるそうですが、ここは加算性にしてほしくないポイントですね。
登録顧客数で課金するカートサービスはあまりないですが、顧客データを管理するという意味ではデータベース領域を利用するため、課金もしかたないかもしれません。
自社ECサイトの種類になるため、ロイヤリティ(販売手数料)自体はかかりませんが、注文処理手数料が1件あたり34円(税抜)かかります。
メルマガの配信数は、全プラン共通で月間5万通という制限があります。
ショップサーブで出店プランを選ぶ要素は、「商品登録数」が中心となりそうですね。
ショップサーブ出店のまとめ
今回はショップサーブでネットショップの出店を検討されている方に向けてショップサーブのメリット・デメリットなどをご紹介いたしました。
ショップサーブ
は、創業から約20年間のサービス実績があり、ネットショップ運営に関するノウハウを反映させたサービスだと思います。
機能面をみても、非常に幅広い機能を備えていることがわかりますし、有料でのオプションにはなりますが、人気の販促サービスを利用することができます。
ショップサーブは、個人の方には少しコスト面で敷居が高いと思います。
個人の方であれば、BASE (ベイス)
などの簡単ECサービスから利用してみるのが最もおすすめです。
ショップサーブでのネットショップに向いている方は、ビジネスユースで、サポートを常に受けながらネットショップを成長させたいという方が向いていると思います。
ある程度の運用コストは必要なサービスですが、サービス内容から見ても、決して割高という感じではないように思います。
ただし、商品点数が数十万点など、非常に大規模なネットショップの場合は、コスト面が最大化されてしまうので、ショップサーブだと割高になる可能性はあります。
今回の内容が、ショップサーブでネットショップ出店を検討されている方の参考になれば幸いです。